JPH07207024A - ポリイミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリイミド樹脂組成物

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JPH07207024A
JPH07207024A JP1888894A JP1888894A JPH07207024A JP H07207024 A JPH07207024 A JP H07207024A JP 1888894 A JP1888894 A JP 1888894A JP 1888894 A JP1888894 A JP 1888894A JP H07207024 A JPH07207024 A JP H07207024A
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polyimide resin
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JP1888894A
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Hideto Kato
英人 加藤
Masatoshi Asano
雅俊 浅野
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(A) 特定のテトラカルボン酸二無水物、(B) 一
般式: 【化1】 〔ここで、 R1 は二価の有機基であり、 R2 及び R3
同種又は異種の一価の有機基であり、Aは酸素原子又は
二価の炭化水素基であり、nは1〜100 の整数である〕
で示される有機ケイ素ジアミン化合物を含有するジアミ
ン成分を重合させて得られたポリイミド樹脂と、γ−ブ
チロラクトン30〜70wt%及びフェニルエーテル70〜30wt
%から成る混合溶剤と、を含有して成るポリイミド樹脂
組成物。 【効果】このポリイミド樹脂組成物は、比較的低温短時
間の熱処理で発泡することなくポリイミド樹脂膜が得ら
れる。その膜は平滑で良質なポリイミド膜である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミド樹脂組成物
に関し、特に、低温で短時間の熱処理で優れたポリイミ
ド樹脂硬化物が得られるポリイミド樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】通常、耐熱性に優れるポリイミド樹脂
は、一部の高沸点有機溶剤以外の溶剤には不溶であるた
めに、電子部品等のコーティング材としてこの樹脂を用
いる場合には、その前駆体であるポリアミック酸を有機
溶剤に溶解し、得られた溶液を基体に塗布し、フィルム
状に薄膜化した後に高温で長時間の加熱処理することに
より硬化させてポリイミド樹脂膜を形成する方法がとら
れている。具体的には、例えばテトラカルボン酸二無水
物を芳香族ジアミンと有機極性溶剤中で付加反応させ、
ポリアミック酸を製造し、これを基体(電子部品等)に
塗布して薄膜化した後、 300℃以上の高温で長時間加熱
処理することにより、脱水、ポリイミド化させる。
【0003】しかし、この方法は、高温で長時間の加熱
が必要であるので省エネルギーの見地から不利である。
また、加熱が不十分であった場合には、得られた樹脂の
構造中にポリアミック酸が残存してしまい、このポリア
ミック酸によりポリイミド樹脂の耐湿性、耐腐食性等の
低下を引き起こされる。特に、ポリイミド膜を電子部品
の絶縁保護膜として形成する場合には、このような樹脂
性能の低下は電子部品の劣化、短寿命化を招くこととな
る。
【0004】これに対し、ポリアミック酸溶液ではな
く、有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂の溶液を基体に塗
布し、加熱処理による溶剤の揮発によってポリイミド樹
脂膜を形成する方法が研究され、有機溶剤可溶性のポリ
イミド樹脂が提案されている。即ち、フェノール、ハロ
ゲン化フェノール等のフェノール系溶剤中でテトラカル
ボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを加熱下で反応させ
ることによって得られる、フェノール系溶剤に可溶なポ
リイミド樹脂(特公昭47-26878号公報、特公昭55-65227
号公報、特公昭58-187430 号公報、特公昭60-35026号公
報、特公昭60-197731 号公報)、特定のテトラカルボン
酸二無水物と特定のジアミンとを反応させることによっ
て得られるN−メチル−2−ピロリドン等の極性溶剤に
可溶なポリイミド樹脂(特公昭52-30319号公報、特公昭
61-83228号公報、特公昭62-18426号公報)などが知られ
ている。
【0005】しかし、前者のフェノール系溶剤に可溶性
のポリイミド樹脂は、溶液を基体に塗布後に溶剤を揮発
させる段階でフェノール系溶剤の強い臭気を発するこ
と、フェノール系溶剤が作業者の皮膚に付着した場合に
薬傷を引き起すことがあるなど、取扱性及び安全衛生の
点で欠点がある。また、後者のポリイミド樹脂に溶剤と
して用いられるN−メチル−2−ピロリドン等の極性溶
剤は吸湿性が強いために、樹脂溶液を基体に塗布した際
に吸湿する結果得られるポリイミド樹脂膜に白濁が生
じ、かつ得られる膜の強度が低いという欠点がある。そ
の上、N−メチル−2−ピロリドン等の極性有機溶剤は
沸点が高いので、溶剤を完全に除去するためには高温で
長時間の加熱処理が必要であるという欠点がある。
【0006】また、ポリイミド樹脂の他の溶剤として、
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジグライ
ム、トリグライム等のエーテルや、シクロヘキサノン、
γ−ブチロラクトン等のケトンがあげられる。しかし、
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキ
サノン等は低沸点の為、熱処理中に発泡し、γ−ブチロ
ラクトンは吸湿による白濁で、いずれも良質なポリイミ
ド膜は得られない。また、ジグライム、トリグライムは
人体への悪影響が指摘されており、溶剤として使用する
には不適当である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の欠点を解消するためになされたもので、その課題
は比較的低温おける短時間の熱処理で優れた特性を有す
るポリイミド樹脂膜が得られるポリイミド樹脂組成物を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するものとして、(A) 一般式(1) :
【化8】 〔ここで、Xは酸素原子又は、式(2) 、もしくは(3) :
【化9】 で示される二価の有機基を示す〕で示されるテトラカル
ボン酸二無水物を含有する酸二無水物成分、(B) 一般式
(4) :
【化10】 〔ここで、 R1 は二価の有機基であり、 R2 及び R3
同種又は異種の一価の有機基であり、Aは酸素原子又は
二価の炭化水素基であり、nは1〜100 の整数である〕
で示される有機ケイ素ジアミン化合物を含有するジアミ
ン成分を重合させて得られたポリイミド樹脂と、γ−ブ
チロラクトン30〜70wt%及び一般式(5) :
【化11】 〔ここで、 R4 は水素原子又は炭素原子数1〜6の1価
の炭化水素基であり、 R5 は炭素原子数1〜6の1価の
炭化水素基である〕で示されるフェニルエーテル70〜30
wt%から成る混合溶剤と、を含有して成るポリイミド樹
脂組成物を提供する。以下、詳細に説明する。
【0009】(A) 酸二無水物成分 一般式(1) のテトラカルボン酸二無水物の例としては、
下記式(6)
【化12】 で示される2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)パーフルオロプロパン二無水物、下記式(7) :
【化13】 で示される2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、及び下記式
(8) :
【化14】 で示される4,4′−オキシジフタル酸二無水物が挙げ
られる。(A) の酸二無水物成分には、必要に応じ、一般
式(1) のテトラカルボン酸二無水物に、一般式(9) :
【化15】 〔ここで、Yは、式:
【化16】 で表される基からなる群から選ばれる四価の有機基を示
す〕で示されるテトラカルボン酸二無水物を併用しても
よい。その際には、一般式(9) のテトラカルボン酸二無
水物の割合は、一般式(1) のテトラカルボン酸二無水物
と一般式(9) のテトラカルボン酸二無水物との合計量に
対し、70モル%以下とするのが好ましく、より好ましく
は30モル%以下である。
【0010】一般式(9) で示される芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物はの例としては、一般式(9) 中のYが、
【化17】 であるピロメリット酸二無水物、Yが、
【化18】 であるベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、Yが
【化19】 である3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、及びYが、
【化20】 である1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物
があり、これらは1種を単独で又は2種以上を組合せて
使用することができる。
【0011】(B) ジアミン成分 (B) のジアミン成分には、前記一般式(4) で表される有
機ケイ素ジアミン化合物が用いられる。一般式(4) 中の
R1 で表される二価の有機基としては炭素原子数1〜1
8、特に1〜6の有機基が例示され、例えば、
【化21】 等があげられる。また、 R2 及び R3 で表される一価の
有機基としては、例えば炭素原子数1〜18、特に1〜6
のものが好適に使用され、例示するとメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキ
シル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等
のアリール基などの炭化水素基、並びにこれらの基の水
素原子の一部又は全部をハロゲン原子等で置換したクロ
ロメチル基、3,3,3−メリフルオロプロピル基など
の置換炭化水素基が挙げられる。また、上記一般式(4)
中のAは酸素原子又は二価の炭化水素基であり、二価の
炭化水素基としては炭素原子数が10以下、特に1〜6の
ものが好適に使用され、例えば
【化22】 等が挙げられる。
【0012】また、一般式(4) 中のnは、1〜100 の整
数であり、好ましくは1〜20の整数である。上記一般式
(4) で示されるジアミンとして具体的には、Aが酸素原
子の場合、例えば
【化23】 などのジアミノシロキサンが挙げられ、Aが二価の有機
基である場合には、例えば
【化24】
【化25】 などのケイ素含有ジアミンが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
【0013】(B) のジアミン成分としては、必要に応じ
て、一般式(4) で表される有機ケイ素ジアミン化合物
に、一般式(10):
【化26】 〔ここで、Bは芳香族環を含む二価の有機基である〕で
示されるエーテルジアミンを、一般式(4) の有機ケイ素
ジアミン化合物との合計に対して90モル%以下の範囲で
併用してもよい。一般式(4) 中のAが、酸素原子である
場合には、10〜100 モル%の範囲が好ましく、Aが二価
の炭化水素基である場合には、10〜80モル%が好まし
く、さらに30〜60モル%が好ましい。一般式(10)で示さ
れるエーテルジアミンは、具体例としては一般式(10)中
のBが
【化27】 である1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、Bが
【化28】 である4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェ
ニル、Bが
【化29】 である2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン、Bが
【化30】 である2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕パーフルオロプロパン、Bが
【化31】 であるビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕
スルホン等を挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。
【0014】一般式(10)のエーテルジアミンを一般式
(4) の有機ケイ素ジアミン化合物に併用する場合には、
一般式(10)で示されるエーテルジアミンを、両ジアミン
の合計に対して、一般式(4) 中のBが二価の炭化水素基
である場合は20〜90モル%、一般式(4) 中のBが酸素原
子である場合は90モル%以下の割合で使用することが望
ましい。
【0015】上述した成分、配合比によりポリイミド樹
脂を合成する場合、例えば、上記(A) 成分のテトラカル
ボン酸二無水物と、上記(B) 成分のジアミン成分を、γ
−ブチロラクトンとアニソール、フェネトール、メトキ
シトルエン等のフェニルエーテルの混合系溶剤中に仕込
み、低温で、即ち、50〜60℃程度で反応させてポリイミ
ド樹脂の前駆体であるポリアミック酸樹脂を合成する。
ここで、(A) 成分のテトラカルボン酸無水物に対して
(B) 成分のジアミン成分の割合を、当量比で好ましくは
0.9〜1.1 の範囲、より好ましくは0.95〜1.05の範囲と
する。引き続き、このポリアミック酸樹脂溶液を通常80
〜200 ℃、好ましくは 140〜180 ℃の温度範囲に昇温さ
せることにより、ポリアミック酸の酸アミド部分に脱水
閉環反応が進行し、目的とするポリイミド樹脂組成物が
溶液として調製される。この時、溶媒として用いた上述
のフェニルエーテルが共沸脱水溶剤しとて働き、脱水閉
環反応は短時間の内に完全に進行する。この反応の進行
は、赤外吸収スペクトルのイミド基の特性吸収帯の変化
から求めるという公知の方法(特公昭57-41330)により
検知できる。
【0016】溶剤 本発明の組成物に使用される溶剤は、γ−ブチロラクト
ンが30〜70wt%と、前記の一般式(5) で表されるフェニ
ルエーテル70〜30wt%から成る混合溶剤である。
【0017】ここで、上記一般式(5) で表わされるフェ
ニルエーテルの代表的なものとして、アニソール、フェ
ネトール、メトキシトルエン等があげられる。一般式
(5) のフェニルエーテルは、単独で溶剤として使用した
場合、吸湿による白濁、低沸点による熱処理時の発泡が
起こり良質なポリイミド膜の形成が困難であり、また、
セロソルブ系溶剤では安全衛生上好ましくないといった
問題があるが、本発明で用いられる溶剤を使用すればそ
のような問題を回避することができる。
【0018】本発明の組成物に含まれる溶剤の量は、通
常、前記ポリイミド樹脂の濃度が5〜35重量%となる範
囲で調整される。保存の際には比較的高濃度で調製し
て、使用に際して適度の濃度に希釈してもよい。
【0019】用途 該組成物は、種々の公知の塗布方法により基材ないしは
基体に塗布し、熱処理することでポリイミド皮膜が得ら
れる。この際の熱処理は通常 150〜250 ℃で行われ、時
間は 0.5〜4時間程度でよい。
【0020】こうして本発明の組成物から形成されるポ
リイミド樹脂膜は、種々の基材又は基体、例えば、ガラ
ス、シリコンウエハー等のケイ素含有材や、ニッケル、
銅等の金属に対して良好な接着性を示す。したがって、
該組成物は、例えば半導体装置、具体的には半導体素子
表面のバッシベーション膜、保護膜、ダイオード、サイ
リスタ、トランジスタ等の接合部のジャンクション保護
膜、VLSIのα線シールド膜、層間絶縁膜、イオン注入マ
スク、プリントサーキットボードのコンフォーマルコー
ト、液晶素子の配向膜、ガラスファイバの保護膜、太陽
電池の表面保護膜等の形成に広範囲に使用することがで
きる。
【0021】
【作用】本発明によるポリイミド樹脂は、従来フェノー
ル系、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等の一部溶
剤以外には不溶であったポリイミド樹脂と異なり、本発
明で特定された低沸点有機溶剤に良好な溶解性を示す。
これらの低沸点溶剤は揮発性が高いので、短時間、低温
の熱処理でポリイミド樹脂膜が形成される。したがっ
て、作業性の大幅な向上と省エネルギー化、低コスト化
を達成することが可能である。
【0022】
【実施例】
〔実施例1〕撹拌器、温度計及び窒素置換装置を具備し
たフラスコ内に、酸二無水物成分として2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)パーフルオロプロパ
ン二無水物13.2g(0.03モル)と3,3′,4,4′−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物20.6g(0.07モ
ル)、及び溶剤としてγ−ブチロラクトン66gとアニソ
ール84gを仕込み、これにジアミン成分として、1,
1′,3,3′−テトラメチル−1,3−ビス(3−ア
ミノプロピル)ジシロキサン7.5g(0.03モル)と、2,
2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プ
ロパン28.7g(0.07モル)とを溶解したγ−ブチロラク
トン溶液96.2gを反応系の温度が50〜60℃となるよう加
熱しつつ徐々に滴下した。以上の仕込みにおいて、溶剤
は最終的にγ−ブチロラクトン60重量%、アニソール40
重量%となるように調整した。滴下終了後、更に室温で
10時間撹拌し、次にフラスコに水分受容器付き還流冷却
器を取り付けた後、反応系を 150℃に昇温し、4時間反
応させて脱水閉環を行い、目的とする褐色透明のポリイ
ミド樹脂溶液を得た。このポリイミド樹脂の赤外吸光ス
ペクトルを測定したところ、ポリアミック酸に基づく特
性吸収は観測されず、1780cm-1と1720cm-1にイミド基に
基づく特性吸収が確認された。また、得られたポリイミ
ド樹脂溶液の粘度は25℃で9000cPであった。このポリイ
ミド樹脂溶液を所定の溶剤混合比(γ−ブチロラクトン
60重量%、アニソール40重量%)となる様に希釈し、ポ
リイミド樹脂濃度15重量%の溶液を調製した。これを
鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、ガラス、シリコンウ
エハーの各種基材に塗布し、湿度50%、室温23℃で30分
間放置後、 150℃で30分間、次いで 200℃で1時間熱処
理を行ったところ、いずれの基材においても膜厚20μm
で表面の平滑な良好なポリイミド樹脂皮膜が得られた。
また、その接着性はいずれの基材に対しても基盤目剥離
テストで100/100 であり、優れた接着性を示した。
【0023】〔実施例2〕テトラカルボン酸二無水物と
して、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
パーフルオロプロパン二無水物の代わりに、2,2−ビ
ス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニ
ル)プロパン15.6g(0.03モル)を用いた以外は、実施
例1同様にして、合成を行ったところ、褐色透明なポリ
イミド樹脂溶液を得た。得られたポリイミド樹脂溶液の
粘度は25℃で10000cP であった。この溶液を実施例1と
同様にして各基材上に塗布し、皮膜の形成を行ったとこ
ろ、表面平滑な良質のポリイミド樹脂皮膜が得られた。
また基盤目剥離試験でも100/100 と良好な結果が得られ
た。
【0024】〔比較例1〕合成仕込時の溶剤混合割合が
γ−ブチルラクトン80wt%、アニソール20wt%となるよ
うに変えた以外は、実施例1と同様にして合成を行なっ
たところ、粘度が25℃で8,500cP の透明で褐色なポリイ
ミド樹脂溶液が得られた。得られたポリイミド樹脂溶液
をγ−ブチロラクトン80wt%、アニソール20wt%の溶剤
組成は変わらないようにして、ポリイミド樹脂濃度15wt
%となるように希釈調整した。これを実施例1と同様に
して各種の基材の上に皮膜の形成を行ったところ、室温
放置中に白濁が起きた。引き続き 150℃で30分、次いで
200℃で1時間の熱処理を行ったところ、褐色透明な皮
膜が得られたが表面の平滑性は良くなかった。
【0025】〔比較例2〕合成仕込時の溶剤混合割合が
γ−ブチルラクトン25wt%、アニソール75wt%となるよ
うに変えた以外は、実施例1と同様にして合成を行なっ
たところ、粘度が25℃で14,000cPの褐色透明のポリイミ
ド樹脂溶液を得た。得られたポリイミド樹脂溶液を、γ
−ブチルラクトン25wt%、アニソール75wt%の溶剤組成
は変わらないようにして、ポリイミド樹脂濃度14wt%と
なるように希釈調整した。実施例1と同様にして皮膜形
成を行ったところ、吸湿による白濁は起らなかったが、
得られた皮膜中に発泡の形跡が所々見られ、良質の皮膜
は得られなかった。
【0026】
【発明の効果】本発明のポリイミド樹脂組成物は、溶剤
としてγ−ブチロラクトンと比較的低沸点のフェニルエ
ーテルとの混合溶剤を使用する為、比較的低温短時間の
熱処理で発泡することなくポリイミド樹脂膜が得られ
る。溶剤がフェニルエーテルを含有するため、γ−ブチ
ロラクトンを単独で溶剤に使用した場合に起こる、吸湿
による溶液の白濁は無く、平滑で良質なポリイミド膜が
得られる。
【0027】本発明の組成物に用いられるポリイミド樹
脂には未反応な官能基が残存していないので、組成物は
保存安定性が高く、長期にわたって保存することができ
る。また、得られるポリイミド樹脂膜中にも未反応の官
能基は残存していないので、電子部品等の上に樹脂膜を
形成した場合でも、従来のポリアミック酸溶液を使用し
た場合のようにに悪影響を及ぼす恐れはない。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 一般式(1) : 【化1】 〔ここで、Xは酸素原子又は、式(2) もしくは(3) : 【化2】 で示される二価の有機基を示す〕で示されるテトラカル
    ボン酸二無水物を含有する酸二無水物成分、(B) 一般式
    (4) : 【化3】 〔ここで、 R1 は二価の有機基であり、 R2 及び R3
    同種又は異種の一価の有機基であり、Aは酸素原子又は
    二価の炭化水素基であり、nは1〜100 の整数である〕
    で示される有機ケイ素ジアミン化合物を含有するジアミ
    ン成分を重合させて得られたポリイミド樹脂と、 γ−ブチロラクトン30〜70wt%及び一般式(5) : 【化4】 〔ここで、 R4 は水素原子又は炭素原子数1〜6の1価
    の炭化水素基であり、 R5 は炭素原子数1〜6の1価の
    炭化水素基である〕で示されるフェニルエーテル70〜30
    wt%から成る混合溶剤と、を含有して成るポリイミド樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の組成物であって、ジアミン成
    分(A) がさらに一般式(9) : 【化5】 〔ここで、Yは、式: 【化6】 で表される基からなる群から選ばれる四価の有機基を示
    す〕で示されるテトラカルボン酸二無水物を含有する組
    成物。
  3. 【請求項3】 請求項2の組成物であって、前記一般式
    (9) で表されるテトラカルボン酸二無水物の量が、一般
    式(1) のテトラカルボン酸二無水物との合計量に対し、
    70重量%以下である組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1の組成物であって、ジアミン成
    分(B) がさらに一般式(10): 【化7】 〔ここで、Bは芳香族環を含む二価の有機基である〕で
    示されるエーテルジアミンを含有する組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4の組成物であって、一般式(10)
    で表されるエーテルジアミンが一般式(4) の有機ケイ素
    ジアミン化合物との合計量に対して95重量%以下の範囲
    で含有される組成物。
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