JPH07195941A - 車両用ウエザーストリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の固定部材２，５に対して、構造の簡易
化と固定状態の強化とを同時に図ることを可能とする。 【構成】 ウエザーストリップ１０の本体部１１を保持
する複数箇所の取付部１２，１３を、一箇所の切り起こ
しによって同時に成形し、従来のような別部品を用いる
ことなく本体部１１と一体に設けることにより、簡易な
構造を維持しつつ良好な固定状態を得るように構成した
もの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両に対する取付部が
切り起こしによって形成された長尺状の車両用ウエザー
ストリップに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、自動車等の各種車両には、種々
のウエザーストリップが装着されている。例えば図４に
示されているように、自動車１のドアパネル２における
窓開口部の上縁部内側には、可動のウインドガラス３に
摺設するようにして、ドアインナーウエザーストリップ
４が装着されている。このドアインナーウエザーストリ
ップ４の装着は、例えば図５及び図６のような構造によ
り行われている。

【０００３】すなわち図５及び図６に示されているよう
に、上記ドアインナーウエザーストリップ４は、ウイン
ドガラス３に対して室内側から当接する長尺状の本体部
４１を有しているとともに、この本体部４１が、別体の
部品であるクリップ４２により２体の固定部材に装着さ
れている。上記クリップ４２には、２箇所の取付部４２
ａ，４２ｂが折曲形成されており、これらの各取付部４
２ａ，４２ｂが、２体の固定部材すなわちドアパネル２
及びドアライニング５にそれぞれ装着されるように構成
されている。このようにドアインナーウエザーストリッ
プ４の本体部４１を、複数箇所の取付部４２ａ，４２ｂ
によって複数体の固定部材２，５に装着する構造によれ
ば、ウエザーストリップ全体の保持剛性が向上し、良好
な固定状態が得られることとなる。

【０００４】しかしながら複数体の固定部材２，５に対
して複数箇所の取付部を配置するにあたって、上述のよ
うにドアインナーウエザーストリップ４とは別体のクリ
ップ４２等の他の部品を用いると、部品点数が多くなる
とともに、取付作業工程が増大してコスト高になるとい
う問題がある。

【０００５】これに対して図７及び図８に示されている
例では、ドアインナーウエザーストリップ６の本体部６
１には、長手方向に沿って取付部６２が所定の間隔で切
り起こしにより成形されている。そしてこれらの取付部
６２が、図示を省略したドアパネルを室内側から覆うド
アライニング５側に差し込まれることによって本体部６
１の装着が行われるようになっている。このように取付
部６２を切り起こしで形成すれば、部品点数及び取付作
業工程を減じることができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが上述した従来
の構造においては、一つの横断面中に一箇所の取付部６
２を有するのみであり、しかも単体の固定部材（ドアラ
イニング５）に装着を行う構造であるため、ウエザース
トリップ全体の保持力が弱くなり、ガタツキ等を生じる
という問題がある。

【０００７】そこで本発明は、別部品を用いることのな
い簡易な構造で、固定部材への装着を確実かつ容易に行
うことができるようにした車両用ウエザーストリップを
提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
第１発明にかかる車両用ウエザーストリップは、長尺状
の本体部を固定部材側に装着するための取付部が、上記
本体部の一部を切り起こして一体に形成されている車両
用ウエザーストリップにおいて、前記取付部は、複数体
の固定部材のそれぞれ対応して一横断面中に複数箇所設
けられているとともに、それら複数箇所の取付部が、一
箇所の切り起こし部により同時成形された構成を有して
いる。

【０００９】また第２発明は、上記第１発明の各取付部
における固定部材の保持壁面には、抜け防止用の保持リ
ップ部がそれぞれ突設され、それらの各取付部における
抜け防止用の保持リップ部どうしが、切り起こし前の横
断面において共通部位から形成される構成を有してい
る。

【００１０】さらに第３発明は、上記第１発明の取付部
が、本体部の長手方向に所定の間隔をおいて配置される
構成を有している。

【００１１】

【作用】このような構成を有する第１及び第２の手段に
おいては、ウエザーストリップの本体部を保持するよう
に設けられた複数箇所の取付部が、一箇所の切り起こし
によって同時成形されるため、従来のような別部品を用
いることなく簡易な構造が得られ、しかも複数箇所の取
付部によって、良好な固定状態が得られるようになって
いる。

【００１２】特に第３発明によれば、各取付部に設けら
れた抜け防止用の保持リップ部も、切り起こしによって
同時成形され、簡易な構造を維持しつつ一層良好な保持
力が得られるようになっている。

【００１３】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。まず図１及び図２に表わされている本発明
の第１実施例にかかる自動車用ウエザーストリップ１０
は、前述した従来例と同様に、自動車のドアパネル２に
おける窓開口部の上縁部内側に装着されるものであっ
て、可動のウインドガラス３に摺設する長尺状の本体部
１１と、この本体部１１を複数体の固定部材すなわちド
アパネル２及びドアライニング５にそれぞれ固着するた
めの２体の取付部１２，１３と、を有している。

【００１４】上記本体部１１は、窓開口部の上縁部に配
置される頭部１１ａを有しているとともに、この頭部１
１ａの下面側からは、略Ｔ字状をなすようにして脚部１
１ｂが延出している。さらに上記頭部１１ａの室内側
（図２右側）部分から脚部１１ｂにかけて、略Ｌ字状を
なすようにして芯金１１ｃが埋設されている。このとき
上記頭部１１ａの室内側（図２右側）部分は、ドアパネ
ル２を室内側から覆うドアライニング５の上端面に当接
しているとともに、脚部１１ｂは、ドアパネル２とウイ
ンドガラス３との間部分に挿入されている。またこの脚
部１１ｂにおける外側（図２左側）壁面からは、シール
リップ部１１ｄが延出しており、このシールリップ部１
１ｄの先端部分が、ウインドガラス３の内側壁面に摺設
されるように構成されている。

【００１５】一方、上記２体の取付部１２，１３によっ
て、２体の固定部材すなわちドアライニング５及びドア
パネル２のそれぞれ対応した２箇所の取付部が、一横断
面中に構成されている。これらの各取付部１２，１３
は、それぞれドアライニング５の上縁部及びドアパネル
２の上縁部に各々嵌着する凹溝状に形成されている。よ
り具体的には、上記各取付部１２，１３は、本体部１１
の脚部１１ｂを下端部側から一箇所切り起こすことによ
り同時に成形されている。この切り起こし成形部は、ウ
エザーストリップの長手方向に沿って多数並設されてお
り、それぞれが所定の間隔で配置されている。

【００１６】上記各切り起こし成形部では、本来平板状
であった脚部１１ｂの下端部分が、所定の幅で所定の長
さ切り欠かれており、その切欠部片が、上側に持ち上げ
られるようにして略Ｌ字状に折り曲げられることによっ
て、上記両取付部１２，１３が同時に成形されている。
すなわち、上述した略Ｌ字状の切り起こし折曲部分のう
ち、本体部１１から略垂直に立ち上がる水平部１２ａ
は、取付部１２を構成するものであって、前記頭部１１
ａと略平行となるように延在し、頭部１１ａとともにド
アライニング５の上縁部を受け入れる凹溝を形成してい
る。また略Ｌ字状の切り起こし折曲部分のうち、上記水
平部１２ａから下方に折れ曲がって延びる垂直部１３ａ
は、取付部１３を構成するものであって、前記脚部１１
ｂと略平行に延在しており、脚部１１ｂとともにドアパ
ネル２の上縁部を受け入れる凹溝を形成している。

【００１７】さらに上記２体の取付部１２，１３には、
凹溝の内壁面に相当する部位に、抜け防止用の保持リッ
プ部１２ｂ及び１３ｂが各々突設されており、これらの
各保持リップ部１２ｂ及び１３ｂによって、固定部材と
してのドアライニング５及びドアパネル２が良好に保持
され脱落が防止されるように構成されている。このとき
取付部１３には、上記保持リップ部１３ｂに対向する他
方の保持リップ部１３ｃが、脚部１１ｂの壁面に突設さ
れているが、この保持リップ部１３ｃは、脚部１１ｂを
上述のようにして切り起こしたときに、前述した取付部
１２の保持リップ部１２ｂになされるように構成されて
いる。すなわち各取付部１２，１３における抜け防止用
のリップ部１２ｂ，１３ｃどうしが、切り起こし前の横
断面において共通部位から形成されている。

【００１８】このように本実施例では、ドアインナーウ
エザーストリップ１０の本体部１１を保持する複数箇所
の取付部１２，１３が、一箇所の切り起こしによって同
時成形されるため、従来のような別部品を用いることな
く、本体部１１と一体に設けられている。そのため簡易
な構造を維持しつつ良好な固定状態が得られるようにな
っている。

【００１９】特に上記実施例によれば、各取付部１２，
１３に設けられた抜け防止用の保持リップ部１２ｂ，１
３ｃも、切り起こしによって同時成形されるため、簡易
な構造を維持しつつ一層良好な保持力が得られるように
なっている。

【００２０】また上記実施例と同一の構成物を同一の符
号で表した図３に示されている実施例では、取付部１
２，１３を切り起すに当たって、本体部１１の脚部１１
ｂの下端部１１ｅをスパン状に残すように形成してい
る。このような実施例においても上記実施例と同様な作
用・効果を得ることができる。

【００２０】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。例えば
本発明は、自動車のドア部分以外に装着されるウエザー
ストリップに対しても、また自動車以外のあらゆる車両
に装着されるウエザーストリップに対しても同様に適用
することができる。

【００２１】

【発明の効果】以上述べたように本発明は、ウエザース
トリップの本体部を保持する複数箇所の取付部を一箇所
の切り起こしによって同時に成形し、従来のような別部
品を用いることなく本体部と一体に設けることにより、
簡易な構造を維持しつつ良好な固定状態を得るように構
成したものであるから、構造の簡易化と固定状態の強化
とを同時に図ることができ、ウエザーストリップの信頼
性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における自動車用ウエザース
トリップを表した外観斜視説明図である。

【図２】図１に表した自動車用ウエザーストリップの取
付構造を表した横断面説明図である。

【図３】本発明の他の実施例における自動車用ウエザー
ストリップを表した図１相当の外観斜視説明図である。

【図４】自動車用ウエザーストリップを装着した自動車
の前部を表した外観斜視説明図である。

【図５】従来における自動車用ウエザーストリップの一
例を表した外観斜視説明図である。

【図６】図５に表した自動車用ウエザーストリップの取
付構造を表した横断面説明図である。

【図７】従来における自動車用ウエザーストリップの他
の例を表した外観斜視説明図である。

【図８】図７に表した自動車用ウエザーストリップの取
付構造を表した横断面説明図である。

【符号の説明】

２ ドアパネル ３ ウインドガラス ５ ドアライニング １０ ウエザーストリップ １１ 本体部 １１ａ 頭部 １１ｂ 脚部 １１ｃ 芯金 １２，１３ 取付部 １２ｂ，１３ｂ，１３ｃ 保持リップ部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺状の本体部を固定部材側に装着する
   ための取付部が、上記本体部の一部を切り起こして一体
   に形成されている車両用ウエザーストリップにおいて、 前記取付部は、複数体の固定部材のそれぞれ対応して一
   横断面中に複数箇所設けられているとともに、 それら複数箇所の取付部が、一箇所の切り起こし部によ
   り同時成形されていることを特徴とする車両用ウエザー
   ストリップ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の車両用ウエザーストリ
   ップにおいて、 各取付部における固定部材の保持壁面には、抜け防止用
   の保持リップ部がそれぞれ突設され、 それらの各取付部における保持リップ部どうしが、切り
   起こし前の横断面において共通部位から形成されている
   ことを特徴とする車両用ウエザーストリップ。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の車両用ウエザーストリ
   ップにおいて、 取付部は、本体部の長手方向に所定の間隔をおいて並設
   されていることを特徴とする車両用ウエザーストリッ
   プ。