JPH0721951A - 粒子ビ−ム中和装置およびその装置を用いた粒子ビ−ム照射装置 - Google Patents
粒子ビ−ム中和装置およびその装置を用いた粒子ビ−ム照射装置Info
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- JPH0721951A JPH0721951A JP5166722A JP16672293A JPH0721951A JP H0721951 A JPH0721951 A JP H0721951A JP 5166722 A JP5166722 A JP 5166722A JP 16672293 A JP16672293 A JP 16672293A JP H0721951 A JPH0721951 A JP H0721951A
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Landscapes
- Electron Sources, Ion Sources (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 中和のための粒子電荷による二次的帯電がな
く、動作圧力がより低く、制御性がよく、かつ、制御電
源が小型である中和装置を提供する。また、上記中和装
置を使用した粒子ビ−ム照射装置を提供する。 【構成】 カソ−ド電位をワ−ク3とほぼ同電位の電子
源5と、イオンビ−ム1を囲むように正電圧が印加され
ている層状グリッド2を配設し、前記電子源5から加減
速引出しされた低エネルギ−電子を前記層状グリッド2
へ供給し、蓄積させる。前記蓄積された層状グリッド2
の電子がイオンビ−ムの空間電荷に引かれてトラップさ
れイオンビ−ムを中和するものである。また、前記中和
装置がワ−ク3の直前に配設されるとファラデ−カップ
となり、イオンビ−ム1の電流値がえられるので、正確
な大きさを有する粒子ビ−ム照射装置となる。
く、動作圧力がより低く、制御性がよく、かつ、制御電
源が小型である中和装置を提供する。また、上記中和装
置を使用した粒子ビ−ム照射装置を提供する。 【構成】 カソ−ド電位をワ−ク3とほぼ同電位の電子
源5と、イオンビ−ム1を囲むように正電圧が印加され
ている層状グリッド2を配設し、前記電子源5から加減
速引出しされた低エネルギ−電子を前記層状グリッド2
へ供給し、蓄積させる。前記蓄積された層状グリッド2
の電子がイオンビ−ムの空間電荷に引かれてトラップさ
れイオンビ−ムを中和するものである。また、前記中和
装置がワ−ク3の直前に配設されるとファラデ−カップ
となり、イオンビ−ム1の電流値がえられるので、正確
な大きさを有する粒子ビ−ム照射装置となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオンビ−ムの空間電
荷を中和する粒子ビ−ム中和装置およびイオンビ−ムを
ワ−クに照射したときに生ずる前記ワ−クの帯電を防止
する粒子ビ−ム中和装置を係り、特に、例えば、中性ビ
−ム注入装置のビ−ム中和管やイオン打込み装置のエレ
クトロンシャワ、プラズマフラッド装置などに関するも
のである。
荷を中和する粒子ビ−ム中和装置およびイオンビ−ムを
ワ−クに照射したときに生ずる前記ワ−クの帯電を防止
する粒子ビ−ム中和装置を係り、特に、例えば、中性ビ
−ム注入装置のビ−ム中和管やイオン打込み装置のエレ
クトロンシャワ、プラズマフラッド装置などに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】イオン打込み装置の中和装置において
は、例えば、電子によりワ−クの帯電を中和する場合、
前記電子が高いエネルギ−を持っていると前記ワ−クが
負に帯電し損傷するという2次的現象が起きる。このた
め前記電子を低エネルギ−化させる方法が種種考案され
てきた。
は、例えば、電子によりワ−クの帯電を中和する場合、
前記電子が高いエネルギ−を持っていると前記ワ−クが
負に帯電し損傷するという2次的現象が起きる。このた
め前記電子を低エネルギ−化させる方法が種種考案され
てきた。
【0003】従来の中和装置としては、真空中における
被加工物または試料の帯電を抑制するために、前記の被
加工物または試料にこれとぼぼ同電位の電子源から電子
を供給するものがある。すなわち、電子を加速引出し、
そのあと減速して、電子の低エネルギ−化を図り、前記
電子源と前記被加工物または試料とを同電位とし、前記
被加工物または試料の帯電を防止したものである。これ
に関連するものとしては、特開平1−220350号公
報記載の技術がある。
被加工物または試料の帯電を抑制するために、前記の被
加工物または試料にこれとぼぼ同電位の電子源から電子
を供給するものがある。すなわち、電子を加速引出し、
そのあと減速して、電子の低エネルギ−化を図り、前記
電子源と前記被加工物または試料とを同電位とし、前記
被加工物または試料の帯電を防止したものである。これ
に関連するものとしては、特開平1−220350号公
報記載の技術がある。
【0004】また、他の従来装置としては、プラズマを
用いる方法もある。プラズマを用いる方法はプラズマブ
リッジによりプラズマを発生させ中和するものである。
すなわち、プラズマ中心のプラスイオンの周囲に低エネ
ルギ−電子を蓄積し、全体としてゼロ電位とし、その密
度をあげたものである。
用いる方法もある。プラズマを用いる方法はプラズマブ
リッジによりプラズマを発生させ中和するものである。
すなわち、プラズマ中心のプラスイオンの周囲に低エネ
ルギ−電子を蓄積し、全体としてゼロ電位とし、その密
度をあげたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の中和装置に
おいては、電子を減速等によりで低エネルギ−化させた
場合、前記電子は自分自身の空間電荷のために発散した
り、前記電子がビ−ム周囲の電界をこえられないため、
中和に必要な十分の電荷密度または電流値が得にくいと
いう問題がある。一方プラズマを用いた中和装置は、上
述の電荷密度または電流値の点では改良されていると考
えられるが他に問題もあった。
おいては、電子を減速等によりで低エネルギ−化させた
場合、前記電子は自分自身の空間電荷のために発散した
り、前記電子がビ−ム周囲の電界をこえられないため、
中和に必要な十分の電荷密度または電流値が得にくいと
いう問題がある。一方プラズマを用いた中和装置は、上
述の電荷密度または電流値の点では改良されていると考
えられるが他に問題もあった。
【0006】次に、上記問題を詳細に説明する。 1.中和装置動作時の雰囲気圧力が高い、すなわち、真
空度が低い。 このため、イオンビ−ム電流計測に誤差を生ずる恐れが
ある。また、雰囲気ガスをワ−ク表面に打ち込むイオン
ビ−ムミキシング現象が起こり、これによるワ−クの汚
染も問題になる。
空度が低い。 このため、イオンビ−ム電流計測に誤差を生ずる恐れが
ある。また、雰囲気ガスをワ−ク表面に打ち込むイオン
ビ−ムミキシング現象が起こり、これによるワ−クの汚
染も問題になる。
【0007】2.プラズマコントロ−ルが難しい。 現状では、種種のイオンビ−ム条件に対し、必要十分量
の最適なプラズマ量、すなわち、密度を制御することが
困難である。その理由の第一として、ワ−クの中和状態
を正確に測定する手段が確立されていないということが
ある。これは、プラズマを用いずにエレクトロンシャワ
を用いた場合も同様である。そのためプラズマコントロ
−ルの基準、すなわち、設定値を作るのが困難である。
ただ、プラズマは過剰に照射されてもエレクトロンシャ
ワ−のように負に帯電するという恐れが少ないとされて
いる。このため過大なパワ−を入力し、過剰にプラズマ
を生成し、コントロ−ルをしない場合が多い。
の最適なプラズマ量、すなわち、密度を制御することが
困難である。その理由の第一として、ワ−クの中和状態
を正確に測定する手段が確立されていないということが
ある。これは、プラズマを用いずにエレクトロンシャワ
を用いた場合も同様である。そのためプラズマコントロ
−ルの基準、すなわち、設定値を作るのが困難である。
ただ、プラズマは過剰に照射されてもエレクトロンシャ
ワ−のように負に帯電するという恐れが少ないとされて
いる。このため過大なパワ−を入力し、過剰にプラズマ
を生成し、コントロ−ルをしない場合が多い。
【0008】その理由の第二として、プラズマをコント
ロ−ルするパラメ−タは、プラズマの発生にマイクロ波
を用いる場合、マイクロ波パワ−、磁場強度等であ
り、また、ア−ク放電を用いる場合、ア−クの電圧と
電流、フィラメント電流等である。さらに、これら上
記2方式に共通したパラメ−タとしては、供給ガス流
量がある。前記供給ガス流量は雰囲気ガス圧力を決定
し、前記雰囲気ガス圧力によってプラズマ密度が決定さ
れる。
ロ−ルするパラメ−タは、プラズマの発生にマイクロ波
を用いる場合、マイクロ波パワ−、磁場強度等であ
り、また、ア−ク放電を用いる場合、ア−クの電圧と
電流、フィラメント電流等である。さらに、これら上
記2方式に共通したパラメ−タとしては、供給ガス流
量がある。前記供給ガス流量は雰囲気ガス圧力を決定
し、前記雰囲気ガス圧力によってプラズマ密度が決定さ
れる。
【0009】しかし、ワ−クにイオンビ−ムを照射した
場合にもガスが発生し、前記雰囲気ガス圧力が変化す
る。すなわち、上記の如く、設定パラメ−タが多い上に
前記ガス圧のように時間的に変化するものもあり、プラ
ズマ密度を設定すること自体が困難である。
場合にもガスが発生し、前記雰囲気ガス圧力が変化す
る。すなわち、上記の如く、設定パラメ−タが多い上に
前記ガス圧のように時間的に変化するものもあり、プラ
ズマ密度を設定すること自体が困難である。
【0010】3.制御電源が大型である。 プラズマの発生にマイクロ波,ア−ク放電のいずれを用
いる場合でも、過剰なプラズマを生成しなければならな
いため、大きな電源容量を必要となる。本発明は、上記
従来技術の問題点を解決するためになされたもので、中
和のための粒子電荷による二次的帯電がなく、動作圧力
がより低く、制御性がよく、かつ、制御電源が小型であ
る中和装置を提供することを第一の目的とするものであ
る。本発明の第二の目的は、上記中和装置を使用しイオ
ンビ−ムの電流値が正確に制御された粒子ビ−ム照射装
置を提供することを目的とするものである。
いる場合でも、過剰なプラズマを生成しなければならな
いため、大きな電源容量を必要となる。本発明は、上記
従来技術の問題点を解決するためになされたもので、中
和のための粒子電荷による二次的帯電がなく、動作圧力
がより低く、制御性がよく、かつ、制御電源が小型であ
る中和装置を提供することを第一の目的とするものであ
る。本発明の第二の目的は、上記中和装置を使用しイオ
ンビ−ムの電流値が正確に制御された粒子ビ−ム照射装
置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の中和装置に係る第一の発明の構成は、真空
チャンバ−内のワ−クにイオンビ−ムを照射するイオン
源と、前記イオンビ−ムに電子を供給する前記ワ−クと
ほぼ同電位の電子源とを備え、前記イオンビ−ムの空間
電荷もしくは前記イオンビ−ムの照射により生ずる前記
ワ−クの帯電を防止するように構成した粒子ビ−ム中和
装置において、前記イオンビ−ムの周囲に前記電子源か
らの電子を蓄積させる手段を備えたものである。
に、本発明の中和装置に係る第一の発明の構成は、真空
チャンバ−内のワ−クにイオンビ−ムを照射するイオン
源と、前記イオンビ−ムに電子を供給する前記ワ−クと
ほぼ同電位の電子源とを備え、前記イオンビ−ムの空間
電荷もしくは前記イオンビ−ムの照射により生ずる前記
ワ−クの帯電を防止するように構成した粒子ビ−ム中和
装置において、前記イオンビ−ムの周囲に前記電子源か
らの電子を蓄積させる手段を備えたものである。
【0012】蓄積手段は、イオンビ−ムの周囲に導電性
層状グリッドを配設し、前記グリッドに正の高電圧を印
加するようにし、電子源からの電子を前記層状グリッド
の電界を経てイオンビ−ムに供給するようにしたもので
ある。イオンビ−ムの外側に最も近いグリッドをワ−ク
または真空チャンバ−とほぼ同電位となるようにしたも
のである。
層状グリッドを配設し、前記グリッドに正の高電圧を印
加するようにし、電子源からの電子を前記層状グリッド
の電界を経てイオンビ−ムに供給するようにしたもので
ある。イオンビ−ムの外側に最も近いグリッドをワ−ク
または真空チャンバ−とほぼ同電位となるようにしたも
のである。
【0013】また、層状グリッドに印加する電圧電源を
電子源カソ−ド部の電子引出し電源と共通にしたもので
ある。また、層状グリッドと電子源とワ−クとによりイ
オンビ−ム電流測定のためのファラデ−カップを構成す
るようにしたものである。また、層状グリッドに対しガ
スを供給する機構を具備したものであり、前記ガスは高
純度のアルゴン、キセノン、クリプトン等希ガスを用い
たものである。また、イオンビ−ムのガス圧力が一定に
なるようガス供給機構に制御機構を設けたものである。
電子源カソ−ド部の電子引出し電源と共通にしたもので
ある。また、層状グリッドと電子源とワ−クとによりイ
オンビ−ム電流測定のためのファラデ−カップを構成す
るようにしたものである。また、層状グリッドに対しガ
スを供給する機構を具備したものであり、前記ガスは高
純度のアルゴン、キセノン、クリプトン等希ガスを用い
たものである。また、イオンビ−ムのガス圧力が一定に
なるようガス供給機構に制御機構を設けたものである。
【0014】上記第二の目的を達成するために、本発明
の粒子ビ−ム照射装置に係る第二の発明は、照射される
ワ−クの直前に第一の発明に係る粒子ビ−ム中和装置を
配設したものである。
の粒子ビ−ム照射装置に係る第二の発明は、照射される
ワ−クの直前に第一の発明に係る粒子ビ−ム中和装置を
配設したものである。
【0015】
【作用】上記各技術的手段の働きは次のとおりである。
第一の発明の構成によれば、電子源のカソ−ド電位をワ
−クとほぼ同電位とし電子を引出しを行うので、低エネ
ルギ−の大電流電子が得られる。前記電子源の電子放射
部に層状のグリッドが配設され、前記層状グリッドは正
電圧が印加されているので、前記大電流電子を吸収す
る。その吸収された電子は、前記グリッド内を拡散し、
該グリッドの正電位を相殺するまで多量に蓄積される。
第一の発明の構成によれば、電子源のカソ−ド電位をワ
−クとほぼ同電位とし電子を引出しを行うので、低エネ
ルギ−の大電流電子が得られる。前記電子源の電子放射
部に層状のグリッドが配設され、前記層状グリッドは正
電圧が印加されているので、前記大電流電子を吸収す
る。その吸収された電子は、前記グリッド内を拡散し、
該グリッドの正電位を相殺するまで多量に蓄積される。
【0016】前記層状グリッドをイオンビ−ムを囲むよ
うに配設し、イオンビ−ム側に最も近い一連のグリッド
をワ−クまたは真空チャンバと同電位とすると、イオン
ビ−ムの正空間電荷が、前記グリッドに蓄積した電子を
トラップする。この結果、前記イオンビ−ムの正の空間
電荷が中和される。このようなイオンビ−ムが、絶縁物
表面を持つワ−クに照射されるとワ−ク表面が正に帯電
し電位が上昇する。
うに配設し、イオンビ−ム側に最も近い一連のグリッド
をワ−クまたは真空チャンバと同電位とすると、イオン
ビ−ムの正空間電荷が、前記グリッドに蓄積した電子を
トラップする。この結果、前記イオンビ−ムの正の空間
電荷が中和される。このようなイオンビ−ムが、絶縁物
表面を持つワ−クに照射されるとワ−ク表面が正に帯電
し電位が上昇する。
【0017】前記の如くワ−ク表面が正に上昇すると、
前記イオンビ−ム中の電子が前記ワ−クに吸いとられ、
前記イオンビ−ムは、その有する正の空間電荷により電
位が上昇する。再び、前記層状グリッドに蓄積された電
子が前記イオンビ−ムに供給される。前記層状グリッド
はイオンビ−ム全体を囲んでいるので、電子は均一に前
記イオンビ−ムに供給され、前記イオンビ−ムを中和す
る。この場合、前記電子は前記イオンビ−ムの一方向か
ら供給されないので、局所的に電子密度が上昇すること
がなく、電子供給時のインピ−ダンスが上昇することを
最小限に抑えることができる。
前記イオンビ−ム中の電子が前記ワ−クに吸いとられ、
前記イオンビ−ムは、その有する正の空間電荷により電
位が上昇する。再び、前記層状グリッドに蓄積された電
子が前記イオンビ−ムに供給される。前記層状グリッド
はイオンビ−ム全体を囲んでいるので、電子は均一に前
記イオンビ−ムに供給され、前記イオンビ−ムを中和す
る。この場合、前記電子は前記イオンビ−ムの一方向か
ら供給されないので、局所的に電子密度が上昇すること
がなく、電子供給時のインピ−ダンスが上昇することを
最小限に抑えることができる。
【0018】また、イオン源側との最近接層の層状グリ
ッドをワ−クとほぼ同電位とすることにより、外層グリ
ッドに対し電位障壁を作り、一度イオンビ−ムに取込ま
れた電子が再び前記層状グリッド側に移動することを防
止する。イオンビ−ム照射によってワ−ク表面からガス
が発生するような場合、発生したガスが層状グリッドに
達すると、前記グリッド内に蓄積されている電子がガス
分子と衝突しプラズマ化され、このプラズマが前記イオ
ンビ−ムを中和するように作用する。
ッドをワ−クとほぼ同電位とすることにより、外層グリ
ッドに対し電位障壁を作り、一度イオンビ−ムに取込ま
れた電子が再び前記層状グリッド側に移動することを防
止する。イオンビ−ム照射によってワ−ク表面からガス
が発生するような場合、発生したガスが層状グリッドに
達すると、前記グリッド内に蓄積されている電子がガス
分子と衝突しプラズマ化され、このプラズマが前記イオ
ンビ−ムを中和するように作用する。
【0019】長時間イオンビ−ムを照射すると、前記ガ
ス放出は低下し、中和装置の中和能力が変化する場合が
ある。このような場合、前記グリッド部分に外部からガ
スを供給し、前記ガス圧を一定に保持することにより中
和能力をビ−ム照射時間中一定にすることができる。
ス放出は低下し、中和装置の中和能力が変化する場合が
ある。このような場合、前記グリッド部分に外部からガ
スを供給し、前記ガス圧を一定に保持することにより中
和能力をビ−ム照射時間中一定にすることができる。
【0020】また、ワ−クからイオンビ−ムによるガス
放出がない場合でも、外部からガスをグリッドに放出す
ることにより、プラズマを効率よく生成させ、中和に寄
与させることができる。この場合ア−ク放電を起こさせ
る必要はないので、前記ガス圧をア−ク放電の場合ほど
あげる必要はなく、低い圧力で動作させることができ
る。
放出がない場合でも、外部からガスをグリッドに放出す
ることにより、プラズマを効率よく生成させ、中和に寄
与させることができる。この場合ア−ク放電を起こさせ
る必要はないので、前記ガス圧をア−ク放電の場合ほど
あげる必要はなく、低い圧力で動作させることができ
る。
【0021】第二の発明の構成によれば、ワ−クの直前
に粒子ビ−ム中和装置を配設したので、前記粒子ビ−ム
中和装置の電子源,層状グリッドとワ−クとを組合せる
ことによってファラデ−カップが構成され、前記ワ−ク
に入射するイオンビ−ム電流を正確に測定することがで
きるので、正確な電流値を有するイオンビ−ムをワ−ク
に照射することができる。
に粒子ビ−ム中和装置を配設したので、前記粒子ビ−ム
中和装置の電子源,層状グリッドとワ−クとを組合せる
ことによってファラデ−カップが構成され、前記ワ−ク
に入射するイオンビ−ム電流を正確に測定することがで
きるので、正確な電流値を有するイオンビ−ムをワ−ク
に照射することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図1ないし図3を
参照して説明する。 〔実施例 1〕図1は、本発明の一実施例に係る粒子ビ
−ム中和装置本体の略示斜視図、図2は、図1の粒子ビ
−ム中和装置本体のA−A´断面図、図3は、図1の粒
子ビ−ム中和装置本体を含む粒子ビ−ム中和装置全体構
成図である。
参照して説明する。 〔実施例 1〕図1は、本発明の一実施例に係る粒子ビ
−ム中和装置本体の略示斜視図、図2は、図1の粒子ビ
−ム中和装置本体のA−A´断面図、図3は、図1の粒
子ビ−ム中和装置本体を含む粒子ビ−ム中和装置全体構
成図である。
【0023】第一の発明に係る本実施例の粒子ビ−ム中
和装置は、図1,2,3において、1はイオンビ−ム、
2はイオンビ−ム1を集束する層状グリッド、3はイオ
ンビ−ム1を照射するワ−ク、4はファラデ−ケ−ジ、
5は電子源、6は電子源5のフィラメント、7はフィラ
メント6からの電子引出し電極、8はフィラメント6の
遮蔽板、9はフィラメント6から電子、10はファラデ
−ケ−ジ4内にガスを導入するガス管、11はガス流量
制御装置、12はガスボンベ、13はア−スアパ−チ
ャ、14はサプレッサ電極、15はワ−ク3のバイアス
電源、16,17は電流計、18はフィラメント6の加
熱電源、19は電子引出し電極7のバイアス電源、P
a,Pb,Qa,Qbは導体板である。
和装置は、図1,2,3において、1はイオンビ−ム、
2はイオンビ−ム1を集束する層状グリッド、3はイオ
ンビ−ム1を照射するワ−ク、4はファラデ−ケ−ジ、
5は電子源、6は電子源5のフィラメント、7はフィラ
メント6からの電子引出し電極、8はフィラメント6の
遮蔽板、9はフィラメント6から電子、10はファラデ
−ケ−ジ4内にガスを導入するガス管、11はガス流量
制御装置、12はガスボンベ、13はア−スアパ−チ
ャ、14はサプレッサ電極、15はワ−ク3のバイアス
電源、16,17は電流計、18はフィラメント6の加
熱電源、19は電子引出し電極7のバイアス電源、P
a,Pb,Qa,Qbは導体板である。
【0024】真空に保持されているチャンバ−(図示せ
ず)内にファラデ−ケ−ジ4が配設され、前記ファラデ
−ケ−ジ4は、その中空の筐体が方形体を形成してい
る。前記ファラデ−ケ−ジ4の両面(図示では左右の両
面)の近接した内側には、前記両面にそれぞれ相対して
導体板Pa,Pbが設けられ、該導体板Pa,Pb間に
は層状をしたワイアのグリッド2が張設されている。
ず)内にファラデ−ケ−ジ4が配設され、前記ファラデ
−ケ−ジ4は、その中空の筐体が方形体を形成してい
る。前記ファラデ−ケ−ジ4の両面(図示では左右の両
面)の近接した内側には、前記両面にそれぞれ相対して
導体板Pa,Pbが設けられ、該導体板Pa,Pb間に
は層状をしたワイアのグリッド2が張設されている。
【0025】前記導体板Pa,Pbの内側には近接して
導体板Qa,Qbが配設されている。前記導体板Qa,
Qbに多数の小孔が設け、該小孔に前記層状ワイアグリ
ッド2を通し、該導体板Qa,Qbと前記層状ワイアグ
リッド2とは、電気的に絶縁されている。前記ファラデ
−ケ−ジ4と前記導体板Pa,Pbとは電気的に絶縁さ
れるように、前記ファラデ−ケ−ジ4と前記導体板Q
a,Qbとは電気的に接続されるようにそれぞれ構成さ
れている。
導体板Qa,Qbが配設されている。前記導体板Qa,
Qbに多数の小孔が設け、該小孔に前記層状ワイアグリ
ッド2を通し、該導体板Qa,Qbと前記層状ワイアグ
リッド2とは、電気的に絶縁されている。前記ファラデ
−ケ−ジ4と前記導体板Pa,Pbとは電気的に絶縁さ
れるように、前記ファラデ−ケ−ジ4と前記導体板Q
a,Qbとは電気的に接続されるようにそれぞれ構成さ
れている。
【0026】前記ファラデ−ケ−ジ4の前記左右両面に
は、イオンビ−ム1の通し穴Ha,Hbが設けられ、前
記Ha,Hbに対応する前記導体板Pa,Pb、前記導
体板Qa,Qbの部分もそれぞれ通し穴が穿設されてい
る。一の通し穴(図示では左方側)Haはイオンビ−ム
1の入口側、他の一の通し穴(図示では右方側)Hbは
出口側となっている。前記入口の通し穴Haの外側には
ア−スアパ−チャ13、サプレッサ電極14が配設さ
れ、前記出口通し穴Haの外側に近接してワ−ク3が配
設されている。
は、イオンビ−ム1の通し穴Ha,Hbが設けられ、前
記Ha,Hbに対応する前記導体板Pa,Pb、前記導
体板Qa,Qbの部分もそれぞれ通し穴が穿設されてい
る。一の通し穴(図示では左方側)Haはイオンビ−ム
1の入口側、他の一の通し穴(図示では右方側)Hbは
出口側となっている。前記入口の通し穴Haの外側には
ア−スアパ−チャ13、サプレッサ電極14が配設さ
れ、前記出口通し穴Haの外側に近接してワ−ク3が配
設されている。
【0027】前記ファラデ−ケ−ジ4の上下両面には、
電子源5がそれぞれ1つずつ設けられている。前記それ
ぞれの電子源5は、フィラメント6と電子引出し電極7
とから構成される。前記フィラメント6はフィラメント
電源18と接続されて加熱されると共に、前記ファラデ
−ケ−ジ4の筐体と接続されている。そして、ワ−ク3
とほぼ同電位となっている。
電子源5がそれぞれ1つずつ設けられている。前記それ
ぞれの電子源5は、フィラメント6と電子引出し電極7
とから構成される。前記フィラメント6はフィラメント
電源18と接続されて加熱されると共に、前記ファラデ
−ケ−ジ4の筐体と接続されている。そして、ワ−ク3
とほぼ同電位となっている。
【0028】前記電子引出し電極7は、電子引出し電源
19と接続され、50〜1KV高くバイアスされてい
る。なお、前記電子引出し電源19はCPUにより制御
されている。前記フィラメント6には、前記ワ−ク3と
前記イオンビ−ム1から遮蔽するように遮蔽板8を設け
ている。
19と接続され、50〜1KV高くバイアスされてい
る。なお、前記電子引出し電源19はCPUにより制御
されている。前記フィラメント6には、前記ワ−ク3と
前記イオンビ−ム1から遮蔽するように遮蔽板8を設け
ている。
【0029】前記遮蔽板8は、前記導体板Qa,Qb間
に配設され、前記フィラメント6に対して凸状になるよ
う左右に傾斜して構成されている。前記ファラデ−ケ−
ジ4の筐体上面には、ファラデ−ケ−ジ4内にガスを導
入するガス管10が設けられ、前記ガス管10はCPU
により制御されるガス流量制御装置11とガスボンベ1
2とに配管接続されている。
に配設され、前記フィラメント6に対して凸状になるよ
う左右に傾斜して構成されている。前記ファラデ−ケ−
ジ4の筐体上面には、ファラデ−ケ−ジ4内にガスを導
入するガス管10が設けられ、前記ガス管10はCPU
により制御されるガス流量制御装置11とガスボンベ1
2とに配管接続されている。
【0030】前記ワ−ク3は、バイアス電源15と該ワ
−クに入射する電荷量を測定する電流計16,17とが
直列に接続される。電流計16と電流計17との共通端
子には、前記ファラデ−ケ−ジ4の筐体と前記電子引出
し電源19とが接続されている。前記電流計17の前記
共通端子の反対側端子はア−スされている。前記電流計
16は中和後のイオンビ−ム電流を示し、電流計17
は、イオンビ−ム1の電流値を示めすものである。ま
た、前記電流計16,17はその電流値をCPUに出力
する。
−クに入射する電荷量を測定する電流計16,17とが
直列に接続される。電流計16と電流計17との共通端
子には、前記ファラデ−ケ−ジ4の筐体と前記電子引出
し電源19とが接続されている。前記電流計17の前記
共通端子の反対側端子はア−スされている。前記電流計
16は中和後のイオンビ−ム電流を示し、電流計17
は、イオンビ−ム1の電流値を示めすものである。ま
た、前記電流計16,17はその電流値をCPUに出力
する。
【0031】本実施例の動作を説明する。イオンビ−ム
1は、グランド電位のアパ−チャ13とサプレッサ電極
14を通過し、ファラデ−ゲ−ジ4に通し孔Haから入
り、導体板Pa,Qaの通し孔を通り、層状グリッド2
に囲まれた部分を通り、導体板Qb,Pbの通し孔を通
り、通し孔Hbを出てワ−ク3に照射される。
1は、グランド電位のアパ−チャ13とサプレッサ電極
14を通過し、ファラデ−ゲ−ジ4に通し孔Haから入
り、導体板Pa,Qaの通し孔を通り、層状グリッド2
に囲まれた部分を通り、導体板Qb,Pbの通し孔を通
り、通し孔Hbを出てワ−ク3に照射される。
【0032】フィラメント6は、加熱用フィラメント電
源18によりヒ−トされ、電子9を放射させる。前記フ
ィラメント6には電子引出し電極7がおかれ、大量の電
子が引出されるようにバイアスされている。遮蔽板8は
前記導体板Qa,Qbに取り付けられているので前記フ
ァラデ−ケ−ジ4の筐体と同電位である。また、前記フ
ィラメント6も前記ファラデ−ケ−ジ4の筐体と接続さ
れているので前記遮蔽板8とほぼ同電位である。従っ
て、前記電子9は前記遮蔽板8により減速され、前記遮
蔽板8には入射しない。
源18によりヒ−トされ、電子9を放射させる。前記フ
ィラメント6には電子引出し電極7がおかれ、大量の電
子が引出されるようにバイアスされている。遮蔽板8は
前記導体板Qa,Qbに取り付けられているので前記フ
ァラデ−ケ−ジ4の筐体と同電位である。また、前記フ
ィラメント6も前記ファラデ−ケ−ジ4の筐体と接続さ
れているので前記遮蔽板8とほぼ同電位である。従っ
て、前記電子9は前記遮蔽板8により減速され、前記遮
蔽板8には入射しない。
【0033】前記遮蔽板8は、上述のごとく、前記フィ
ラメント6に対して凸、かつ、左右に傾斜して形成され
ているので、前記電子9は左右へ偏向される。この結
果、この電子9の運動は図2に示すような軌道を描いて
行動する。そして、前記電子9は、前記層状グリッド2
のそれぞれのワイアグリッドに巻きつくようにして前記
ファラデ−ゲ−ジ4内全体に拡散する。前記電子9がフ
ァラデ−4全体に拡散し、中心の前記イオンビ−ム1に
近づくと、イオンビ−ム1の正の空間電荷にトラップさ
れ、イオンビ−ム1を中和することになる。
ラメント6に対して凸、かつ、左右に傾斜して形成され
ているので、前記電子9は左右へ偏向される。この結
果、この電子9の運動は図2に示すような軌道を描いて
行動する。そして、前記電子9は、前記層状グリッド2
のそれぞれのワイアグリッドに巻きつくようにして前記
ファラデ−ゲ−ジ4内全体に拡散する。前記電子9がフ
ァラデ−4全体に拡散し、中心の前記イオンビ−ム1に
近づくと、イオンビ−ム1の正の空間電荷にトラップさ
れ、イオンビ−ム1を中和することになる。
【0034】いま、前記ワ−ク3に入る前記イオンビ−
ム1と前記電子流とは重畳し、電流計16により測定さ
れる。前記電流値がほぼ0ないし若干負の電流値になる
よう電子源5から出る電子量をCPUにてコントロ−ル
する。このとき前記ワ−ク3は、1〜10V程度の正電
圧をバイアス電源15により印加すると前記電子量の制
御が容易になる。
ム1と前記電子流とは重畳し、電流計16により測定さ
れる。前記電流値がほぼ0ないし若干負の電流値になる
よう電子源5から出る電子量をCPUにてコントロ−ル
する。このとき前記ワ−ク3は、1〜10V程度の正電
圧をバイアス電源15により印加すると前記電子量の制
御が容易になる。
【0035】前記電子源5から出射される電子9は、前
記電子9の引出し電極7に印加する電子引出し電源19
によるバイアス電圧をCPUがコントロ−ルして制御し
ている。このバイアス電圧は50〜1kVにすることが
望ましい。なお、前記フィラメント電源18をコントロ
−ルしても差し支えない。前記電子9の制御は、チャ−
ジセンサ等による他の方法をもとにしても差し支えな
い。このようにして、電子9の量を最適値に設定できる
ので電源容量を必要以上にすることがない。また、電子
のエネルギ−は、前記ワ−ク3と前記フィラメント6と
の電位差で決定されるので自由に設定することができ
る。
記電子9の引出し電極7に印加する電子引出し電源19
によるバイアス電圧をCPUがコントロ−ルして制御し
ている。このバイアス電圧は50〜1kVにすることが
望ましい。なお、前記フィラメント電源18をコントロ
−ルしても差し支えない。前記電子9の制御は、チャ−
ジセンサ等による他の方法をもとにしても差し支えな
い。このようにして、電子9の量を最適値に設定できる
ので電源容量を必要以上にすることがない。また、電子
のエネルギ−は、前記ワ−ク3と前記フィラメント6と
の電位差で決定されるので自由に設定することができ
る。
【0036】前記ワ−ク3の表面に前記イオンビ−ム1
が照射されたとき、ガスが放出され真空度が低下する。
このガスが層状グリッド2に達すると、この層状グリッ
ド2中に拡散している電子と衝突してイオン化されると
同時に電子を放出する。ここで発生し前記のイオンと電
子とは、プラズマ状態で拡散し、前記イオンビ−ム1お
よび前記ワ−ク3に達してそれぞれの電荷を中和する。
放出ガスは、時間経過とともに減少して来る。このため
中和効果がガス圧とともに変化する。
が照射されたとき、ガスが放出され真空度が低下する。
このガスが層状グリッド2に達すると、この層状グリッ
ド2中に拡散している電子と衝突してイオン化されると
同時に電子を放出する。ここで発生し前記のイオンと電
子とは、プラズマ状態で拡散し、前記イオンビ−ム1お
よび前記ワ−ク3に達してそれぞれの電荷を中和する。
放出ガスは、時間経過とともに減少して来る。このため
中和効果がガス圧とともに変化する。
【0037】この変化を抑えるため、ガス流量制御装置
11とボンベ12とが接続されているパイプ10からフ
ァラデ−ゲ−ジ4内にガスが供給される。このガス供給
系は、ガス圧を必要以上に供給するためではなく前記ワ
−ク3の直前の圧力が一定になるようCPUから制御さ
れている。この時供給される前記ガスは、アルゴン、キ
セノン、クリプトン等の希ガスが望ましい。上記のよう
に、本実施例によれば、高密度,低エネルギ−の電子を
供給し、イオンビ−ムを中性化し、ワ−クの帯電および
損傷が発生しない。
11とボンベ12とが接続されているパイプ10からフ
ァラデ−ゲ−ジ4内にガスが供給される。このガス供給
系は、ガス圧を必要以上に供給するためではなく前記ワ
−ク3の直前の圧力が一定になるようCPUから制御さ
れている。この時供給される前記ガスは、アルゴン、キ
セノン、クリプトン等の希ガスが望ましい。上記のよう
に、本実施例によれば、高密度,低エネルギ−の電子を
供給し、イオンビ−ムを中性化し、ワ−クの帯電および
損傷が発生しない。
【0038】〔実施例 2〕第一の発明に係る本実施例
の粒子ビ−ム照射装置を〔実施例 1〕の説明に使用し
た図1,3により説明する。図1,3は〔実施例 1〕
において説明したので省略する。図1に示す如く、粒子
ビ−ム中和装置とワ−ク3とを近接して配設する。前記
粒子ビ−ムによる前記ワ−ク3の二次電子が拡散しない
ように構成すると、電子源5と層状グリッド2とワ−ク
3とはファラデ−カップを形成し、電流計16によりイ
オンビ−ム電流を正確に測定することができる。これに
より正確に粒子ビ−ムを照射する必要が場合、例えばイ
オン打ち込み装置等において利用することができる。
の粒子ビ−ム照射装置を〔実施例 1〕の説明に使用し
た図1,3により説明する。図1,3は〔実施例 1〕
において説明したので省略する。図1に示す如く、粒子
ビ−ム中和装置とワ−ク3とを近接して配設する。前記
粒子ビ−ムによる前記ワ−ク3の二次電子が拡散しない
ように構成すると、電子源5と層状グリッド2とワ−ク
3とはファラデ−カップを形成し、電流計16によりイ
オンビ−ム電流を正確に測定することができる。これに
より正確に粒子ビ−ムを照射する必要が場合、例えばイ
オン打ち込み装置等において利用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、第一に、中和のための粒子電荷による二次的帯電
がなく、動作圧力がより低く、制御性がよく、かつ、制
御電源が小型である中和装置を提供することができる。
また、第二に、上記中和装置を使用しイオンビ−ムの電
流値が正確に制御された粒子ビ−ム照射装置を提供する
ことができる。
れば、第一に、中和のための粒子電荷による二次的帯電
がなく、動作圧力がより低く、制御性がよく、かつ、制
御電源が小型である中和装置を提供することができる。
また、第二に、上記中和装置を使用しイオンビ−ムの電
流値が正確に制御された粒子ビ−ム照射装置を提供する
ことができる。
【図1】本発明の一実施例に係る粒子ビ−ム中和装置本
体の略示斜視図である。
体の略示斜視図である。
【図2】図1の粒子ビ−ム中和装置本体のA−A´断面
図である。
図である。
【図3】図1の粒子ビ−ム中和装置本体を含む粒子ビ−
ム中和装置全体構成図である。
ム中和装置全体構成図である。
1 イオンビ−ム 2 層状グリッド 3 ワ−ク 4 ファラデ−ケ−ジ 5 電子源 6 フィラメント 7 電子引出し電極 8 遮蔽板 9 電子 10 ガス導入管 11 ガス流量制御装置 12 ガスボンベ 13 ア−スアパ−チャ 14 サプレッサ電極 15 バイアス電極 16,17 電流計 18 フィラメント電源 19 電子引出し電源 Pa,Pb,Qa,Qb 導体板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027
Claims (9)
- 【請求項1】 真空チャンバ−内のワ−クにイオンビ−
ムを照射するイオン源と、前記イオンビ−ムに電子を供
給する前記ワ−クとほぼ同電位の電子源とを備え、前記
イオンビ−ムの空間電荷もしくは前記イオンビ−ムの前
記ワ−クへの照射により生ずる当該ワ−クの帯電を防止
するように構成した粒子ビ−ム中和装置において、 前記イオンビ−ムの周囲に前記電子源からの電子を蓄積
させる手段を備えたことを特徴とする粒子ビ−ム中和装
置。 - 【請求項2】 蓄積手段は、イオンビ−ムの周囲に導電
性層状グリッドを配設し、前記グリッドに正の高電圧を
印加するようにしたことを特徴とする請求項1記載の粒
子ビ−ム中和装置。 - 【請求項3】 イオンビ−ムの外側に最も近いグリッド
をワ−クまたは真空チャンバ−とほぼ同電位としたこと
を特徴とする請求項2記載の粒子ビ−ム中和装置。 - 【請求項4】 層状グリッドに印加する電圧電源を電子
源カソ−ド部の電子引出し電源と共通にしたことを特徴
とする請求項2または3記載のいずれかの粒子ビ−ム中
和装置。 - 【請求項5】 層状グリッドと電子源とワ−クとによ
り、イオンビ−ム電流測定のためのファラデ−カップを
構成するようにしたことを特徴とする請求項2ないし4
記載のいずれかの粒子ビ−ム中和装置。 - 【請求項6】 層状グリッドに対しガスを供給するガス
供給機構を具備したことを特徴とする請求項2ないし5
記載のいずれかの粒子ビ−ム中和装置。 - 【請求項7】 ガス供給機構は、イオンビ−ムのガス圧
力が一定になるようにガス供給を制御する制御部を具備
していることを特徴とする請求項6の粒子ビ−ム中和装
置。 - 【請求項8】 ガスは高純度のアルゴン、キセノン、ク
リプトン等希ガスであることを特徴とする請求項6また
は7記載のいずれかの粒子ビ−ム中和装置。 - 【請求項9】 ワ−クの直前に請求項1ないし請求項8
記載のいずれかの粒子ビ−ム中和装置を配設したことを
特徴とする粒子ビ−ム照射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5166722A JPH0721951A (ja) | 1993-07-06 | 1993-07-06 | 粒子ビ−ム中和装置およびその装置を用いた粒子ビ−ム照射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5166722A JPH0721951A (ja) | 1993-07-06 | 1993-07-06 | 粒子ビ−ム中和装置およびその装置を用いた粒子ビ−ム照射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0721951A true JPH0721951A (ja) | 1995-01-24 |
Family
ID=15836546
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5166722A Pending JPH0721951A (ja) | 1993-07-06 | 1993-07-06 | 粒子ビ−ム中和装置およびその装置を用いた粒子ビ−ム照射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0721951A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9058547B2 (en) | 2010-09-01 | 2015-06-16 | Hyundai Card Co., Ltd. | Metal payment card and method of manufacturing the same |
-
1993
- 1993-07-06 JP JP5166722A patent/JPH0721951A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9058547B2 (en) | 2010-09-01 | 2015-06-16 | Hyundai Card Co., Ltd. | Metal payment card and method of manufacturing the same |
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