JPH0719444Y2 - 内視鏡 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は挿入部に湾曲部を有する内視鏡に関する。

［従来の技術と考案が解決しようとする課題］ 近年、体腔内に細長の挿入部を挿入することにより体腔
内蔵器等を観察したり、必要に応じて処置具チャンネル
内に挿通した処置具を用いて各種治療処置のできる内視
鏡が広く利用されている。

ところで、内視鏡先端部の一般的な構成は第６図及び第
７図に示すようになっている。

第６図において、電子内視鏡１の挿入部２の先端に設け
られた先端部３は先端構成部本体４を有している。この
先端構成部本体４には挿入部２の長手方向に観察用透孔
６と処置具用透孔７と照明用透孔８（第７図）と送気送
水用透孔９（第７図）とが設けられている。

上記観察用透孔６の先端部に対物光学系11が固定されて
おり、この対物光学系11の結像位置には固定撮像素子12
が配設されている。固体撮像素子12の裏面には基板、電
子部品等が実装されており、これらの周囲は絶縁部材に
よって覆われ撮像部13を構成している。この撮像部13の
後端部13は信号機14が延出されている。尚、撮像部13は
先端構成部本体４の径方向に螺入された撮像部固定ビス
16によって固定されている。

上記処置具用透孔７の後部には接続管17が固定されてお
り、この接続管17には処置具チャンネルを構成する処置
具チューブ18の先端部が接続されている。

上記照明用透孔８には図示しない配光レンズが設けら
れ、図示しないライトガイドによって伝送された照明光
を被写体に照射するようになっている。また、送気送水
用透孔９には図示しない送気送水チューブが接続されて
おり、前記対物光学系11の外表面を洗浄できるようにな
っている。

上記先端構成部本体４の後部外周には湾曲部19を構成す
る複数の湾曲駒21,21,…のうち、先端側の湾曲駒21が外
嵌している。この湾曲駒21は筒状に形成されており、図
示しないビス等によって先端構成部本体４に固定されて
いる。この湾曲駒21,21,…の外周には金属等の細線を編
組したＡブレード22が被覆しており、更に、このＡブレ
ード22の外周をＡゴム23が被覆している。Ａゴム23は先
端部を糸巻きの後に接着され、先端構成部本体４に固定
されている。また、先端構成部本体４の先端部にはＣカ
バー24が外嵌している。

ところで内視鏡は患者に苦痛を与えることがないように
できるだけ挿入部を細径とすることが望まれている。

しかし上記のように従来、先端構成部本体４と湾曲駒21
との連結は先端構成部本体４に湾曲駒21を外嵌して行っ
ているために挿入部２の外径が湾曲駒21の肉厚分増加す
ることになり、挿入部２の太径化の一因となっていた。

尚、実開昭62−137001号公報では先端構成部の本体部材
に連結固定する湾曲駒に内蔵物の膨大部を逃がすための
切欠部を形成した技術が開示されている。

また、実開昭63−124901号公報では先端構成部の本体部
材に連結固定する湾曲駒に内蔵物の側面膨出部を逃がす
切欠部を形成し、この切欠部の周口部を剛性部材で覆う
ようにした技術が開示されている。

これらの従来技術においても先端構成部の本体部材に湾
曲駒が外嵌するようになっており、挿入部を細径化でき
る要因はまだ残されている。

本考案は上記事情に鑑みて成されたものであり、先端部
と湾曲部との連結部分を細径とすることができ、挿入性
の向上させて患者に与える苦痛を軽減することのできる
内視鏡を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段及び作用］ 本考案の内視鏡は、先端部と湾曲部とを回動自在に接続
する内視鏡の周方向において局部的に設けられた連結部
材を備えたものである。

本考案では、先端部には局部的に連結部材が設けられて
おり、連結部材は先端部と湾曲部とを連結する。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面を参照して具体的に説明す
る。

第１図ないし第４図は本考案の第１実施例に係り、第１
図は湾曲部の概略図、第２図は第１図のＢ−Ｂ′方向断
面図、第３図は内視鏡装置のブロック図、第４図は内視
鏡先端部の縦断面図である。

第３図に示すように本実施例の電子内視鏡装置31は電子
内視鏡32と、この電子内視鏡32に照明光を供給する光源
装置33と、この電子内視鏡32に対する信号処理を行うビ
デオプロセッサ34と、このビデオプロセッサ34から出力
される映像信号を表示するモニタ35と、このビデオプロ
セッサ34と接続され、映像信号等を記録するVTRデッキ3
6及びビデオディスク37と、映像信号を映像としてプリ
ントアウトするビデオプリンタ38とから構成されてい
る。

上記電子内視鏡32は細長の挿入部41を有し、この挿入部
41の後端には太径の操作部42が形成され、この操作部42
からユニバーサルコード43が延出されている。このユニ
バーサルコード43の先端のコネクタ44を光源装置33に接
続することにより、ランプ45の白色光がコンデンサレン
ズ46で集光されてライトガイド47の入射端面に供給され
る。このコネクタ44には信号ケーブル48の一方のコネク
タを接続可能で有り、他端のコネクタ49をビデオプロセ
ッサ34に接続することにより、電子内視鏡32で撮像した
信号を信号処理して所定の映像信号に変換し、モニタ35
等に出力する。

上記挿入部41は先端に硬性の先端構成部本体51が形成さ
れ、この先端構成部本体51に隣接する後方部分に湾曲自
在にした湾曲部52が形成され、操作部42に形成した図示
しない湾曲ノブを回動することにより湾曲部52を上下方
向に湾曲できるようになっている。

上記操作部42の先端側の部分には処置具を挿入する挿入
口53が設けてあり、この挿入口53は挿入部41内に設けた
処置具チャンネル54と連通している。

内視鏡先端部は第４図のように構成されている。

上記先端構成部本体51は硬性で横断面形状が楕円形に形
成されており、挿入部41の長手方向に観察用透孔56と処
置具用透孔57と照明用透孔58と送気送水用透孔59とが設
けられている。

上記観察用透孔56の前部には対物光学系61が設けられた
レンズ枠62が固定されている。この対物光学系61の後方
はプリズム63の入射面63aが位置しており、対物光学系6
1の光軸はプリズム63によって先端構成部本体51の径方
向に折曲げられる。プリズム63の出射面63bには固体撮
像素子64が設けられている。固体撮像素子64は基板66上
に実装されており、この基板66のレンズ枠62の下方まで
延出された前端部には増幅回路であるIC67が実装され、
後端部には信号線68が接続されている。IC67はレンズ枠
62の下方に隣接して位置しており、IC67から放出される
熱がレンズ枠62に伝達するように放熱ポッティング剤69
がレンズ枠62とIC67との間に充填されている。

尚、放熱ポッティング剤69はIC67から放出された熱をレ
ンズ枠62に伝達するようになっており、これによって対
物光学系61内のレンズを一定温度に保ち、レンズのくも
りの発生を防止するようになっている。

上記処置具用透孔57の後部には接続管71が固定されてお
り、この接続管71には前記処置具チャンネル54を構成す
る処置具チューブ72が接続されている。

横断面形状が楕円形に形成された先端構成部本体51の外
周壁後端部には短径に対応する位置に湾曲操作ワイヤ7
3,73を固定するための第１の凹部74,74が、長径に対応
する位置には連結部材76,76を固定するための第２の凹
部77,77が各々長手方向に設けられている。第１の凹部7
4,74には湾曲操作ワイヤ73,73の先端部がロー付け等に
よって固定されている。ワイヤ73,73は湾曲部52を構成
する複数の湾曲駒81,81,…の内周壁に設けられたワイヤ
ガイド82,82を挿通されて、その後端部を前記図示しな
い湾曲ノブに接続されて湾曲部52を上下方向に湾曲させ
るようになっている。また、第２の凹部77,77には板状
の連結部材76,76の先端部が接着等によって固着される
ようになっている。

第１図において、連結部材76,76の後端部は先端構成部
材51の後端面より後方に突出するように設けられてお
り、この突出された部位には関節軸78が設けられてい
る。関節軸78は先端構成部本体51と、この先端構成部本
体51の後方に設けられて略筒状に形成された最先端の湾
曲駒81を回動自在に接続するようになっている。最先端
の湾曲駒81より操作部42側に位置する複数の湾曲駒81,8
1は互いに関節軸78によって回動自在に接続されてい
る。

上記複数の湾曲駒81,81,…の外周壁は金属等の細線が編
組されたＡブレード83で被覆されており、このＡブレー
ド83の先端部は固着された湾曲操作ワイヤ73と連結部材
76とを覆い、先端構成部本体51の中央部に達し、この先
端構成部本体51にロー付け等によって固着されている。
更に、Ａブレード83の外周はＡゴム84で被覆されてお
り、このＡゴム84の先端部はＡブレード83の先端部を覆
い先端構成部本体51の先端近傍に達している。このＡゴ
ム84の先端部は糸巻きの後に接着固定されている。

また、先端構成部本体51の先端面にはＣカバー86が外嵌
固定されている。

本実施例では先端構成部本体51に湾曲駒81を外嵌せず、
先端構成部本体51に連結部材76を固着し、この連結部材
76に湾曲駒81を接続している。したがって、第２図に示
すように対物光学系61とＡブレード83の間、及び処置具
用透孔57あるいは送気送水用透孔59とＡブレード83との
間に第６図で示したような湾曲駒21が存在せず、第２図
の上下方向に関して湾曲駒21の肉厚分（図中記号ｔで示
す。）先端構成部本体51の外径を減少させることができ
る。

上記のように本実施例によれば挿入部先端部の外径の一
部を減少させて先端部の断面形状を楕円形に形成するこ
とができ、患者に与える苦痛を軽減させることができ
る。また、操作の面からは挿入性を向上させることがで
きる。

第５図は本考案の第２実施例に係り、湾曲部の概略図で
ある。

本実施例では断面を楕円形に形成された先端構成部本体
51の長径に対応する外周壁後端部に連結部材としての突
起部91が後方に突設されている。この突起部91には関節
軸78によって湾曲駒81が回動自在に連結されている。

その他の構成は第１実施例と同様である。

本実施例では先端構成部本体51と突起部91とを一体的に
構成しているために第１実施例の場合のように連結部材
76を先端構成部本体51に取付ける作業を省くことができ
る。

その他の構成は第１実施例と同様である。

尚、上記各実施例では電子内視鏡について述べたがこれ
に限定されることなく、イメージガイドを有する光学式
内視鏡に本考案を適用してもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によれば、先端部と湾曲部と
を連結部材を介して接続したことにより先端部と湾曲部
との連結部分を細径とすることができ、挿入性を向上さ
せて患者に与える苦痛を軽減させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の第１実施例に係り、第１
図は湾曲部の概略図、第２図は第１図のＢ−Ｂ′方向断
面図、第３図は内視鏡装置のブロック図、第４図は内視
鏡先端部の縦断面図、第５図は本考案の第２実施例に係
り、湾曲部の概略図、第６図及び第７図は従来技術に係
り、第６図は内視鏡先端部の縦断面図、第７図は第６図
Ａ−Ａ′方向断面図である。 51…先端構成部本体、52…湾曲部 76…連結部材、78…関節軸 81…湾曲駒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】挿入部先端に先端構成部を有し、その手元
   側に湾曲駒を連結して湾曲部を形成した内視鏡におい
   て、 前記先端構成部は径方向の断面形状を楕円形に形成し、
   かつ、この楕円形の長径に対応する外周壁後端部に一対
   の突起部を設け、この突起部に前記湾曲駒を回動自在に
   連結するようになしたことを特徴とする内視鏡。