JPH07224220A - 新規な硬化性樹脂組成物および難燃化積層板 - Google Patents

新規な硬化性樹脂組成物および難燃化積層板

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JPH07224220A
JPH07224220A JP1750594A JP1750594A JPH07224220A JP H07224220 A JPH07224220 A JP H07224220A JP 1750594 A JP1750594 A JP 1750594A JP 1750594 A JP1750594 A JP 1750594A JP H07224220 A JPH07224220 A JP H07224220A
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JP
Japan
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weight
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polyphenylene ether
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resin composition
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Withdrawn
Application number
JP1750594A
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English (en)
Inventor
Teruo Katayose
照雄 片寄
Masakatsu Kuroki
正勝 黒木
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07224220A publication Critical patent/JPH07224220A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0373Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement containing additives, e.g. fillers

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリフェニレンエーテル系樹脂と難燃剤を用
い、難燃化積層板用プリプレグを製造する方法を提供す
る。 【構成】 (a)不飽和基を含むポリフェニレンエーテ
ル樹脂 (b)トリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリ
アリルシアヌレート (c)一般式化1で表される化合物 からなる硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物で
あって、(a)成分と(b)成分の和100重量部を基
準として、(a)成分が98〜40重量部、(b)成分
が2〜60重量部、(c)成分が5〜100重量部であ
ることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬化性ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂組成物およびこれを硬化して得られる硬化
体に関する。さらに本発明は、該樹脂組成物と基材から
なる硬化性複合材料、その硬化体、および硬化体と金属
箔からなる積層体に関する。
【0002】本発明の樹脂組成物は、硬化後において優
れた難燃性、耐薬品性、誘電特性、耐熱性を有し、電子
産業、宇宙・航空機産業等の分野において誘電材料、絶
縁材料、耐熱材料に用いることができる。
【0003】
【従来の技術】近年、通信用、民生用、産業用等の電子
機器の分野における実装方法の小型化、高密度化への指
向は著しいものがあり、それに伴って材料の面でもより
優れた耐熱性、寸法安定性、電気特性、成形性が要求さ
れつつある。例えばプリント配線基板としては、従来か
らのフェノ−ル樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂
を基材とした銅張り積層板が用いられてきた。これらは
各種の性能をバランス良く有するものの、電気特性、特
に高周波領域での誘電特性が悪いという欠点を持ってい
る。この問題を解決する新しい材料としてポリフェニレ
ンエ−テルが近年注目をあび銅張り積層板への応用が試
みられている。
【0004】ポリフェニレンエ−テルは機械的特性と電
気的特性に優れたエンジニアリングプラスチックであ
り、耐熱性も比較的高い。しかしながらプリント基板材
料として利用しようとした場合、極めて高いハンダ耐熱
性が要求されるため、ポリフェニレンエ−テル本来の耐
熱性では決して十分とは言えない。即ち、ポリフェニレ
ンエーテルは200℃以上の高温に曝されると変形を起
こし、機械的強度の著しい低下や、樹脂表面に回路用と
して形成された銅箔の剥離を引き起こす。またポリフェ
ニレンエ−テルは、酸、アルカリ、熱水に対しては強い
抵抗性を有するものの芳香族炭化水素化合物やハロゲン
置換炭化水素化合物に対する抵抗性が極めて弱く、これ
らの溶媒に溶解する。
【0005】ポリフェニレンエ−テルの耐熱性と耐薬品
性を改善する一つの方法として、ポリフェニレンエ−テ
ルの鎖中に架橋性の官能基を導入しさらに硬化させて硬
化ポリフェニレンエ−テルとして利用する方法が提案さ
れている。具体例を挙げると、2‐アリル‐6‐メチル
フェノ−ルまたは2,6‐ジアリルフェノ−ルの重合体
がJournal of Polymer Scien
ce誌,第49巻,267頁(1961)に開示されて
いる。米国特許第3281393号および同34220
62号には、2,6‐ジメチルフェノ−ルと2‐アリル
‐6‐メチルフェノ−ルまたは2,6‐ジアリルフェノ
−ルとの共重合体が開示されている。また米国特許第4
634742号には、ビニル基置換ポリフェニレンエ−
テルが開示されている。さらに本発明者らは、先にプロ
パルギル基あるいはアリル基で置換されたポリフェニレ
ンエ−テル、ならびに三重結合あるいは二重結合を含む
ポリフェニレンエ−テルを発明し、これらが硬化可能で
あること、そして得られる硬化体は芳香族炭化水素溶媒
やハロゲン置換炭化水素溶媒に不溶であり優れた誘電特
性を持つことを見い出した(特開平1‐69628号、
同1‐69629号、同1‐113425号、同1‐1
13426号)。
【0006】しかし、ポリフェニレンエールテル自身は
銅張積層板のような電気部品に用いるために十分な難燃
性を有してはいない。ポリフェニレンエーテルの優れた
誘電特性および耐熱性を損なわずに難燃性を付与するこ
とは実用上強く求められているにもかかわらず、その有
効な一手段であるデカブロモジフェニルエーテル類縁化
合物の添加は環境保護の観点から制限もしくは禁止の方
向にある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
事情に鑑みてなされたものであり、ポリフェニレンエー
テル樹脂の優れた誘電特性を損なうこと無く、硬化後に
おいて優れた耐薬品性、耐熱性に加えて、優れた難燃性
を有する硬化性樹脂組成物を提供しようとするものであ
る。
【0008】以上の部分はプリント配線板用積層板を例
に引いて述べたが、この樹脂組成物を他の成形体として
も好適に用い得ることはいうまでもない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述のよう
な課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明の
目的に沿った新規な樹脂組成物を見いだし本発明を完成
するに至った。本発明は次に述べる5つの発明により構
成される。本発明の第1は、 (a)不飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂 (b)トリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリ
アリルシアヌレート (c)一般式化1で表される化合物 からなる硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物で
あって、(a)成分と(b)成分の和100重量部を基
準として、(a)成分が98〜40重量部、(b)成分
が2〜60重量部、(c)成分が5〜100重量部であ
ることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
【0010】本発明の第2は、上記第1発明の硬化性ポ
リフェニレンエーテル系樹脂組成物を硬化して得られた
硬化ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物である。本発
明の第3は、(a)不飽和基を含むポリフェニレンエー
テル樹脂 (b)トリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリ
アリルシアヌレート (c)一般式化1で表される化合物、(d)酸化アンチ
モンからなる硬化性樹脂組成物と(e)基材からなる硬
化性複合材料であって、(a)成分と(b)成分の和1
00重量部を基準として(a)成分が98〜40部、
(b)成分が2〜60重量部、(c)成分が5〜100
重量部、(c)成分100重量部を基準として(d)成
分が10〜50重量部、かつ(a)〜(e)成分の和1
00重量部を基準として(a)〜(d)成分が95〜1
0重量部、(e)成分が5〜90重量部であることを特
徴とする硬化性複合材料である。
【0011】本発明の第4は、上記第3発明の硬化性複
合材料を硬化して得られた硬化複合材料である。本発明
の第5は、上記第4発明の硬化複合材料と金属箔からな
る積層体である。これらの発明について以下に詳しく説
明する。
【0012】まず本発明の第1および第2である硬化性
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物とその硬化体につ
いて説明する。硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物の(a)成分として用いられる不飽和基を含むポリ
フェニレンエーテル樹脂とは、ポリフェニレンエーテル
類に対して側鎖として炭素−炭素二重結合および/また
は炭素−炭素三重結合を含む不飽和基を導入したものを
指す。その例としては、次の一般式(I)で表されるポ
リフェニレンエーテル樹脂と一般式(III)のアルケ
ニルハライドおよび/または一般式(IV)のアルキニ
ルハライドの反応生成物から成る樹脂であって、
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】Xおよび/またはY、下記アルケニル基お
よび/またはアルキニル基がそれぞれ共有的にポリフェ
ニレンエーテル樹脂に結合している樹脂を挙げることが
できる。
【0016】
【化4】
【0017】一般式(I)のポリフェニレンエーテル樹
脂について説明すると、Qの代表的な例としては、次の
4種の一般式で表される化合物群が挙げられる。
【0018】
【化5】
【0019】具体例として、
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】等がある。一般式(I)中のJで表される
ポリフェニレンエーテル鎖中には、該ポリフェニレンエ
ーテル樹脂の耐熱性、熱安定性を低下させない限りにお
いて以下に述べる単位または末端基のうち一種または二
種以上が含まれていてもよい。i)次の一般式で表され
る単位であって(II)以外のもの、
【0023】
【化8】
【0024】ii)次の一般式で表される単位、
【0025】
【化9】
【0026】iii)次の一般式で表される末端基、
【0027】
【化10】
【0028】iv)上記式(II)および一般式(V)
〜(VII)の単位または末端基に対し、スチレン、メ
タクリル酸メチルなどの不飽和結合を持つ重合性モノマ
ーをグラフト重合させて得られる単位または末端基。一
般式(V)の単位の例としては、
【0029】
【化11】
【0030】等が挙げられる。一般式(VI)の単位の
例としては、
【0031】
【化12】
【0032】等が挙げられる。一般式(VII)の末端
基の例としては、
【0033】
【化13】
【0034】等が挙げられる。次に一般式(III)の
アルケニルハライドの具体的な例を挙げると、アリルク
ロライド、アリルブロマイド、アリルアイオダイド、4
−ブロモ−1−ブテン、トランス−および/またはシス
−1−ブロモ−2−ブテン、トランス−および/または
シス−1−クロロ−2−ブテン、1−クロロ−2−メチ
ル−2−プロペン、5−ブロモ−1−ペンテン、4−ブ
ロモ−2−メチル−2−ブテン、6−ブロモ−1−ヘキ
セン、5−ブロモ−2−メチル−2−ペンテン等があ
る。
【0035】一般式(IV)のアルキニルハライドの具
体的な例を挙げるとプロパルギルクロライド、プロパル
ギルブロマイド、プロパルギルアイオダイド、4−ブロ
モ−1−ブチン、4−ブロモ−2−ブチン、5−ブロモ
−1−ペンチン、5−ブロモ−2−ペンチン、1−ヨー
ド−2−ペンチン、1−ヨード−3−ヘキシン、6−ブ
ロモ−1−ヘキシン等がある。
【0036】これらのアルケニルハライドおよびアルキ
ニルハライドは、一種のみあるいは二種以上をあわせて
用いることができる。本発明の(a)成分に用いられる
不飽和基が導入されたポリフェニレンエーテル樹脂は、
例えば特開昭64−69628号、同64−69629
号、特開平1−113425号、同1−113426
号、同2−232260号、同2−233759号に開
示された方法に従い、一般式(I)のポリフェニレンエ
ーテル樹脂を有機金属でメタル化し、続いてアルケニル
ハライド(III)および/またはアルケニルハライド
(IV)で置換反応することにより製造することができ
る。
【0037】本方法に従って製造されるポリフェニレン
エーテル樹脂は、少なくとも次の2種ないし3種の構造
式で表される単位より構成される。
【0038】
【化14】
【0039】さらには上記の他、次の単位を含むことも
ある。
【0040】
【化15】
【0041】上記一般式(VIII)に由来するハロゲ
ンの含量は、該ポリフェニレンエーテル樹脂を基準とし
て0以上(Mが水素原子の場合)30重量%以下の範囲
であり、より好ましくは0以上20重量%以下の範囲で
ある。本発明に用いられる不飽和基が導入されたポリフ
ェニレンエーテル樹脂中には、必ずしもハロゲンが含ま
れる必要はない。しかしながらハロゲンが特に塩素、臭
素である場合には、本発明の硬化性ポリフェニレンエー
テル系樹脂組成物に難燃性を付与できるという効果があ
る。
【0042】上記の方法で得られる不飽和基が導入され
たポリフェニレンエーテル樹脂の好ましい例としては、
以下に述べるポリフェニレンエーテル系樹脂とアリルブ
ロマイド、アリルクロライド、プロパルギルブロマイ
ド、プロパルギルクロライドの反応生成物からなる樹脂
を挙げることができる。ポリフェニレンエーテル系樹脂
としては、2,6−ジメチルフェノールの単独重合で得
られるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエ
ーテル)、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)のポリスチレングラフト共重合体、2,6
−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノ
ールの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,6
−ジメチル−3−フェニルフェノールの共重合体、2,
6−ジメチルフェノールを多官能性フェノール化合物
【0043】
【化16】
【0044】の存在下で重合して得られた多官能性ポリ
フェニレンエーテル樹脂、例えば特開昭63−3012
22号、特開平1−29748号に開示されているよう
な一般式(V)および(VI)の単位を含む共重合体、
例えば特願平1−135763号に開示されているよう
な一般式(V)の単位および一般式(VII)の末端基
を含む樹脂等を挙げることができる。
【0045】本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物に用いられる不飽和基を含むポリフェニレン
エーテル樹脂の他の例としては、次のような繰り返し単
位を含む樹脂を挙げることができる。
【0046】
【化17】
【0047】具体的な例としては、米国特許第3422
062号に開示されているような2−アリル−6−メチ
ルフェノールと、2,6−ジメチルフェノールの共重合
体、米国特許第3281393号に開示されているよう
な2,6−ジアリル−4−ブロモフェノールと2,6−
ジメチル−4−ブロモフェノールの共重合体、特公昭6
3−47733号に開示されているような2,6−ジプ
レニルフェノールと2,6−ジメチルフェノールの共重
合体、同じく2,6−ビス(2−ブテニル)フェノール
と2,6−ジメチルフェノールの共重合体、同じく2,
6−ジシンナミルフェノールと2,6−ジメチルフェノ
ールの共重合体、特開昭58−27719号の開示され
ているような2−プレニル−6−メチルフェノールの単
独重合体、同じく2−プレニル−6−メチルフェノール
と2,6−ジメチルフェノールの共重合体、同じく2−
(2−ブテニル)−6−メチルフェノールの単独重合
体、同じく2−(2−ブテニル)−6−メチルフェノー
ルと2,6−ジメチルフェノールの共重合体、同じく2
−シンナミル−6−メチルフェノールの単独重合体、同
じく2−シンナミル−6−メチルフェノールと2,6−
ジメチルフェノールの共重合体等が挙げられる。
【0048】また米国特許第4634742号に開示さ
れたポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)の2,6位のメチル基をビニル基に変換して得ら
れる樹脂、同じくポリ(2,6−ジメチル−1,4−フ
ェニレンエーテル)のフェニル基の3,5位にビニル基
を導入して得られる樹脂も本発明に用いられる不飽和基
を含むポリフェニレンエーテル樹脂の好ましい例の一つ
である。
【0049】本発明において用いられる不飽和基を含む
ポリフェニレンエーテル樹脂の不飽和基の含量の範囲
は、次式の定義に従った場合0.1モル%以上100モ
ル%以下、より好ましくは0.5モル%以上50モル%
以下が好適である。
【0050】
【数1】
【0051】不飽和基の含量が0.1モル%未満では硬
化後の耐薬品性の改善が不十分となるので好ましくな
い。逆に100モル%を越えると硬化後において非常に
脆くなるので好ましくない。また本発明において用いら
れる不飽和基が導入されたポリフェニレンエーテル樹脂
の分子量については、30℃,0.5g/dlのクロロ
ホルム溶液で測定した粘度数ηsp/cが0.1〜1.
0の範囲にあるものが良好に使用できる。溶融樹脂流れ
を重視する硬化性樹脂組成物、例えば封止材料や多層配
線板用プリプレグとしては、粘度数の小さい樹脂が好ま
しい。
【0052】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物の(b)成分として用いられるトリアリルイソシア
ヌレートおよび/またはトリアリルシアヌレートとは、
それぞれ次の構造式で表される3官能性モノマーであ
る。
【0053】
【化18】
【0054】本発明を実施する上においては、トリアリ
ルイソシアヌレートおよびトリアリルシアヌレートはそ
れぞれ単独で用いられるだけでなく、両者を任意の割合
で混合して用いることが可能である。本発明において、
トリアリルイソシアヌレートおよびトリアリルシアヌレ
ートは、可塑剤ならびに架橋剤としての効果を発揮す
る。すなわち、プレス時の樹脂流れの向上と架橋密度の
向上をもたらす。
【0055】本発明の(c)成分として用いられる難燃
剤は、化1の構造式で表される。m、nはそれぞれ3〜
5の整数でかつm+nは8以上、Zは炭素数4以下のア
ルキル基または臭素置換アルキル基である。m+nは、
難燃化効果の観点から9以上が好ましく10が最も好ま
しい。Zは任意の個数の水素が臭素置換されていてよ
い。炭素の個数は4以下であればいくつでもよいが、−
CH2 CH2 −が最も好ましい構造として挙げられる。
【0056】本件の第三発明における(d)成分の酸化
アンチモンは難燃性の一層の向上を図る目的で用いられ
る。Sb2 3 およびSb2 5 のいずれも用い得る
が、Sb2 3 がより好ましい。(d)成分は第三〜第
五発明において難燃性を得るために必須であるが、第一
および第二発明の硬化(性)樹脂組成物には必須ではな
い。しかし、これを用いて難燃性を向上させることは可
能である。
【0057】以上説明した(a)成分と(b)成分の配
合割合は、両者の和100重量部を基準として(a)成
分が98〜40重量部、(b)成分が2〜60重量部で
ある。(b)成分が2重量部未満では耐薬品性の改善が
不十分であり好ましくない。逆に60重量部を越えると
誘電特性、吸湿特性が低下し、また硬化後において非常
に脆い材料になるので好ましくない。
【0058】(c)成分の配合割合は、(a)成分と
(b)成分の和100重量部を基準として5〜100重
量部、好ましくは5〜70重量部である。より好ましく
は5〜50重量部である。(c)成分が5重量部未満の
ときは十分な難燃性が得られがたく、100重量部を越
えると、溶融成形時の樹脂の流動性が低下したり、金属
箔に対する接着力が低下することがある。
【0059】(d)成分の配合割合は(c)成分100
重量部を基準として10〜50重量部、好ましくは10
〜40重量部、最も好ましくは10〜30重量部であ
る。(d)成分が10重量部未満では難燃剤が(c)成
分単独の場合に比べて難燃性の改良効果が十分でなく、
50重量部を越えると溶融成型時の流動性が低下した
り、金属箔に対する接着力が低下することがある。
【0060】本発明の硬化性樹脂組成物には、機械的強
度を高め、寸法安定性を増大させるために基材を加える
ことができる。本発明に用いられる基材としては、ロー
ビングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシ
ングマットなどの各種ガラス布、アスベスト布、金属繊
維布およびその他合成もしくは天然の無機繊維布;ポリ
ビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊
維、全芳香族ポリアミド繊維、ポリテトラフルオロエチ
レン繊維などの合成繊維から得られる織布または不織
布;綿布、麻布、フェルトなどの天然繊維布;カーボン
繊維布;クラフト紙、コットン紙、紙ーガラス混繊紙な
どの天然セルロース系布などがそれぞれ単独で、あるい
は2種以上併せて用いられる。
【0061】本発明の硬化性複合材料における基材の成
分の占める割合は、硬化性複合材料100重量部を基準
として5〜90重量部、より好ましくは10〜80重量
部さらに好ましくは20〜70重量部である。基材が5
重量部より少なくなると複合材料の硬化後の寸法安定性
や強度が不十分であり、また基材が90重量部より多く
なると複合材料の誘電特性が劣り好ましくない。
【0062】本発明で用いられる金属箔としては、例え
ば銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。その厚みは特
に限定されないが、5〜200μm、より好ましくは5
〜105μmの範囲である。上記の(a)〜(c)成分
を混合する方法としては、三成分を溶媒中に均一に溶解
または分散させる溶液混合法、あるいは押し出し機等に
より加熱して行う溶融ブレンド法等が利用できる。溶液
混合に用いられる溶媒としては、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、トリクロロエチレンなどのハロゲン系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;テ
トラヒドロフランが単独であるいは二種以上を組み合わ
せて用いられる。
【0063】本発明の樹脂組成物は、あらかじめその用
途に応じて所望の形に成形してもよい。成形方法は特に
限定されない。通常は、樹脂組成物を上述した溶媒に溶
解させ好みの形に成形するキャスト法、または樹脂組成
物を加熱溶融し好みの形に成形する加熱溶融法が用いら
れる。上述したキャスト法と加熱溶融法は単独で行って
もよい。またそれぞれを組み合わせて行ってもよい。例
えば、キャスト法で作成された本樹脂組成物のフィルム
を数〜数十枚積層し、加熱溶融法、例えばプレス成形機
で加熱溶融し、本樹脂組成物のシートを得ることができ
る。
【0064】本発明の複合材料を製造する方法として
は、例えば本発明の(a)〜(d)成分と必要に応じて
他の成分を前述のハロゲン系、芳香族系、ケトン系等の
溶媒もしくはその混合溶媒中に均一に溶解または分散さ
せ、基材に含浸させた後乾燥する方法が挙げられる。含
浸は浸漬(ディッピング)、塗布等によって行われる。
含浸は必要に応じて複数回繰り返すことも可能であり、
またこの際組成や濃度の異なる複数の溶液を用いて含浸
を繰り返し、最終的に希望とする樹脂組成および樹脂量
に調整することも可能である。
【0065】本発明の複合材料には、必要に応じて樹脂
と基材の界面における接着性を改善する目的でカップリ
ング剤を用いることができる。カップリング剤として
は、シランカップリング剤、チタネートカップリング
剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネー
トカップリング剤等一般のものが使用できる。本発明の
硬化性樹脂組成物およびその硬化性複合材料は後述する
ように加熱等の手段により架橋反応を起こして硬化する
が、その際の反応温度を低くしたり不飽和基の架橋反応
を促進する目的でラジカル開始剤を含有させて使用して
もよい。
【0066】本発明の樹脂組成物に用いられるラジカル
開始剤の量は(a)成分と(b)成分の和100部を基
準としてを基準として0.1〜10重量部、好ましくは
0.1〜8重量部である。ラジカル開始剤の代表的な例
を挙げると、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5
−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イ
ソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキ
サイド、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t
−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチル
パーオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシ
リル)パーオキサイド、トリメチルシリルトリフェニル
シリルパーオキサイド等の過酸化物があるがこれらに限
定されない。また過酸化物ではないが、2,3−ジメチ
ル−2,3−ジフェニルブタンもラジカル開始剤として
使用できる。しかし、本樹脂組成物の硬化に用いられる
開始剤はこれらの例に限定されない。
【0067】本発明の樹脂組成物は、その用途に応じて
所望の性能を付与させる目的で本来の性質を損なわない
範囲の量の充填剤や添加剤を配合して用いることができ
る。充填剤は繊維状であっても粉末状であってもよく、
カーボンブラック、アルミナ、タルク、雲母、ガラスビ
ーズ、ガラス中空球等を挙げることができる。添加剤と
しては、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、可塑剤、
顔料、染料、着色剤等が挙げられる。
【0068】さらには、添加剤として他の熱可塑性樹
脂、あるいは熱硬化性樹脂を一種または二種以上配合す
ることも可能である。熱可塑性樹脂としてはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン・プロピレ
ン共重合体、ポリ(4−メチル−ペンテン)等のポリオ
レフィン類およびその誘導体、ナイロン4、ナイロン
6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12
などのポリアミド類およびその誘導体、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート・ポリ
エチレングリコールブロック共重合体などのポリエステ
ル類およびその誘導体、ポリフェニレンエーテル、変性
ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンエーテル樹脂
と不飽和カルボン酸または酸無水物との反応生成物、ポ
リカーボネート、ポリアセタール、ポリスルフォン、ポ
リ塩化ビニルおよびその共重合体、ポリ塩化ビニリデン
およびその共重合体、ポリメチルメタクリレート類、ア
クリル酸(またはメタクリル酸)エステル共重合体類、
ポリスチレン類、アクリロニトリルスチレン共重合体
類、アクリロニトリルスチレンブタジエン系共重合体等
のポリスチレン類およびその共重合体類、ポリ酢酸ビニ
ル類、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、
ポリビニルブチラール類、エチレン酢酸ビニル共重合体
およびその加水分解物類、ポリビニルアルコール類、ス
チレンブタジエンブロック共重合体類、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン等のゴム類、ポリメトキシエチレ
ン、ポリエトキシエチレン等のポリビニルエーテル類、
ポリアクリルアマイド、ポリホスファーゼン類、ポリエ
ーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイ
ミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミ
ド、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶
ポリマー、側鎖に液晶成分を含有する側鎖型液晶ポリマ
ー等が挙げられる。熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹
脂、ポリイミド前駆体等が挙げられる。
【0069】本発明の硬化ポリフェニレンエーテル系樹
脂組成物は、以上に述べた硬化性ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂硬化物組成物を硬化することにより得られるも
のである。硬化の方法は任意であり、熱、光、電子線等
による方法を採用することができる。加熱により硬化を
行う場合その温度は、ラジカル開始剤の種類によっても
異なるが、80〜300℃、より好ましくは120〜2
50℃の範囲で選ばれる。また時間は、1分〜10時間
程度、より好ましくは1分〜5時間である。
【0070】得られた硬化ポリフェニレンエーテル樹脂
組成物は、赤外吸収スペクトル法、高分解能固体核磁気
共鳴スペクトル法、熱分解ガスクロマトグラフィー等の
方法を用いて樹脂組成を解析することができる。本発明
の硬化複合材料は、フィルム状、あるいは少なくとも1
種類の金属箔と、少なくとも片面に上述の金属箔を張り
合わせた硬化樹脂組成物から構成される積層体として使
用されることが可能である。
【0071】本発明の硬化複合材料は、このようにして
得た硬化性複合材料を加熱等の方法により硬化すること
によって得られるものである。その製造方法は特に限定
されるものではなく、例えば該硬化性複合材料を複数枚
重ね合わせ、加熱加圧下に各層間を接着せしめると同時
に熱硬化を行い、所望の厚みの硬化複合材料を得ること
ができる。また一度接着硬化させた硬化複合材料と硬化
性複合材料を組み合わせて新たな層構成の硬化複合材料
を得ることも可能である。積層成形と硬化は、通常熱プ
レス等を用い同時に行われるが、両者をそれぞれ単独で
行ってもよい。すなわち、あらかじめ積層成形して得た
未硬化あるいは半硬化の複合材料を、熱処理または別の
方法で処理することによって硬化させることができる。
【0072】成形および硬化は、温度80〜300℃、
圧力0.1〜1000Kg/cm2、時間1分〜10時間
の範囲、より好ましくは、温度150〜250℃、圧力
1〜100Kg/cm2、時間1分〜5時間の範囲で行
うことができる。本発明の積層体とは、本発明の硬化複
合材料と金属箔より構成されるものである。
【0073】本発明の積層体を製造する方法としては、
例えば本発明の硬化性複合材料と、金属箔を目的に応じ
た層構成で積層し、加熱加圧下に各層間を接着せしめる
と同時に熱硬化させる方法を挙げることができる。本発
明の積層体においては、硬化性複合材料と金属箔が任意
の層構成で積層される。金属箔は表層としても中間層と
しても用いることができる。
【0074】また本発明の硬化性複合材料と金属板より
構成される積層板および、金属箔、硬化性複合材料、お
よび金属板より構成される金属張り積層板も製造でき
る。積層板においては、金属板をベースとしその片面ま
たは両面に硬化性複合材料が積層される。金属張り積層
板においては、金属板をベースとしその片面または両面
に硬化性複合材料を介して金属箔が積層される。この際
金属箔は最表層として用いられるが、最表層以外に中間
層として用いてもよい。
【0075】上記の他、積層と硬化を複数回繰り返して
多層化することも可能である。金属箔および金属板の接
着には接着剤を用いることもできる。接着剤としては、
エポキシ系、アクリル系、フェノール系、シアノアクリ
レート系等が挙げられるが、特にこれらに限定されな
い。上記の積層成形と硬化は、本発明の硬化複合材料と
同様の条件で行うことができる。
【0076】
【実施例】以下、本発明を一層明確にするために実施例
を挙げて説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に
限定するものではない。
【0077】
【参考例1】 不飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂:平均置換
率14%、ηsp/C=0.62(30℃,0.5g/
dl、クロロホルム溶液)のアリル基置換ポリフェニレ
ンエーテルを特開平1−69629号に開示された公知
の方法に従ってηsp/C=0.56のポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)より合成し
た。このポリマーをAとする。
【0078】
【参考例2】 不飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂:参考例1
と同様の方法で、平均置換率14%、ηsp/C=0.
44(30℃,0.5g/dl、クロロホルム溶液)の
アリル基置換ポリフェニレンエーテルをηsp/C=
0.40のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)より合成した。このポリマーをBとする。
【0079】
【実施例1〜8】 硬化性樹脂組成物および硬化樹脂組成物 参考例1および2で合成した不飽和基を含むポリフェニ
レンエーテル樹脂AおよびB、トリアリル(イソ)シア
ヌレート、一般式化式1においてZ=−CH2CH2
かつm+n=8〜10としたジフェニルエタン系化合
物、およびSb23 を表1に示した組成でヘンシェル
ミキサーで混合し、プレス成形機により200℃、30
分の条件で成形・硬化させ、厚み約1mmの硬化物を作
成した。
【0080】これらの硬化物は、トリクロロエチレン中
で五分間煮沸しても反りおよび外観の変化は認められ
ず、寸法安定性は良好であった。また、UL94規格に
相当する燃焼性試験を行ったところ、V−0相当の難燃
性を示した。ガラス転移温度(Tg)を熱機械分析装置
(TMA)を用いて測定したところ、おおよそ190〜
200℃という良好な値が得られた。結果は表1に示し
た。
【0081】
【参考例3】 ポリフェニレンエーテルと不飽和カルボン酸または酸無
水物で変性反応した生成物:30℃、0.5g/dlの
クロロホルム溶液で測定した粘度数ηsp/cが0.5
4のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)100重量部と、無水マレイン酸1.5重量部、
および2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン(日本油脂(株)製 パーヘキサ25
B)1.0重量部を室温でドライブレンドした後、シリ
ンダー温度300℃、スクリュー回転数230rpmの
条件で2軸押し出し機により押出して反応生成物を得
た。この反応生成物のηsp/cは0.48であった。
以下この反応生成物をマレイン化PPEと略記する。こ
の反応生成物は熱可塑性であり、本発明の樹脂組成物の
特性を損なわない範囲で添加することができる。
【0082】
【実施例9】実施例7において、添加量55部のポリマ
ーAを44部とし、これに置き換える形で、参考例3で
合成したマレイン化PPEを11部添加した以外は、実
施例7と同一の組成で、同様な操作によって硬化物を作
成した。硬化物の特性は実施例7と大きな差がなく、硬
化物の外観、難燃性、ガラス転移温度および耐トリクロ
ロエチレン性は良好な値であった。結果を表1に示す。
【0083】
【比較例1】実施例1において難燃剤の添加量を3重量
部とした以外は、実施例1と同様に操作して硬化物を作
成した。燃焼性試験を行ったところHB相当であった。
【0084】
【比較例2】実施例1において難燃剤の添加量を110
重量部とした以外は、実施例1と同様に操作して硬化物
を作成した。硬化物の外観は樹脂の流れ性不足のため不
良であった。表1に実施例1〜9と合わせて比較例1、
2の結果を示す。
【0085】
【実施例10〜19】 硬化性複合材料:表2に示した各々の組成で各成分をト
ルエン中に80℃で溶解または分散させた。この溶液を
50℃に冷却して50℃でガラスクロスを浸漬して含浸
を行い、エアーオーブン中で乾燥させた。
【0086】積層体:上記の硬化性複合材料を複数枚重
ね合わせ、両面に35μmの銅箔を置いて表3に示す条
件でプレス成形機により成形硬化させて各組成について
0.4mm〜0.8mmの積層体を得た。各実施例の硬
化条件を表3に示した。成形圧力はいずれも20kg/
cm2とした。このようにして得られた積層体の諸物性
を以下の方法で測定した。 1.耐トリクロロエチレン性 銅箔を除去した積層体を25mm角に切り出し、トリク
ロロエチレン中で5分間煮沸し、外観の変化を目視によ
り観察した(JIS C 6481に準拠)。 2.誘電率、誘電正接 1MHzで測定を行った(JIS C 6481に準
拠)。 3.ハンダ耐熱性 銅箔を除去した積層体を25mm角に切り出し、260
℃のハンダ浴中に120秒間浮かべ、外観の変化を目視
により観察した(JIS C 6481に準拠)。 4.銅箔引き剥し強さ 積層体から幅20mm、長さ100mmの試験片を切り
出し、銅箔面に幅10mmの平行な切り込みを入れた
後、面に対して垂直な方向に50mm/分の速さで連続
的に銅箔を引き剥し、その時の応力を引張り試験機にて
測定し、その応力の最低値を示した(JIS C 64
81に準拠)。 5.ガラス転移温度(Tg) 積層体から切りだした試料をTMAによって測定した。
【0087】結果は表3に示した。いずれの実施例にお
いても耐トリクロロエチレン性、耐熱性(Tgおよびハ
ンダ耐熱性)、誘電特性、金属との接着性、難燃性に優
れた硬化複合材料、積層体が得られた。
【0088】
【実施例20】実施例16において、添加量55部のポ
リマーAを44部とし、この減少分を置き換える形で、
参考例3で合成したマレイン化PPEを11部添加した
以外は、実施例16と同一の組成で同様に操作して硬化
物を作成した。硬化物の特性は実施例16と大きな差が
なく、この実施例においても耐トリクロロエチレン性、
耐熱性(Tgおよびハンダ耐熱性)、誘電特性、金属と
の接着性、難燃性に優れた硬化複合材料、積層体が得ら
れた。結果を表3に示す。
【0089】
【比較例3】実施例10において難燃剤の添加量を3重
量部とした以外は実施例8と同様に操作して硬化物を得
た。燃焼性試験を行ったところHB相当であった。
【0090】
【比較例4】実施例10において難燃剤の添加量を11
0重量部とした以外は実施例8と同様に動作して積層体
を得た。銅箔引き剥し強度が実施例8に比べて著しく低
下した。表3に実施例10〜20と合わせて比較例3、
4の結果を示す。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は硬化前に良好な外
観を有するフィルム状、シート状あるいは硬化性複合材
料に予備成形できる。本発明の硬化樹脂組成物は難燃
性、耐熱性、耐薬品性および優れた誘電特性を兼ね備え
ており、デカブロモジフェニルエーテルを含まない優秀
な材料である。
【0095】本発明の硬化性複合材料は金属との接着性
に優れる。また、本発明の硬化性複合材料を用いて得ら
れる硬化複合材料および積層体は難燃性、耐熱性、耐薬
品性および優れた誘電特性を兼ね備えており、しかもデ
カブロモジフェニルエーテルを含まない優秀な材料であ
る。従って本発明の材料は、電気産業、電子産業、宇宙
・航空機産業等の分野において誘電材料、絶縁材料、耐
熱材料等として用いることができる。特に本発明の硬化
性複合材料は片面、両面、多層プリント基板、セミリジ
ット基板、金属ベース基板、多層プリント基板用プリプ
レグとして好適に用いられる。
【0096】また本発明の材料は、その耐熱耐吸湿絶縁
性の故に線間100μm以下の高密度回路基板、層間絶
縁層の厚み200μm以下の多層回路基板、実装用回路
基板用の接着剤として良好に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/3477

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)不飽和基を含むポリフェニレンエ
    ーテル樹脂 (b)トリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリ
    アリルシアヌレート (c)一般式化1で表される化合物 からなる硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物で
    あって、(a)成分と(b)成分の和100重量部を基
    準として、(a)成分が98〜40重量部、(b)成分
    が2〜60重量部、(c)成分が5〜100重量部であ
    ることを特徴とする硬化性樹脂組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硬化性ポリフェニレンエ
    ーテル系樹脂組成物を硬化して得られた硬化ポリフェニ
    レンエーテル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (a)不飽和基を含むポリフェニレンエ
    ーテル樹脂 (b)トリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリ
    アリルシアヌレート (c)一般式化1で表される化合物、(d)酸化アンチ
    モンからなる硬化性樹脂組成物と(e)基材からなる硬
    化性複合材料であって、(a)成分と(b)成分の和1
    00重量部を基準として(a)成分が98〜40部、
    (b)成分が2〜60重量部、(c)成分が5〜100
    重量部、(c)成分100重量部を基準として(d)成
    分が10〜50重量部、かつ(a)〜(e)成分の和1
    00重量部を基準として(a)〜(d)成分が95〜1
    0重量部、(e)成分が5〜90重量部であることを特
    徴とする硬化性複合材料。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の硬化性複合材料を硬化し
    て得られた硬化複合材料。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の硬化複合材料と金属箔か
    らなる積層体。
JP1750594A 1994-02-14 1994-02-14 新規な硬化性樹脂組成物および難燃化積層板 Withdrawn JPH07224220A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010195970A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Asahi Kasei E-Materials Corp 変性ポリフェニレンエーテル、それを用いた硬化性樹脂組成物及び硬化性材料、並びに硬化材料及びその積層体

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JP2010195970A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Asahi Kasei E-Materials Corp 変性ポリフェニレンエーテル、それを用いた硬化性樹脂組成物及び硬化性材料、並びに硬化材料及びその積層体

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