JPH072409B2 - 多層構造物及び易開封性容器 - Google Patents

多層構造物及び易開封性容器

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JPH072409B2 JP28474789A JP28474789A JPH072409B2 JP H072409 B2 JPH072409 B2 JP H072409B2 JP 28474789 A JP28474789 A JP 28474789A JP 28474789 A JP28474789 A JP 28474789A JP H072409 B2 JPH072409 B2 JP H072409B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、包装分野、特に容器の製造に好適に用いられ
る多層構造物と、これを用いて製造した食品、薬品、化
粧剤等を収納、包装するための密封性及び開封性に優れ
た易開封性容器に関する。
〔従来の技術〕
食品をプラスチック容器に密封し、レトルト殺菌やボイ
ル殺菌等を行い、更に最終消費者がそのまま電子レンジ
にて再加熱する商品が急増している。この場合、容器に
は密封性であることのみならず易開封性であることが消
費者ニーズとして高まっている。
密封性、易開封性ともに優れた容器として、使用時の開
封を一般に行われているシール部の剥離で行うのではな
く、容器として多層容器を用い、多層容器の層間を開封
剥離面とし、シール部の内側の最内層に弱め線を設ける
ことにより、弱め線より内側の多層容器は最内層を剥離
させずに残しつつ蓋材とともに弱め線外側の最内層を剥
離するようにしたものが知られている。これは最内層に
易剥離層を用いることで密封性とともに易開封性を実現
した容器である。しかしこの容器は、剥離層がPE(ポリ
エチレン)であることから、レトルト処理温度は120℃
が上限であること、特に油分を多く含んでいる電子レン
ジ調理食品を充填した場合剥離層に膨潤がみられること
などのため、その使用範囲に限度がある。そこで、耐熱
性、耐熱油性を向上させることが用途範囲を広げる上で
望まれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、ヒートシール層と開封剥離層とを別に
する易開封性容器の製造に好適に用いられる多層構造物
であって、開封剥離層の易剥離性を確保しつつ、耐熱
性、耐熱油性を有する多層構造物を提供するものであ
る。
本発明の他の目的は、上記多層構造物を用いて密封性及
び開封性に優れ、耐熱性、耐熱油性を有する易開封性容
器を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討を行った
結果、易開封性容器の製造に用いられる多層構造物を特
定な層構成とすることにより前記課題を解決できること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
すなわち本発明は、ポリプロピレン50〜95重量%、エチ
レンプロピレンラバー及び/又はエチレンブテン−1コ
ポリマー5〜30重量%及びポリエチレン0〜20重量%よ
りなる基材層(C)にポリエチレンを主体とする中間層
(B)を介してポリプロピレンよりなる表面層(A)を
形成してなり、(A)(B)間の層間剥離強度が0.3〜
2.0kg/15mm(引張速度300mm/分)であり、かつ(B)
(C)間の層間剥離強度が(A)(B)間の層間剥離強
度の1.2倍以上である多層構造物を提供するものであ
る。
本発明の(A)の表面層は、ポリプロピレン(PP)より
なる。ポリプロピレンを用いることで耐熱性、耐油性を
有する多層構造物を得ることができる。使用するポリプ
ロピレンの型は耐熱性を考慮した場合には、ホモ−ポリ
プロピレン、ブロック−ポリプロピレン、ランダム−ポ
リプロピレンの順に好ましい。また他の層や蓋材等との
シール性を考慮した場合には、ランダム−ポリプロピレ
ン、ブロック−ポリプロピレン、ホモ−ポリプロピレン
の順に好ましい。したがって使用目的に応じてポリプロ
ピレンの型を選ぶことが好ましい。
本発明の(B)の中間層は、多層構造物の剥離強度を調
整するために設けられるものであって、ポリエチレンを
主体とする。ポリエチレンとしては、他の構成樹脂との
共押出し特性を満足させ、かつ(A)のポリプロピレン
との剥離性を考慮すると、高密度ポリエチレンを主体と
する樹脂組成物を使用することが好ましい。高密度ポリ
エチレンはメルトフローインデックス(MFI)が0.05〜1
5g/10分の範囲の粘度であるものが好適に使用される。
このような高密度ポリエチレンにタルク及び/又はポリ
プロピレンを配合し、樹脂組成物の高密度ポリエチレン
の含有量が他の成分の各々よりも多くなるようにした高
密度ポリエチレンを主体とする樹脂組成物が好適に用い
られる。
本発明の(C)の基材層は、ポリプロピレン50〜95重量
%、エチレンプロピレンラバー(EPR)及び/又はエチ
レンブテン−1コポリマー(EB−1)5〜30重量%及び
ポリエチレン(PE)0〜20重量%よりなる。好ましい範
囲はポリプロピレンが65〜90重量%、エチレンプロピレ
ンラバー及び/又はエチレンブテン−1コポリマーが5
〜20重量%及びポリエチレンが0〜15重量%である。
(C)の主要構成樹脂をポリプロピレンとすることで、
多層構造物の耐熱性が改善される。エチレンプロピレン
ラバー及び/又はエチレンブテン−1コポリマーは、
(B)との接着性を良好に保つためにブレンドされてい
る。エチレンプロピレンラバー及び/又はエチレンブテ
ン−1コポリマー以外の改質ポリオレフィンを用いても
よい。更に(B)との接着性を向上させるためにポリエ
チレンをブレンドすることが好ましい。(C)のポリプ
ロピレンにエチレンプロピレンラバーやエチレンブテン
−1コポリマー、ポリエチレンをブレンドすることによ
り、(B)(C)間の接着強度を(A)(B)間の接着
強度より大きくすることが可能となる。ここで、ブレン
ドするエチレンプロピレンラバーはムーニー粘度ML1+4
(100℃)が15〜80の範囲にあることが好ましい。ま
た、ポリエチレンは高密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレンのいずれでもよく、それら
の混合物でもよい。
本発明の多層構造物は上記(A)、(B)及び(C)の
三層を有し、(A)(B)間の層間剥離強度が0.3〜2.0
kg/15mm(引張速度300mm/分、以下同じ)、好ましくは
0.3〜1.5kg/15mmであり、かつ(B)(C)間の層間剥
離強度が(A)(B)間の層間剥離強度の1.2倍以上で
あることを必須とする。
本発明においては、(A)(B)間及び(B)(C)間
の層間剥離強度をこのように設定することにより、表面
層(A)と中間層(B)を易剥離性とし、中間層(B)
と基材層(C)とを難剥離性としている。その結果、こ
の多層構造物を容器とした場合、易開封性となり、かつ
安定した開封性が得られるようになる。
各層間剥離強度の制御は、前述したような樹脂材料の樹
脂の配合等を適宜選択することにより容易に行うことが
できる。
各層の厚みは特に制限されないが、(A)層は層間剥離
が可能な程度の厚みであり、材料破壊強さが剥離強度よ
り大きくなるような厚みであることが必要であり、通常
5〜400μm、好ましくは5〜200μmである。また
(B)層は製膜性を考慮して多層構造物の全厚みの30%
以下、好ましくは20%以下とすることが好ましく、通常
5〜300μmである。また、(C)層の厚みは特に制限
はなく、通常10〜3000μmである。各層の厚みの比も特
に限定されるものではないが、耐熱性を考慮して(B)
層の厚みは(C)層の厚みよりも小さいことが好まし
い。
本発明の基材層の中間層と反対側には、酸素ガスバリヤ
ー性の向上や、容器とした場合の変形を少なくする目的
で、さらに他の材料からなる層を設けてもよい。他の材
料からなる層としては、例えばエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、
ナイロン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂層や
アルミ蒸着層、アルミ箔、アルミニウム、鉄、銅などの
ガスバリヤー性に優れたものが挙げられる。ここで、EV
OHとしてはエチレン単位の含有量が25〜60モル%のもの
が好適に用いられる。また、PVDCとしては塩化ビニリデ
ン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−メタアクリ
ル酸共重合体が好適に用いられる。これら他の材料から
なる層は、1層のみであってもよいし、2層以上からな
る多層体であってもよく、無機充填剤10〜80重量%を含
有する樹脂層であってもよい。さらに金属、紙などとの
複合材料であってもよい。また、これらの層間には必要
に応じて接着樹脂層を設けるとよい。
本発明の多層構造物の形状は任意であるが、易開封性容
器を製造する上で多層シート類が好適に用いられる。
本発明の(A)、(B)及び(C)からなる多層構造を
有している多層シート類は前記した樹脂を用いて共押出
又はラミネート加工等により得ることができる。ラミネ
ート加工としては、例えばエキストルージョンラミネー
ト、ホットメルトラミネート、ドライラミネート、ウエ
ットラミネートなどの方法を用いることができる。通
常、(A)及び(B)層からなる二層構造物は、共押出
成形によって好適に得られる。
第1図は本発明の多層構造物の一例を表す部分断面図で
ある。(A)は表面層、(B)は中間層、(C)は基材
層であり、(E)は必要に応じて設けられる酸素ガスバ
リアー樹脂層である。ここでは更に接着樹脂層(D)、
ポリオレフィン樹脂層(F)が設けられている。ここで
接着樹脂層(D)は、バリアー樹脂層(E)がEVOHから
なる場合には酸変性ポリプロピレン又はポリエチレンよ
りなることが好ましく、バリアー樹脂層(E)がPVDCか
らなる場合にはエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)又
はEVAとPPよりなることが好ましい。また、ポリオレフ
ィン樹脂層(F)はPP、PE又はPPとPEとからなることが
好ましく、必要に応じてエチレンプロピレンラバーを含
んでいてもよい。
本発明の易開封性容器は蓋材を環状にシールするための
開口周縁部を有する容器であって、周縁部がシール面を
熱可塑性樹脂表面層とする前記したような(A)、
(B)及び(C)からなる多層構造を有しており、表面
層の環状シール部の内側に環状の弱め線が設けられてい
る。
第2図は多層構造物を成形して得られた本発明の易開封
性容器の一実施態様の部分断面図である。1は表面層、
2は中間層、3は基材層である。1、2、3は前記
(A)、(B)及び(C)からなる多層構造をとってお
り、容器開口周縁部4を形成している。5は蓋材容器開
口周縁部の上面と環状にヒートシールされて包装され
る。蓋材の材質は表面層と同様の材質とすることがシー
ル性の点から好ましい。表面層の環状シール部6の内側
には弱め線7が設けられている。弱め線は蓋材を開封し
て表面層を剥離したときに容器開口周縁部の内側で表面
層を切断するためのもので、通常環状のノッチとして設
けられているが、その他蓋材を剥がすときに表面層を容
易に切断できるものであればどのようなものでもよい。
なお、ヒートシール内周端と弱め線間tは0.5〜10mm、
好ましくは1mm以上とすることが好ましい。8は蓋材の
引き剥がしを容易にするために設けられたつまみ部であ
る。
容器の周縁部の形状は特に限定されるものではないが、
通常、円、四角などであり、この形状の周縁部で環状に
ヒートシールされる。また容器形状はカップ状であって
もトレー状であってもよい。
本発明の易開封性容器の開封は、第2図において、つま
み部8を上方に持ち上げる。すると多層容器の表面層1
と中間層2の間で剥離し、弱め線7のところまで表面層
が剥離し、蓋材とともに剥がされる。次いで、弱め線の
ところで表面層が切断され容器の開封が行われる。従っ
て、蓋材と多層容器の表面層が難剥離ヒートシールされ
ていても容易に開封できる。また、ヒートシールの剥離
強度を高くしても剥離が可能となるため、ボイル、レト
ルト処理に耐える多層容器となる。更に、表面層と基材
層が主としてポリエチレンからなるので、耐熱性、電子
レンジ特性及び耐熱油性に優れている。レトルト処理は
130℃、30分が可能であり、耐熱性容器変形温度は140℃
である。また油に対し140℃まで膨潤が見られない。
容器の開封を行うために上記の弱め線の代わりに、容器
本体の側壁から周縁部へかけての容器内面の変曲点部で
表面層に薄肉部を設けて、表面層の破断をその部分で行
ってもよい。すなわち、周縁部の蓋材とのシール部の表
面層厚みをSμm、容器本体の側壁から周縁部へかけて
の容器内面の変曲点部の表面層の厚みをTμm、表面層
材料の破断強度をU kg/cm2としたとき、S≧1.1×T、
T≦(1.33/U)×104であり、かつ該変曲点部の表面層
の破断強度が表面層と中間層の剥離強度より小さくす
る。
第3図は容器本体の側壁から周縁部へかけての容器内面
の変曲点部で表面層に薄肉部を設けた易開封性容器の一
例を表した部分断面図である。この易開封性容器は第2
図の弱め線の代わりに、容器本体の側壁から周縁部へか
けての容器内面の変曲点部9に表面層の薄肉部を有す
る。この薄肉部の厚みはTμmである。また周縁部の蓋
材5とのシール部6の表面層厚みはSμmである。周縁
部にシールされた蓋材を開封する場合は、この変曲点部
9で表面層を破断して蓋材とともに剥離する。
ここで、周縁部と容器本体の側壁間に周縁段落とし部が
ある場合には、容器本体の側壁から周縁段落とし部にか
けての容器内面の変曲点部の表面層に薄肉部(厚みT′
μm)を設けるとよい。また、周縁部がリム部又はリム
ロール部を有する場合には、周縁部からリム部又はリム
ロール部にかけての変曲点部の表面層にも薄肉部(厚み
T″μm)を設けて、この薄肉部でも表面層を破断でき
るようにすると、リム部やリムロール部があっても容器
を容易に開封することができる。
表面層の厚み(μm)S、Tと表面層の破断強度(kg/c
m2)Uの間には、前記関係式が成り立つことが必要であ
る。S、T′、Uの関係及びS、T″、Uの関係につい
ても同様である。Sの厚みが薄いとシーラントの密封強
度が小さくなり密封容器とはいえなくなる。また、T、
T′、T″の厚みが厚いと表面層を破断することができ
ず、開封ができなくなる。
本発明の易開封性容器は前記多層構造物を用いて真空成
形、圧空成形、プレス成形などにより成形したり、前記
樹脂を用いて射出成形、射出ブロー成形、ブロー成形な
どによって成形したりすることによって得ることができ
る。
本発明の多層構造物は容器ばかりでなく、袋状の包装
体、蓋材の層間剥離を利用して開封を行う易開封性容器
の蓋材としても用いることができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜23及び比較例1〜3 第1表〜第3表及び第5表は実施例1〜23及び比較例1
〜3において製造された本発明の多層構造物及び比較例
の多層構造物の構成樹脂と層間の剥離強度、この多層構
造物を用いて包装容器を製造した場合の剥離適性、耐熱
性及び耐熱油性を示したものである。
なお、表中の記号は次のものを示している。
PP1:出光石油化学(株)製、出光ポリプロE−100GM(M
FI=0.5) PP2:出光石油化学(株)製、出光ポリプロF−200S(MF
I=2) PP3:出光石油化学(株)製、出光ポリプロJ−450H(MF
I=2.5) PP4:出光石油化学(株)製、出光ポリプロF−744N(MF
I=7) HDPE1:出光石油化学(株)製、出光ポリエチレン540B
(MFI=0.12) HDPE2:出光石油化学(株)製、出光ポリエチレン440M
(MFI=0.9) LDPE:トーソー(株)製、ペトロセン172 EPR:日本合成ゴム(株)製、EP−07P(ムーニー粘度ML
1+4(100℃)=70) EB-1:三井石油化学(株)製、タフマーA−4085 多層構造物 樹脂(A)と樹脂(B)とをスクリュー径50mmφの押出
機2台により、樹脂(C)をスクリュー径65mmφの押出
機により同時に押出し、3層用フィードブロックを使用
して積層し、通常のシングルマニホールド型のT−ダイ
を用いてフラットなシート状の多層構造物を作製した。
トータルシートの厚みは全て800μmとなるように各層
の厚みを設定した。得られた多層構造物について層間剥
離強度を評価した。
層間の剥離強度は、多層構造物より15mm巾の試験片を取
り出し剥離速度300mm/分にて180゜剥離試験を行って得
られた値とした。
易開封性容器 前記で得られた多層構造物を用いて溶融状態にまで加熱
した多層構造物より真空成形によって第2図に示すよう
な口径70mmφ、絞り比0.3の丸型容器を得た。容器には
フランジ周縁部に弱め線としてノッチを入れた。これら
の容器に水を充填した後、容器表面層(シール側)と同
種の樹脂フィルム(80μm)を用いて、ヒートシール内
周端と弱め線間t=1.5mmとしてヒートシールした後、1
30℃、30分間のレトルト処理を行った。その後、剥離開
封を行ったところ、本発明の多層構造物を用いて得られ
た容器はいずれも優れた剥離適性を示した。また、この
容器について耐熱性、耐熱油性を評価したところ、本発
明の多層構造物を用いて得られた容器はいずれも優れた
耐熱性、耐熱油性を示した。
また、実施例23において、第3表に記載の多層構造物を
用いて、溶融状態にまで加熱した多層構造物よりプラグ
アシストを行った圧空成形によって第3図に示すような
口径72mmφ、絞り比0.5の丸型容器を得た。ここでプラ
グアシストを行った圧空成形の際には、多層構造物をク
ランプと金型により把持し、容器成形条件は第4表に示
すとおりとした。得られた容器は第3図に示されるよう
に薄肉部を変曲点部9に有していた。本容器に水を充填
した後、樹脂フィルムを用いてヒートシールを行った。
更に130℃、30分間のレトルト処理を行った。その後、
剥離適性、耐熱性、耐熱油性を評価したところ、いずれ
も優れた結果を示した。
ここで、耐熱油性は上記の容器に水の代わりにサラダ油
を充填し、電子レンジ加熱を行い130℃に達した段階で
容器に取り出し、容器内面樹脂の状態を観察して評価し
た。
比較例1は(A)にHDPEを使用しているため、130℃サ
ラダ油により膨潤してしまい実用性に欠けるものであっ
た。比較例2及び3は(C)層を構成する樹脂組成物が
いずれも耐熱性に欠けレトルト時に変形を生じた。
〔発明の効果〕 本発明の多層構造物は、層間剥離強度を安定に制御する
ことができ、しかも耐熱性、耐熱油性を有する。
また、この多層構造物から得られた易開封性容器は密封
性及び開封性に優れ、また開封時の剥離強度も安定して
おり、耐熱性、耐熱油性を兼ね備えて、その実用的価値
は大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の多層構造物の一例を表す部分断面図で
ある。第2図は多層構造物を成形して得られた本発明の
易開封性容器の一実施態様の部分断面図である。第3図
は多層構造物を成形して得られた本発明の易開封性容器
の他の実施態様の部分断面図である。 符号の説明 (A)……表面層 (B)……中間層 (C)……基材層 (D)……接着樹脂層 (E)……バリアー樹脂層 (F)……ポリオレフィン樹脂層 1……表面層 2……中間層 3……基材層 4……開口周縁部 5……蓋材 6……シール部 7……弱め線 8……つまみ部 9……変曲点部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン50〜95重量%、エチレンプ
    ロピレンラバー及び/又はエチレンブテン−1コポリマ
    ー5〜30重量%及びポリエチレン0〜20重量%よりなる
    基材層(C)にポリエチレンを主体とする中間層(B)
    を介してポリプロピレンよりなる表面層(A)を形成し
    てなり、(A)(B)間の層間剥離強度が0.3〜2.0kg/1
    5mm(引張速度300mm/分)であり、かつ(B)(C)間
    の層間剥離強度が(A)(B)間の層間剥離強度の1.2
    倍以上である多層構造物。
  2. 【請求項2】中間層(B)が高密度ポリエチレンを主体
    とする樹脂組成物よりなる請求項1記載の多層構造物。
  3. 【請求項3】中間層(B)が高密度ポリエチレンとタル
    ク及び/又はポリプロピレンからなり、高密度ポリエチ
    レンの含有量が他の成分の各々よりも多い請求項1又は
    2記載の多層構造物。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載の(A)、(B)及び
    (C)からなる多層構造を有している多層シート類。
  5. 【請求項5】蓋材を環状にシールするための開口周縁部
    を有する容器であって、周縁部がシール面を表面層
    (A)とする請求項1又は2記載の(A)、(B)及び
    (C)からなる多層構造を有しており、表面層の環状シ
    ール部の内側に感情の弱め線が設けられている易開封性
    容器。
  6. 【請求項6】蓋材を環状にシールするための開口周縁部
    を有する容器であって、周縁部がシール面を表面層
    (A)とする請求項1又は2記載の(A)、(B)及び
    (C)からなる多層構造を有しており、周縁部の蓋材と
    のシール部の表面層厚みをSμm、容器本体の側壁から
    周縁部へかけての容器内面の変曲点部の表面層の厚みを
    Tμm、表面層材料の破断強度をU kg/cm2としたとき、
    S≧1.1×T、T≦(1.33/U)×104であり、かつ該変曲
    点部の表面層の破断強度が表面層と中間層の剥離強度よ
    り小さい易開封性容器。
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