JPH07238051A - 高純度ナフタレンジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

高純度ナフタレンジカルボン酸の製造方法

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JPH07238051A
JPH07238051A JP2966194A JP2966194A JPH07238051A JP H07238051 A JPH07238051 A JP H07238051A JP 2966194 A JP2966194 A JP 2966194A JP 2966194 A JP2966194 A JP 2966194A JP H07238051 A JPH07238051 A JP H07238051A
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amine
ndca
alcohol
solvent
naphthalenedicarboxylic acid
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Hideo Nagaoka
秀男 長岡
Yoshiaki Mori
義昭 森
Norioki Mitsune
法興 三根
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 粗ナフタレンジカルボン酸(NDCA)をア
ミンとアルコールとの混合溶媒を用いて晶析して高純度
のNDCAを製造する方法であって、 (1)粗NDCAを水の存在下アミンとアルコールとの
混合溶媒に溶解した後、冷却析出したNDCAアミン塩
と母液を固液分離する工程、(2)得たNDCAアミン
塩を加熱処理して高純度のNDCAを得る工程、(3)
得た母液からNDCA(又はそのアミン塩)並びに溶媒
アミン及びアルコールを分離回収する工程、(4)回収
したアミンとアルコールを脱水処理する工程の4工程を
有し、且つ(4)工程で脱水処理されたアミンとアルコ
ールを(1)工程に供給する方法。 【効果】 粗NDCAを水の存在下でアミン類とアルコ
ール類の混合溶媒を用いて冷却晶析精製する際、単位溶
媒量あたりの粗NDCAの処理量を向上させながら溶媒
の循環使用に伴う回収率の低下が無く、工業的に高純度
で色相の良いNDCAを高収率で製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、高純度のナフタレン
ジカルボン酸(以下、NDCAと略記することがあ
る。)の製造方法、詳しくは、粗ナフタレンジカルボン
酸をアミンとアルコールとの混合溶媒を用いて晶析して
高純度のナフタレンジカルボン酸を製造する方法に関す
る。NDCAは耐熱性、機械的強度、寸法安定性に優れ
たフィルムや繊維製品を与えることからポリエチレンナ
フタレ−ト、ポリアミド等の原料として需要が増加して
いる。
【0002】
【従来の技術】 NDCAは、例えば、ジメチルナフタ
レンやジイソプロピルナフタレン等のジアルキルナフタ
レンを酢酸等の溶媒中でコバルト、マンガン及び臭素の
存在下、分子状酸素によって酸化することにより製造す
る方法が知られている。しかしながらこれらの酸化反応
によって得られる粗NDCA中には、トリメリット酸等
の副反応生成物や着色物質などが混入しているために、
この粗NDCAをそのまま原料として使用するとポリマ
−の性能低下や着色といった弊害が現れる。
【0003】このため、例えば、粗NDCAをアルカリ
水溶液に溶解し、酸化や水素化、吸着等による脱色処理
後、酸性としてNDCAを析出させる方法が提案されて
いるが(特開昭48−49747、特開昭48−685
54、特開昭50−160248、特開昭50−105
639、160248号公報等)、いずれも多量のアル
カリ及び酸を使用するため多量の無機塩及び廃水が発生
するという問題があった。
【0004】また、粗NDCAをジメチルアセトアミド
やジメチルスルホキシド等の有機溶媒を用いて活性炭処
理後、再結晶させる方法も知られているが(特開昭62
−230747号公報)、これらの有機溶媒は高沸点で
回収しにくく、又、毒性が高いなどの問題があり、工業
的方法には適さない。さらに、粗NDCAをジメチルア
ミン等の特定のアルキルアミンの水溶液に溶解した後ア
ミンを留去してNDCAを析出させる精製法も提案され
ているが(特開昭50−142542号公報)、この方
法はアミンが水と共沸するため、多量の水を留去する必
要があり又水溶液からアミンを完全に除去できないので
回収率が低い等の欠点がある。
【0005】一方、粗NDCAをアミンとアルコールと
の混合溶媒に溶解した後、冷却して析出させ回収率よく
高純度で色相の良好なNDCAを得る方法も提案されて
いる(特開平5−155807号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のアミンとアルコ
ールとの混合溶媒を用い晶析する方法は、混合溶媒中に
少量の水が存在するとNDCAの溶解度が増大し、単位
溶媒量当たりのNDCA処理量、即ち生産効率が向上す
るという利点をも有している。しかし、この方法で溶媒
を回収し循環再使用を図る場合、そのままでは工程中に
水が蓄積し、しかも混合溶媒中の水分量が多過ぎるとか
えってNDCAの溶解度及びその温度依存性が減少する
ので、逆に晶析NDCAの回収率が低下するという欠点
がある。
【0007】本発明は、水の存在下にアミンとアルコー
ルとの混合溶媒を用いて晶析する方法において、工業的
に有利に高純度のナフタレンジカルボン酸を製造する方
法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、粗ナフタレン
ジカルボン酸をアミンとアルコールとの混合溶媒を用い
て晶析して高純度のナフタレンジカルボン酸を製造する
方法であって、次記; (1)粗ナフタレンジカルボン酸を水の存在下アミンと
アルコールとの混合溶媒に溶解した後、冷却して析出し
たナフタレンジカルボン酸アミン塩と母液を固液分離す
る工程、(2)得られたナフタレンジカルボン酸アミン
塩を加熱処理して高純度のナフタレンジカルボン酸を得
る工程、(3)得られた母液からナフタレンジカルボン
酸(又はそのアミン塩)並びに溶媒アミン及びアルコー
ルを分離回収する工程、および、(4)回収したアミン
及びアルコールを脱水処理する工程の4工程を有し、且
つ、上記(4)工程で脱水処理されたアミン及びアルコ
ールを上記(1)工程に供給することを特徴とする、高
純度で且つ色相の良好なナフタレンジカルボン酸を製造
する方法を提供するものである。
【0009】本発明の方法に用いられる、粗NDCAと
しては、例えば、2,6−ジメチルナフタレンや2,6
−ジイソプロピルナフタレン等のジアルキルナフタレン
又はその酸化中間体を酢酸等の脂肪族カルボン酸溶媒や
水溶媒中、コバルト、マンガン、臭素の存在下、空気等
の分子状酸素による液相酸化反応生成物である粗NDC
Aを挙げることができる。
【0010】この様な酸化反応においては、生成したN
DCAは、溶媒中スラリ−状であるため濾別回収しす
る。得られた粗NDCAは、純度が90重量%以上、一
般には95〜99重量%であり、通常は微褐色〜褐色を
呈しているが、そのまま本発明の方法に供しても、又、
反応溶媒や水又は酸で洗浄後水洗する等の処理を行って
もよい。場合によっては、純度99重量%以上のもの、
例えば、活性炭や有機溶媒で処理した精製NDCAの色
相改良のために本発明の方法を行うこともできる。
【0011】(アミン)アミン類としては、メチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピル
アミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピル
アミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、
トリイソプロピルアミン等の脂肪族アミン並びにモノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン等のその誘導体、
ピペリジン、N−メチルピペリジン、ヘキサメチレンイ
ミン、N−メチルヘキサメチレンイミン等の脂環式アミ
ン、アニリン、o−,m−及びp−トルイジン、N,N
−ジメチル−o−,m−及びp−トルイジン、ベンジル
アミン、N−メチルベンジルアミン、N,N−ジメチル
ベンジルアミン等の芳香族アミン等が挙げられる。これ
らのアミンの中でも、炭素数1〜3のアルキル基を1〜
3有する脂肪族アミンが好ましい。これらのアミンは単
独でも、二種類以上を任意の割合で混合したものでもど
ちらでも使用することができる。
【0012】(アルコール)アルコール類としては、メ
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール等の脂肪族鎖式モノア
ルコール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシル
アルコール等の脂環式モノアルコール、エチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール等の脂肪族鎖式ジオール、1,2−シク
ロペンジオール、1,3−シクロペンジオール、1,2
−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂環式ジ
オール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の脂肪族
ポリオール等が挙げられる。これらのアルコールの中で
も、炭素数1〜4の低級脂肪族の一価アルコールが好ま
しい。これらのアルコールは単独でも、二種類以上を任
意の割合で混合したものでもどちらでも使用することが
できる。
【0013】(混合溶媒)アミン類とアルコール類との
混合割合は、重量比で5:95〜95:5、好ましくは
10:90〜90:10の範囲である。存在させる水の
量は、用いるアミンとアルコールの種類およびその割合
により異なるが、通常、混合溶媒中1〜15重量%の範
囲である。水分量が少ないとNDCAの溶解度向上の効
果が低く、また、多過ぎるとNDCAの溶解度及びその
温度依存性が減少し、結果として、単位溶媒量あたりの
精製NDCAの回収量が減少するため好ましくない。
【0014】混合溶媒中に存在させる水は、粗NDCA
の洗浄等により粗NDCA中に含まれた水が晶析工程に
持ち込まれたものでも、混合溶媒に添加された水のどち
らでもよい。混合溶媒中の水分量の制御は、通常は、添
加する水分量により行うが、必要に応じて、逆浸透膜、
モレキュラーシーブ等により脱水して調整することもで
きる。
【0015】混合溶媒の使用量は、粗NDCAの溶解操
作を行う温度で粗NDCAを溶解するのに十分な量であ
ればよいが、単位溶媒量あたりの精製NDCAの回収量
を高くする上で、飽和状態となる量が好ましく、用いる
アミンとアルコールの種類とその混合割合、水分量、及
び溶解する際の温度によって異なるので一概には規定で
きないが、通常は、粗NDCAに対し1〜10重量倍、
好ましくは1〜5重量倍の範囲である。溶媒量が少なす
ぎると十分な晶析効果が得られず、また多過ぎてもその
晶析効果に変わりはなく、使用する溶媒量が増えるため
不経済である。
【0016】ナフタレンジカルボン酸の精製は、次の様
な手順で行われる。 (1)粗NDCAを水の存在下アミンとアルコールとの
混合溶媒に溶解した後、冷却して析出したナフタレンジ
カルボン酸アミン塩と母液を固液分離する工程。溶解操
作は、所定量の粗NDCAを所定量のアミンとアルコー
ルに加え、水分調整した後、攪拌しながら加熱すること
により行う。水分調整は、混合溶媒中、粗NDCA中の
水分を含めた全体の水分量が所定量となるように行う。
【0017】溶解温度は、用いるアミンとアルコールの
種類とその割合、水分量、粗NDCA量によって異なる
ので一概に規定できないが、混合溶媒の沸点以下で、粗
NDCAを溶解できる温度以上であればよく、通常10
〜100℃の範囲で行う。この際の圧力に特に制限はな
い。粗NDCAを溶解した際に、不溶物がある場合には
不溶物を濾過によって除去する。また、着色のある場合
には活性炭等で脱色処理する。活性炭で処理する場合に
は、所定量の活性炭を粗NDCAの混合溶媒溶液中に加
えて、加熱撹拌した後、濾別する回分処理、又は、活性
炭を充填したカラムに粗NDCAを溶解した混合溶媒溶
液を通液する方法等により行われる。
【0018】次いで、粗NDCAを溶解した混合溶媒溶
液は、必要があれば蒸留等の操作で混合溶媒を留去して
溶液を濃縮し、該溶液を冷却してNDCAアミン塩を析
出させ、析出した塩を濾過、遠心分離等により母液と固
液分離する。冷却温度は上記溶解温度以下、好ましく
は、溶解温度から10℃以上低い温度であり、通常、0
〜90℃の範囲である。冷却析出時間は、通常、0.1
〜10時間、好ましくは0.2〜5時間の範囲である。
【0019】得られたNDCAアミン塩の結晶には、使
用したアミン、アルコールおよび水の他に、不純物が付
着しているので、晶析に用いたアミンで洗浄するのが好
ましい。洗浄に使用するアミンの量は、得られたNDC
Aアミン塩に対し、0.5〜20重量倍、好ましくは
0.5〜5重量倍の範囲である。
【0020】(2)得られたナフタレンジカルボン酸ア
ミン塩を加熱処理して高純度のナフタレンジカルボン酸
を得る工程。上記(1)工程で得られたNDCAアミン
塩の結晶を、アミンの沸点以上に加熱して塩を形成して
いるアミンを分離除去することにより、高純度で色相の
良好な精製NDCAを得ることができる。加熱温度は処
理時の圧力下におけるアミンの沸点以上、NDCAの酸
分解温度(280℃)以下の温度で、通常、100〜2
00℃の範囲であり、加熱時、窒素、アルゴン等の不活
性ガスを導入しながら行うのが好ましく、又、加熱時の
圧力には特に制限はない。
【0021】加熱処理によりアミン塩から分離されたア
ミンは、例えば、揮散蒸気を冷却捕集する等の操作によ
り回収し、晶析溶媒として使用することもできる。この
際、回収したアミンにはアミン塩結晶に付着していた溶
媒アルコール及び水を一部含む場合があるので、必要に
応じて脱水処理をした後再使用するのが好ましい。
【0022】(3)得られた母液からナフタレンジカル
ボン酸並びに溶媒アミン及びアルコールを分離回収する
工程。上記(1)工程でNDCAアミン塩を濾過した母
液は、溶媒であるアミン、アルコールおよび水の他、冷
却時の温度における溶解度分のNDCAを含んでいるた
め、母液からNDCA又はそのアミン塩(第二結晶)と
溶媒アミン及びアルコールを分離回収する。母液をその
まま循環使用した場合には、母液中の水、不純物等が精
製工程中を循環蓄積し、上記(2)工程で得られる精製
NDCAの色相及び回収率が低下する。
【0023】母液中のNDCAの分離回収は、母液を更
に冷却して析出させることにより行うこともできるが、
通常、蒸留処理して溶液を濃縮した後、NDCAを溶解
した溶液を冷却し、析出した結晶を濾過、遠心分離等に
より第二結晶(NDCA又はそのアミン塩)として回収
する。この際、(1)工程で用いた溶媒アミン及びアル
コールの種類により、NDCAアミン塩の溶液中での分
解温度がアルコールの沸点より低い場合、即ち、アミン
の沸点が低い場合には、蒸留処理により主にアミンが留
去されるのでNDCAが、逆の場合にはNDCAアミン
塩が析出する。蒸留処理する際、上記(1)工程で第一
結晶の洗浄に使用したアミンを加えて行うこともでき
る。
【0024】蒸留処理は、回分蒸留、連続蒸留等いずれ
でもよく、圧力はアミン、アルコールの種類、組成割合
等により異なるが、常圧、減圧のいずれでもよい。通常
は、ロータリーエバポレーター等を用いて混合溶媒を留
去することにより行われる。留去する混合溶媒は回収し
て再使用することもできる。蒸留温度は、通常、200
℃以下が好ましい。溶液の濃縮の程度は、アミン、アル
コールの種類、組成割合等により異なるが、通常、1.
5〜10倍、好ましくは2〜5倍濃縮の範囲である。
【0025】第二結晶の析出・回収は、上記(1)工程
と同様に行われる。回収第二結晶は、アミン、アルコー
ルおよび水だけでなく不純物等が付着しているが、その
まま、又は必要に応じて晶析で使用したアミン類等で洗
浄した後、或いはアミン塩の場合には加熱処理してND
CAとして、上記(1)工程に供給する晶析原料として
再び使用することができる。
【0026】残液(第二濾液)は、更に蒸留処理して溶
媒であるアミン及びアルコールを回収する。母液中の水
はアミン類と共沸し留去されるので、留去し冷却して回
収した溶媒アミン及びアルコールは、少なくともその一
部を、次の(4)工程の脱水処理に供する。この操作に
より、着色成分等の不純物の大部分は釜残として廃棄さ
れる。
【0027】(4)回収したアミン及びアルコールを脱
水処理する工程 上記(3)工程で第二濾液から回収した含水アミン及び
アルコールの全部、又は少なくともその一部は、必要に
応じ母液濃縮時の回収アミン及びアルコール、上記
(2)及び(3)工程でアミン塩から分離されたアミ
ン、並びに洗浄用に用いたアミンと共に、脱水処理に供
される。
【0028】脱水処理は、モレキュラーシーブ、逆浸透
膜等を用いて常法により行われる。処理は、通常、常温
で行われ、回分、連続のいずれの方法でもよい。脱水処
理は、脱水後のアミン及びアルコールを(1)工程の溶
媒として再使用しても水が循環・蓄積しない量であれば
よく、再使用割合にもよるが、通常、処理後のアミン及
びアルコール中の水分量として、通常、20重量%以
下、好ましくは10重量%以下の範囲である。
【0029】脱水処理したアミン及びアルコールは、必
要に応じて新たなアミン及びアルコール、上記(3)工
程で第二濾液から回収したアミン及びアルコール、並び
に(2)工程でアミン塩から分離されたアミン等を加え
て、混合溶媒として濃度調整して、上記(1)工程に供
給して再使用する。含水溶媒の脱水処理をしない場合に
は、再使用を繰り返すに従って、共沸した水が工程中を
循環蓄積し、晶析時のNDCAの溶解度及びその温度依
存性が減少、冷却晶析での回収率が低下し生産効率が低
下するため不適である。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をより具体的に
説明する。尚、NDCAの純度は、高速液体クロマトグ
ラフィーにより、メタノール及びトリエチルアミンの組
成はガスクラマトグラフィーにより、溶液中の水分量は
カールフイッシャー法により測定した。又、NDCAの
色相は、試料1gを25%メチルアミン溶液10mlに
溶解し、10mm石英セルを用いて500nmの波長光
の吸光度(以下ODと略記する。)を測定した値で評価
した。
【0031】(参考例1)メタノール及びトリエチルア
ミンの1:1(重量比)混合溶媒100gに対するND
CAの溶解度(g)の混合溶媒中に存在する水分量(重
量%)の影響を測定した結果は、下表の通りであった。
【0032】
【表1】
【0033】(参考例2)還流冷却器、ガス導入管、原
料送液ポンプ、背圧調整器及び誘導撹拌機を有する5L
チタン製オートクレーブに、酢酸2000g、酢酸コバ
ルト・四水塩94g(375ミリモル)、酢酸マンガン
・四水塩92g(375ミリモル)、臭化アンモニウム
74g(75ミリモル)及びピリジン59g(75ミリ
モル)を仕込み、窒素で反応系内を置換し、背圧調整器
で系内の圧力が30kg/cm2 GPとなるようにし
た。内温が200℃になるまで加熱し、空気を40Nl
/minで内圧が30kg/cm2 GPに保たれるよう
供給した。系内が安定したところで2,6−ジイソプロ
ピルナフタレン796g(3.75モル)を4時間かけ
て連続供給した。2,6−ジイソプロピルナフタレンの
供給終了後、系内を200℃、30kg/cm2 GPに
保ったまま1時間空気の供給を続けた。反応終了後、オ
ートクレーブを室温まで冷却し、析出した固形物を濾過
し回収し、酢酸800gで洗浄、濾別した後、さらに水
800gで洗浄した。
【0034】この粗2,6−ナフタレンジカルボン酸ケ
ーキの回収量は758g、含水率(水/含水−粗NDC
Aケーキ)は11.1(重量)%であった。又このケー
キを乾燥した粗NDCAは淡褐色の固体であり、収率は
81.1(モル)%、純度は97.5(モル)%、OD
は3.40であった。
【0035】(実施例) (1) 参考例2で得た粗NDCAケーキ100g、メ
タノール(沸点65℃)100g、トリエチルアミン
(沸点90℃)100gを500mlフラスコに仕込み
60℃湯浴中で加熱溶解した(飽和溶液状態)。混合溶
媒中の水分量(水/(メタノール+トリエチルアミン+
水))は5.3(重量)%であった。
【0036】次に、活性炭16gを充填したジャケット
付きカラムを60℃に保温し、上記溶液をSV=1.0
hr-1で通液し、更にメタノール:アミン:水(重量
比)が9:9:1の混合溶媒40gを通液した。
【0037】回収した溶液328gを冷水中で20℃ま
で冷却し、析出した結晶を濾別し、トリエチルアミン1
52gで洗浄した。回収された結晶は152g、濾液お
よび洗液の混合液は合計328gであった。
【0038】(2) 回収した結晶152gを、窒素を
流しながら、150℃乾燥器内で4時間加熱乾燥して精
製2,6−NDCA64gを得た。回収率72.0(モ
ル)%、純度99.4(重量)%、OD0.055、単
位溶媒量あたりの精製NDCAの回収量は、30g−精
製NDCA/100g−溶媒であった。
【0039】(3) 濾液および洗液の混合液328g
を、常圧下、ロータリーエバポレーターで75℃で16
0gまで加熱濃縮後、冷却し、析出した第二結晶を濾別
し、トリエチルアミン40gで洗浄した。回収された第
二結晶は40gであった。
【0040】第二濾液および洗液の混合液160gか
ら、常圧下、回分蒸留によりアミン及びアルコールの混
合液120gを回収した。留出液の組成は、メタノール
30.5(重量)%、トリエチルアミン64.1%、水
5.4%であり、又、釜残は40gであった。尚、回収
した第二結晶40gを、窒素を流しながら、150℃乾
燥器内で4時間乾燥したところ、16gの回収2,6−
NDCAが得られた。
【0041】(4) 第二濾液および洗液の混合液から
回収した留出混合液120gに、モレキュラーシーブ3
Aを30gを入れ常温下1hr放置して、モレキュラー
シーブを濾別後の留出混合液の水分量を測定したところ
2.0(重量)%であった。
【0042】この脱水処理した留出混合液100g、参
考例2で得た粗NDCAケーキ82g、上記(3)で第
二結晶より得た回収NDCA16gを500mlフラス
コに仕込み、メタノール68.4g、トリエチルアミン
33.6gを加えた後、60℃湯浴中で加熱溶解した
(飽和溶液状態)。混合溶媒中の水分量は5.3%であ
った。
【0043】以下、上記(1)冷却〜(4)と同様の操
作を行い、精製NDCA64g、回収NDCA16g、
水分量2.0重量%の脱水留出混合液100gを得た。
【0044】更に、上記と同様の操作を4回繰り返し行
った。4回目の操作に於ける混合溶媒中の水分量は5.
3重量%であり、精製NDCAの回収量は64g、回収
率72.0%、純度99.5%、OD0.057であ
り、単位溶媒量あたりの精製NDCAの回収量は、30
g−精製NDCA/100g−溶媒であった。また、回
収NDCAは16g、脱水した留出混合液は100gで
水分量は2.0%であった。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法を用いれば、粗NDCAを
水が存在する条件下でアミン類とアルコール類の混合溶
媒を用いて冷却晶析により精製する際、単位溶媒量あた
りの粗NDCAの処理量を向上させながら、溶媒の循環
再使用に伴う工程中の蓄積水による回収率の低下が無
く、工業的に、高純度で且つ色相の良好なNDCAを高
回収率で製造することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗ナフタレンジカルボン酸をアミンとア
    ルコールとの混合溶媒を用いて晶析して高純度のナフタ
    レンジカルボン酸を製造する方法であって、次記; (1)粗ナフタレンジカルボン酸を水の存在下アミンと
    アルコールとの混合溶媒に溶解した後、冷却して析出し
    たナフタレンジカルボン酸アミン塩と母液を固液分離す
    る工程、(2)得られたナフタレンジカルボン酸アミン
    塩を加熱処理して高純度のナフタレンジカルボン酸を得
    る工程、(3)得られた母液からナフタレンジカルボン
    酸(又はそのアミン塩)並びに溶媒アミン及びアルコー
    ルを分離回収する工程、および、(4)回収したアミン
    及びアルコールを脱水処理する工程の4工程を有し、且
    つ、上記(4)工程で脱水処理されたアミン及びアルコ
    ールを上記(1)工程に供給することを特徴とする高純
    度ナフタレンジカルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 アミンが炭素数1〜3のアルキル基を有
    する脂肪族アミンである請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 アルコールが低級脂肪族の一価アルコー
    ルである請求項1の方法。
  4. 【請求項4】(1)工程において粗ナフタレンジカルボ
    ン酸の溶解時に存在する水分量が混合溶媒中1〜15重
    量%の範囲である請求項1の方法。
  5. 【請求項5】(1)工程において混合溶媒溶液を活性炭
    処理した後に、該溶液を冷却して固液分離する請求項1
    の方法。
  6. 【請求項6】(3)工程において母液を濃縮した後冷却
    してアミン塩回収し、濃縮母液からアミン及びアルコー
    ルを回収する請求項1の方法。
  7. 【請求項7】(3)工程で回収したナフタレンジカルボ
    ン酸(又はそのアミン塩)を(1)工程に供給する請求
    項1の方法。
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