JPH07215156A - エアバッグ装置のエアバッグカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアバッグカバーとして軽量で、然も安価に
得られる合成樹脂シートやフィルム及び不織布または織
布等のシート状体を用いる。折畳まれたエアバッグ本体
をエアバッグカバーより露出させたり、突出するのを防
止する。 【構成】 エアバッグカバー３１をシート状体から形成
する。エアバッグカバー３１を方形状の中央部３３と、
該中央部３３の外周から四方に突出する前後，左右側片
３５，３６とから略十字状に形成する。前後，左右側片
３５，３６の両側に円弧状突出片３８，３９を夫々形成
する。且つ前後，左右側片３５，３６の先端部にガス発
生器の円筒状の外周形状や、収納容器の開口部の形状に
対応する切欠部５１を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両等の衝突の際に乗員
を保護するエアバッグ装置に関し、更に詳細に説明する
と、ガス発生器と、該ガス発生器よりのガスが流入する
ガス注入口を有するエアバッグ本体とを備え、前記エア
バッグ本体を折畳み収納した状態で覆うエアバッグ装置
のエアバッグカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、車両等の乗員の保護装置とし
てエアバッグ装置が知られている。このエアバッグ装置
としては、実開平２−３８８６０号公報、特公昭５６−
４３８９０号公報、更には実開昭６１−１８５６４２号
公報、及び特開平４−２７６３９号公報等が存在する。
また、エアバッグ装置のエアバッグ本体を折畳み収納し
た状態で覆うエアバッグカバーとしては、特開平４−１
４３１４２号公報等が存在する。

【０００３】図４に示す如く、エアバッグ装置１１は、
車体フレーム側に固定ブラケット等を介して固定された
ベースプレート１を有し、このベースプレート１に円筒
状の外周を有するガス発生器２が固着され、ガス注入口
４を有するエアバッグ本体３がリテーナ５を介してリベ
ットまたはボルト６等により固着され、前記ガス発生器
２が所定の条件のもとで作動した場合に、ガス発生器２
から発生するガスが瞬間的にエアバッグ本体３内に流入
し、エアバッグ本体３が瞬時に膨出するようになされて
いる。

【０００４】前記エアバッグ本体３は折畳んだ状態で、
合成樹脂製の断面略コ字状の下部開放されたカバー部材
７により被覆され、位置規制され、助手席側のエアバッ
グ装置においては、車両等のインストルメントパネル側
の部品等にエアバッグ本体３が当接しないようになされ
ている。

【０００５】前記カバー部材７の周縁部７ａがベースプ
レート１の端部１ａに押えプレート９を介してリベット
またはボルト８等により固着されている。そして前記エ
アバッグ本体３の膨出時にカバー部材７の上面に形成さ
れた薄肉部７ｂが破断し、エアバッグ本体３が前方に膨
出するようになされている。

【０００６】また、図５に示す従来のエアバッグ装置２
１は、車両のインストルメントパネル２２内に上部を露
呈させた状態で配設される。このエアバッグ装置２１
は、インストルメントパネル２２内でステアリングメン
バー２３に設けた支持アーム２４に固着され、且つ横長
のガス発生器２５が収納される収納容器となるベースロ
アー２６を備えている。またベースロアー２６には、前
記横長のガス発生器２５から作動時に噴出されるガスが
流入されるようにエアバッグ本体２７が固着されてい
る。

【０００７】更に、ベースロアー２６の上端部には、エ
アバッグ本体２７を折畳み収納した状態で覆うエアバッ
グカバー２８が取付けられている。そして、衝突時等に
おいて、ガス発生器２５からのガスの流入によりエアバ
ッグ本体２７が膨張し、且つエアバッグカバー２８が破
断して開放されて、エアバッグ本体２７が更に膨張する
ことにより、乗員を保護するように構成されている。

【０００８】ところで、従来のエアバッグ装置１１，２
１において、折畳み状態で配設されるエアバッグ本体
３，２７を覆うエアバッグカバー７，２８として従来
は、成形加工性や取扱いの面からプラスチック製やゴム
製によるものが一般的に用いられてきた。

【０００９】然し乍ら、このようなプラスチック製、ゴ
ム製のエアバッグカバー７，２８は、本来的には消耗部
品であるものの、加工が面倒で、しかもある程度の重量
もあり、コスト面での問題もあり、例えば比較的手軽に
準備できる不織布等のシート状体を用いることが考えら
れている。

【００１０】特に、このような合成樹脂シートや不織布
でエアバッグカバー７，２８を形成すると、エアバッグ
本体３，２７を折畳んで覆っている時の重量を軽量化で
きると共に、成形性、コスト面で優れている利点があ
る。

【００１１】特開平４−１４３１４２号公報にも示され
ている如く、上述した不織布等のシート状体よりエアバ
ッグカバーを形成した場合には、図６に示す如く、この
エアバッグカバーは方形の布材の隅部に切り込み部を形
成して全体的に略十字状に裁断した展開形状に形成され
ている。

【００１２】即ち、前記不織布等のシート状体のエアバ
ッグカバー３１は方形状の中央部３３と、該中央部３３
の外周から四方に突出する前後，左右側片３５，３６と
から略十字状に形成されている。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、従来のエア
バッグカバー３１では、図７に示す如く、エアバッグ本
体３，２７を折畳み収納した状態で被覆した場合に、エ
アバッグカバー３１の前後，左右側片３５，３６が円弧
状に弯曲し、エアバッグカバー３１の相互に隣接する前
後，左右側片３５，３６間に隙間３８が発生し、エアバ
ッグ本体３，２７の一部が露出する虞れを有していた。

【００１４】エアバッグ装置の組付時、または運搬時等
に、工具やフレーム等の部品が露出したエアバッグ本体
３，２７に接触し、エアバッグ本体３，２７を損傷させ
る虞れを有していた。

【００１５】またエアバッグ本体３，２７の組付後に、
エアバッグカバー３１の相互に隣接する前後，左右側片
３５，３６間の隙間３８よりエアバッグ本体３，２７の
一部が突出して出てくる虞れを有し、折畳み収納した状
態が崩れ易く、エアバッグ本体の膨出状態が変化する虞
れを有していた。

【００１６】本発明の目的は、エアバッグカバーとして
軽量で、然も安価に得られる合成樹脂シートや不織布等
のシート状体を用いると共に、折畳まれたエアバッグ本
体をエアバッグカバーより露出させたり、突出させて出
てくる虞れがなく、手軽にしかも適切且つ確実に覆うこ
とができ、エアバッグ本体の折畳み収納した状態が崩れ
る虞れのない経済性に優れた簡易型のエアバッグ装置の
エアバッグカバーを提供するものである。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本発明は上述せる課題に
鑑みてなされたもので、請求項１のエアバッグ装置のエ
アバッグカバーは、ガス発生器と、該ガス発生器よりの
ガスが流入するガス注入口を有するエアバッグ本体とを
備え、前記エアバッグ本体を折畳み収納した状態で覆う
エアバッグ装置のエアバッグカバーにおいて、前記エア
バッグカバーはシート状体から形成され、且つ方形状の
中央部と、該中央部の外周から四方に突出する前後，左
右側片とから略十字状に形成され、前記前後，左右側片
の側部に突出片が夫々形成されていることを特徴とす
る。

【００１８】また請求項２のエアバッグ装置のエアバッ
グカバーは、ベースプレートに固着された円筒状の外周
を有するガス発生器と、該ガス発生器よりのガスが流入
するガス注入口を有するエアバッグ本体とを備え、前記
エアバッグ本体を折畳み収納した状態で覆うエアバッグ
装置のエアバッグカバーにおいて、前記エアバッグカバ
ーはシート状体から形成され、且つ方形状の中央部と、
該中央部の外周から四方に突出する前後，左右側片とか
ら略十字状に形成され、前記前後，左右側片の両側に円
弧状突出片が夫々形成され、且つ前後，左右側片の先端
部にガス発生器の円筒状の外周形状に対応する円形状の
切欠部が形成されていることを特徴とする。

【００１９】

【作用】本発明の請求項１のエアバッグ装置のエアバッ
グカバーによれば、軽量な合成樹脂シートや不織布等の
シート状体を用い、方形状の中央部と、該中央部の外周
から四方に突出する前後，左右側片とから略十字状に形
成され、前記前後，左右側片の側部に突出片が夫々形成
されているので、エアバッグ本体を被覆した際に、エア
バッグカバーの前後，左右側片が円弧状に弯曲しても、
前後，左右側片の側部に形成された突出片が隙間を被覆
し、隙間の発生を阻止することができ、エアバッグ本体
の一部が露出する虞れがないものである。

【００２０】従って、エアバッグ本体の組付時、または
運搬時等に、工具やフレーム等の部品が接触し、エアバ
ッグ本体を損傷させる虞れがなく、エアバッグ本体の折
畳み収納した状態が崩れる虞れがなく、エアバッグ本体
の膨出状態が変化する虞れがないものである。

【００２１】また、本発明の請求項２のエアバッグ装置
のエアバッグカバーによれば、円筒状の外周を有するガ
ス発生器を用いたエアバッグ装置において、前記エアバ
ッグカバーは方形状の中央部と、該中央部の外周から四
方に突出する前後，左右側片とから略十字状に形成さ
れ、前記前後，左右側片の両側に円弧状突出片が夫々形
成され、且つ前後，左右側片の先端部にガス発生器の円
筒状の外周形状に対応する円形状の切欠部が形成されて
いるので、エアバッグ本体を被覆した際に、エアバッグ
カバーの前後，左右側片が円弧状に弯曲しても、前後，
左右側片の両側に形成された円弧状突出片が隙間の発生
を阻止することができ、エアバッグ本体の一部が露出す
る虞れがないと共に、ガス発生器の円筒状の外周形状に
対応する円形状の切欠部がガス発生器の円筒状の外周に
沿って確実且つ強固に取付けることができる。

【００２２】

【実施例】図１乃至図３は本発明に係るエアバッグ装置
のエアバッグカバーの一実施例を夫々示すもので、これ
らの図において、前述した図６及び図７と同一または相
当する部分には同一符号を付してこれ以上の詳細な説明
はこれを省略する。

【００２３】本発明に係るエアバッグ装置のエアバッグ
カバーは、図４及び図５に示すエアバッグ装置の何れに
も適用することができ、また従来公知の種々のエアバッ
グ装置に適用することができるものである。

【００２４】エアバッグ本体は折畳み収納された状態で
エアバッグカバー３１により被覆される。このエアバッ
グカバー３１は合成樹脂シートやフィルム、または不織
布，織布等の柔軟性を有するシート状体より形成されて
いる。例えば布地であれば、タイベック（商品名，デュ
ポン社製）目付量５５〜１１０g/m²のものが用いられ
る。

【００２５】尚本実施例では、図１に示すように、一枚
の不織布を所定の形状に裁断しこれを適宜折曲げること
によってエアバッグカバー３１が形成される。前記エア
バッグカバー３１はシート状体から形成され、且つ方形
状の中央部３３と、該中央部３３の外周から四方に突出
する前後，左右側片３５，３６とから略十字状に形成さ
れている。

【００２６】エアバッグカバー３１の前後，左右側片３
５，３６の両側に円弧状突出片３８，３９が夫々形成さ
れている。尚本実施例では、前後，左右側片３５，３６
の両側に円弧状突出片３８，３９を夫々形成したが、前
後，左右側片３５，３６の何れか一方の側部に円弧状突
出片３８，３９を形成するものであってもよい。

【００２７】尚更に、本実施例では前後，左右側片３
５，３６の両側に円弧状突出片３８，３９を夫々形成し
たが、円弧状でなくてもよく、例えば方形状、長方形状
その他種々の形状とすることができる。

【００２８】前記エアバッグカバー３１の方形状の中央
部３３の外周は折曲げ線４１が形成されるもので、この
折曲げ線４１が二点鎖線で示されている。また前後，左
右側片３５，３６の中間部に横方向に夫々延びる折曲げ
線４３が形成され、この折曲げ線４３が一点鎖線で示さ
れている。

【００２９】この一点鎖線で示された折曲げ線４３より
先端側が取付部４５に形成され、この取付部４５が、図
２に示す如く、エアバッグ装置のべースプレート１また
は収納容器にビス等により取付けられるようになされて
いる。尚、取付部４５には複数のビス穴４７が形成され
ている。

【００３０】従って、エアバッグカバー３１でエアバッ
グ本体を被覆した際に、エアバッグカバー３１の前後，
左右側片３５，３６が円弧状に弯曲しても、前後，左右
側片３５，３６の両側に形成された円弧状突出片３８，
３９が隙間の発生を阻止することができ、エアバッグ本
体の一部が露出する虞れがない。

【００３１】また前後，左右側片３５，３６の何れか一
方の側部に円弧状突出片３８，３９を形成したもの、ま
たは方形状、長方形状その他種々の形状とした突出片３
８，３９を用いる場合にも同様に前後，左右側片３５，
３６の両側の隙間の発生を阻止することができる。

【００３２】図３には、本発明に係わるエアバッグカバ
ーの異なる実施例が示されており、前述せる実施例と対
応する部分には同一符号を付してこれ以上の詳細説明は
これを省略するも、このエアバッグカバー３１は前後，
左右側片３５，３６の取付部４５の先端部側にガス発生
器の円筒状の外周形状に対応する円形状の切欠部５１が
形成されていることを除いては、前述せる実施例と同様
の構成を有するものである。

【００３３】尚、複数のビス穴４７は円形状の切欠部５
１の外周に沿って形成されている。またこの実施例にお
いても、円弧状の突出片３８，３９の構成は前述せる実
施例と同様の変形例を適用することができるものであ
る。

【００３４】尚、本発明は上述した実施例構造には限定
されず、エアバッグ装置のエアバッグカバーの各部の形
状、構造等を適宜変形、変更し得ることは言うまでもな
い。

【００３５】

【発明の効果】以上が本発明に係るエアバッグ装置のエ
アバッグカバーの一実施例の構成であるが、斯る請求項
１のエアバッグ装置のエアバッグカバーの構成によれ
ば、ガス発生器と、該ガス発生器よりのガスが流入する
ガス注入口を有するエアバッグ本体とを備え、前記エア
バッグ本体を折畳み収納した状態で覆うエアバッグ装置
のエアバッグカバーにおいて、前記エアバッグカバーは
シート状体から形成され、且つ方形状の中央部と、該中
央部の外周から四方に突出する前後，左右側片とから略
十字状に形成され、前記前後，左右側片の側部に突出片
が夫々形成されているので、エアバッグ本体を被覆した
際に、エアバッグカバーの前後，左右側片が円弧状に弯
曲しても、前後，左右側片の側部に形成された突出片が
隙間を被覆し、隙間の発生を阻止することができ、エア
バッグ本体の一部が露出する虞れがないものである。

【００３６】従って、エアバッグ本体の組付時、または
運搬時等に、工具やフレーム等の部品が接触し、エアバ
ッグ本体を損傷させる虞れがなく、エアバッグ本体を折
畳み収納した状態が崩れる虞れがなく、エアバッグ本体
の膨出状態が変化する虞れがないものである。

【００３７】また請求項２のエアバッグ装置のエアバッ
グカバーの構成によれば、ベースプレートに固着された
円筒状の外周を有するガス発生器と、該ガス発生器より
のガスが流入するガス注入口を有するエアバッグ本体と
を備え、前記エアバッグ本体を折畳み収納した状態で覆
うエアバッグ装置のエアバッグカバーにおいて、前記エ
アバッグカバーはシート状体から形成され、且つ方形状
の中央部と、該中央部の外周から四方に突出する前後，
左右側片とから略十字状に形成され、前記前後，左右側
片の両側に円弧状突出片が夫々形成され、且つ前後，左
右側片の先端部にガス発生器の円筒状の外周形状に対応
する円形状の切欠部が形成されているので、エアバッグ
本体を被覆した際に、エアバッグカバーの前後，左右側
片が円弧状に弯曲しても、前後，左右側片の両側に形成
された円弧状突出片が隙間の発生を阻止することがで
き、エアバッグ本体の一部が露出する虞れがないと共
に、ガス発生器の円筒状の外周形状に対応する円形状の
切欠部がガス発生器の円筒状の外周に沿って確実且つ強
固に取付けることができる。

【００３８】本発明によれば、エアバッグカバーとして
軽量で、然も安価に得られる合成樹脂シートやフィルム
及び不織布または織布等のシート状体を用いると共に、
折畳まれたエアバッグ本体をエアバッグカバーより露出
させたり、突出させて出てくる虞れがなく、手軽にしか
も適切且つ確実に覆うことができ、エアバッグ本体の折
畳み収納した状態が崩れる虞れのない経済性に優れた簡
易型のエアバッグ装置のエアバッグカバーを得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るエアバッグ装置のエアバッグカバ
ーの一実施例を示す展開図。

【図２】本発明に係るエアバッグ装置のエアバッグカバ
ーの組付状態を示す斜視図。

【図３】本発明に係るエアバッグ装置のエアバッグカバ
ーの異なる実施例を示す展開図。

【図４】従来のエアバッグ装置の概略断面図。

【図５】従来のエアバッグ装置の概略断面図。

【図６】従来のエアバッグ装置のエアバッグカバーを示
す展開図。

【図７】従来のエアバッグ装置のエアバッグカバーの組
付状態を示す斜視図。

【符号の説明】

３１ エアバッグカバー ３３ 中央部 ３５ 前後側片 ３６ 左右側片 ３８ 円弧状突出片 ３９ 円弧状突出片 ４１ 折曲げ線 ４３ 折曲げ線 ４５ 取付部 ４７ ビス穴 ５１ 切欠部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガス発生器と、該ガス発生器よりのガス
   が流入するガス注入口を有するエアバッグ本体とを備
   え、前記エアバッグ本体を折畳み収納した状態で覆うエ
   アバッグ装置のエアバッグカバーにおいて、 前記エアバッグカバーはシート状体から形成され、且つ
   方形状の中央部と、該中央部の外周から四方に突出する
   前後，左右側片とから略十字状に形成され、前記前後，
   左右側片の側部に突出片が夫々形成されていることを特
   徴とするエアバッグ装置のエアバッグカバー。
2. 【請求項２】 ガス発生器と、該ガス発生器よりのガス
   が流入するガス注入口を有するエアバッグ本体とを備
   え、前記エアバッグ本体を折畳み収納した状態で覆うエ
   アバッグ装置のエアバッグカバーにおいて、 前記エアバッグカバーはシート状体から形成され、且つ
   方形状の中央部と、該中央部の外周から四方に突出する
   前後，左右側片とから略十字状に形成され、前記前後，
   左右側片の両側に円弧状突出片が夫々形成され、且つ前
   後，左右側片の先端部に切欠部が形成されていることを
   特徴とするエアバッグ装置のエアバッグカバー。