JPH07238065A - アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩、または、アルキルn−置換アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩の精製方法 - Google Patents

アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩、または、アルキルn−置換アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩の精製方法

Info

Publication number
JPH07238065A
JPH07238065A JP2937294A JP2937294A JPH07238065A JP H07238065 A JPH07238065 A JP H07238065A JP 2937294 A JP2937294 A JP 2937294A JP 2937294 A JP2937294 A JP 2937294A JP H07238065 A JPH07238065 A JP H07238065A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkali metal
salt
aminoethanesulfonic acid
substituted
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2937294A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Matsuoka
亨 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2937294A priority Critical patent/JPH07238065A/ja
Publication of JPH07238065A publication Critical patent/JPH07238065A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】未精製のCES−Mにアミン類とアルカリ金属
水酸化物を加え、蒸留によりアンモニア、または、N−
置換アミンを留去し、炭素数≧12の長鎖アルキルアミ
ン塩酸塩を加え、温められた水溶液を常温以下の温度に
冷却し、固−液分離し、減圧下に水を蒸発して濃縮する
ことを特徴とするタウリンアルカリ金属塩の精製方法。 【効果】本発明によれば、高価なアルコール類を使用し
なくて済み、副生EDS−Mの除去に用いられる長鎖ア
ルキルアミンは回収して、循環使用するこtgあでき、
副生EDS−Mは回収して有効に利用され、排出物は、
無害な無機塩だけとすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、β−クロロエタンスル
ホン酸アルカリ金属塩(以下、これをCES−Mと称
し、Mはアルカリ金属を示す。)をアンモニア、また
は、アルキルN−置換アミン(以下、これらを併せ単に
アミン類と称す。)とアルカリ金属水酸化物と反応させ
て、アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩、またはア
ルキルN−置換アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩
(以下、これらを併せ、単にタウリンアルカリ金属塩類
と称す。)を製造するにあたり、原料CES−M水溶液
に関し、その精製工程が省略された未精製CES−M水
溶液を用いて、副生アルカリ金属塩化物、未反応アルカ
リ金属亜硫酸塩あるいは、これが酸化されたアルカリ金
属硫酸塩、副生1,2エタンジスルホン酸アルカリ金属
塩等の不純物を除去するタウリンアルカリ金属塩類水溶
液の精製方法に関する。
【0002】このタウリンアルカリ金属塩類にあって、
アルカリ金属がナトリウムであり、アミン類がアンモニ
アである場合に得られる、アミノエタンスルホン酸ナト
リウム塩は、1,2エポキシアルカンを加えると、ジヒ
ドロキシアルキルアミノエタンスルホン酸ナトリウム塩
が製造されるが、このアミノエタンスルホン酸ナトリウ
ム塩のジヒドロキシアルキル化物は浸透剤、エマルジョ
ン安定剤、帯電防止剤、顔料分散剤として利用され、ま
た、生物化学的にも有用な化合物であり、緩衝剤として
利用される。
【0003】また、このアミノエタンスルホン酸ナトリ
ウム塩に塩酸、硫酸等の鉱酸を加え、ナトリウムを遊離
して得られるアミノエタンスルホン酸は、タウリンと別
称される医薬原体である。
【0004】アルカリ金属がナトリウムであり、アミン
類がメチルアミンである場合に得られるメチルアミノエ
タンスルホン酸ナトリウム塩、即ち、メチルタウリンナ
トリウム塩は炭素数=6〜18の脂肪酸、または、その
酸クロライドと反応させるとアシル化メチルタウリンが
得られる。
【0005】この化合物はIgepon-Tの名称で古くから知
られた界面活性剤であり、耐硬水性で人体に優しく、生
物分解性を有した、優れた洗浄剤である。
【0006】またアルカリ金属がカリウムであり、アミ
ン類がメチルアミンである、メチルタウリンカリウム塩
は炭化水素類のクラッキングガスに含まれる炭酸ガス等
微量酸性ガスの吸収剤として用いられる。
【0007】
【従来の技術】一般に、CES−Mとアミン類、アルカ
リ金属水酸化物からのタウリンアルカリ金属塩類の合成
は、CES−Mに対し、大過剰のアミン類を用い、加
温、加圧下で、以下の化式1に示す化学式により、アル
カリ金属塩化物の副生を伴い、始めに、そのアミン類の
塩として合成される。
【0008】
【化1】
【0009】しかる後、以下の化式2に示すように、ア
ルカリ金属水酸化物が加えられ、過剰アミン類、及び遊
離アミン類を蒸留により、留去することにより、合成さ
れる。
【0010】
【化2】
【0011】上記化式1で用いられる、未精製CES−
M水溶液とは、以下の化式3及び化式4に示す如く、
1,2エタンジクロライドと亜硫酸アルカリ金属塩、も
しくは、ビニルクロライドと重亜硫酸アルカリ金属塩と
若干量のアルカリ金属水酸化物から合成された、副生ア
ルカリ金属塩化物等各種副生物が未だ除かれていない、
不純物を含んだCES−M水溶液を指す。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】これらの主反応にあって、化式1には、供
給アミン類/CES-M(モル比)にもよるが、生成タウリン
アミン塩類と未反応CES−Mの間に、以下の化式5に
示す副反応があり、ジタウレート、トリタウレートが副
生し、
【0015】
【化5】
【0016】また、化式3及び化式4では、生成CES
−Mと未反応亜硫酸アルカリ金属塩の間に以下の化式6
に示す副反応があり、1,2エタンジスルホン酸アルカ
リ金属塩(以下、EDS−Mと称し、Mはアルカリ金属
を示す。)を副生する。
【0017】
【化6】
【0018】従って、本発明に関わる未精製タウリンア
ルカリ金属塩類水溶液は副生アルカリ金属塩化物等の無
機塩のほか、ジタウレート、トリタウレート、並びに、
EDS−Mを不純物として含んだ水溶液であり、かかる
組成の水溶液を精製し、これら不純物が高度に除かれた
タウリンアルカリ金属塩類水溶液の製造法として、従来
以下の方法が知られていた。
【0019】(1)酸型精製法(Ind.&Eng.Chem.,Vol.3
9, p.906 〜909(1947)) (2)アルカリ金属塩型精製法(特開平3−18805
6号) これらの方法はいずれも、高価なエチルアルコールなど
のアルコール類を大量に媒体に用いる点で共通してお
り、(1) の方法では、精製された固体CES−Mと液化
アミン類を化式1により、反応させ、過剰アミン類を系
外に留去したる後、以下の化式7に示す如く、濃塩酸を
加え、タウリンアミン塩類をタウリン類に変換し、
【0020】
【化7】
【0021】しかる後、95%の含水Hotエチルアル
コールを加え、化式1及び化式7で副生するアルカリ金
属塩化物及びアミン類塩酸塩を不溶性固形物となし、可
溶性タウリン類と濾過等の固−液分離法により分離し、
その分離液を冷却して、水性エチルアルコール媒体から
タウリン類を結晶として晶出せしめ、固−液分離するこ
とにより、タウリン類結晶を取得する方法であり、さら
に高純度タウリン類結晶を得るには、エチルアルコール
によるこの再結晶法が繰り返される。
【0022】同文献には記載されていないが、このタウ
リン類結晶をアルカリ金属水酸化物水溶液に溶解すれ
ば、タウリンアルカリ金属塩類水溶液が得られる。同法
では、精製CES−Mを原料としているが、本発明者の
知見によれば、化式3及び化式4で得られた副生アルカ
リ金属塩化物、EDS−M及び未反応亜硫酸アルカリ金
属塩、あるいは、この亜硫酸アルカリ金属塩が酸化され
た硫酸アルカリ金属塩等各種不純物を含んだ粗CES−
M水溶液を原料としても同じ結果が得られる。
【0023】同法を商業的精製法として適用したる場
合、化式1の反応で供給アミン類/CES-M(モル比)の値
が低く、化式5により、ジタウレート、トリタウレート
が副生しても、これら不純物を含まない高純度品が得ら
れるものの、低沸点の引火性を有するエチルアルコール
を含む液を加温するので、その蒸発揮散による損失を伴
い、設備は火災の危険に対処した防爆性のものでなけれ
ばならず、さらに初めに排出される固形物は副生アミン
類塩酸塩、EDS−M等の有機物を含んだ副生アルカリ
金属塩化物であり、これをそのまま廃棄することは自然
環境の保全上許されざるものであり、さらなる何らかの
処理工程を要する。
【0024】また、タウリン類結晶を分離した分離液は
晶析できなかったタウリン類結晶のほかに若干量のアミ
ン類塩酸塩、副生ジタウリン類、トリタウリン類を含ん
だ濃度の低められた水性エチルアルコール液となるの
で、これをそのまま回収して再使用したのではこれら不
純物が蓄積し、繰り返し高純度品が得られなくなるの
で、蒸留等の方法により、再生しなければならない。
【0025】従って、単にエチルアルコールの再生工程
を要するだけでなく、タウリン類の損失による収率の低
下とその蒸留残留液の処理工程を要するところとなる。
【0026】即ち、同法は高純度品をただ1回だけ取得
する実験室的製造法としてはともかく、これを商業的な
プロセスとして適用すれば、タウリン類のみならず、原
料アミン類、媒体エチルアルコールの一部を失うばかり
でなく、廃棄物の処理工程、媒体の回収工程を要し、工
程が煩雑となるばかりでなく、これがため、多大のエネ
ルギーを消費するところとなる。
【0027】(2) の方法は未精製CES−Mを用い、化
式1及び化式2により、過剰アミン類を留去して得られ
た水溶液を加熱により、水を蒸発して、副生アルカリ金
属塩化物が析出し、水含有濃度が30%以下となるまで
高度に濃縮したる後、炭素数=2〜6のアルコール類を
加え、副生アルカリ金属塩化物、EDS−M、あるい
は、化式3及び化式4による未反応亜硫酸アルカリ金属
塩が酸化されて生じたる硫酸アルカリ金属塩等の不純物
を析出せしめ、これを濾過により固−液分離した分離液
を蒸留し、アルコール類が留去された残留液として、タ
ウリンアルカリ金属塩類水溶液を取得する方法である。
【0028】同法によりたる場合、タウリンアルカリ金
属塩類、アミン類の損失はないものの、濾過により分離
される排出物はEDS−Mを含んだアルカリ金属塩化物
であるので、やはり、何らかの処理工程を要する。
【0029】また、(1) の方法の場合に比し、水分が多
く、アルコール類としてエチルアルコールを用いた場
合、その濃度が低いと、上記不純物を充分量析出できな
いので、大量に加え、濃度を高める必要がある。
【0030】さらに、これらアルコール類はいずれも水
と共沸する性質を有するので、その蒸留による回収にあ
たり、炭素数=2のエチルアルコールでは、約95%の
水性物であるのでまだよいが、炭素数=3のアルコール
類では約71〜87%の水性物としてしか回収されず、
さらに炭素数=4のアルコール類では57〜88%の水
性物として、炭素数=5のアルコール類では45〜50
%の水性物としてしか回収されず、かかる水分の多いア
ルコール類を回収しても、これを前記濃縮液に加えれ
ば、媒体に占めるアルコール類の濃度はさらに低下し、
このようなアルコール類濃度の低い媒体では副生アルカ
リ金属塩化物、EDS−M、硫酸アルカリ金属塩等の狭
雑不純物は高度に晶析できなくなる。
【0031】従って、同法では、このアルコール類を繰
り返し使用せんとすれば、この蒸留により回収されたア
ルコール類の、更なる再精製工程を要し、また供給アミ
ン類/CES-M(モル比)が低くなくとも、副生アルカリ金
属塩化物等無機塩類の濃縮による晶出に際し、大気圧下
で濃縮したのでは濃縮液温度が120℃以上の高温にな
り、以下の化式8により、タウリンアルカリ金属塩類が
熱劣化し、ジタウレート類、トリタウレート類が副生
し、これら劣化副生する、ジタウレート類、トリタウレ
ート類は除去することが出来ない。
【0032】
【化8】
【0033】即ち、同法もまた(1) の方法と同様に、サ
ンプルを一回だけ調整する実験室的手法としてはともか
く、商業的精製プロセスとして適用するとなると、設備
を防爆性とした上で、排出固形物の処理工程、媒体アル
コール類の更なる再精製工程を有し、媒体に用いたるア
ルコール類の回収、再精製に多大のエネルギー消費を伴
う。
【0034】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、未
精製のCES−Mとアミン類、アルカリ金属水酸化物と
の反応で得られた、各種狭雑副生物を不純物として含ん
だ、タウリンアルカリ金属塩水溶液から、これら不純物
が高度に除かれたタウリンアルカリ金属塩類水溶液を取
得するにあたり、高価なアルコール類を媒体として用い
ることなく、元来含まれている水を媒体とする、簡略化
されたプロセスにより、高度に不純物が除かれ、タウリ
ンアルカリ金属塩類水溶液を精製する方法を提示せんと
するものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、原料に
未精製CES−Mを用いたることにより混入した、ED
S−Mは精製工程にあって、アルカリ金属水酸化物を加
え、アミン類を系外に排出し、タウリンアミン塩類をそ
のアルカリ金属塩類に変換するに際し、アルカリ金属水
酸化物の一部を炭素数=12以上の長鎖アルキルアミン
に代替して加え、その水溶液からアミン類を排したる
後、この水溶液を常温以下に冷却することにより、この
EDS−Mをその長鎖アルキルアミン塩に変換し、この
EDS−長鎖アルキルアミン塩を晶出せしめ、固−液分
離法により除き、次いで、その分離液を、その沸点が1
10℃を越えざるように減圧下に水を蒸発し、タウリン
アルカリ金属塩類の熱による劣化を防ぎ、高度に濃縮す
ることにより、副生アルカリ金属塩化物、及び、亜硫酸
アルカリ金属塩、あるいは、これが酸化された硫酸アル
カリ金属塩等無機塩類を晶出させ、温度低下により粘度
が低下しないよう、加温下に、固−液分離法により除
き、その分離液として、これら不純物が高度に除かれ
た、タウリンアルカリ金属塩類水溶液を取得するもので
あり、以下、その詳細について説明する。
【0036】タウリンアルカリ金属塩類水溶液はアルカ
リ性を示し、水との親和性が非常によく、どのような割
合でも水に溶解するが、その水溶液濃度が高くなるにつ
れ、粘度も高くなり、終には、流動性の失われたペース
ト状になる。これがため、通常は取り扱いが簡便な水溶
液として利用されている。
【0037】例えば、メチルタウリンナトリウム塩は、
化学式 CH3N(C24SO3Na)2で示されるジタ
ウレートが少量含まれているものの、副生食塩、芒硝等
の無機塩や、EDS−Na等の不純物が高度に除かれ
た、常温での粘度が6〜10センチポイズの純度=35
〜38%の水溶液として用いられ、まれに、常温での粘
度が50〜250センチポイズの純度=60〜65%の
水溶液として用いられる。
【0038】しかるに、上記不純物が混入していると、
その水溶液粘度は上昇し、殊に、EDS−Naの影響は
大であり、常温での粘度は、純度=35〜38%水溶液
は10〜20センチポイズになり、60〜65%水溶液
では350〜1000センチポイズに達し、粘稠液、あ
るいは、ペースト状になり、取扱いに支障をきたすの
で、かかる不純物は高度に除かれなければならない。
【0039】一方、一般に前記化式3及び化式4により
合成された未精製CES−M水溶液を原料として、化式
1及び化式2により合成されるタウリンアルカリ金属塩
類水溶液には、その1.1〜2.4倍化学当量の副生ア
ルカリ金属塩化物の他に、未精製CES−Mに起因す
る、未反応亜硫酸アルカリ金属塩が酸化されて生じる硫
酸アルカリ金属塩のほか、副生EDS−M等が不純物と
して含まれている。
【0040】これら不純物のうち、最も多量に含まれて
いるアルカリ金属塩化物と硫酸アルカリ金属塩などの無
機塩は、水を蒸発し、高度に濃縮すると、溶解平衡によ
り、選択的に析出するので除くことができるが、EDS
−Mはよく析出されず、十分に除くことができない。
【0041】さらに、このEDS−Mの含まれたタウリ
ンアルカリ金属塩類水溶液では、加温下でもその濃縮液
の粘度は、EDS−Mが含まれていない場合に比し著し
く高く、粘稠性が増すので、前記析出無機塩の濾過によ
る固液分離操作が非常に困難となり、これがため、前記
無機塩類の晶析のための濃縮を十分にできず、無機塩を
も十分量析出せしむることができなくなるので、このよ
うにして得られた分離液はEDS−Mが十分除かれず
に、残存しているばかりでなく、アルカリ金属塩化物等
無機塩類もより多く含まれたタウリンアルカリ金属塩類
水溶液となる。
【0042】従って、EDS−Mはアルカリ金属塩化物
等無機塩類が除かれる前工程で除かれることが望まし
い。その方法として、本発明者はタウリンアルカリ金属
塩類濃度が低く、未だ濃縮されない工程で、EDS−M
のアルカリ金属イオンを炭素数12以上、好ましくは1
2〜24の長鎖アルキルアミン(以下、単に、長鎖アル
キルアミンと称す。)の塩に変換すれば、このEDS−
長鎖アルキルアミン塩は水に対する溶解度が著しい温度
依存性を有し、約35℃以上の高温度域では非常に高い
溶解度であるが、常温以下の低温度域では極めて低く、
ほとんど水溶性を示さず、固形物として析出されること
を見出したるものである。
【0043】この場合、炭素数が12以下のアルキルア
ミンから形成されるEDS−アルキルアミン塩では、低
温度域に冷却しても、その溶解度が高く、析出せしむる
ことができない。
【0044】かかるEDS−長鎖アルキルアミン塩を形
成せしむる方法としては、化式1の反応により得られ
た、タウリンアミン塩類水溶液にアルカリ金属水酸化物
を加え、化式2により、タウリンアルカリ金属塩類とな
し、過剰アミン類を蒸留により留去するに際し、アルカ
リ金属水酸化物の一部を長鎖アルキルアミンに代替して
加えるか、あるいは化式1及び化式2によりタウリンア
ルカリ金属塩類を形成し、蒸留によりアミン類を留去し
たる後、長鎖アルキルアミンの塩酸塩を加え、加温溶解
した後、その水溶液を冷却し、EDS−長鎖アルキルア
ミン塩を析出せしめてもよいが、アルカリ金属水酸化物
の量を節減できる上、長鎖アルキルアミンの回収が容易
になる点から前者の方がより望ましい。
【0045】即ち、化式1により得られたタウリンアミ
ン塩類水溶液にアルカリ金属水酸化物を加え、そのアル
カリ金属塩にするに際し、その一部を代替して、長鎖ア
ルキルアミンを加え、化式2により、タウリンアルカリ
金属塩類とし、過剰アミン類を蒸留により留去したる
後、その水溶液を常温以下に冷却することにより、ED
S−長鎖アルキルアミン塩を形成し、析出させ、ろ過に
より、固−液分離して、その分離液として、1,2エタ
ンジスルホン酸根の除かれた水溶液を取得するのが良
く、固形物として分離されたEDS−長鎖アルキルアミ
ン塩はアルカリ金属水酸化物を含むエチルアルコールに
入れれば、EDS−Mと長鎖アルキルアミンに固−液分
離できるので、繰り返し循環使用できる。
【0046】さらに、この分離されたEDS−Mは、ポ
リカーボネード樹脂の難燃剤、あるいは臭素化合物で難
燃化されたポリスチレン樹脂の熱安定剤等有効に利用す
ることができるので、焼却する等、無駄な費用をかけて
処理しなくとも、有効に利用することができる。
【0047】次いで、このEDS−長鎖アルキルアミン
塩が分離された、タウリンアルカリ金属塩を含む分離液
は水を蒸発して、高度に濃縮すると、副性アルカリ金属
塩化物、硫酸アルカリ金属塩等の無機塩を析出するの
で、濾過により、固−液分離することにより、その分離
液は、これら不純物が高度に除かれたタウリンアルカリ
金属塩類水溶液とすることができるが、本発明の技術に
あっては、この濃縮を減圧下に行い、濃縮液沸点が60
〜110℃となるようにすると共に、晶出無機塩の固−
液分離は60〜110℃の加温下に行い、タウリンアル
カリ金属塩濃度が高くとも、温度低下による分離液の粘
度上昇を避けることにより、操作を支障なく、行うもの
である。
【0048】このように濃縮を減圧下に行うのは、当該
タウリンアルカリ金属塩類水溶液は溶解物の沸点上昇作
用により、大気圧下で行うと、タウリンアルカリ金属塩
類濃度の上昇につれ、優に120℃以上に達するが、か
かる高温度下ではタウリンアルカリ金属塩類は劣化する
ので、本発明の技術にあっては、濃縮を減圧下に行い、
濃縮液温度を60〜110℃、望ましくは60〜90℃
となし、タウリンアルカリ金属塩類の熱劣化を防ぐもの
である。
【0049】このようにタウリンアルカリ金属塩類が熱
により劣化することは、以下の特許からも例示される。
即ち、米国特許第2,880,219号によれば、タウ
リンナトリウム塩は、高温度下で、化式8に示すように
劣化し、アンモニアを放出して、ジタウレート、トリタ
ウレートを生ずることが記載されており、また、特開平
3−261756によれば、着色されたタウリンアルカ
リ金属塩類水溶液をラネーニッケル等金属触媒の存在
下、水素加圧下に水素還元することにより脱色せんとす
ると、反応温度110℃以上では十分に脱色されず、そ
の処理液はアミン臭を発するようになることが記載され
ているが、これらのことからも、高温下ではタウリンア
ルカリ金属塩類は熱劣化する事が知られよう。
【0050】このように、本発明では、CES−Mか
ら、高度に純化されたタウリンアルカリ金属塩類水溶液
を製造するにあたり、原料に未精製CES−Mを用いた
ることにより狭雑するEDS−Mは炭素数≧12の長鎖
アルキルアミンを加え、EDS−長鎖アルキルアミン塩
に変換して除き、次いで、副生アルカリ金属塩化物等の
無機塩は、EDS−長鎖アルキルアミン塩を除いた分離
を減圧下に濃縮し、その濃縮液沸点を110℃以下とし
て、タウリンアルカリ金属塩類の熱による劣化を防ぎ、
晶出させて除くことにより、高度に純化されたタウリン
アルカリ金属塩類水溶液を取得する。
【0051】
【作用】本発明は、未精製CES−Mを原料として用い
ることにより合成されたタウリンアルカリ金属塩類を水
を媒体として高度に精製するものであり、未精製CES
−Mを用いたることにより狭雑する1,2エタンジスル
ホン酸根は炭素数≧12の長鎖アルキルアミンと、常温
以下の低温度域で、不溶性の塩を形成せしめて除き、
1,2エタンジスルホン酸根の除かれた分離液は、その
沸点が110℃を越えざるよう、濃縮液温度を60〜1
10℃、好ましくは60〜90℃となし、減圧下に水を
蒸発して、高度に濃縮し、タウリンアルカリ金属塩類の
熱劣化を防止し、副生アルカリ金属塩化物等無機塩を晶
析させる。この晶出無機塩は、その溶液粘度が高くなら
ないように、60〜90℃に加温された状態で濾過によ
り除き、その濾液として、これら狭雑物が高度に除かれ
たタウリンアルカリ金属塩類水溶液を取得する精製法で
ある。
【0052】以下、本発明を実施例により、具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0053】
【実施例】
実施例1 1,2エタンジクロライドと亜硫酸ソーダから合成され
た、CES−Na=15.35%、食塩=7.04%、
EDS−Na=2.00%、芒硝=1.30%の組成か
ら成る未精製CES−Na水溶液に、当該CES−Na
量の18倍化学当量のメチルアミンを吸収させ、これを
90℃で、17分間、加圧下に反応させた後、過剰メチ
ルアミンを放出しつつ、CES−Naと等化学当量の4
8%苛性ソーダ水溶液を加え、蒸留によりメチルアミン
を留去して、メチルタウリンナトリウム塩=13.59
%、食塩=11.52%、EDS−Na=1.85%、
芒硝=1.20%、メチルジタウリンナトリウム塩=
0.14%の組成から成る粗メチルタウリンナトリウム
塩水溶液を得た。
【0054】この水溶液2445.8gに含有EDS−
Na量に相当する、試薬ドデシルアミン塩酸塩86.1
gを加え、約50〜60℃に加温して溶解した後、氷−
水で冷やされたバスに浸漬し、約10℃に冷却したとこ
ろ固形物が晶出した。
【0055】この晶出物をそのジャケット部に5〜10
℃の冷却水を循環し、冷やされた遠心ろ過機により、固
−液分離し、136.2gのケーキと2397.9gの
濾液を得た。
【0056】このケーキに関し、メチルタウリンナトリ
ウム塩、ドデシルアミンは高速液体クロマトグラフィー
により、メチルジタウリンナトリウム塩、1,2エタン
ジスルホン酸はイオンクロマトグラフィーにより、食
塩、芒硝は塩素根、硫酸根の滴定法により、分析したと
ころ、1,2エタンジスルホン酸=26.23%、ドデ
シルアミン=51.07%、食塩=1.25%、芒硝=
4.80%、メチルタウリンナトリウム塩=1.37
%、メチルジタウリンナトリウム塩=trace の値であっ
た。
【0057】濾液はセパラブルフラスコに入れ、オイル
バスに浸漬し、沸点が85℃を越えないよう、減圧下に
水を蒸発して濃縮した。蒸発水が約710ミリリットル
留去した時点で固形物の晶出が見られたが、濃縮を続行
し、蒸発水が合計で約1200ミリリットル留去したと
ころで、一旦、濃縮を中断し、遠心濾過により、固−液
分離し、973.0gのろ液とケーキを得た。ケーキは
54.1gの水で洗浄し、洗浄ケーキ204.2gとケ
ーキ洗浄回収液=55.1gを得た。
【0058】洗浄ケーキの分析値は、食塩=87.10
%、芒硝=4.96%、メチルタウリンナトリウム塩=
0.08%であり、1,2エタンジスルホン酸、ドデシ
ルアミン、メチルジタウリンナトリウム塩はtrace 値で
あった。
【0059】ケーキ洗浄回収水は濾液に加えて混合し、
再び、沸点が85℃を越えざるように減圧下に濃縮し、
蒸発水が約415ミリリットル留去したところで濃縮を
止め、晶出物をジャケット部に80〜85℃の温水を循
環し、温められた遠心濾過機により、固−液分離し、1
40.3gのケーキと461.3gの濾液を得た。
【0060】ケーキは、食塩=83.08%、芒硝=
8.83%、メチルタウリンナトリウム塩=5.64
%、メチルジタウリンナトリウム塩=0.06%、1,
2エタンジスルホン酸、ドデシルアミン=trace の分析
値であり、濾液はメチルタウリンナトリウム塩=68.
74%であったが、この液は若干白濁しており、温かい
間は流動性もよかったが、冷やされて、常温近辺になる
と、流動性の乏しい粘稠性となったので、メチルタウリ
ンナトリウム塩濃度が約50%となるよう、このろ液=
443.8gに166.3gの水を加えて稀釈した。
【0061】この稀釈液の分析値は、メチルタウリンナ
トリウム塩=50.00%、食塩=1.00%、1,2
エタンジスルホン酸ナトリウム塩=0.09%、芒硝<
0.05%、メチルジタウリンナトリウム塩=0.51
%、ドデシルアミン=traceであり、この精製液の(メ
チルジタウリンナトリウム塩)/(メチルタウリンナト
リウム塩)の値は、0.010(wt/wt)となり、
この値は出発原料として用いた粗メチルタウリンナトリ
ウム塩水溶液の値と同じであった。
【0062】この稀釈液の21.5℃での粘度は17.
0センチポイズあった。さらに、この稀釈液をメチルタ
ウリンナトリウム塩濃度=36.0%に稀釈した水溶液
の21.5℃における粘度は5.9センチポイズであ
り、この値は純粋な36%メチルタウリンナトリウム塩
水溶液の同一温度での粘度5.0センチポイズに近い値
であった。
【0063】実施例2 実施例1で用いたと同一組成の未精製CES−Na水溶
液に同じく、CES−Naの18倍化学当量のメチルア
ミンを吸収せしめ、実施例1と同様にして得られたメチ
ルタウリンメチルアミン塩水溶液3442.4gに、E
DS−Na塩に相当するテトラデシルアミン82.8g
と、[テトラデシルアミン+苛性ソーダ]量がCES−
Naに相当するよう、48%苛性ソーダ水溶液142.
6gを加え、遊離メチルアミン、過剰メチルアミンを蒸
留により留去し、2504.9gのメチルタウリンナト
リウム塩水溶液を得た。
【0064】この液を約15℃に冷却したところ、固形
物の晶出が見られたので、実施例1と同様のジャケット
に10〜15℃の冷水を循環して冷やされた遠心濾過機
により固液分離し、145.1gのケーキと2352.
0gの濾液を得た。
【0065】ケーキは、1,2エタンジスルホン酸=2
4.73%、テトラデシルアミン=55.44%、食塩
=1.18%、芒硝=4.62%、メチルタウリンナト
リウム塩=1.39%、メチルジタウリンナトリウム塩
=0.22%の分析値であった。
【0066】この濾液は、実施例1と同様、沸点が85
℃を越えざるよう、減圧下に濃縮し、蒸発水量が約13
90ミリリットル留出したところで、一旦濃縮を中断
し、晶出物を遠心濾過により分離し、濾液951.6g
とケーキを得た。
【0067】ケーキは48.5gの水で洗浄し、18
1.0gの洗浄ケーキと、ケーキ洗浄回収液48.8g
を得た。洗浄ケーキの分析値は食塩=86.03%、芒
硝=5.02%、メチルタウリンナトリウム塩=0.0
5%であり、メチルジタウリンナトリウム塩、1,2エ
タンジスルホン酸、テトラデシルアミンはtrace 値であ
った。
【0068】ケーキ洗浄回収液は濾液と混合し、再び、
沸点が85℃を越えないよう、減圧下で濃縮し、約39
0ミリリットルの蒸発水を留去、晶出物はジャケット部
に温水を循環して温められた遠心濾過機により固−液分
離し、460.9gの濾液とケーキを得た。
【0069】ケーキは37.1gの水で洗浄、洗浄ケー
キ132.3gとケーキ洗浄回収液36.9gを得た。
【0070】洗浄ケーキの分析値は、食塩=82.81
%、芒硝=9.67%、メチルタウリンナトリウム塩=
0.20%、メチルジタウリンナトリウム塩、1,2エ
タンジスルホン酸、テトラデシルアミンはいずれもtrac
e 値であり、ケーキ洗浄回収液は、食塩=8.10%、
芒硝=0.32%、メチルタウリンナトリウム塩=2
4.47%、メチルジタウリンナトリウム塩=0.31
%、1,2エタンジスルホン酸、テトラデシルアミン=
trace であり、濾液はメチルタウリンナトリウム塩=6
8.75%であったが、実施例1の場合と同液に、若干
白濁しており、冷えると流動性が乏しくなったので、濾
液440.0gを164.9gの水で稀釈し、メチルタ
ウリンナトリウム塩=50.01%、メチルジタウリン
ナトリウム塩=0.53%、食塩=1.10%、芒硝<
0.05%、1,2エタンジスルホン酸=0.07%、
テトラデシルアミン=trace の分析値を得た。
【0071】この稀釈液の21.5℃での粘度は16.
5センチポイズであり、さらに、この稀釈液を水で稀釈
し、メチルタウリンナトリウム塩濃度を36.0%とし
た液の、同温度での粘度は5.8センチポイズであっ
た。
【0072】比較例1 実施例1で用いたものと同一組成の粗メチルタウリンナ
トリウム水溶液2617.1gを実施例1及び2の場合
と同様、沸点が80℃となるよう減圧下に濃縮した。
【0073】蒸発水量が約1220ミリリットルとなっ
たところで濃縮を中断し、晶出固形物を遠心濾過により
分離し、ケーキ226.2gとろ液1158.0gを得
た。ケーキの分析値は、食塩=77.21%、EDS−
Na=8.12%、芒硝=8.02%、メチルタウリン
ナトリウム塩=2.11%、メチルジタウレート=trac
e であった。
【0074】濾液は、沸点が80〜85℃になるよう減
圧下で、再び濃縮し、蒸発水量が約500ミリリットル
となった時点で濃縮を止め、ジャケット部に80〜85
℃の温水を循環して温められた遠心濾過機により、固−
液分離し、140.7gのケーキと506.8gの濾液
を得た。
【0075】これらの分析値は、ケーキでは、食塩=8
3.74%、EDS−Na=0.41%、芒硝=9.1
3%、メチルタウリンナトリウム塩=4.81%、メチ
ルジタウレート=0.05%であり、濾液では、メチル
タウリンナトリウム塩=66.36%であったが、常温
に冷却されると、流動性のない白濁したペースト状にな
ったので、この濾液477.8gに水156.3gを加
え稀釈した。
【0076】この稀釈液は、食塩=1.17%、EDS
−Na=4.28%、芒硝<0.05%、メチルタウリ
ンナトリウム塩=50.00%、メチルジタウレート=
0.51%であり、この稀釈液を、減圧下で濃縮し、沸
点を80〜85℃に保ったので、(メチルジタウリンナ
トリウム塩)/(メチルタウリンナトリウム塩)の値が
0.010(wt/wt)となり、出発原料の同値と変
わらなかったが、EDS−Mが除けなかったがため、2
1.5℃での粘度は43.0センチポイズを示し、さら
に、この液を濃度=36.0%に稀釈した液の21.5
℃での粘度は14.5センチポイズを示し、EDS−N
aを十分除くことができず、実施例1〜2の場合に比
し、非常に高い粘性を有するものであった。
【0077】比較例2 実施例1で用いたものと同一組成の粗メチルタウリンナ
トリウム塩水溶液2677.6gを大気圧下、水を蒸発
して濃縮し、液温が115.7℃になったところで濃縮
を、一旦中断したが、このときの蒸発水量は約1210
ミリリットルであった。
【0078】この固形物の晶出した濃縮液を遠心濾過に
より、固−液分離し、1243.2gの濾液と212.
9gのケーキを得た。
【0079】ケーキは食塩=76.83%、芒硝=8.
00%、EDS−Na=8.55%、メチルタウリンナ
トリウム塩=2.00%、メチルジタウリンナトリウム
塩=0.04%の分析値であった。
【0080】濾液を再び大気圧下で濃縮し、約510ミ
リリットルの水を留去し、固形物が晶出した濃縮液を冷
却し、純度≧99.8%のエチルアルコール642.3
gを加え、常温にし、晶出物を遠心濾過により、固−液
分離し、200.4gのケーキと濾液を得た。
【0081】ケーキの分析値は、食塩=69.06%、
芒硝=7.33%、EDS−Na=14.68%、メチ
ルタウリンナトリウム塩=1.96%、メチルジタウリ
ンナトリウム塩=0.06%であり、この外、エチルア
ルコールが3.82%含まれていた。
【0082】濾液は大気圧下に蒸留により、エチルアル
コールを留去した。留出物は673.9gあり、エチル
アルコール濃度=92.46%であった。
【0083】残留液は483.2gあり、メチルタウリ
ンナトリウム塩=71.12%であったが、自然放冷で
温度低下するとペースト状になったので、この残留液4
74.7gに200.5gの水を加えて稀釈した水溶液
は食塩=0.80%、芒硝<0.05%、EDS−NA
=0.24%、メチルタウリンナトリウム塩=50.0
0%、メチルジタウリンナトリウム塩=1.44%、エ
チルアルコール=0.09の分析値であり、食塩、ED
S−Naは除けたもののメチルジタウリンナトリウム塩
濃度が高く、大気圧下に濃縮したので、沸点が110℃
以上になったがため、(メチルジタウリンナトリウム
塩)/(メチルタウリンナトリウム塩)の値、0.02
9(wt/wt)は、出発原料の値(=0.010)に
比し、約3倍になっており、熱劣化によるメチルジタウ
リンナトリウム塩の副生が予想された。
【0084】同稀釈液の21.5℃での粘度は20.0
センチポイズを示し、さらにこの稀釈液をメチルタウリ
ンナトリウム塩濃度=36.0%に稀釈した水溶液の2
1.5℃での粘度は7.8センチポイズを示し、EDS
−Naが十分除けなかった比較例1ほど高い値ではなか
ったが、実施例の同値に比し高かった。
【0085】これはメチルタウリンナトリウム塩の熱劣
化によるメチルジタウリンナトリウム塩狭雑量の増加に
よるものと考えられる。
【0086】
【発明の効果】本発明のタウリンアルカリ金属塩の精製
方法によれば、以下に示す効果が得られる。
【0087】1)高価なアルコール類を大量に媒体とし
て用いることなく、元来含まれている水を媒体とするこ
とにより、高度に純化されたタウリンアルカリ金属塩が
得られる。
【0088】2)タウリンアルカリ金属塩類の合成材料
として、未精製CES−Mを用いることができるので、
その精製工程が省略される。
【0089】3)副生EDS−Mの除去に用いられる長
鎖アルキルアミンは回収して、循環使用されるので、消
費されることがない。
【0090】4)副生EDS−Mは回収して有効に利用
される。
【0091】5)排出物は、副生アルカリ金属塩化物、
アルカリ金属硫酸塩からなる無害なる無機塩だけとする
ことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未精製β−クロロエタンスルホン酸アルカ
    リ金属塩水溶液を原料として、これをアンモニア、また
    は、メチルアミン等N−置換アミンと反応させて得られ
    たるアミノエタンスルホン酸アンモニウム塩、または、
    N−置換アミノエタンスルホン酸N−置換アミン塩か
    ら、副生アルカリ金属塩化物、未反応アルカリ金属亜硫
    酸塩あるいは、これが酸化されたアルカリ金属硫酸塩、
    副生1,2エタンジスルホン酸アルカリ金属塩等の不純
    物を以下の工程から成る方法で除去することを特徴とす
    るアミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩、または、ア
    ルキルN−置換アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩
    の精製方法。 (1)前記アミノエタンスルホン酸アンモニウム塩、ま
    たは、N−置換アミノエタンスルホン酸N−置換アミン
    塩合成液にアルカリ金属水酸化物を加え、蒸留によりア
    ンモニア、または、N−置換アミンを留去して得られ
    た、アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩、または、
    アルキルN−置換アミノエタンスルホン酸アルカリ金属
    塩水溶液を得て、炭素数≧12の長鎖アルキルアミン塩
    酸塩を加え、35℃以上に加温して完全溶解後、この温
    められた水溶液を常温以下の温度に冷却し、不純物のう
    ち、1,2エタンジスルホン酸を炭素数≧12の長鎖ア
    ルキルアミンとの塩として晶析し、これをろ過等の固−
    液分離法により1,2エタンジスルホン酸を除去する
    か、又は、 (1´)アミノエタンスルホンアンモニウム塩、また
    は、N−置換アミノエタンスルホン酸N−置換アミン塩
    の合成液にアルカリ金属水酸化物を加えるに際し、その
    一部を炭素数≧12の長鎖アルキルアミンに置き換えて
    加え、蒸留により、アンモニア、または、N−置換アミ
    ンを留去後、その残留水溶液を常温以下の温度に冷却
    し、不純物のうち、1,2エタンジスルホン酸を炭素数
    ≧12の長鎖アルキルアミンとの塩として晶析し、これ
    をろ過等の固−液分離法により1,2エタンジスルホン
    酸を除去する。 (2)1,2エタンジスルホン酸の除かれた分離液をそ
    の沸点が60〜100℃となるよう、減圧下に水を蒸発
    して濃縮し、液温の上昇によるアミノエタンスルホン酸
    アルカリ金属塩、または、アルキルN−置換アミノエタ
    ンスルホン酸アルカリ金属塩の熱劣化を防ぎ、前記不純
    物の内、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属亜硫酸塩、
    あるいは、これが酸化されて生じた、アルカリ金属硫酸
    塩等無機塩を晶析し、晶出無機塩類の分離に際し、液温
    を60〜110℃に温めることにより、液の粘度低下を
    防ぎ、濾過等の固−液分離法によりアルカリ金属塩化
    物、アルカリ金属亜硫酸塩、あるいは、このアルカリ金
    属亜硫酸塩が酸化されて生じたアルカリ金属硫酸塩を除
    去する。
JP2937294A 1994-02-28 1994-02-28 アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩、または、アルキルn−置換アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩の精製方法 Pending JPH07238065A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2937294A JPH07238065A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩、または、アルキルn−置換アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩の精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2937294A JPH07238065A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩、または、アルキルn−置換アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩の精製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07238065A true JPH07238065A (ja) 1995-09-12

Family

ID=12274324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2937294A Pending JPH07238065A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩、または、アルキルn−置換アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩の精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07238065A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005272316A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Hiroyuki Ono ツビッターイオン型化合物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005272316A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Hiroyuki Ono ツビッターイオン型化合物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6405035B2 (ja) アルカリイセチオン酸塩およびアルカリビニルスルホン酸塩からタウリンを生産するための循環プロセス
RU2007132122A (ru) Способ получения растворов гидроксида цезия
US4507509A (en) Purification of bisphenol-A
JPH07238065A (ja) アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩、または、アルキルn−置換アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩の精製方法
KR960017612A (ko) 아디프산의 제조 방법
JP3291991B2 (ja) O,s−ジメチル n−アセチルホスホルアミドチオエートの精製法
JP3407336B2 (ja) アミノエタンスルホン酸類の精製方法
PT96051B (pt) Processo melhorado para a preparacao de 2'-bromo-3,5-di-{n-dimetilcarbamoiloxi}-acetofenona, composto intermedio utilizado na preparacao do bambuterol
US5097074A (en) Process for purifying 4,4'-dihydroxydiphenylsulfone
JPH0512344B2 (ja)
JPH07188153A (ja) アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩水溶液又はアルキルn−置換アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩水溶液の脱色方法
JPH0753503A (ja) アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩又はアルキルn−置換アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩類の精製方法
JPH0797360A (ja) 1,2エタンジスルホン酸ナトリウム塩の精製方法
US2782232A (en) Production of gentisates
JPS622599B2 (ja)
JPS5926619B2 (ja) 2・6−ナフタレンジスルホン酸の分離方法
JP3291841B2 (ja) β−クロロエタンスルホン酸ソーダの精製方法
JPH0782237A (ja) β−クロロエタンスルホン酸ソーダの精製方法
JPS5993059A (ja) シトシン類の製法
US7132548B2 (en) Process for recovering 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone
JPS5874525A (ja) 亜砒酸と石膏を含有する硫酸酸性水溶液より亜砒酸と石膏の分離方法
JPS5896035A (ja) フロログルシンの精製方法
JP2004182668A (ja) ジヒドロキシジフェニルスルホン異性体混合物の製造方法
JPH0789927A (ja) アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩類、またはn−置換アミノエタンスルホン酸アルカリ金属塩の精製方法
JPH05383B2 (ja)