JPH07189097A - 肌当て用品 - Google Patents

肌当て用品

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JPH07189097A
JPH07189097A JP5336410A JP33641093A JPH07189097A JP H07189097 A JPH07189097 A JP H07189097A JP 5336410 A JP5336410 A JP 5336410A JP 33641093 A JP33641093 A JP 33641093A JP H07189097 A JPH07189097 A JP H07189097A
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JP
Japan
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skin
silk
product
nap
nonwoven fabric
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JP5336410A
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English (en)
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Shoichi Kamiya
昇一 上谷
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Original Assignee
Individual
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  • Undergarments, Swaddling Clothes, Handkerchiefs Or Underwear Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保水性および撥水性が優れ、かつ肌に対する
なじみが極めて良好で肌かぶれが起こらず快適な使用感
を得ることのできるようにする。 【構成】 肌当て用品は直接肌を拭浄する拭浄品Aまた
は直接肌に接する接肌品からなり、それらに絹を原料と
する不織布が用いられている。上記接肌品としてのシー
ツ、包帯、汗取りパットまたは生理用品等に上記不織布
を適用することができ、上記拭浄品としてのガーゼ1
0、おしぼり、ティッシュ、化粧パック、おしりナッ
プ、清浄綿、ウエットナップ、タオル等にも上記不織布
を適用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肌を拭ったり、直接肌
に当てたりするいわゆる肌当て用品に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】直接肌が接触する寝具用のシーツ等の接
肌品や、直接肌を拭うガーゼ、おしぼり、ティッシュ、
化粧パック、おしりナップ、清浄綿、ウエットナップ、
タオル、ハンカチ等の拭浄品などの、いわゆる肌当て用
品は日常生活を維持していく上で必要欠くべからざる必
需品である。
【0003】このような肌当て用品は、直接肌に接触さ
れるため、使用感が快適であるように、通常天然繊維や
合成繊維などの織製品が適用されるが、ものによっては
紙製品が用いられることもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な肌当て品は、直接肌に接触して汗を拭ったり汚れをふ
き取ったりするものであるため、肌に対する接触感が良
好であるとともに、保水性に優れていることが要件とし
て挙げられる。そのようなことからガーゼやタオル等は
安価でしかも保水性に優れた綿製品が用いられ、ティッ
シュやウエットナップ等は使い捨てが主流であるため安
価な紙製品とされているのが一般的である。その他合成
樹脂製のシートが原料として用いられることも多い。
【0005】しかし、紙製品は肌触りがごわごわしてそ
れほど快適なものではなく、また水分を含むと極めて破
れ易いという決定的な欠点を有している。また、合成樹
脂製品は保水性が良好ではなく、つるつるした感じで肌
との相性が悪い。そのようなことから天然繊維の綿が好
ましい原料として採用されることが多いが、この綿とて
保水性や肌触りの点では絹程には優れた素材ではない。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、保水性が優れているにも拘
らず、適度の撥水性を有しており、かつ肌に対するなじ
みが極めて良好で肌かぶれが起こらず快適な使用感を得
ることのできる肌当て用品を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
肌当て用品は、直接肌を拭浄する拭浄品または直接肌に
接する接肌品からなる肌当て用品であって、絹を原料と
する不織布によって形成されていることを特徴とするも
のである。
【0008】本発明の請求項2記載の肌当て用品は、請
求項1記載の肌当て用品において、上記接肌品はシー
ツ、包帯、汗取りパットまたは生理用品であることを特
徴とするものである。
【0009】本発明の請求項3記載の肌当て用品は、請
求項1記載の肌当て用品において、上記拭浄品はガー
ゼ、おしぼり、ティッシュ、化粧パック、おしりナッ
プ、清浄綿、ウエットナップ、タオルまたはハンカチで
あることを特徴とするものである。
【0010】本発明の請求項4記載の肌当て用品は、請
求項1、2または3のいずれかに記載の肌当て用品にお
いて、上記絹を原料とする不織布には絹の感触を損なわ
ない程度の天然繊維および合成繊維の内のいずれか一方
または双方が混入されていることを特徴とするものであ
る。
【0011】
【作用】上記請求項1記載の肌当て用品によれば、接肌
品または拭浄品は絹を原料とする不織布によって形成さ
れているため、絹が本来的に保有している保水性、適度
の撥水性に加えて、天然繊維の特質である肌に対するな
じみの良さ、さらには臭気を吸着除去する性質や殺菌性
能が充分に発揮され、肌当て用品が極めて衛生的であり
使用感のよいものになるとともに、肌かぶれを起こさな
いようになる。
【0012】しかも、絹の織製品ではなく不織布が適用
されているため、絹織物の織製工程において副製する糸
屑や端切れ、さらには選除繭などの繭の不良品等安価な
材料を原料とすることが可能であり、高価な絹の感触を
有する肌当て用品を安価に製造することができる。
【0013】上記請求項2記載の肌当て用品によれば、
ガーゼ、おしぼり、ティッシュ、化粧パック、おしりナ
ップ、清浄綿、ウエットナップ、タオルまたはハンカチ
に絹の不織布である拭浄品が適用されているため、この
ような拭浄品を使用すれば、ざわりがよく、また絹の良
好な保水性および適度の撥水性が有効に発揮され、さら
に絹の脱臭性能や殺菌性能も加わって拭浄品を非常に衛
生的なものにすることができる。
【0014】上記請求項3記載の肌当て用品によれば、
絹の不織布である接肌品としてシーツ、包帯、汗取りパ
ットまたは生理用品が適用されているため、このような
シーツを用いれば肌ざわりがよく、また絹の良好な保水
性および適度の撥水性が有効に発揮され、さらに絹の脱
臭性能や殺菌性能も加わってシーツを非常に衛生的なも
のにすることができる。特に終日使用される医療用のシ
ーツとして最適である。また上記のような包帯を用いれ
ば肌触りが良好で衛生的である。
【0015】上記請求項4記載の肌当て用品によれば、
たとえ絹の原料が短繊維であり、不織布の製造が困難で
あっても、天然繊維または合成繊維の混入によって絹繊
維が短繊維である欠点を補い、容易に不織布を製造する
ことができる。また、天然繊維または合成繊維の混入割
合が絹の感触を損なわない程度に抑えられているため、
絹の長所が損なわれることはない。また、このような混
入を行うことによって、不織布を安価に製造することが
可能になる。
【0016】さらに、合成繊維は加熱すると比較的低温
度で溶融するなど熱溶着性が優れた材料であるため、絹
の中に合成繊維が含まれていると、その熱溶着性を利用
して容易に不織布を製造することが可能になる。また得
られた不織布の加工に際して特に接着剤を用いることな
く熱圧着により不織布同士を接着することが可能であ
る。
【0017】また、合成繊維は加熱すると比較的低温度
で溶融するなど熱溶着性が優れた材料であるため、絹の
中に融点の低い合成繊維が含まれていると、その熱溶着
性を利用して容易に不織布を製造することが可能になり
製造面で好都合である。また得られた不織布の加工に際
して特に接着剤を用いることなく熱圧着により不織布同
士を接着することが可能であり加工面でも有利である。
【0018】
【実施例】本発明に係る肌当て用品としては、直接肌を
拭浄する拭浄品と、直接肌に接する接肌品とがある。そ
して、いずれについても素材は絹を原料とする不織布の
みが用いられている。すなわち肌当て品を構成する主要
部分は絹の不織布が用いられ、この不織布を加工するた
めに用いられる縫い糸や添え布は他の材質が適用される
こともある。また接着剤は絹と同じ成分を有するものが
使用されるとは限らない。
【0019】本発明で適用される絹の不織布は常法に従
って製造される。その製造方法は、バインダーが溶解さ
れた液中に絹を浸漬し、それを抄紙と同じ要領で抄い取
りその後熱圧着する湿式法、液を使わず紡績用のカード
で布状にしその後エマルジョン接着を行う接着法、紡績
用のカードで布状にしたあとニードルパンチでフェルト
状にするニードルパンチ法、あるいはそれらを組み合わ
せた方法等が挙げられるが、製造方法については特に限
定されるものではなく、どのような方法で製造されても
よい。
【0020】因に、本実施例において使用されている絹
の不織布の製造方法について以下説明する。まず、原料
としては、養蚕工程で発生する選除繭等の副蚕糸を使用
することができる。なお、通常の絹糸を原料にしてもよ
い。この原料を半練り若しくは七分練り程度に調節しつ
つアルカリ液で処理する予備精錬を行って真綿状の予備
精錬品にする。この予備精錬品を2〜8cm四方に裁断
し、裁断状態の精錬品から不純物を除去する。その後ア
ルカリ液を用いて本練りを行う本精錬が実行され、絹の
フイブロイン中のセリシンが略100%溶脱され、粘り
気のない清浄な精錬品が得られる。
【0021】このようにして得られた清浄な絹の精錬品
を対象として、常法に従った開繊処理が施され、この開
繊処理によって得られた開繊精錬品が、上記湿式法、エ
マルジョン接着法、あるいはニードルパンチ法によって
不織布にされ、本発明の肌当て用品の原料として使用さ
れる。
【0022】なお、上記の製造方法においては、不織布
の出発原料として上記のような副蚕糸が適用されている
が、本発明の肌当て用品に適用される原料は副蚕糸のみ
に限定されるものではなく、副蚕糸の繊維長がすべて短
かすぎて良好な真綿状にならないような場合は、予備精
錬後に通常の絹の真綿を混入するようにしてもよいし、
すべてを通常の絹で形成させるようにしてもよい。ま
た、絹以外の天然繊維や合成樹脂繊維を混入するように
してもよい。
【0023】このようにして得られた絹の不織布が、所
定形状に裁断され、その後場合によっては接着あるいは
縫着処理が施され、本発明に係る肌当て用品が製造され
る。以下、図面を基に個々の肌当て用品について具体的
に説明する。以下の図面において、図1〜図7は直接肌
を拭浄する拭浄品Aを例示しており、図8〜図9は直接
肌に触れる接肌品Bを例示している。
【0024】まず図1には、拭浄品Aとして医療用に適
用されるガーゼ10が折り畳まれた状態を示している。
このガーゼ10は、上記のようにして製造された絹の不
織布を所定寸法の矩形状に裁断することのみによって得
ることができる。このようなガーゼ10を用いて例えば
怪我の傷口を拭浄すれば、絹の肌触りがソフトであり、
しかも絹そのものに脱臭作用や殺菌作用が備わっている
ため、ガーゼ10を清潔に保つことができる。なお、図
示するガーゼ10をハンカチとして利用してもよい。
【0025】つぎに、図2は拭浄品Aとして巻き取られ
たおしぼり20を示している。この図に示すように、絹
の不織布を手や顔の汗や汚れを拭うおしぼり20として
適用する場合は、若干厚手にする必要があるため、不織
布そのものを厚く製造するか、あるいは二枚重ねにされ
る。図示したものは二枚重ねになっている。すなわち、
所定の大きさの矩形に裁断された絹の不織布が二つ折れ
にされ、重ねられた縁部が縫製されておしぼり20が形
成されている。このおしぼり20も絹の感触のよさと衛
生的である長所を備えている。なお、おしぼりに類似す
るものとしてタオルを本発明に係る拭浄品Aとすること
も可能である。
【0026】つぎに、図3は拭浄品Aとして、所定の収
納箱に収納され上部の開口から一部が外部に突出した状
態のティッシュ30を示している。この適用例において
は、薄手に調製された絹の不織布が採用され、それが所
定の矩形寸法に裁断されるとともに、常法に従って複数
枚が箱301の中に装填され、上部の開口302から一
枚づつ取り出せるようにセットされている。このティッ
シュ30も、すべてが絹の不織布製であるため、肌当た
りがよく、衛生的である。
【0027】つぎに、図4は拭浄品Aとして、所定の箱
401に複数個が収納された化粧パック40を示してい
る。この化粧パック40は、絹の不織布からなる袋状の
被覆体402と、この被覆体402の内部に充填される
充填材403とから構成されている。そして本実施例に
おいては、この充填材403は、前述の絹の真綿状の予
備精錬品が適用され、クッション材の役目を果たしてい
る。
【0028】すなわち、この例においては、被覆体40
2はもちろんのこと、内部の充填材403も絹製品が用
いられ、化粧パック40はそのすべてが絹製品であるか
ら、肌触りはもちろんのころ、クッション性も極めて良
好であり、その上衛生的である。
【0029】なお、内部に充填される充填材403は、
上記の真綿状の予備精錬品に限定されるものではなく、
通常の木綿わたでもよいし、軟質の発砲性合成樹脂製品
であってもよい。
【0030】つぎに、図5は排尿または排便後の局部を
拭浄するおしりナップ50を示しており、このおしりナ
ップ50の複数枚が専用ケース501内に充填され、そ
の一枚が上部開口502からのぞいている状態が描かれ
ている。この実施例の場合は、極めて薄手の絹の不織布
が所定形状に裁断されて適用されている。この場合もお
しりナップ50は絹製品であるため極めて肌触りがよ
く、衛生的であり、特に皮膚の弱い局部への適用には好
都合である。
【0031】つぎに、図6は拭浄品Aとして主に医療用
に使用される清浄綿60を示している。この清浄綿60
の構成は、先に述べた化粧パック40と略同じであり、
被覆体602とこの被覆体602の内部に充填される充
填材601とで構成されている。しかし、この清浄綿6
0の場合、内部の充填材601に重点が置かれており、
これが絹の不織布を複数枚折り重ねたものや、絹の真綿
状の予備精錬品等絹製品になっている。そして、被覆体
602は、極薄の絹の不織布が適用され、場合によって
はこの被覆体602に無数の細孔が穿設され、内部の充
填材601が皮膚になるだけ接触できるように工夫され
ている。
【0032】なお、被覆体602は単なる収納袋として
用い、これを破って内部の充填材601を取り出し、衛
生綿として使用するようにしてもよい。
【0033】さらに、図7は汎用的に使用されるウエッ
トナップ70を示している。この図においては、ウエッ
トナップ70が専用の縦長ケース701に充填され、上
部開口702からその一部が引き出された状態を描いて
いる。この図に示すように、ウエットナップ70は、薄
手の不織布が帯状に成形され、それに消毒剤等が含浸さ
れ、ウエット状態で縦長ケース701の中に納められて
いる。従って、使用に際しては、上部開口702から所
望の長さだけウエットナップ70を引き出してちぎり取
り使用される。この場合もウエットナップ70は絹製品
であるから、肌触りは良好でありかつ衛生的である。
【0034】つぎに接肌品Bの具体例について説明す
る。この接肌品Bは特に積極的に肌に当てて拭浄するも
のではないが、常に肌が接触するような用途に用いられ
るものである。図8はこのような接肌品Bの例としての
寝具用のシーツ80がベッド上の布団に装着された状態
を示している。このようにシーツ80がすべて絹の不織
布で形成されているため、肌触りがよく寝心地が極めて
良好になるとともに、衛生的であり、特に医療用のシー
ツとして使用するのが最適である。
【0035】図9は接肌品Bとしての包帯90を示して
いる。包帯90は外傷部分に巻き付けて使用するもので
あるため、特に衛生的であることが要求される。この包
帯90に殺菌性能を有する絹製品が適用されているた
め、上記要求を満足させることができる。
【0036】また、図10は本発明の接肌品Bとしての
汗取りパット91を示している。この汗取りパット91
は、下着の袖の脇下に当る部分に装着され脇下からの発
汗を吸い取る用に供されるものである。この汗取りパッ
ト91は通常内部に吸着性に優れた綿製品やスポンジ等
の吸着材からなるパットが適用され、このパットの外面
が表面材で被覆されてなるものである。そして、この表
面材に本発明に係る絹の不織布が適用されている。表面
剤は直接肌に当接されるものであり、この部分に絹製品
が適用されているため、肌触りが良好であるとともに、
絹の殺菌性能によって発汗し易い脇下を清潔に保つこと
ができる。
【0037】さらに図示はしていないが、接肌品の一種
である各種の生理用品にも本体部の少なくとも肌に接す
る部分に絹を原料とする不織布を適用することが可能で
ある。そして本発明が適用される生理用品としては、生
理用ナプキン、生理用ナプキンよりも小型の下りものシ
ート、膣内に挿入するタンポン等が挙げられる。
【0038】以上詳述したように、本発明に係る肌当て
用品は、そのほとんどの部分が天然繊維である絹を原料
とする不織布によって形成されているため、肌触りが極
めてソフトあり、しかも吸湿性および放湿性の双方に優
れているという絹の特質が有効に活かされることから、
非常に使い心地のよいかつ衛生的なものになる。
【0039】また、原料として上記のような本来ならば
廃棄処分に付される副蚕糸を用いれば、それは極めて安
価であり、その結果絹製品であるにも拘らず製造コスト
を低減させ、引いては肌当て用品を安価に供給すること
が可能になる。
【0040】以下、参考のために、本実施例において使
用された不織布の、医療用不織布試験法に基づいた試験
の試験結果を表1に示し、日本薬局方に基づいたガーゼ
試験の試験結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】なお、本発明においては、絹を原料とした
不織布の原料に、天然繊維や合成繊維が混入されること
がある。これら天然繊維や合成繊維の混入が行われるの
は、以下の理由による。すなわち、本発明の不織布の原
料として、上記のような養蚕工程で不良品として除かれ
た選除繭、ちりめんの製造工場等における精錬工程や織
製工程で発生した生糸屑、絹織布の裁断工程で発生した
端切れ等を適用した場合には、繊維の長さが不織布を製
造するには適さない程に短くなっている場合があり、こ
のような短繊維を原料として不織布を製造するために
は、助材として長い繊維が必要だからである。
【0044】このような場合、上記助材として通常の絹
繊維を用いればよいが、通常の絹繊維を適用すれば、安
価に絹の不織布を提供する本発明の一つの解決課題を犠
牲にしなければならないため、本発明においては、相当
の長さを有する天然繊維および合成繊維の内にいずれか
一方または双方を助材として原料に添加するようにした
のである。
【0045】ところで、上記のように本発明の不織布の
原料に絹以外の繊維を助材として適用すれば、肌触りが
極めてソフトであり、長時間の着用によっても肌かぶれ
が起こらず、しかも殺菌性能等が備わった絹本来の特質
が損なわれるという新たな解決すべき問題点が提起され
ることになる。
【0046】そこで、上記絹の特質が損なわれることな
く、しかも上記のような選除繭等を原料とした場合であ
っても、不織布が容易に製造されるようにするという二
律背反の問題点の解決法を、本発明者は、絹と天然繊維
または合成繊維との混合率を種々異ならせた不織布を多
種類調製し、その不織布で肌当て用品を試験的に製造
し、試着試験を行うことによって得られる試験結果から
見出した。
【0047】すなわち、不織布の原料として選除繭等が
用いられ、その結果絹が全て短繊維である場合には、少
なくとも長繊維(助材)を10重量%は混入しなけれ
ば、良好に不織布を製造することができないことが判明
した。
【0048】一方、上記助材の混入率が10重量%以上
の不織布で上記肌当て用品の試着品を製造し、数人のパ
ネラーによる所定期間の試着試験の結果、助材の混入割
合が若干のバラツキが存在するものの平均的に20重量
%以下であれば、上記絹の長所が全く損なわれず、極め
て良好な肌触りの得られることが判明した。すなわち、
助材の混入割合が平均的に20重量%以下であれば、た
とえ絹繊維が相当の短繊維であったとしても、不織布の
製造は容易であり、かつ、得られた不織布は絹の特質が
損なわれないのである。
【0049】以上のようにして、絹を原料とする不織布
には絹の感触を損なわない程度の天然繊維および合成繊
維の内のいずれか一方または双方を混入するという本発
明が完成されたのである。なお、本発明は、上記助材の
混入割合が10重量%以上に限定されるものではない。
なぜなら、絹が長繊維であるならば、助材は10重量%
以下でもよいし、さらに特に助材を混入しなくてもよ
い。
【0050】また、本発明は助材の混入割合が20重量
%以下に限定されるものではい。なぜなら、肌当て用品
の種類によっては助材の混入割合が20重量%以上であ
っても、絹の感触がそれ程強く要求されない場合がある
ためである。
【0051】そして、具体的な助材の混入割合について
は、原料となる絹の短繊維の状況、不織布の製造方法、
それぞれの肌当て用品の特徴等を勘案し、かつ、実際の
製品の感触から都度設定するようにすればよい。
【0052】上記天然繊維としては、羊毛、綿等が適用
されるが、肌触りの点からは羊毛が好ましい。また、合
成繊維としてはレーヨン、アセテート、ナイロン、ポリ
エステル、プロミックス繊維、ベンゾエート、スパンデ
ックス、ビニロン、ポリクラール、アクリル繊維、ポリ
プロピレン繊維等が挙げられるが、肌触りの点ではレー
ヨンが好ましい。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の肌当て用品
は、直接肌を拭浄する拭浄品または直接肌に接する接肌
品からなる肌当て用品であって、絹を原料とする不織布
によって形成されてなるものである。
【0054】従って、絹が本来的に保有している保水
性、適度の撥水性に加えて、天然繊維の特質である肌に
対するなじみの良さ、さらには臭気を吸着除去する性質
や殺菌性能が充分に発揮され、肌当て用品が極めて衛生
的であり使用感のよいものになるとともに、肌かぶれを
起こさないようになる。
【0055】しかも、絹の織製品ではなく不織布が適用
されているため、絹織物の織製工程において副製する糸
屑や端切れ、さらには選除繭などの繭の不良品等安価な
材料を原料とすることが可能であり、高価な絹の感触を
有する肌当て用品を安価に製造することができる。
【0056】上記拭浄品として絹の不織布をガーゼ、お
しぼり、ティッシュ、化粧パック、おしりナップ、清浄
綿、ウエットナップ、タオルまたはハンカチ等に適用す
れば、このような拭浄品を使用することによって、肌触
りがよく、また絹の良好な保水性および適度の撥水性が
有効に発揮され、さらに絹の脱臭性能や殺菌性能も加わ
って拭浄品を非常に衛生的なものにすることができ好都
合である。
【0057】上記接肌品として絹の不織布をシーツ、包
帯、汗取りパットまたは生理用品に適用すれば、このよ
うなシーツ等を用いることによって肌ざわりがよく、ま
た絹の良好な保水性および適度の撥水性が有効に発揮さ
れ、さらに絹の脱臭性能や殺菌性能も加わってシーツ等
を非常に衛生的なものにすることができる。特に終日使
用される医療用のシーツとして最適である。
【0058】さらに、絹を原料とする不織布に絹の感触
を損なわない程度の天然繊維および合成繊維の内のいず
れか一方または双方を混入すれば、たとえ絹が短繊維で
あり、不織布の製造が困難であっても、天然繊維または
合成繊維の混入によって絹が短繊維である欠点を補い、
容易に不織布を製造することができる。また、天然繊維
または合成繊維の混入割合が絹の感触を損なわない程度
に抑えられているため、絹の長所が損なわれることはな
い。また、このような混入を行うことによって、不織布
を安価に製造することが可能になり、絹の感触を備えた
肌当て用品を需要者に供給する上で好都合である。
【0059】また、合成繊維は加熱すると比較的低温度
で溶融するなど熱溶着性が優れた材料であるため、絹の
中に融点の低い合成繊維が含まれていると、その熱溶着
性を利用して容易に不織布を製造することが可能になり
製造面で好都合である。また得られた不織布の加工に際
して特に接着剤を用いることなく熱圧着により不織布同
士を接着することが可能であり加工面でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る拭浄品としてガーゼが適用された
例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る拭浄品としておしぼりが適用され
た例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る拭浄品としてティッシュが適用さ
れた例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る拭浄品として化粧パックが適用さ
れた例を示す一部切欠き斜視図である。
【図5】本発明に係る拭浄品としておしりナップが適用
された例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る拭浄品として清浄綿が適用された
例を示す一部切欠き斜視図である。
【図7】本発明に係る拭浄品としてウエットナップが適
用された例を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る接肌品としてシーツが適用された
例を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る接肌品として包帯が適用された例
を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る接肌品として汗取りパットが適
用された例を示す斜視図である。
【符号の説明】 A 拭浄品 10 ガーゼ 20 おしぼり 30 ティッシュ 301 箱 302 開口 40 化粧パック 401 箱 402 被覆体 403 充填材 50 おしりナップ 501 専用ケース 502 上部開口 60 清浄綿 601 充填材 602 被覆体 70 ウエットナップ 701 縦長ケース 702 上部開口 B 接肌品 80 シーツ 90 包帯 91 汗取りパット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61F 13/15 // A41B 9/12 D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直接肌を拭浄する拭浄品または直接肌に
    接する接肌品からなる肌当て用品であって、絹を原料と
    する不織布によって形成されていることを特徴とする肌
    当て用品。
  2. 【請求項2】 上記拭浄品はガーゼ、おしぼり、ティッ
    シュ、化粧パック、おしりナップ、清浄綿、ウエットナ
    ップ、タオルまたはハンカチであることを特徴とする請
    求項1記載の肌当て用品。
  3. 【請求項3】 上記接肌品はシーツ、包帯、汗取りパッ
    トまたは生理用品であることを特徴とする請求項1記載
    の肌当て用品。
  4. 【請求項4】 上記絹を原料とする不織布には絹の感触
    を損なわない程度の天然繊維および合成繊維の内のいず
    れか一方または双方が混入されていることを特徴とする
    請求項1、2または3のいずれかに記載の肌当て用品。
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