JPH07238175A - 硬化性ポリフェニレンエーテルフィルム - Google Patents

硬化性ポリフェニレンエーテルフィルム

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JPH07238175A
JPH07238175A JP3108294A JP3108294A JPH07238175A JP H07238175 A JPH07238175 A JP H07238175A JP 3108294 A JP3108294 A JP 3108294A JP 3108294 A JP3108294 A JP 3108294A JP H07238175 A JPH07238175 A JP H07238175A
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JP
Japan
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film
polyphenylene ether
examples
flame retardant
copper foil
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Withdrawn
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JP3108294A
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English (en)
Inventor
Teruo Katayose
照雄 片寄
Yukiko Tasugi
祐紀子 田杉
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 最適な難燃剤と、その添加量を特定すること
により、優れた誘電特性、耐熱性、耐薬品性を損なうこ
となく、優れた難燃性を示す硬化性ポリフェニレンエー
テル系樹脂のフィルムを提供する。 【構成】 不飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂
からなるフィルムにおいて、難燃剤2,4,6−トリブ
ロモフェニルアクリレートおよび/またはヒドロキシエ
チルトリブロモフェノールを15〜80重量部添加した
もの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性ポリフェニレン
エーテルフィルム、これを硬化して得られる硬化フィル
ムおよびこれと金属箔とから成る積層体に関する。本発
明のフィルムおよび積層体は、硬化後において優れた耐
屈曲性、耐薬品性、誘電特性、耐熱性を示し、電気産
業、電子産業、宇宙・航空機産業等の分野に用いること
ができる。特に片面、両面、セミリジッドプリント基
板、フレキシブルプリント配線板用フィルムとして用い
ることができる。
【0002】
【従来の技術】近年、通信用、民生用、産業用等の電子
機器の分野における実装方法の小型化、高密度化への指
向は著しいものがあり、それに伴って材料の面でも、よ
り優れた耐熱性、寸法安定性、電気特性が要求されつつ
ある。例えばフレキシブルプリント配線板用フィルムと
しては、従来からカプトン(Du Pont社製)に代
表されるポリイミドがフィルムとして用いられてきた。
これは各種の性能をバランスよく有するものの、誘電特
性が悪く、かつ吸湿率が大きいという欠点を持ってい
る。この欠点を改善したフィルムとしてポリフェニレン
スルフィドおよびポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂
フィルムが開発されたが、これらのフィルムは吸湿率は
小さいがガラス転移温度が低く耐熱性に劣るという欠点
を持っている。以上の問題を解決する新しい材料として
ポリフェニレンエーテルが近年注目をあびている。この
樹脂は、低誘電率かつ低吸湿率であり、かつ耐熱性に優
れるという特性を持っている。しかしながら、耐薬品性
が劣っているので用途が限定されていた。
【0003】耐薬品性を改良する目的で、ポリフェニレ
ンエーテルに不飽和基を導入した硬化性ポリフェニレン
エーテル系ポリマーが開発されている。しかしながら、
フィルムの硬化後の性質は難燃性が劣っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
事情を鑑みてなされたものであり、不飽和基を含むポリ
フェニレンエーテルの優れた誘電特性、耐熱性を損なう
ことなく、かつ硬化後において優れた難燃性を示す硬化
ポリフェニレンエーテルフィルムおよび積層体を提供し
ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述のよう
な課題を解決するため難燃剤に着目し鋭意検討を重ねた
結果、本発明の目的に沿った特定の難燃剤を見出し本発
明を完成するに至った。本発明は次に述べる3つの発明
より構成される。すなわち本発明の第1は、不飽和結合
基を含むポリフェニレンエーテル樹脂100重量部およ
び難燃剤2、4、6−トリブロモフェニルアクリレート
および/またはヒドロキシエチルトリブロモフェノール
15〜80重量部からなる硬化性ポリフェニレンエーテ
ルフィルムを提供する。
【0006】本発明の第2は、上記第1発明の硬化性ポ
リフェニレンエーテルフィルムを硬化して得られた硬化
ポリフェニレンエーテルフィルムを提供する。本発明の
第3は、上記第2発明の硬化ポリフェニレンエーテルフ
ィルムと金属箔とからなる積層体を提供する。以上3つ
の発明について以下に詳しく説明する。
【0007】まず本発明の第1である硬化性ポリフェニ
レンエーテル系樹脂フィルムについて説明する。本発明
に用いられる不飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹
脂とは、ポリフェニレンエーテル類に対して側鎖として
炭素−炭素二重結合および/または炭素−炭素三重結合
を含む官能基を導入したものを指す。その例としては、
次の一般式(I)で表されるポリフェニレンエーテル樹
脂と一般式(III)のアルケニルハライドおよび/ま
たは一般式(IV)のアルキニルハライドの反応生成物
から成る樹脂であって、
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】Xおよび/またはY、下記アルケニル基お
よび/またはアルキニル基がそれぞれ共有的にポリフェ
ニレンエーテル樹脂に結合している樹脂を挙げることが
できる。
【0011】
【化3】
【0012】一般式(I)のポリフェニレンエーテル樹
脂について説明すると、Qの代表的な例としては、次の
4種の一般式で表される化合物群が挙げられる。
【0013】
【化4】
【0014】具体例として、
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】等がある。一般式(I)中のJで表される
ポリフェニレンエーテル鎖中には、該ポリフェニレンエ
ーテル樹脂の耐熱性、熱安定性を低下させない限りにお
いて以下に述べる単位または末端基のうち一種または二
種以上が含まれていてもよい。 i)次の一般式で表される単位であって(II)以外の
もの、
【0018】
【化7】
【0019】ii)次の一般式で表される単位、
【0020】
【化8】
【0021】iii)次の一般式で表される末端基、
【0022】
【化9】
【0023】iv)上記式(II)および一般式(V)
〜(VII)の単位または末端基に対し、スチレン、メ
タクリル酸メチルなどの不飽和結合を持つ重合性モノマ
ーをグラフト重合させて得られる単位または末端基。一
般式(V)の単位の例としては、
【0024】
【化10】
【0025】等が挙げられる。一般式(VI)の単位の
例としては、
【0026】
【化11】
【0027】等が挙げられる。一般式(VII)の末端
基の例としては、
【0028】
【化12】
【0029】等が挙げられる。次に一般式(III)の
アルケニルハライドの具体的な例を挙げると、アリルク
ロライド、アリルブロマイド、アリルアイオダイド、4
−ブロモ−1−ブテン、トランス−および/またはシス
−1−ブロモ−2−ブテン、トランス−および/または
シス−1−クロロ−2−ブテン、1−クロロ−2−メチ
ル−2−プロペン、5−ブロモ−1−ペンテン、4−ブ
ロモ−2−メチル−2−ブテン、6−ブロモ−1−ヘキ
セン、5−ブロモ−2−メチル−2−ペンテン等があ
る。
【0030】一般式(IV)のアルキニルハライドの具
体的な例を挙げるとプロパルギルクロライド、プロパル
ギルブロマイド、プロパルギルアイオダイド、4−ブロ
モ−1−ブチン、4−ブロモ−2−ブチン、5−ブロモ
−1−ペンチン、5−ブロモ−2−ペンチン、1−ヨー
ド−2−ペンチン、1−ヨード−3−ヘキシン、6−ブ
ロモ−1−ヘキシン等がある。
【0031】これらのアルケニルハライドおよびアルキ
ニルハライドは、一種のみあるいは二種以上をあわせて
用いることができる。本発明に用いられる不飽和基が導
入されたポリフェニレンエーテル樹脂は、例えば特公平
5−8931号、同5−8930号、同5−8932号
同5−8933号、特開平2−232260号、同2−
233759号に開示された方法に従い、一般式(I)
のポリフェニレンエーテル樹脂を有機金属でメタル化
し、続いてアルケニルハライド(III)および/また
はアルケニルハライド(IV)で置換反応することによ
り製造することができる。
【0032】本方法に従って製造されるポリフェニレン
エーテル樹脂は、少なくとも次の2種ないし3種の構造
式で表される単位より構成される。
【0033】
【化13】
【0034】さらには上記の他、次の単位を含むことも
ある。
【0035】
【化14】
【0036】上記一般式(VIII)に由来するハロゲ
ンの含量は、該ポリフェニレンエーテル樹脂を基準とし
て0以上(Mが水素原子の場合)30重量%以下の範囲
であり、より好ましくは0以上20重量%以下の範囲で
ある。本発明に用いられる不飽和基が導入されたポリフ
ェニレンエーテル樹脂中には、必ずしもハロゲンが含ま
れる必要はない。しかしながらハロゲンが特に塩素、臭
素である場合には、本発明の硬化性ポリフェニレンエー
テル系樹脂組成物に難燃性を付与できるという効果があ
る。難燃性を付与する場合好ましいハロゲンの含量は1
重量%以上である。しかし30重量%を越えるとポリフ
ェニレンエーテル樹脂自体の熱安定性が低下するので好
ましくない。
【0037】上記の方法で得られる不飽和基が導入され
たポリフェニレンエーテル樹脂の好ましい例としては、
以下に述べるポリフェニレンエーテル系樹脂とアリルブ
ロマイド、アリルクロライド、プロパルギルブロマイ
ド、プロパルギルクロライドの反応生成物からなる樹脂
を挙げることができる。ポリフェニレンエーテル系樹脂
としては、2,6−ジメチルフェノールの単独重合で得
られるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエ
ーテル)、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)のポリスチレングラフト共重合体、2,6
−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノ
ールの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,6
−ジメチル−3−フェニルフェノールの共重合体、2,
6−ジメチルフェノールを多官能性フェノール化合物
【0038】
【化15】
【0039】の存在下で重合して得られた多官能性ポリ
フェニレンエーテル樹脂、例えば特開昭63−3012
22号、特開平1−29748号に開示されているよう
な一般式(V)および(VI)の単位を含む共重合体、
例えば特願平1−135763号に開示されているよう
な一般式(V)の単位および一般式(VII)の末端基
を含む樹脂等を挙げることができる。
【0040】本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルフ
ィルムに用いられる不飽和基を含むポリフェニレンエー
テル樹脂の他の例としては、次のような繰り返し単位を
含む樹脂を挙げることができる。
【0041】
【化16】
【0042】具体的な例としては、米国特許第3422
062号に開示されているような2−アリル−6−メチ
ルフェノールと、2,6−ジメチルフェノールの共重合
体、米国特許第3281393号に開示されているよう
な2,6−ジアリル−4−ブロモフェノールと2,6−
ジメチル−4−ブロモフェノールの共重合体、特公昭6
3−47733号に開示されているような2,6−ジプ
レニルフェノールと2,6−ジメチルフェノールの共重
合体、同じく2,6−ビス(2−ブテニル)フェノール
と2,6−ジメチルフェノールの共重合体、同じく2,
6−ジシンナミルフェノールと2,6−ジメチルフェノ
ールの共重合体、特開昭58−27719号の開示され
ているような2−プレニル−6−メチルフェノールの単
独重合体、同じく2−プレニル−6−メチルフェノール
と2,6−ジメチルフェノールの共重合体、同じく2−
(2−ブテニル)−6−メチルフェノールの単独重合
体、同じく2−(2−ブテニル)−6−メチルフェノー
ルと2,6−ジメチルフェノールの共重合体、同じく2
−シンナミル−6−メチルフェノールの単独重合体、同
じく2−シンナミル−6−メチルフェノールと2,6−
ジメチルフェノールの共重合体等が挙げられる。
【0043】また米国特許第4634742号に開示さ
れたポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)の2,6位のメチル基をビニル基に変換して得ら
れる樹脂、同じくポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)のフェニル基の3,5位にビニル基
を導入して得られる樹脂も本発明に用いられる不飽和基
を含むポリフェニレンエーテル樹脂の好ましい例の一つ
である。
【0044】本発明において用いられる不飽和基を含む
ポリフェニレンエーテル樹脂の不飽和基の含量の範囲
は、次式の定義に従った場合0.1モル%以上100モ
ル%以下、より好ましくは0.5モル%以上50モル%
以下が好適である。
【0045】
【数1】
【0046】不飽和基の含量が0.1モル%未満では硬
化後の耐薬品性の改善が不十分となるので好ましくな
い。逆に100モル%を越えると硬化後において非常に
脆くなるので好ましくない。また本発明において用いら
れる不飽和基が導入されたポリフェニレンエーテル樹脂
の分子量については、30℃,0.5g/dlのクロロ
ホルム溶液で測定した粘度数ηsp/cが0.1〜1.
0の範囲にあるものが良好に使用できる。
【0047】本発明で用いられる難燃剤2、4、6−ト
リブロモフェニルアクリレートは、次の構造式で表され
る。
【0048】
【化17】
【0049】また、本発明で用いられる難燃剤ヒドロキ
シエチルトリブロモフェノールは、次の構造式で表され
る。
【0050】
【化18】
【0051】難燃剤の添加量は、不飽和基を含むポリフ
ェニレンエーテル樹脂100重量部に対し、15〜80
重量部であり、好ましくは、15〜65重量部、特に好
ましくは15〜50重量部である。添加量が80重量部
を越えると、硬化フィルムのハンダ耐熱性が劣り好まし
くない。また、添加量が15重量部未満では、難燃性が
得られない。
【0052】2、4、6−トリブロモフェニルアクリレ
ート、ヒドロキシエチルトリブロモフェノールの両方を
用いる場合、各々の混合割合は任意であり、特に制限さ
れない。本発明の不飽和基を含むポリフェニレンエーテ
ル樹脂と難燃剤を混合する方法としては、2者を溶媒中
に均一に溶解させる溶液混合法が利用できる。
【0053】溶液混合に用いられる溶媒としては、ジク
ロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレンなどの
ハロゲン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族系溶媒またはテトラヒドロフランが単独で、あるい
は二種以上を組み合わせて用いられる。本発明の硬化性
ポリフェニレンエーテルフィルムの製造方法は特に限定
されないが、通常の溶媒成膜法(キャスティング法)、
スピンコート法等が利用でき、0.1〜1000μmの
厚みのものが製造できる。
【0054】得られたフィルムは、赤外吸収スペクトル
法、高分解能固体核磁気共鳴スペクトル法等の方法を用
いて樹脂組成物を解析することができる。本発明のフィ
ルムは、上記の難燃剤の他にその用途に応じて所望の性
能を付与する目的で本来の性質を損なわない範囲の量の
添加剤を配合して成膜することができる。
【0055】添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、
帯電防止剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤などが挙げら
れる。また、ポリフェニレンエーテルをはじめとする熱
可塑性樹脂、あるいは他の熱硬化性樹脂を一種または二
種以上配合することも可能である。本発明の第2の硬化
ポリフェニレンエーテルフィルムは、以上に述べた硬化
性ポリフェニレンエーテルフィルムを硬化することによ
り得られるものであり、熱、光、電子線等による方法を
採用することができる。
【0056】加熱による硬化の温度は、100〜350
℃、より好ましくは150〜300℃範囲で選ばれる。
また時間は1分〜5時間程度、より好ましくは1分〜3
時間である。本発明の第3である積層体は、上記第2発
明の硬化ポリフェニレンエーテルフィルムと金属箔より
構成される。ここで用いられる金属箔としては、例えば
銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。その厚みは特に
限定されないが、5〜200μm、より好ましくは5〜
100μmの範囲である。
【0057】本発明の積層体の製造方法は特に限定され
ないが通常、フィルムを金属箔で挟み、加熱加圧下でプ
レス成形する方法が用いられる。
【0058】
【実施例】以下、本発明を一層明確にするために実施例
を挙げて説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に
限定するものではない。以下、物性測定方法を示し、実
施例に用いた各成分を参考例1〜3に示す。 (1)難燃性 UL−94に準拠 (2)耐薬品性 銅箔を除去したフィルムを次に挙げる薬品にそれぞれ2
3℃5分間浸漬し、外観の変化を目視により観察した。 ・塩素系溶剤:1,1,1−トリクロロエタン ・アルコール:イソプロピルアルコール ・アルカリ:水酸化ナトリウム水溶液(2N) ・酸:塩酸(2N) (3)ハンダ耐熱性 JPCA規格に準拠し、一部銅箔を除去したフィルムを
260℃のハンダ浴中に5秒間浮かべ、外観の変化を目
視により観察した。 (4)屈曲性 サンプルは、銅箔を除去したフィルムで幅15mmとし
た。これをJIS規格C5016に準拠し、耐折性試験
機により連続的に屈曲させ、フィルムが切断するまでの
屈曲回数を測定した。なお耐折性試験機の折り曲げ面の
曲率半径は0.38mmである。
【0059】
【参考例1】 不飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂 平均置換率14%、粘度数はηsp/C=0.62(3
0℃,0.5g/dl、クロロホルム溶液)のアリル基
置換ポリフェニレンエーテル(A−PPEと略す)を特
公平5−8930号に開示された公知の方法に従ってη
sp/C=0.56のポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル)より合成した。
【0060】
【参考例2】 不飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂 平均置換率5%、ηsp/C=0.40(30℃,0.
5g/dl、クロロホルム溶液)のプロパギル基置換ポ
リフェニレンエーテル(Pr−PPEと略す)を特公平
5−8930号に開示された公知の方法に従ってηsp
/C=0.56のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)より合成した。
【0061】
【参考例3】 開始剤 2、5−ジメチル−2、5−ジ(t−ブチルパーオキシ
ン)ヘキシン−3(日本油脂 パーヘキシン25B;P
H25Bと略す)
【0062】
【実施例1〜3】参考例1で合成した不飽和基を含むポ
リフェニレンエーテル42gに、PH25Bを1重量
部、難燃剤2、4、6−トリブロモフェニルアクリレー
トを表1に示した添加量で添加し、トリクロロエチレン
100mlに溶解させガラス板上にキャストし成膜し
た。このフィルムを130℃、4時間エアーオーブン中
で乾燥させて得られたフィルムの厚さは約55μm であ
った。乾燥フィルムの両面に厚さ35μm の銅箔を置
き、200℃、30分、圧力44kg/cm2 の条件で
プレス成形し、銅箔と接着させ、硬化させた。
【0063】こうして得た銅張フィルムの諸物性の測定
結果を表1に示す。また、銅箔とフィルムとのピール強
度はすべての実施例で1.7Kg/cm以上で銅箔はフ
ィルムと良く接着していた。更に、得られたフィルムの
誘電率は、全ての実施例で、2.6であった。
【0064】
【実施例4〜6】参考例2で合成した不飽和基を含むポ
リフェニレンエーテル42gに、PH25Bを1重量
部、難燃剤2、4、6−トリブロモフェニルアクリレー
トを表1に示した添加量で添加し、トリクロロエチレン
100mlに溶解させガラス板上にキャストし成膜し
た。このフィルムを130℃、4時間エアーオーブン中
で乾燥させて得られたフィルムの厚さは約55μm であ
った。乾燥フィルムの両面に厚さ35μm の銅箔を置
き、200℃、30分、圧力44kg/cm2 の条件で
プレス成形し、銅箔と接着させ、硬化させた。
【0065】こうして得た銅張フィルムの諸物性の測定
結果を表1に示す。また、銅箔とフィルムとのピール強
度はすべての実施例で1.7Kg/cm以上で銅箔はフ
ィルムと良く接着していた。更に、得られたフィルムの
誘電率は、全ての実施例で、2.6であった。
【0066】
【比較例1〜2】参考例1で合成した不飽和基を含むポ
リフェニレンエーテルとPH25B、難燃剤2、4、6
−トリブロモフェニルアクリレートを用い、表1に示し
た組成で、実施例と同様の操作を行い、フィルムを作成
した。これらの銅張フィルムの諸物性の測定結果を表1
に示した。難燃剤の添加量が15重量部より少ない場
合、難燃性が得られない。
【0067】
【比較例3〜4】参考例2で合成した不飽和基を含むポ
リフェニレンエーテルとPH25B、難燃剤2、4、6
−トリブロモフェニルアクリレートを用い、表1に示し
た組成で、実施例と同様の操作を行い、フィルムを作成
した。これらの銅張フィルムの諸物性の測定結果を表1
に示した。難燃剤の添加量が15重量部より少ない場
合、耐熱性が得られない。
【0068】
【比較例5〜6】参考例1または2で合成した不飽和基
を含むポリフェニレンエーテルとPH25B、難燃剤
2、4、6−トリブロモフェニルアクリレートを用い、
表1に示した組成で、実施例と同様の操作を行い、フィ
ルムを作成した。これらの銅張フィルムの諸物性の測定
結果を表1に示した。難燃剤の添加量が多すぎる場合、
ハンダ耐熱性が劣化してしまうことが明らかとなった。
【0069】
【表1】
【0070】
【実施例7〜9】参考例1で合成した不飽和基を含むポ
リフェニレンエーテル42gに、PH25Bを1重量
部、難燃剤ヒドロキシエチルトリブロモフェノールを表
2に示した添加量で添加し、トリクロロエチレン100
mlに溶解させガラス板上にキャストし成膜した。この
フィルムを130℃、4時間エアーオーブン中で乾燥さ
せて得られたフィルムの厚さは約55μm であった。乾
燥フィルムの両面に厚さ35μm の銅箔を置き、200
℃、30分、圧力44kg/cm2 の条件でプレス成形
し、銅箔と接着させ、硬化させた。
【0071】こうして得た銅張フィルムの諸物性の測定
結果を表2に示す。また、銅箔とフィルムとのピール強
度はすべての実施例で1.7Kg/cm以上で銅箔はフ
ィルムと良く接着していた。更に、得られたフィルムの
誘電率は、全ての実施例で、2.6であった。
【0072】
【実施例10〜12】参考例2で合成した不飽和基を含
むポリフェニレンエーテル42gに、PH25Bを1重
量部、難燃剤ヒドロキシエチルトリブロモフェノールを
表2に示した添加量で添加し、トリクロロエチレン10
0mlに溶解させガラス板上にキャストし成膜した。こ
のフィルムを130℃、4時間エアーオーブン中で乾燥
させて得られたフィルムの厚さは約55μm であった。
乾燥フィルムの両面に厚さ35μm の銅箔を置き、20
0℃、30分、圧力44kg/cm2 の条件でプレス成
形し、銅箔と接着させ、硬化させた。
【0073】こうして得た銅張フィルムの諸物性の測定
結果を表2に示す。また、銅箔とフィルムとのピール強
度はすべての実施例で1.7Kg/cm以上で銅箔はフ
ィルムと良く接着していた。更に、得られたフィルムの
誘電率は、全ての実施例で、2.6であった。
【0074】
【比較例7〜8】参考例1で合成した不飽和基を含むポ
リフェニレンエーテルとPH25B、難燃剤ヒドロキシ
エチルトリブロモフェノールを用い、表2に示した組成
で、実施例と同様の操作を行い、フィルムを作成した。
これらの銅張フィルムの諸物性の測定結果を表2に示し
た。難燃剤の添加量が15重量部より少ない場合、難燃
性が得られない。
【0075】
【比較例9〜10】参考例2で合成した不飽和基を含む
ポリフェニレンエーテルとPH25B、難燃剤ヒドロキ
シエチルトリブロモフェノールを用い、表2に示した組
成で、実施例と同様の操作を行い、フィルムを作成し
た。これらの銅張フィルムの諸物性の測定結果を表2に
示した。難燃剤の添加量が15重量部より少ない場合、
耐熱性が得られない。
【0076】
【比較例11〜12】参考例1または2で合成した不飽
和基を含むポリフェニレンエーテルとPH25B、難燃
剤ヒドロキシエチルトリブロモフェノールを用い、表2
に示した組成で、実施例と同様の操作を行い、フィルム
を作成した。これらの銅張フィルムの諸物性の測定結果
を表2に示した。難燃剤の添加量が多すぎる場合、ハン
ダ耐熱性が劣化してしまうことが明らかとなった。
【0077】
【表2】
【0078】
【実施例13〜18】参考例1で合成した不飽和基を含
むポリフェニレンエーテル42gに、PH25Bを1重
量部、難燃剤2、4、6−トリブロモフェニルアクリレ
ートおよびヒドロキシエチルトリブロモフェノールを表
3に示した添加量で添加し、トリクロロエチレン100
mlに溶解させガラス板上にキャストし成膜した。この
フィルムを130℃、4時間エアーオーブン中で乾燥さ
せて得られたフィルムの厚さは約55μm であった。乾
燥フィルムの両面に厚さ35μm の銅箔を置き、200
℃、30分、圧力44kg/cm2 の条件でプレス成形
し、銅箔と接着させ、硬化させた。
【0079】こうして得た銅張フィルムの諸物性の測定
結果を表3に示す。また、銅箔とフィルムとのピール強
度はすべての実施例で1.7Kg/cm以上で銅箔はフ
ィルムと良く接着していた。更に、得られたフィルムの
誘電率は、全ての実施例で、2.6であった。
【0080】
【実施例19〜24】参考例2で合成した不飽和基を含
むポリフェニレンエーテル42gに、PH25Bを1重
量部、難燃剤2、4、6−トリブロモフェニルアクリレ
ートおよびヒドロキシエチルトリブロモフェノールを表
3に示した添加量で添加し、トリクロロエチレン100
mlに溶解させガラス板上にキャストし成膜した。この
フィルムを130℃、4時間エアーオーブン中で乾燥さ
せて得られたフィルムの厚さは約55μm であった。乾
燥フィルムの両面に厚さ35μm の銅箔を置き、200
℃、30分、圧力44kg/cm2 の条件でプレス成形
し、銅箔と接着させ、硬化させた。
【0081】こうして得た銅張フィルムの諸物性の測定
結果を表3に示す。また、銅箔とフィルムとのピール強
度はすべての実施例で1.7Kg/cm以上で銅箔はフ
ィルムと良く接着していた。更に、得られたフィルムの
誘電率は、全ての実施例で、2.6であった。
【0082】
【表3】
【0083】
【比較例13〜20】参考例1または2で合成した不飽
和基を含むポリフェニレンエーテルとPH25B、難燃
剤2、4、6−トリブロモフェニルアクリレートおよび
ヒドロキシエチルトリブロモフェノールを用い、表4に
示した組成で、実施例と同様の操作を行い、フィルムを
作成した。これらの銅張フィルムの諸物性の測定結果を
表4に示した。難燃剤の添加量が15重量部より少ない
場合、難燃性が得られず、難燃剤の添加量が多すぎる場
合、ハンダ耐熱性が劣化してしまうことが明らかとなっ
た。
【0084】
【表4】
【0085】
【発明の効果】本発明のポリフェニレンエーテルフィル
ムは、適した難燃剤を用い、添加量が最も適しているた
め、フィルムの持つ屈曲性を損なうことなく、優れた難
燃性を発揮する。さらに優れた誘電特性、耐熱性、耐薬
品性、銅との接着性を備えている。
【0086】従って、本発明のポリフェニレンエーテル
フィルムは、誘電材料、絶縁材料、耐熱材料等として用
いることができる。特に片面、両面フレキシブルプリン
ト基板用フィルムとして好適に用いられる。また、銅箔
との接着性に優れているため接着剤を必要としないで直
接銅箔と本発明のフィルムを積層できるので、いわゆる
2層型フレキシブルプリント基板として使用できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和結合基を含むポリフェニレンエー
    テル樹脂100重量部および難燃剤2、4、6−トリブ
    ロモフェニルアクリレートおよび/またはヒドロキシエ
    チルトリブロモフェノール15〜80重量部からなる硬
    化性ポリフェニレンエーテルフィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硬化性ポリフェニレンエ
    ーテルフィルムを硬化して得られた硬化ポリフェニレン
    エーテルフィルム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の硬化ポリフェニレンエー
    テルフィルムと金属箔とからなる積層体。
JP3108294A 1994-03-01 1994-03-01 硬化性ポリフェニレンエーテルフィルム Withdrawn JPH07238175A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016132929A1 (ja) * 2015-02-19 2016-08-25 京セラ株式会社 樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板および配線基板

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016132929A1 (ja) * 2015-02-19 2016-08-25 京セラ株式会社 樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板および配線基板

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