JPH07188242A - 無水ピロメリット酸の精製法 - Google Patents

無水ピロメリット酸の精製法

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JPH07188242A
JPH07188242A JP5334012A JP33401293A JPH07188242A JP H07188242 A JPH07188242 A JP H07188242A JP 5334012 A JP5334012 A JP 5334012A JP 33401293 A JP33401293 A JP 33401293A JP H07188242 A JPH07188242 A JP H07188242A
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pyromellitic dianhydride
solvent
cyclohexanone
pyromellitic anhydride
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JP5334012A
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Haruo Yoshizumi
治夫 吉住
Kazuhiko Chiba
和彦 千葉
Hidemitsu Miyaji
英充 宮地
Katsuto Kanazawa
勝人 金澤
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Kawasaki Kasei Chemicals Ltd
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Kawasaki Kasei Chemicals Ltd
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 粗製無水ピロメリット酸を、シクロヘキサノ
ン溶媒中でオルソキシレン等の錯体形成剤と錯体を形成
し、濾過し、この錯体を分解することによって高純度の
無水ピロメリット酸を得る。 【効果】 溶媒量及び錯体形成剤を極めて少なく使用
し、しかも高収率で高純度の無水ピロメリット酸を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粗製無水ピロメリット
酸の精製法に関するものである。特に、ジュレン等の
1,2,4,5−テトラアルキルベンゼン等を接触気相
酸化して得られるガス状の無水ピロメリット酸を結晶化
捕集器で捕集して得られる無水ピロメリット酸結晶を、
効果的に精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無水ピロメリット酸は、通常ジュレン等
の1,2,4,5−テトラアルキルベンゼンを接触気相
酸化することによって得られるが、このようなガス状の
無水ピロメリット酸から、無水ピロメリット酸を捕集回
収する方法としては、次のような方法が提案されてい
る。
【0003】(1)無水ピロメリット酸を含有するガス
を結晶化捕集器に導入させ、無水ピロメリット酸を露点
以下に冷却して、結晶として捕集する方法があり、この
捕集した結晶を捕集器から分離回収する方法としては、
(イ)結晶として取り出す方法(特公昭47−1874
5号公報等)、(ロ)ガス状の無水ピロメリット酸を、
フィン付パイプ式捕集器に冷却し捕集した後、融解して
付着結晶を取り出す方法(特公昭48−10455号公
報)、(ハ)結晶化捕集器にベンゾニトリルを導入して
無水ピロメリット酸を溶解して結晶化捕集器から取り出
す方法(特開昭61−215352号公報)、(ニ)
又、特公平1−42953号公報には結晶化捕集器に付
着した結晶を取り出す方法として、水、アルカリ液又は
溶剤による洗浄及び機械的掃除又は融解して分離する方
法が公知であると記載されている。
【0004】その他、(2)無水ピロメリット酸を含有
するガスを水性媒体に接触させてピロメリット酸の水性
スラリーとして無水ピロメリット酸を捕集する方法(特
開昭61−56183号公報等)、(3)無水ピロメリ
ット酸を含有するガスをフタル酸ジアルキルエステルと
接触させて捕集する方法(特開平5−140169号公
報)及び(4)流動している無水ピロメリット酸粒子に
接触させて、析出捕集する方法がある。
【0005】しかしながら、(1)の方法において、
(イ)の方法は結晶として取り出すには手作業によるか
機械的に掻き出す方法であるが、手作業による方法は衛
生的に問題があり、又機械操作は実際的に装置が複雑に
なり現実的ではなく、(ロ)の方法は無水ピロメリット
酸の融点が285〜287℃と高く高温加熱熱媒体によ
る加熱溶融が必要であり、熱損失が大きい上、無水ピロ
メリット酸が変質する欠点があり、(ハ)の方法はベン
ゾニトリルの毒性があり、工業的には使用し難く、
(ニ)の方法は、水又はアルカリによる洗浄は無水ピロ
メリット酸が水和されるため、得られたピロメリット酸
の晶析及び脱水の操作等工程が複雑になり、及びエネル
ギー損失が大きい欠点がある。
【0006】(2)の方法、いわゆる水洗捕集法では、
無水ピロメリット酸が水和され、主としてピロメリット
酸として得られるので、再度晶析脱水する必要があり、
工程が長くなる上、エネルギー損失が大きくなる欠点が
ある。(3)の方法は、熱反応ガスと接触する場合に
は、高沸点のフタル酸エステルを使用するとはいっても
不活性ガスに同伴される溶媒があり、その損失も無視す
ることができない。
【0007】(4)の方法は、理論的には可能である
が、工業的には操作法が難しく実用性には乏しい欠点が
ある。このような捕集方法によって得られる粗製無水ピ
ロメリット酸にも、無水トリメリット酸や無水フタル酸
等の不純物を含む場合が多い。無水ピロメリット酸を高
分子材料に使用する場合には、高純度を要求されるが、
一方安価な原料としても要求され、簡易な方法で高純度
の製品を製造できる精製法が求められている。
【0008】この粗製無水ピロメリット酸の精製法の一
つとして、アセトン溶媒中で無水ピロメリット酸をオル
ソキシレンとの錯体として晶出させ、これを熱分解する
方法が提案されている(特公昭44−12134号公
報)。しかしながら、この方法では無水ピロメリット酸
に対してアセトンが約10倍量必要とされ、オルソキシ
レンも多量に使用されている。又、アセトンは沸点が低
く、工業的には操作に困難な点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、無水ピロメリット酸の錯体の形成を利用し
た粗製無水ピロメリット酸の精製法において、溶媒の使
用量を少なくて、高収率で、高純度の無水ピロメリット
酸を得る方法であり、さらには前記のような結晶化捕集
器に捕集された無水ピロメリット酸を効率的に取り出す
とともに効果的に精製する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、粗製無水
ピロメリット酸を、シクロヘキサノン溶媒中でオルソキ
シレンと錯体を形成させると、従来のアセトン溶媒に比
べて極めて少ない溶媒量で高純度の無水ピロメリット酸
を得ることを見出し、本発明を完成した。
【0011】即ち、本発明は、錯体を形成することによ
り粗製無水ピロメリット酸を精製する方法において、シ
クロヘキサノンを溶媒として使用し、この溶媒中におい
て無水ピロメリット酸と無水ピロメリット酸と錯体を形
成することができる化合物との錯体を形成させた後、錯
体を溶液から分離し、次いでこの錯体を分解することを
特徴とする無水ピロメリット酸の精製法及び粗製無水ピ
ロメリット酸をその錯体を形成して精製する方法におい
て、無水ピロメリット酸を含有するガスを結晶化捕集器
で捕集して得られた無水ピロメリット酸結晶に、シクロ
ヘキサノン溶媒又は無水ピロメリット酸と錯体を形成す
ることができる化合物とシクロヘキサノンとの混合溶液
を接触させて溶解し、得られた溶液を冷却して、錯体を
析出させた後、錯体を溶液から分離し、次いでこの錯体
を分解することを特徴とする無水ピロメリット酸の精製
法に存する。
【0012】本発明において、粗製無水ピロメリット酸
としては、ジュレン、1,2,4,5−テトラエチルベ
ンゼン、1,2,4,5−テトライソプロピルベンゼン
等の1,2,4,5−テトラアルキルベンゼンを接触気
相酸化させた際に生成する反応生成ガスを結晶化捕集器
で捕集する公知の捕集方法によって得られる無水ピロメ
リット酸結晶に適用することができる。例えば、反応生
成ガスをガスの線速度0.03〜1m/秒で結晶化捕集
器に導入させ、無水ピロメリット酸を露点以下、例え
ば、好ましくは100〜200℃、さらに好ましくは1
40〜190℃に冷却して、結晶として捕集した無水ピ
ロメリット酸が適当である。さらに捕集温度を下げ、捕
集率を上げると、無水トリメリット酸及びジメチル無水
フタル酸等の不純物が混合した粗製無水ピロメリット酸
が得られ、本発明はこのような粗製無水ピロメリット酸
に特に有用である。
【0013】又、必要ならばジュレン等の液相酸化によ
って得られる粗製無水ピロメリット酸にも適用される。
不純物の含有量が少ない比較的高純度の製品をさらに高
純度に精製する場合にも適用される。
【0014】又、不純物を含む無水ピロメリット酸を、
蒸留又は昇華精製する際に生ずる不活性ガスを含む又は
含まないガス状無水ピロメリット酸を結晶化捕集器に捕
集して得られる無水ピロメリット酸の結晶、例えば、粗
無水ピロメリット酸固体を75〜275℃、例えば15
5℃で空気、又は窒素等の不活性ガスと接触させ昇華精
製する方法によって得られるガス状無水ピロメリット酸
を結晶化捕集器によって捕集して得られる無水ピロメリ
ット酸結晶(例えば、特公昭44−11888号公報、
特公昭45−4052号公報)にも適用することができ
る。この結晶化捕集器としては、いわゆるフィン付のチ
ューブを備えたスイッチコンデンサー型の無水フタル酸
工業において公知のものや、冷却装置を備えたプレート
板を配列したものも使用することができる。
【0015】本発明に使用される無水ピロメリット酸と
錯体を形成することができる化合物(以下、「錯体形成
剤」という。)としては、例えばポリアルキルベンゼ
ン、ナフタレン、アルキル置換ナフタレン、水素化ナフ
タレン等が挙げられる。ポリアルキルベンゼンとして
は、オルソキシレン(液体)、パラキシレン(液体)、
ヘミメリテン(液体)、プソイドキュメン(液体)、メ
シチレン(液体)、ジュレン(融点、80℃)、イソジ
ュレン(液体)等が挙げられ、アルキル置換ナフタレン
としては、1−メチルナフタレン(液体)、2−メチル
ナフタレン(融点、34.4℃)、1,3−ジメチルナ
フタレン(液体)等か挙げられ、水素化ナフタレンとし
てはテトラリン(液体)等が挙げられる。この化合物の
中で、特に常温で液体のものが操作上好適である。
【0016】錯体形成剤の使用量は、一般に無水ピロメ
リット酸に対して0.5〜10モル倍、好ましくは2〜
5モル倍から選ばれる。少ないと無水ピロメリット酸の
収率が低下し、5モル倍以上ではあまり収率に影響しな
くなるので経済的に不利になる。
【0017】本発明においては、錯体と無水トリメリッ
ト酸、無水フタル酸又はジメチル無水フタル等の不純物
とを分離するのにシクロヘキサノンを溶媒として使用す
る。シクロヘキサノンは従来のアセトン溶媒より少量で
効果があり、アセトフェノン、安息香酸メチル、酢酸ベ
ンジル等の溶媒より使用量が少なくて精製効果がある。
しかして、シクロヘキサノンの使用量は、常温で無水ト
リメリット酸や無水フタル酸等の不純物を溶解できる量
以上あればよく、必ずしも無水ピロメリット酸を完全に
溶解できる量を使用しなくてもよい。一般的には、無水
ピロメリット酸に対して1重量倍以上、5重量倍以下、
好ましくは1.1重量倍以上、3重量倍以下である。
【0018】本発明において、粗製無水ピロメリット酸
を使用して錯体を形成させる操作法は、一般に次のよう
に実施する。即ち、所定量の粗製無水ピロメリット酸を
所定量のシクロヘキサノン溶媒に加え、常温〜沸点にお
いて攪拌し、スラリー状又は溶解して所定量の錯体形成
剤を加えた後、冷却して晶出した錯体を濾過するか、所
定量の錯体形成剤とシクロヘキサノン溶媒の混合液を調
製し、その混合液に粗製無水ピロメリット酸を常温〜沸
点において添加して、スラリー状とし又は溶解し、常温
に冷却して錯体の結晶を晶出させ、一定時間熟成した後
濾過する方法が採用される。得られた錯体は、必要によ
り錯体形成剤とシクロヘキサノンの混合溶媒等で洗浄し
たのち濾別し、これを分解して高純度の無水ピロメリッ
ト酸を得ることができる。この錯体の分解方法は、一般
的には、熱分解法が採用される。例えば、減圧下、10
0〜150℃、好ましくは110〜125℃に、1〜4
時間、加熱することによって行われる。錯体を濾過して
得られた濾液中の不純物量が少ない場合には、濾液を循
環使用することによって無水ピロメリット酸の回収率を
向上することができる。
【0019】本発明は、無水ピロメリット酸を含有する
ガスを結晶化捕集器で捕集して得られた無水ピロメリッ
ト酸結晶に、シクロヘキサノン溶媒又は錯体形成剤とシ
クロヘキサノンとの混合溶液を接触させて溶解し、得ら
れた溶液を冷却して、錯体を析出させた後、錯体を溶液
から分離し、次いでこの錯体を分解することを特徴とす
る無水ピロメリット酸の精製法にも適用できる。
【0020】シクロヘキサノンは、無水ピロメリット酸
に対して溶解度が大きく、かつ従来提案されているベン
ゾニトリル等に比べて毒性が少ないので、結晶化捕集器
内に、加熱したシクロヘキサノンを循環させて無水ピロ
メリット酸を溶解排出するのに適している。この場合に
は、無水ピロメリット酸を溶解するのが好ましいが、一
部の結晶が析出し、そのスラリーの流動性があり、排出
するのに支障がなければ無水ピロメリット酸の全てを溶
解させなくてもよい。無水ピロメリット酸の溶解度以上
を使用する場合の溶媒の使用量は、例えば、シクロヘキ
サノン単独では、接触させる温度を140℃とすれば、
無水ピロメリット酸に対して、3.2重量倍以上であ
り、シクロヘキサノンとオルソキシレンとの15対10
の重量比の混合溶媒を使用するとすれば、無水ピロメリ
ット酸に対して混合溶媒として約4.7重量倍以上であ
る。他の錯体形成剤についても、これを基準に実施する
ことができる。
【0021】又、無水ピロメリット酸結晶と接触させる
方法としては、シクロヘキサノン溶媒又は錯体形成剤と
シクロヘキサノンとの混合溶液の蒸気を結晶化捕集器内
に導入し接触させ、無水ピロメリット酸を溶解した溶液
を還流しながら溶出回収する方法も採用される。しかし
て得られた無水ピロメリット酸との混合液は、前記の錯
体形成条件に適合するように調製した後、前記と同様な
方法によって高純度の無水ピロメリット酸を取得するこ
とができる。
【0022】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本実施例より類推せられる如何なる技術的変換、改
良も本発明に含まれることは勿論である。 「実施例1」ジュレンを接触気相酸化して生成した反応
ガスを室温まで冷却し、析出させて捕集し、粗製無水ピ
ロメリット酸結晶を得た。その組成は、無水ピロメリッ
ト酸90.7%、無水トリメリット酸6.0%及びジメ
チル無水フタル酸等の不純物が3.7%であった。
【0023】この粗製無水ピロメリット酸1重量部を、
錯体形成剤としてオルソキシレン2重量部及びシクロヘ
キサノン1.3重量部の混合溶媒に常温で加え、130
℃に加熱した。その混合物は、スラリー状を呈していた
が、そのまま1時間、その温度に保持した後、冷却して
常温で6時間放置して、十分に錯体結晶を晶出させた
後、濾過した。さらに、濾過ケーキを、オルソキシレン
とシクロヘキサノンの1対1の混合溶媒1重量部で洗浄
した後、減圧乾燥器において約30mmHgの減圧下、
110℃で2時間加熱し、錯体を分解した。得られた無
水ピロメリット酸は、純白で、収率は粗製物中の無水ピ
ロメリット酸に対して85.0%であった。この無水ピ
ロメリット酸を液体クロマトグラフィで測定したとこ
ろ、99.7%以上であり、無水トリメリット酸は検出
できなかった。
【0024】「実施例2」実施例1において、130℃
に加熱せずに、全て常温で処理し、保持時間を12時間
とした以外は実施例1と同様に実施して、純度99.7
%以上の無水ピロメリット酸が粗製物中の無水ピロメリ
ット酸に対して収率85.3%で得られた。
【0025】「実施例3」オルソキシレン及びシクロヘ
キサノンの混合溶液をオルソキシレンを1.3重量部及
びシクロヘキサノンを2重量部に代えた以外は、実施例
1と同様に実施して、純度99.7%以上の精製無水ピ
ロメリット酸を、粗製物中の無水ピロメリット酸に対し
て75%の収率で得た。
【0026】「実施例4」粗製無水ピロメリット酸1重
量部を実施例3の濾液に加え、さらにオルソキシレン1
重量部を加えた他は、実施例1と同様の方法で実施し
て、純度99.7%以上の精製無水ピロメリット酸を、
粗製物中の無水ピロメリット酸に対して79%の収率で
得た。
【0027】「実施例5」オルソキシレン及びシクロヘ
キサノンの混合溶液の代わりに、イソジュレン、メチル
ナフタレン又はテトラリン1.7重量部及びシクロヘキ
サノン1.7重量部の混合溶媒を使用し、温度を室温に
し、実施例2と同様に実施して、それぞれ純度99.7
%以上の精製無水ピロメリット酸を、粗製物中の無水ピ
ロメリット酸に対してそれぞれ66.2%、86.7%
及び85.2%の収率で得た。
【0028】「比較例1」粗製無水ピロメリット酸1重
量部をオルソキシレン3.3重量部に加え、130℃に
1時間加熱した後、室温に冷却し、6時間放置した後、
析出した錯体結晶を濾過し、濾過ケーキを1重量部のオ
ルソキシレンにて洗浄し、得られたケーキを約30mm
Hgの減圧下、110℃にて2時間加熱し、錯体を分解
した。得られた無水ピロメリット酸中には、無水トリメ
リット酸が5.6%、その他不純物が1.2%残留して
いた。
【0029】「比較例2」粗製無水ピロメリット酸1重
量部をシクロヘキサノン3.3重量部に加え、130
℃、1時間加熱した後、室温に冷却し、6時間放置した
後、析出した結晶を濾過し、濾過ケーキをシクロヘキサ
ノン1重量部で洗浄し、得られたケーキを約30mmH
gの減圧下、110℃にて乾燥した。純度99.7%以
上の無水ピロメリット酸が得られ、無水トリメリット酸
は含まれていなかったが、収率は44%の低収率であっ
た。
【0030】「比較例3」オルソキシレン及びシクロヘ
キサノンの混合溶液の代わりに、イソジュレン1.7重
量部及び溶媒として安息香酸メチル1.7重量部又はア
セトフェノン1.7重量部の混合溶媒を使用し、温度を
室温にし、実施例2と同様に実施した。安息香酸メチル
又はアセトフェノンを使用して得られた無水ピロメリッ
ト酸の粗製物中の無水ピロメリット酸に対する収率、純
度及び無水トリメリット酸含有率は、前者が収率90.
4%、純度95.7%及び無水トリメリット酸含有率
4.0%並びに後者が収率81.9%、純度97.0%
及び無水トリメリット酸含有率2.7%であった。
【0031】「実施例6」実施例1における接触気相酸
化して得られた粗製無水ピロメリット酸5重量部に、錯
体形成剤としてオルソキシレン15重量部及びシクロヘ
キサノン10重量部の混合溶液を加え、140℃に加熱
したところ完全に溶解し、捕集器から排出することがで
きることを確認した。この溶液を140℃で1時間保持
したのち、冷却し、その後は実施例1と同様に実施し
て、純度99.7%以上の無水ピロメリット酸を粗製物
中の無水ピロメリット酸に対して収率80.0%で得る
ことができた。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法によれば、溶媒の使用量が
極めて少なく、しかも高収率で高純度の精製無水ピロメ
リット酸を得ることができる。又、結晶化捕集器からの
無水ピロメリット酸を溶解排出することが容易で、続い
て晶出することによって高純度のピロメリット酸を容易
に高収率で得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金澤 勝人 神奈川県川崎市川崎区千鳥町1番2号 川 崎化成工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 錯体を形成することにより粗製無水ピロ
    メリット酸を精製する方法において、シクロヘキサノン
    を溶媒として使用し、この溶媒中において無水ピロメリ
    ット酸と無水ピロメリット酸と錯体を形成することがで
    きる化合物との錯体を形成させた後、錯体を溶液から分
    離し、次いでこの錯体を分解することを特徴とする無水
    ピロメリット酸の精製法。
  2. 【請求項2】 錯体を形成することができる化合物がポ
    リアルキルベンゼン、ナフタレン、メチル置換ナフタレ
    ン、水素化ナフタレンである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 錯体を形成することができる化合物が、
    常温で液体である請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 錯体を形成することができる化合物が、
    オルソキシレン、テトラリン、イソジュレン、メチルナ
    フタレンである請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 粗製無水ピロメリット酸をその錯体を形
    成して精製する方法において、無水ピロメリット酸を含
    有するガスを結晶化捕集器で捕集して得られた無水ピロ
    メリット酸結晶に、シクロヘキサノン溶媒又は無水ピロ
    メリット酸と錯体を形成することができる化合物とシク
    ロヘキサノンとの混合溶液を接触させて溶解し、得られ
    た溶液を冷却して、錯体を析出させた後、錯体を溶液か
    ら分離し、次いでこの錯体を分解することを特徴とする
    無水ピロメリット酸の精製法。
JP5334012A 1993-12-28 1993-12-28 無水ピロメリット酸の精製法 Pending JPH07188242A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6476238B1 (en) * 2001-05-16 2002-11-05 Chinese Petroleum Corp. Purification method for obtaining high-purity PMDA
CN113583016A (zh) * 2021-09-01 2021-11-02 潍坊弘润新材料有限公司 一种粗均苯四甲酸二酐提高纯度的方法及其装置和应用

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