JP3058083U - 圧力鍋等の調理用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 主として圧力鍋等の密閉状態で調理される調
理用容器に関し、食品を残存させたままの状態でも従来
に比べて長期間保存することのできる圧力鍋等の調理用
容器の提供。 【解決手段】 容器本体１と蓋体３とからなる調理用容
器において、容器本体１内の空気を抽気するための抽気
用孔５が蓋体３に穿設され、且つ容器本体１内の空気を
外部に抽気する際に抽気用孔５を開口させるとともに、
容器本体内への空気の逆流入を阻止するような弁体が、
蓋体３の抽気用孔５を閉塞しうる位置に設けられ、しか
も容器本体１にはエアー抜き孔11が設けられているとと
もに、該エアー抜き孔11にキャップ12が被冠され、該キ
ャップ12によって容器本体１内の真空状態が判別可能に
構成されてなることにある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、調理用容器、主として圧力鍋等の密閉状態で調理される調理用容器 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、圧力鍋は、たとえば硬い生の野菜類等をそのまま入れて調理し ても柔らかく調理することができる等の特性を有することから、種々の食品の調 理用として用いられている。

【０００３】 そして、このような圧力鍋では、密閉状態で高圧、高温下で調理されるために 、調理後の食品に対する滅菌度は、一般の鍋類に比べると高い。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、一旦蓋を開けると、たとえばカレーを圧力鍋の本体に常温で保存する 場合であればせいぜい２〜３日間程度の保存期間が限度であり、他の調理した食 品類であってもその保存期間は、これに近い期間である。

【０００５】 このため、より長期の保存期間を確保するためには、圧力鍋に残存させず、別 の容器に移して冷蔵庫で保存するか、真空に近い状態を維持しうる別の容器を準 備し、その容器で保存する等の手段が講じられているのが一般的である。

【０００６】 本考案は、このような点に鑑みてなされたもので、食品を残存させたままの状 態でも従来に比べて長期間保存することのできる圧力鍋等の調理用容器を提供す ることを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、このような課題を解決せんとしてなされたもので、その課題を解決 するための手段は、容器本体１と蓋体３とからなる調理用容器において、容器本 体１内の空気を抽気するための抽気用孔５が蓋体３に穿設され、且つ容器本体１ 内の空気を外部に抽気する際に抽気用孔５を開口させるとともに、容器本体内へ の空気の逆流入を阻止するような弁体７が、蓋体３の抽気用孔５を閉塞しうる位 置に設けられ、しかも容器本体１にはエアー抜き孔11が設けられているとともに 、該エアー抜き孔11にキャップ12が被冠され、該キャップ12によって容器本体１ 内の真空状態が判別可能に構成されてなることにある。

【０００８】 本考案の調理用容器は、上述のように、容器本体１内の空気を外部に抽気する 際に抽気用孔５を開口させるとともに、容器本体１内への空気の逆流入を阻止す るような弁体７が、蓋体３の抽気用孔５を閉塞しうる位置に設けられているため 、容器本体１内の食品を調理した後においては、別途準備された抽気筒を抽気用 孔５の近辺に設置し、抽気筒内での空気の吸引と排出の操作を繰り返す。

【０００９】 抽気筒内での空気の吸引時においては、弁体７も吸引されて抽気用孔５が開口 状態となる。

【００１０】 これに対し、抽気筒内の空気の排出時においては、容器本体内への空気の逆流 入が上記弁体７によって阻止され、空気は抽気筒の外部に排出されることとなる 。

【００１１】 このような抽気筒内の空気の吸引と排出を繰り返すことにより、容器本体１内 は徐々に減圧状態となり、最終的には真空に近い状態となる。

【００１２】 従って、容器本体１内にそのまま調理済の食品を残存させておいても、その食 品を長期にわたって保存することが可能となる。

【００１３】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施形態について図面に従って説明する。

【００１４】 図１乃至図４において、１は上面に開口部２を有する圧力鍋本体で、有底略円 筒状に形成されている。

【００１５】 ３は、前記圧力鍋本体１を開閉する蓋体で、該蓋体３の中心部には、凹部４が 形成され、該凹部４の底面に、後述する抽気筒14で抽気する際の抽気用孔５が穿 設されている。

【００１６】 ６は、前記凹部４の周囲に環状に形成された凹溝を示す。

【００１７】 ７は、前記凹部４に嵌入可能な弁体で、該凹部４への嵌合部分となる鍔部８と 、該鍔部８の上部に突出する上部突出部９と、前記凹部４の底面に穿設された抽 気用孔５に挿入されるように鍔部８の下部に突出する下部突出部10とで構成され ている。

【００１８】 この下部突出部10は、図４に示すように、断面略台形状に形成され、抽気用孔 ５の近辺の蓋体３の裏面側に係止されて上方に抜け出ることがないように形成さ れている。

【００１９】 11は、エアー抜き孔で、キャップ12が被冠されている。

【００２０】 このキャップ12は、圧力鍋本体１内が真空状態に維持されている場合には、吸 引されてキャップ12の上面が凹状となり、真空状態が解除された場合には、ゴム 製のキャップ12の上面が凸状となるように、ゴムで構成されているため、圧力鍋 本体１の内部が真空状態であるか否かが容易に判別できることとなる。

【００２１】 13は、前記蓋体３の外側に突設されたフランジで、そのフランジ13の下面側に は複数の溝部14が形成されている。

【００２２】 圧力鍋本体１の上端と前記蓋体３のフランジ13の溝部14間には介装体15が介装 されている。

【００２３】 そして、上記のような構成からなる圧力鍋を使用する場合には、圧力鍋本体１ に食品を収納し、その圧力鍋本体１に別途準備された専用の蓋を嵌合させ、加熱 することによって、一定圧下で食品を調理するものである。

【００２４】 このような調理後において、圧力鍋の内部を減圧して真空にするために、図５ に示すような抽気筒16を用いる。

【００２５】 すなわち、先ず図５に示すように抽気筒16の下部の脚部17を蓋体３の凹溝６に 挿入して、蓋体３の凹溝６と凹部４間の***部18に外嵌させる。

【００２６】 その状態で、図６に示すように抽気筒16のロッド19を引き上げると、圧力鍋本 体１の内部の気流の方向が蓋体３の中央の抽気用孔５に向かい、それによって図 ６及び図７のように弁体７がわずかに押し上げられ、その弁体７の鍔部８と蓋体 ３の***部18間の隙間20から空気が放出されて、その空気は抽気筒16の筒本体21 内に流入する。

【００２７】 次に、図８に示すように、つまみ22を把持してロッド19を押し下げると、筒本 体21内の空気は下方へ押し下げられようとはするが、弁体７に対しても下向きの 力が作用し、弁体７の鍔部８が蓋体３の凹部４に密に嵌合することとなるため、 空気が圧力鍋本体１内に逆流するのが阻止されることとなる。

【００２８】 従って、筒本体21内の空気は、その筒本体21とロッド19間の隙間23から外部に

【００２９】 このようなロッド19の引き上げと押し下げとを繰り返すと、圧力鍋本体１の内 部の吸気が繰り返される一方で、その内部への空気の逆流は弁体７によって阻止 され、圧力鍋本体１から筒本体21内に流入した空気は外部に排出されることとな るため、圧力鍋本体１内は徐々に減圧され、最終的には真空に近い状態となる。

【００３０】 従って、この状態を維持すれば、圧力鍋本体１内の調理済みの食品は、別の容 器に移すことなく、圧力鍋本体１内に収容した状態のままで、長期間保存するこ とが可能となるのである。

【００３１】 尚、上記実施形態では、本考案を圧力鍋に適用する場合について説明したが、 圧力鍋以外の鍋類に本考案を適用することも可能であり、また鍋類以外の調理用 容器に適用することも可能である。

【００３２】 要は、調理用の容器に対して適用されればよい。

【００３３】 また、調理用容器の本体１や蓋体３の材質も、金属、ガラス、合成樹脂、陶器 等その種類は問うものではなく、要は気密状態を保持しうるものであれば使用可 能である。

【００３４】 さらに、該実施形態では、弁体７を、蓋体３の凹部４への嵌合部分となる鍔部 ８と、該鍔部８の上部に突出する上部突出部９と、前記凹部４の底面に穿設され た抽気用孔５に挿入されるように鍔部８の下部に突出する下部突出部10とで構成 したが、弁体７の構造や形状は該実施形態に限定されるものではなく、任意に変 更可能である。

【００３５】 要は、圧力鍋等の容器本体内の空気を抽気することができ、且つ容器本体内へ の空気の逆流入が阻止されるように、弁体７が蓋体３の抽気用孔５を閉塞する位 置に設けられていればよいのである。

【００３６】 さらに、上記実施形態では、圧力鍋等の容器本体が有底略円筒状に形成されて いたが、容器本体１の形状も該実施形態に限定されるものではなく、調理用容器 の種類に応じて任意に変更可能である。

【００３７】 さらに、上記実施形態では、キャップ12がゴムで構成されて、圧力鍋本体１内 が真空状態に維持されている場合には、吸引されてキャップ12の上面が凹状とな り、真空状態が解除された場合には、キャップ12の上面が凸状となるようにして 圧力鍋本体１の内部が真空状態であるか否かを判別しうるように構成したが、圧 力鍋本体１の内部が真空状態であるか否かを判別する手段はこれに限定されるも のではなく、要はキャップ12によって圧力鍋本体１内の真空状態が判別可能に構 成されていればよいのである。

【００３８】

【考案の効果】

叙上のように、本考案においては、容器本体内の空気を抽気するための抽気用 孔が蓋体に穿設され、且つ容器本体内の空気を外部に吸引する際に抽気用孔を開 口させるとともに、容器本体内への空気の逆流入を阻止するような弁体が、蓋体 の抽気用孔を閉塞しうる位置に設けられているものであるため、別途準備した抽 気筒等を抽気用孔の近辺に設置し、抽気筒内での空気の吸引と排出の操作を繰り 返すと、容器本体内が徐々に減圧状態となり、最終的には真空に近い状態となっ て、容器本体内にそのまま調理済の食品を残存させておいても、その食品を長期 にわたって保存することが可能となる。

【００３９】 この結果、従来の圧力鍋等の調理用容器に比べると、調理後の食品の保存期間 を大幅に延ばすことができ、別途容器で保存する等の手段が不要になるという効 果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施形態の包装用容器の斜視図。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図。

【図３】蓋体の断面図。

【図４】弁体の近辺を示す要部拡大断面図。

【図５】抽気筒を蓋体の抽気孔の近辺に設置した状態の
一部断面側面図。

【図６】抽気筒のロッドを引き上げる状態の断面図。

【図７】同ロッドの引き上げ時における弁体の近辺の要
部拡大断面図。

【図８】抽気筒のロッドを押し下げる状態の断面図。

【符号の説明】

１…容器本体 ３…蓋体 ５…抽気用孔 ７…弁体

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体１と蓋体３とからなる調理用容
   器において、容器本体１内の空気を抽気するための抽気
   用孔５が蓋体３に穿設され、且つ容器本体１内の空気を
   外部に抽気する際に抽気用孔５を開口させるとともに、
   容器本体内への空気の逆流入を阻止するような弁体７
   が、蓋体３の抽気用孔５を閉塞しうる位置に設けられ、
   しかも容器本体１にはエアー抜き孔11が設けられている
   とともに、該エアー抜き孔11にキャップ12が被冠され、
   該キャップ12によって容器本体１内の真空状態が判別可
   能に構成されてなることを特徴とする調理用容器。
2. 【請求項２】 前記キャップ12は、容器本体１内が真空
   状態のときに凹状となり、容器本体１内が真空状態でな
   いときに凸状となるように構成されてなる請求項１記載
   の調理用容器。
3. 【請求項３】 圧力鍋本体１と蓋体３とからなる圧力鍋
   において、圧力鍋本体１内の空気を抽気するための抽気
   用孔５が蓋体３に穿設され、且つ圧力鍋本体１内の空気
   を外部に抽気する際に抽気用孔５を開口させるととも
   に、圧力鍋本体内への空気の逆流入を阻止するような弁
   体７が、蓋体３の抽気用孔５を閉塞しうる位置に設けら
   れ、しかも圧力鍋本体１にはエアー抜き孔11が設けられ
   ているとともに、該エアー抜き孔11にキャップ12が被冠
   され、該キャップ12によって圧力鍋本体１内の真空状態
   が判別可能に構成されてなることを特徴とする圧力鍋。
4. 【請求項４】 前記キャップ12は、圧力鍋本体１内が真
   空状態のときに凹状となり、圧力鍋本体１内が真空状態
   でないときに凸状となるように構成されてなる請求項３
   記載の圧力鍋。