JPH0724484Y2 - 壁構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、天井高さを大とした家
屋の外壁を形成しうる壁パネルと天井材との間の室内壁
の仕上げ施工を可能とした壁構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、壁、床、屋根などをパネルを用い
て形成するいわゆるパネル工法の家屋が普及している。
このような家屋の外壁も、図５に示すように、枠材ａ…
を矩形に接合した枠組の内外に内装板ｂ、外装板ｃを夫
々添設してなる一体可搬の壁パネルｐを、例えば布基礎
ｆ上にボルト止めされた支持金具ｄの立上げ片ｄ１に下
端を支持させ、かつ前記布基礎ｆ上方で水平に配される
梁材ｈに取付金具ｅを用いて上端を固定させることによ
り形成される。

【０００３】又前記壁パネルｐの上端には、従来、天井
板ｇを下面に添設した天井パネルｐｃの端部が載置、固
定され、壁パネルｐの前記内装板ｂと天井板ｇとにより
屋内の仕上げ施工が行われていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】一方、居住性の向上の
他、室内の見映えを高めるために天井高さを大とした家
屋が要望されている。このような家屋にあっては、前記
天井パネルｐｃが壁パネルｐの上方に間隙を隔てて配置
されることになるため、この間隙を仕上げる新規な構造
のものの出現が強く望まれていた。

【０００５】本考案は、壁パネルと天井材との間を、継
ぎ材に固定した下地材に取付く下地板と仕上げ板とによ
って覆うことを基本として、天井高さを大とした家屋の
室内仕上げを可能としうる壁構造の提供を目的としてい
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本考案の壁構造は、壁パネルと、その上方かつ壁パネ
ルと平行に配される梁材の下端近傍の高さに設けた水平
な天井材との間を、梁材下面に固定される上固定片と、
下固定片とを垂直片の上下に有しかつ下固定片の下面か
つ屋外側に向く位置に配した連結金具により壁パネル上
端を固定する継ぎ材の前記垂直片の屋内に向く面、およ
び前記下固定片の下面かつ屋内側に向く位置に固定した
下地材により、前記天井材と、壁パネル上端とを跨がる
下地板、および下地板の屋内面に取付く仕上げ板によっ
て覆う。

【０００７】

【作用】壁パネルと天井材との間を、梁材下面に固定さ
れかつ壁パネル上端を連結金具を介して固定する継ぎ材
の垂直片の屋内に向く面、および下固定片の下面に固定
した下地材に取付く下地板、および仕上げ板によって覆
い、これにより室内壁面を仕上げる。このように天井材
を壁パネルの上方に設けることによって天井高さを大と
した家屋にあってもその室内壁面を便宜に仕上げ施工で
き、室内の見映えを高めうるとともに、居住性の向上に
も役立つ。

【０００８】

【実施例】以下本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。図１〜３において本考案の壁構造は、壁パネルＰ
と、その上方かつ壁パネルＰと平行に配される梁材２の
下端近傍の高さに設けた水平な天井板３との間を、梁材
２下面に固定される上固定片４と、下固定片５とを垂直
片６の上下に有した継ぎ材７の前記垂直片６の屋内に向
く面、および前記下固定片５の下面に夫々固定した下地
材９、１０により、前記天井材３と、壁パネルＰ上端と
を跨がる下地板１１、および下地板１１の屋内面に取付
く仕上げ板１２によって覆う。

【０００９】壁パネルＰは、図２に示すように、木質か
つ水平な上枠材２０と下枠材２１との両端を垂直な縦枠
材２２、２２により継ぎかつ前記上枠材２０、下枠材２
１間に例えば５本の垂直な中枠材２３…を架け渡した矩
形の枠組を具えるとともに、該枠組の内外には面材２
４、２５が添設され、一体可搬のパネル体を形成してい
る。なお上枠材２０、下枠材２１には、壁パネルＰの上
下端を支持する連結金具１３、土台金具２６取付用の孔
部２７…が設けられるとともに、枠組内部かつ面材２
４、２５の間には断熱材２９が充填されている。又上枠
材２０下面、および下枠材２１上面には面材２４、２５
の添着に先立ち前記孔部２７…にネジ溝を位置合わせて
ナット３０…が上、下枠材２０、２１に釘着されるプレ
ート３１…に溶着されることにより取付けられる。

【００１０】壁パネルＰは、本実施例では土台金具２６
により布基礎Ｆ上でその下端が支持させる。土台金具２
６は、図１、図３に示すように、前記下枠材２１に設け
た孔部２７を通りかつ前記ナット３０に螺着するボルト
により該下枠材２１下面に固定される水平な上片３２
と、該上片３２の外端から立下がる垂直な立下げ片３３
とを有する土台取付金物３４、および前記布基礎Ｆに植
設されたアンカーボルト３５…を用いて布基礎Ｆ上に固
着しうる長尺な底片３６と、該底片３６の略中央から立
上がる立上げ片３７とを有する断面逆Ｔ字状の土台金物
３９からなる。

【００１１】前記土台取付金物３４は、壁パネルＰの下
枠材２１に間隔を有して複数取付けられるとともに、前
記立下げ片３３の垂直方向にのびる長孔３３ａと、前記
土台金物３９の立上げ片３７に設けられた水平方向の長
孔３７ａとを通るボルトにより、該土台金物３９に位置
調整可能に取付けられ、これにより壁パネルＰ下端を支
持する。

【００１２】又壁パネルＰの上端は、前記連結金具１
３、継ぎ片７を介して壁パネルＰの上方かつ壁パネルＰ
と平行に配される梁材２に固定される。

【００１３】梁材２は、本実施例では溝形鋼からなりか
つ溝部を向き合わせて上下に配される上弦材４１、下弦
材４２を帯板により継いだラチス梁であって、その両端
を前記布基礎Ｆ上に立設された柱（図示せず）にボルト
止めすることにより該柱間に水平に架け渡される。

【００１４】又前記継ぎ材７は、前記梁材２の下弦材４
２下面にボルト止めされる上固定片４と、該上固定片４
の略中央から垂下する垂直片６と、この垂直片６の下端
に設けられる水平な下固定片５とからなる断面Ｉ字状の
形鋼材であって、前記下固定片５の下面かつ屋外側に向
く位置に配した連結金具１３により前記壁パネルＰ上端
を固定する。

【００１５】連結金具１３は、壁パネルＰの前記上枠材
２０に設けた孔部２７を通りかつ前記ナット３０に螺着
するボルトにより該上枠材２０上面外方に固定される取
付片４４と、該取付片４４外端から立上がる立上げ片４
５とからなるＬ字状の下金物４６、および下金物４６の
前記立上げ片４５にボルト止めされる垂片４７と、該垂
片４７の上端から内方にのびかつ前記下固定片５にボル
ト止めされる固定片４９とからなる上金物５０を具え
る。

【００１６】このような連結金具１３は、上枠材２０上
に間隔を隔てて複数取付けられ壁パネルＰの上端を継ぎ
材７に強固に固定する。

【００１７】さらに前記継ぎ材７の垂直片６の屋内に向
く面、および下固定片５の下面かつ屋内側に向く位置に
は、断面矩形の木質材からなる長尺な下地材９、１０が
夫々ドリルビスなどの固着具を用いて固定される。なお
該固定により下地材９、１０の屋内に向く面は壁パネル
Ｐの前記上枠材２０の内面と面一となるとともに、下地
材１０の下面は上枠材２０上面に当接する。又前記継ぎ
材７の上固定片４、下固定片５の屋内に向く内縁は、下
地材９、１０の屋内に向く面と面一、もしくはやや外方
に位置する。

【００１８】前記下地材９、１０の屋内に向く面には、
下端を壁パネルＰの内の面材２４上端に当接させて横長
矩形板状の例えば合板からなる下地板１１が釘片などに
より取付けられる。なお下地板１１は、前記面材２４と
同厚としている。

【００１９】又本実施例では、前記下地板１１の上端は
前記下地材９上面に略整一するとともに、天井形成用の
天井下地パネル５１の端部を支承する。天井下地パネル
５１は、図２に示すように、平行な枠材５２…を、その
上面端部に設けた切欠部５２Ａ…に嵌着する外枠材５３
により継いでなり、枠材５２…の下面端部に設けた切欠
部５２Ｂ…に嵌着しかつ前記外枠材５３と平行な横桟５
４を下地板１１上端に載置・固定することにより天井下
地パネル５１は水平に保持される。

【００２０】さらに下地板１１の屋内面には例えば石膏
ボード、化粧ボードなどからなる仕上げ板１２が釘片な
どの固着具を用いて取付けられるとともに、前記天井下
地パネル５１下面には、天井材３が添着され、これによ
り壁パネルＰと天井材３との間を仕上げる。なお天井材
３は前記添着により前記梁材２の下端近傍の高さに水平
に配設されるとともに、仕上げ板１２の下面には、前記
壁パネルＰの内の面材２４上端に取付けられる見切り材
５５が配される。

【００２１】なお壁パネルＰの下端下方かつ布基礎Ｆの
外方にはコンクリートＣが打設され、外壁下部を仕上げ
るとともに、前記連結金具１３、継ぎ材７、梁材２は、
下端部が下地材５７を介して壁パネルＰの上端外面に取
付く幕板５９により覆われる。又前記布基礎Ｆの屋内面
には木桟６０が取付けられ、床を形成する床パネル６１
の端部を支持する。

【００２２】又壁パネルＰの前記枠組内面に、図４に示
すように２枚の面材６２、６２を添設し、かつ前記下地
板１１、仕上げ板１２の厚さをこの面材６２、６２と略
等しくすることにより、屋内に向く壁面を面材６２、仕
上げ板１２が面一に連なる大型壁として形成でき、その
見映えを高めることができる。

【００２３】なお壁パネルＰは、例えば階上の梁材と屋
根梁との間に建込むことにより階上の外壁を形成しても
よい。

【００２４】

【考案の効果】叙上の如く本考案の壁構造は、継ぎ材に
固定した２つの下地材に下地板と仕上げ板とを取付ける
ことにより、壁パネルの上端と天井材との間を便宜に仕
上げることができ、天井高さを大とした家屋における室
内壁面の仕上げ施工を可能とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】その要部を分解して示す斜視図である。

【図３】壁パネル下部の取付構造を例示する部分斜視図
である。

【図４】本考案の他の実施例を示す断面図である。

【図５】従来の技術を説明する断面図である。

【符号の説明】

２ 梁材 ３ 天井材 ４ 上固定片 ５ 下固定片 ６ 垂直片 ７ 継ぎ材 ９、１０ 下地材 １１ 下地板 １２ 仕上げ板 １３ 連結金具 Ｐ 壁パネル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】壁パネルと、その上方かつ壁パネルと平行
   に配される梁材の下端近傍の高さに設けた水平な天井材
   との間を、梁材下面に固定される上固定片と、下固定片
   とを垂直片の上下に有しかつ下固定片の下面かつ屋外側
   に向く位置に配した連結金具により壁パネル上端を固定
   する継ぎ材の前記垂直片の屋内に向く面、および前記下
   固定片の下面かつ屋内側に向く位置に固定した下地材に
   より、前記天井材と、壁パネル上端とを跨がる下地板、
   および下地板の屋内面に取付く仕上げ板によって覆って
   なる壁構造。