JPH0722523Y2 - ドライブプレートの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、車両用エンジンのクランクシャフトとオー
トマチックトランスミッションに装着したトルクコンバ
ータとを連結するドライブプレートの取付構造に関す
る。

（従来の技術） 第３図は従来のドライブプレートの取付構造を示す縦断
面説明図で、図においてドライブプレート１は略円板状
に形成され、その中心側をエンジンのクランクシャフト
２端部に形成されたフランジ部2aと、固定部材の一例で
あるレインフォースプレート３とにより左右から挟持す
るよう複数のボルト４で固定している。またトルクコン
バータ５のドライブプレート１と対向する側面には、同
一円周上に複数のボス６が溶接されており、このボス６
にドライブプレート１の外周部がボルト７により固定さ
れている。

このように、エンジンのクランクシャフト２はドライブ
プレート１を介してトルクコンバータ５に連結され、エ
ンジンの回転力をトルクコンバータ５に伝達するように
構成されている。

（考案が解決しようとする課題） ところで、ドライブプレート１はトルクコンバータ５の
振動がエンジン側に伝達されないように薄肉の板で形成
されており、その中心部のボルト取付孔1a近傍の強度を
レインフォースプレート３により補強してボルト４によ
る強力な締付力でクランクシャフト２端部のフランジ部
2aに固定されている。このボルト締付力は局部的にドラ
イブプレート１のボルト取付孔1a近傍に加わるので、ボ
ルト取付孔1a近傍の面圧が高くなる。このためドライブ
プレート１が疲労し、その耐久性を低下させるおそれが
あった。

この考案は、上記した従来技術の課題を解決すべくなさ
れたもので、その目的とするところはボルト締付力によ
りドライブプレートの加わる面圧を全面均一にして応力
集中を回避できるようにしたドライブプレートの取付構
造を提供することにある。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、この考案は、エンジンのク
ランクシャフト端部に形成されたフランジ部と、固定部
材とによってドライブプレートの中心側を左右から挟持
するようボルトにより固定するドライブプレートの取付
構造であって、前記固定部材に、ドライブプレート側に
おけるボルト締付部を含んで放射状に延びる凹部を形成
し、この凹部がボルトの締付けによりドライブプレート
に弾性的に当接するように構成したことを特徴とする。

（作用） この考案のドライブプレートの取付構造によれば、固定
部材に、ドライブプレート側におけるボルト締付部を含
んで放射状に延びる凹部を形成し、この凹部がボルトの
締付けによりドライブプレートに弾性的に当接するよう
に構成したから、ボルト締付力によりドライブプレート
に加わる面圧を全面均一にし、応力集中を回避すること
ができる。

（実施例） 以下、この考案を図面に示す実施例に基いて説明する。

第１図はドライブプレートの取付構造を示す縦断面説明
図、第２図は固定部材の斜視説明図である。

図においてＥはドライブプレートの取付構造で、エンジ
ンのクランクシャフト20端部に形成されたフランジ部20
aと、固定部材の一例であるレインフォースプレート30
とによってドライブプレート10の中心側を左右から挟持
するようボルト40により固定している。

そしてこの考案は、特にレインフォースプレート30のド
ライブプレート10側におけるボルト締付部30aに、この
ボルト締付部30aを含んで放射状に延びる凹部30bを形成
したことを特徴としている。

つぎに、この考案の構造を詳細に説明する。

ドライブプレート10は薄肉の円板で形成されており、外
周縁に形成されたフランジ部10aにエンジンスタータ用
のリングギヤ11が固定され、また中心部に貫通孔10bが
形成されている。ドライブプレート10の中心側には、同
一円周上に所定の間隔をおいて複数の、例えば６個のボ
ルト取付孔10cが形成されており、このボルト取付孔10c
近傍を左右からクランクシャフト20のフランジ部20aと
レインフォースプレート30とにより挟持して６個のボル
ト40によってドライブプレート10をクランクシャフト20
のフランジ部20aに固定している。またドライブプレー
ト10の外周側には、同一円周上に所定の間隔をおいて複
数のボルト取付孔10dが形成されており、このボルト取
付孔10dと対向してトルクコンバータ50の側面には複数
のボス51が溶接等により固定されている。そして、ボル
ト取付孔10dから挿入したボルト41をボス51に螺着する
ことによって、ドライブプレート10をトルクコンバータ
50に固定している。

レインフォースプレート30は円板状で、その中心部には
貫通孔30cが形成されている。またレインフォースプレ
ート30には、ドライブプレート10の６個のボルト取付孔
10cと対向する位置にボルト取付孔30dが形成され、この
ボルト取付孔30dを含み貫通孔30cを中心として放射状に
形成されたボルト締付部30aには、凹部30bが貫通孔30c
から外周縁部30eまで連通して形成されている。

上記のように構成されたドライブプレートの取付構造Ｅ
においては、ドライブプレート10は凹部30bを有するレ
インフォースプレート30を介してボルト40によりクラン
クシャフト20のフランジ部20aに取付けられており、こ
の取付時に、ボルト40の締付力により凹部30bが弾性的
にドライブプレート10に当接する。これによって、ボル
ト締付力によりドライブプレート10に加わる面圧は略全
面均一となり、応力集中を回避することができる。従っ
て、ドライブプレート10の局部的な疲労を防ぐことがで
き、耐久性を向上させることができる。

〔考案の効果〕

上述した通り、この考案のドライブプレートの取付構造
によれば、固定部材に、ドライブプレート側におけるボ
ルト締付部を含んで放射状に延びる凹部を形成し、この
凹部がボルトの締付けによりドライブプレートに弾性的
に当接するように構成したから、ドライブプレートに加
わる面圧は略全面均一になるので、ドライブプレートに
作用する応力は周方向全域にわたって略均一となり、局
部的に応力集中することがない。したがって、ドライブ
プレートの局部的な疲労を防ぐことができ、耐久性を向
上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はこの考案の実施例を示し、第１図は
ドライブプレートの取付構造を示す縦断面説明図、第２
図は固定部材の斜視説明図、第３図は従来のドライブプ
レートの取付構造を示す縦断面説明図である。 Ｅ…ドライブプレートの取付構造 10…ドライブプレート 20…クランクシャフト 20a…フランジ部 30…固定部材（レインフォースプレート） 30a…ボルト締付部 30b…凹部 40…ボルト 50…トルクコンバータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】エンジンのクランクシャフト端部に形成さ
   れたフランジ部と、固定部材とによってドライブプレー
   トの中心側を左右から挟持するようボルトにより固定す
   るドライブプレートの取付構造であって、前記固定部材
   に、ドライブプレート側におけるボルト締付部を含んで
   放射状に延びる凹部を形成し、この凹部がボルトの締付
   けによりドライブプレートに弾性的に当接するように構
   成したことを特徴とするドライブプレートの取付構造。