JPH07186802A - 車両のシ−ト制御装置 - Google Patents

車両のシ−ト制御装置

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JPH07186802A
JPH07186802A JP5348031A JP34803193A JPH07186802A JP H07186802 A JPH07186802 A JP H07186802A JP 5348031 A JP5348031 A JP 5348031A JP 34803193 A JP34803193 A JP 34803193A JP H07186802 A JPH07186802 A JP H07186802A
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JP
Japan
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vibration
sheet
reference signal
reduction
engine
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JP5348031A
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Inventor
Shin Takehara
伸 竹原
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】適応制御によるシ−トの振動制御によって乗心
地を改善する。 【構成】車体1とシ−ト3との間に、低減用振動を出力
するためのアクチュエ−タ4が介在される。ばね下重量
2の振動が、リファレンス信号としてセンサS1により
検出される。シ−ト3の振動が、エラ−信号としてセン
サS2により検出される。適応制御を行なう制御ユニッ
トUによって、リファレンス信号に基づいて低減用振動
が生成されると共に、生成される低減用振動が、エラ−
信号が小さくなるように最適化される。リファレンス信
号、エラ−信号は、例えば上下方向加速度とすることが
できる。エンジンの振動を示す例えばエンジン回転数信
号をリファレンス信号として、アクチュエ−タ4から出
力する低減用振動を生成することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシ−トの振動を低減する
ようにした車両のシ−ト制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両においては、振動の干渉作用を利用
して振動低減を行なうものが種々提案され、車室内の騒
音振動の低減を行なうものについては既に実用化された
ものものある。この干渉を利用した振動低減の1つとし
て、乗心地向上のためにシ−トの振動を低減することが
考えられている。
【0003】特開平3−219139号公報の第22図
には、車体とシ−トとの間に低減用振動を出力するため
のアクチュエ−タを架設し、車体の振動とシ−トの振動
とを比較して、車体とシ−トとの共振を防止するものが
開示されている。また、この公報の第23図には、ばね
下重量とばね上重量との間にアクチュエ−タを架設し
て、ばね下重量の振動がばね上重量に伝達されるのを抑
制するものも開示されている。さらに、この公報には、
加振源の振動を示すリファレンス信号に基づいて低減用
振動を生成する一方、振動低減が要求される部材の振動
を示すエラ−信号が小さくなるように上記低減用振動を
最適化する適応制御が開示されている。
【0004】特開平4−129847号公報には、シ−
トに着座する人間の特性(内蔵ゲイン)に基づいて、シ
−トの振動制御を行なうものが開示されている。
【0005】上記シ−トの制御は、つまるところ乗心地
改善となるが、この乗心地改善のために、走行中におけ
る路面からの入力を加振源とする振動を低減するため
に、サスペンション制御することも提案されている。例
えば、アクティブサスペンションにおいては、車体に作
用する上下方向加速度が小さくなるようにサスペンショ
ンダンパの減衰力を制御したり、車高調整用シリンダ装
置の内部液圧を制御することも行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、サスペンシ
ョン制御においては、その減衰力やばね定数を可変制御
することにより、走行中に生じる1〜3HZ程度の低周
波振動は十分に低減できるものの、どうしても低減でき
ない振動というものが存在する。この低減不能な振動
は、ばね下重量の共振振動となるもので、いわゆる不動
点として知られており、乗心地悪化に大きな影響を与え
るもっとも低次の共振振動となる第1共振振動は通常1
2HZ前後(10〜13HZが多い)の振動となる。
【0007】上記共振振動を低減するために、シ−トに
振動を与えるアクチュエ−タを設けて、シ−トの振動が
低減されるように当該アクチュエ−タを制御すること、
つまり低減用振動をアクチュエ−タから出力させること
が考えられる。しかしながらこの場合、上記低減用振動
をいかにして得るかということが問題となる。
【0008】例えば、車体に作用する振動例えば上下方
向加速度を検出して、この上下方向加速度が小さくなる
ようにアクチュエ−タをフィ−ドバック制御することが
考えられるが、この場合は応答性の点やアクチュエ−タ
から車体への反力の影響の点で問題となる。この応答性
の点を満足するために、車体に作用する上下方向加速度
をリファレンス信号として、適応制御によって低減用振
動を生成することが考えられが、この場合は、車体には
種々の外力が入力されているので、ノイズの影響が大き
く、低減すべき周波数域の振動を十分に低減することが
むずかしいものとなる。
【0009】また、シ−トの振動は、走行中における路
面からの入力に限らず、車体を振動させる大きな原因と
なるエンジン振動に起因して生じるものであり、この場
合は、サスペンション制御では対応できないものとな
る。
【0010】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、シ−トに作用しようとする所定周波数域の
振動を、応答よくかつ確実に低減できるようにした車両
のシ−ト制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明はその第1の構成として次のようにしてあ
る。すなわち、シ−トに対して振動を付与するためのア
クチュエ−タと、加振源としてのばね下重量の振動をリ
ファレンス信号として検出する加振振動検出手段と、前
記加振振動検出手段により得られるリファレンス信号に
基づいて前記シ−トの振動を低減するための低減用振動
を生成して、該低減用振動を前記アクチュエ−タから出
力させる振動制御手段と、を備えた構成としてある。
【0012】前記目的を達成するため、本発明はその第
2の構成として次のようにしてある。すなわち、シ−ト
に対して振動を付与するためのアクチュエ−タと、加振
源としてのエンジンの振動をリファレンス信号として検
出する加振振動検出手段と、前記加振振動検出手段によ
り得られるリファレンス信号に基づいて前記シ−トの振
動を低減するための低減用振動を生成して、該低減用振
動を前記アクチュエ−タから出力させる振動制御手段
と、を備えた構成としてある。
【0013】前記第1の構成を前提とした好ましい態様
は、特許請求の範囲における請求項2〜請求項7に記載
の通りである。また、前記第2の構成を前提とした好ま
しい態様は、特許請求の範囲における請求項9に記載の
通りである。
【0014】
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、走
行中において路面からの入力を受けるばね下重量の振動
をリファレンス信号として、シ−トに対して与える低減
用振動を生成するので、応答性に優れかつ車体振動をリ
ファレンス信号とする場合に比してノイズの影響も少な
く、シ−トの振動特に所望周波数域の振動を十分に低減
して、乗心地を十分に改善することができる。
【0015】請求項2に記載したような構成とすること
により、ばね下重量の振動を示すリファレンス信号とし
て、検出容易な信号、あるいはサスペンション制御等他
の制御において用いられているセンサでの検出信号を利
用することができる。
【0016】請求項3に記載したような構成とすること
により、エラ−信号を利用して低減用振動をより最適化
して、シ−トの振動低減の上でより好ましいものとな
る。
【0017】請求項4に記載したような構成とすること
により、乗員が敏感に感じる不快振動としての上下方向
あるいは前後方向の加速度をエラ−信号として用いるこ
とにより、乗心地改善をより十分に行なうことができ
る。
【0018】請求項5に記載したような構成とすること
により、サスペンション制御では低減できないばね下重
量の第1共振振動を低減することができる。また、請求
項6に記載したような構成とすることにより、サスペン
ション制御では低減できないばね下重量の第2共振振動
を低減することができる。
【0019】請求項7に記載したような構成とすること
により、乗員が不快に感じ易い上下方向加速度をリファ
レンス信号として用いることにより、特に、当該上下方
向加速度のうちばね下重量から車体へ伝達される上下方
向加速度をリファレンス信号とすることにより、乗心地
をより十分に改善する上で好ましいものとなる。
【0020】請求項8に記載された発明によれば、エン
ジン振動をリファレンス信号として、シ−トに対して与
える低減用振動を生成するので、応答性に優れかつ車体
振動をリファレンス信号とする場合に比してノイズの影
響も少なく、シ−トの振動特に所望周波数域の振動を十
分に低減して、乗心地を十分に改善することができる。
【0021】請求項9に記載したような構成とすること
により、エンジン振動を示すリファレンス信号として、
検出容易なパラメ−タを用いることができる。
【0022】
【実施例】以下本発明の実施例を添付した図面に基づい
て説明する。路面からの入力に起因するシ−ト振動低減(図1〜図
3) 図1において、1は車体、2はばね下重量、3はシ−ト
であり、シ−ト3はシ−トクッション3aとシ−トバッ
ク3bとから構成されている。車体1とシ−ト3との間
には、低減用振動を出力するアクチュエ−タ4が架設さ
れている。図1中5は、シ−ト3を弾性体とみたときの
ばね系を示すもので、5aはそのスプリング、5bはそ
のダンパを示す。なお、シ−ト3は、通常シ−トレ−ル
を介して車体1に取付けられるものであるが、このシ−
トレ−ルと車体1との間にアクチュエ−タ4を架設する
場合は、シ−トレ−ルと車体1との間に、アクチュエ−
タ4と直列にあるいは並列にゴム等の弾性体を介在させ
てもよい(アクチュエ−タ4によりシ−トが振動可能な
ようにシ−ト3を車体に対して保持させる)。また、ア
クチュエ−タ4としては、実施例では、積層型圧電アク
チュエ−タ(商品名ピエゾスタック−NTK社製)を用
いてある。
【0023】ばね下重量2と車体1とは、サスペンショ
ン装置6により連結されているが、そのサスペンション
ばねが符号6aで示され、サスペンションダンパが符号
6bで示される。
【0024】図1中Uは、後述する適応制御を行なうた
めの制御ユニットである。この制御ユニットUに対して
は、2つのセンサS1、S2からの信号が入力される一
方、制御ユニットUからは、アクチュエ−タ4に対して
所定の低減用振動に対応した制御信号が出力される。セ
ンサS1は、ばね下重量2の振動をリファレンス信号と
して検出するものである。このリファレンス信号として
は、例えば、ばね下重量2の変位、変位速度(例えば変
位を微分して得る)、加速度(例えば変位速度を微分し
て得る)、ばね下重量2に加わる外部入力(例えばサス
ペンションの車体取付部への入力や、サスペンションダ
ンパ等のピストンロッドに作用する応力等)、あるいは
サスペンションダンパ6bの内部圧力のいずれか1つと
することができる。
【0025】上記リファレンス信号としての変位、変位
速度、加速度、外部入力としては、上下方向あるいは前
後方向のいずれでもよいが、一般には、乗員に対して不
快の度合が大きい上下方向を選択するのが好ましい。た
だし、振動態様によっては、前後方向の振動を大きく不
快と感じる場合もあるので、このときは前後方向につい
てのものを検出するようにしてもよい。勿論、上下方向
および前後方向共に検出し得るようにして、走行状態
(運転状態)に応じて、上下方向を選択するか前後方向
を選択するかの使い分けを行なってもよく、この場合の
選択をマニュアル式に行なうこともできる。
【0026】乗員が強く不快に感じかつ路面からの入力
でもっとも問題となるのは、通常上下方向の振動とな
る。したがって、上下方向の振動を上下方向加速度とし
て検出するセンサをばね下重量2設けて、この上下方向
加速度をリファレンス信号とするのが好ましい。この場
合、上下方向加速度のうち、最終的に車体1に入力され
る上下方向加速度がシ−ト3を振動させることになるの
で、ばね下重量2に作用する上下方向加速度のうち、車
体1に直接入力される上下方向加速度を検出するように
センサ(S1)を配設するのが好ましい。より具体的に
は、通常、サスペンションダンパ6bのシリンダがばね
下重量2に連結され、ピストン(ピストンロッド)が車
体1に連結されるので、このピストン(例えばピストン
ロッドの上端)に対して上下方向加速度を検出するセン
サを設ければよい。特に、ピストンにセンサS1を設け
たときは、ピストンとシリンダとの間でのフリクション
に起因して生じる第2共振振動を低減する場合のリファ
レンス信号とする上で好ましいものとなる。
【0027】シ−ト3の振動つまりエラ−信号を検出す
るセンサS2は、シ−ト3のうち特に車体1からの振動
を受け易いシ−トクッション3aに内蔵することができ
る。この場合、センサS2は、リファレンス信号につい
ての前述した説明から明らかなように、上下方向加速度
を検出するものが好ましい。また、図1破線で示すよう
に、センサS2をシ−トバック3bに設けることもでき
る。この場合、シ−トバック3bは通常傾斜した姿勢で
使用されるので、上下方向振動のみならず、前後方向振
動を検出する上でも好ましいものとなる。また、場合に
よっては、乗員は前後方向加速度を強く不快に感じるの
で、センサS2はもっぱら前後方向加速度を検出するよ
うにその配設位置を選択してもよく、この場合シ−トク
ッション3aに前後方向加速度検出用のセンサS2を取
付けることもできる。
【0028】リファレンス信号とエラ−信号とは、互い
に同一種類の振動検出態様とするのが好ましい。例え
ば、リファレンス信号として上下方向加速度としたとき
はエラ−信号も上下方向加速度とするのが好ましく、ま
たリファレンス信号として前後方向加速度としたときは
エラ−信号も前後方向加速度とするのが好ましい。
【0029】制御ユニットUは、図2に示すように、そ
の内部構成が大別して、デジタル式の適応フィルタ21
と、伝達関数設定ブロック22と、収束係数設定ブロッ
ク23と、フィルタ係数書換えブロック24とで構成さ
れる。制御ユニットUは、基本的には、センサS1から
のリファレンス信号に基づいて低減用振動を生成して、
センサS2で検出されるエラ−信号が小さくなるように
当該低減用振動が最適化される。この低減用振動の最適
化は、適応フィルタ21の係数を逐次書換えることによ
り行なわれ、この書換えば、伝達関数設定ブロック22
と収束係数設定ブロック23とからの信号に基づいて、
フィルタ係数書換えブロック24によって行なわれる。
【0030】伝達関数設定ブロック22は、低減用振動
を出力するアクチュエ−タ4とエラ−信号を検出するセ
ンサS2との間での伝達特性(遅延特性)を勘案した低
減用振動の最適化のためであり、収束係数設定ブロック
23は、所定のきざみ幅でエラ−信号を低減させるため
のものである。なお、制御ユニットUによる最適化の制
御そのものは、従来から知られている最適化の制御と同
じように行なわれるので、これ以上の詳細な説明は省略
する。なお、最適化のための適応アルゴリズムとして
は、一般的な最少2乗法を適用することができる。
【0031】このような最適化の制御によって、シ−ト
3の振動が低減される。このとき、リファレンス信号
は、ばね下重量2に入力される路面入力をほぼ直接的に
示すものとなるので、ノイズの影響がなく、かつ応答性
の点でも優れたものとなるので、シ−ト3の振動を十分
に低減して、乗心地を十分向上させることができる。
【0032】図3は、適応制御を、センサS2からのエ
ラ−信号を用いることなく行なうようにした場合の例を
示し、図2において符号21で示す適応フィルタが固定
フィルタ21Bに変更される(低減用振動の振幅と位相
を設定)。なお、固定フィルタ21Bの具体的な設定例
については、後に詳述する。
【0033】エンジン振動に起因するシ−ト振動低減
(図4〜図6) 図4〜図6は、エンジン振動に起因したシ−ト振動を低
減するための実施例を示すものであり、前記実施例と同
一構成要素には同一符号を付してその説明は省略する。
【0034】図4において、車体1には、シ−ト3の前
方においてエンジン31が塔載されている。エンジン3
1は、弾性部材からなるエンジンマウント部材32を介
して車体1に連結されている。また、図4において、シ
−ト3の振動低減を制御する制御ユニットが符号U1
(図2のUに対応)で示される。UEはエンジン31の
制御ユニットで、燃料噴射時期や点火時期等を制御する
ものとなっており、このため、エンジン回転数信号やエ
ンジン負荷信号等が入力される。そして、この制御ユニ
ットUEからU1に対して、リファレンス信号(実施例
ではエンジン回転数信号)が出力される。なお、本実施
例では、エラ−信号は、上下方向振動(上下方向加速
度)とされている。
【0035】制御ユニットU1は、リファレンス信号に
基づいて低減用振動を生成して、この低減用振動をアク
チュエ−タ4から出力してシ−ト3の振動を低減させ
る。この低減用振動は、センサS2からのエラ−信号に
基づいて逐次最適化される(エラ−信号が小さくなるよ
うに最適化)。この図4に示す実施例でも、応答よくか
つノイズを含むことなく低減用振動が生成されて、シ−
ト3の振動が効果的に低減される。
【0036】図5、図6に示す例は、エンジン振動に起
因するシ−ト振動低減の別の例を示すものである。本実
施例では、エンジンマウント部材32Bを、図6に示す
ような液体封入式とすると共に、その内部液圧を可変つ
まり低減用振動を出力するアクチュエ−タとしても機能
させるようにしたものである。つまり、本実施例では、
図4に示す場合に比して、さらにエンジン31の振動そ
のものをも低減するようにしたものであり、このために
別途エンジン振動低減用の制御ユニットU2が設けられ
ている。
【0037】図5に示す例において、制御ユニットU1
用のリファレンス信号およびエラ−信号は、図4の場合
と同じとされている。また、制御ユニットU2用のリフ
ァレンス信号は、図4の場合と同様にエンジン回転数と
されているが、エラ−信号は、車体1に取付けたセンサ
S3で検出される上下方向振動(上下方向加速度)とさ
れている。この図5に示す例では、制御ユニットU1に
よる最適化制御によってシ−ト3の振動が低減されると
共に、制御ユニットU2によるエンジンの振動低減制御
(エンジン振動に起因する車体振動防止の制御)をも行
なわれるため、シ−ト3の振動がより一層低減されるこ
とになる。
【0038】図5に用いられるアクチュエ−タ32Bの
一例が、図6に示される。この図6において、アクチュ
エ−タ32Bは、上ケ−ス41と下ケ−ス42と筒状の
ゴム等からなる弾性部材43とを有する。上ケ−ス41
と下ケ−ス42とは弾性部材43を介して連結され、上
ケ−ス41がエンジン31に固定される一方、下ケ−ス
42が車体1に固定される。
【0039】上ケ−ス41と弾性部材43との間には上
ベロ−ス44が挟持され、下ケ−ス42と弾性部材43
との間には仕切板45が挟持されている。これにより、
弾性部材43とベロ−ス44と仕切板45との間には、
主液室46が画成される。また、下ケ−ス42と仕切板
45との間には下ベロ−ス47が介在され、これにより
仕切板45と下ベロ−ス47との間には副液室48が画
成され、また下ベロ−ス47と下ケ−ス42との間には
ガス室49が画成されている。そして、仕切板45に
は、2つの液室46と48とを連通するオリフィス50
が形成されている。
【0040】上ベロ−ス44の上面には、可動鉄心51
が固定され、この可動鉄心を取り巻くようにコイル52
が配設されている。これにより、コイル52に対して制
御ユニットU2から低減用振動に応じた制御信号を出力
することにより、上ベロ−ス44が振動される。上ベロ
−ス44の振動に起因して、主液式46の容積変化が行
なわれて、エンジン振動が車体へ伝達されるのが抑制さ
れる。そして、上ベロ−ス44の振動に起因して2つの
液室46と48との間で油液が生き来することにより、
オリフィス50によって減衰力が発生される。なお、可
動鉄心45をピストン形式としてもよく、この場合は上
ベロ−ス44を、当該ピストンを摺動案内する剛性に優
れたガイド部材として構成すればよい。
【0041】図4、図5に示す例において、リファレン
ス信号としては、エンジン回転数信号の代りに、例え
ば、エンジン(本体)に作用する外力(例えば上下方向
加速度や前後方向加速度さらには曲げ応力等)、図6に
示す可動鉄心45を有しない(非可変式)液体封入式マ
ウントの内部液圧を用いてもよい。
【0042】路面入力に起因する振動と固定フィルタの
設定例(図7〜図14) 次に、図3に示すフィルタ21Bの具体的設定例につい
て、路面からの入力に起因して生じる振動の発生態様と
共に詳述する。先ず、図7は、路面を所定車速で走行し
たときに生じる振動の様子を示してあるが、振動のピ−
ク値を示すα1、α2が、それぞればね下重量2の共振
振動周波数を示す。このうち、α1は、共振振動のうち
もっとも低次のもので、通常12HZ前後(11〜13
HZの間が多い)としてあらわれる。また、α2は、第
1共振振動の次に高次となる第2共振振動の周波数を示
し、通常は18HZ前後(17〜20HZの間が多い)
となる。
【0043】上記第1共振振動(α1)を低減するため
に、図2に示すフィルタ21Bをどのように設定するか
の一例について、図8以下を参照しつつ説明する。先
ず、図8は、図1に対応して描かれた3自由度モデル図
で、各符号の意味するところは次の通りである。 m1 :ばね下質量 m2 :車体質量 m3 :シ−ト質量、乗員質量 KA :サスペンションばね係数 CA :サスペンション減衰係数 KB :シ−ト支持ばね係数 CB :シ−ト支持減衰係数 KT :タイヤばね係数 CD :スカイフックダンパ100の減衰係数 UB :アクチュエ−タ4によるシ−ト制御力
【0044】この場合、図8破線で示すように、スカイ
フックダンパ100を用いれば、図9実線で示すよう
に、第1共振振動(α1)を低減することが可能である
ことはよく知られているが、スカイフックダンパは実現
不可能である。また、ばね下重量2にダイナミックダン
パを設けることにより、第1共振振動を低減する(共振
振動の周波数をより高周波域にずらす)ことも理論的に
は可能ではあるが、ダイナミックダンパは相当の重量物
となり、実施化は困難である。本発明では、スカイフッ
クダンパ100やダイナミックダンパを用いる代りに、
図1に示すアクチュエ−タ4を制御することにより、同
様の機能を得ようとするものである(図8に示す加振力
UB を制御)。
【0045】以上のことを前提として、図8破線で示し
たスカイフックダンパ100を設定した場合の、路面か
らシ−ト3までの伝達関数を、次式(1)として(ただし
UB=0)、シ−ト制御(UB の制御)によって同等の
伝達特性が得られるように制御仕様を決定する。
【0046】
【数1】
【0047】ここで、シ−ト制御によって、ばね下振動
の影響を除去し、不動点領域(α1付近の領域)低減の
可能性を検討する。図10は、路面入力を一定速度とし
た場合のばね下の加速度である。この振動特性から、ば
ね下加速度はばね上振動の影響が小さく、シ−ト制御の
入力信号として適していると考えられる。そこで、シ−
ト制御力UB をフィルタ(HT )とばね下振動(X1 )
の積で表現すると、(2)式のようになる。
【0048】
【数2】
【0049】また、シ−ト制御を含む図8のモデルは次
式(3)〜(5)で示される。
【0050】
【数3】
【0051】
【数4】
【0052】
【数5】
【0053】路面速度を入力とし、シ−ト加速度を出力
とする伝達関数YF (S)は次式(6)となる
【0054】
【数6】
【0055】(1)式および(6)式から、YS (S)=Y
F (S)とするHT (S)は次式(7)となる。
【0056】
【数7】
【0057】(7)式に示すフィルタ特性を実現すれば、
ばね下スカイフックダンパ仮想モデルと同等の特性が保
証されるが、演算時間等を考慮すると、フィルタは低次
で設計する方が望ましいため、(8)式で示すFIR型の
フィルタで近似する。
【0058】
【数8】
【0059】G、Lを次式(9)、(10) で示す式で定義
し、フィルタ係数を(11) 式とする。
【0060】
【数9】
【0061】
【数10】
【0062】
【数11】
【0063】フィルタ係数hは次式(12) から求められ
る。
【0064】
【数12】
【0065】ただし、Re、Imはそれぞれ実数部、虚
数部を示し、G# は式(13) で示される疑逆行列であ
る。
【0066】
【数13】
【0067】フィルタの演算に用いた周波数領域は5H
Z〜25HZ、デ−タ数は40個、フィルタ次数は2と
した。図11、図12は、基準となる目標伝達関数HT
(S)と近似したフィルタ特性HF(S)との比較であ
る。この図11、図12から明らかなように、不動点
(α1点)を含む12HZ付近でのゲインと位相が確保
されている。
【0068】さらに、ここで求めたフィルタに2次のロ
−パスフィルタを直列に付加することにより、ばね下加
速度をリファレンス信号として採用できるように変形す
る。図13、図14は、このフィルタを用いてシ−ト制
御を行なった場合の振動伝達特性である。ばね下振動
は、仮想のスカイフックダンパ100を設定した場合と
ほぼ同様に制御されており、不動点(α1)付近での振
動低減が可能であることを示している。
【0069】補足説明 ここで、参考のため、図2等に示すエラ−信号を利用し
た適応制御の制御手順を図15のフロ−チャ−トに示
し、エラ−信号を利用しない図3における適応制御の制
御手順を図16のフロ−チャ−トに示してある。図1
5、図16において、Pはステップを示すものであり、
P5あるいはP12で演算される制御信号が、低減用振
動に対応したものである。
【0070】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず例えば次のような場合をも含むものであ
る。 (1)シ−トが複数ある場合、各シ−トに対してアクチュ
エ−タ4を設けてシ−トの振動低減制御を行なうように
してもよい。この場合、アクチュエ−タ4の制御は、同
一の制御ユニット(同一の低減用振動)で行なってもよ
く、また個々独立した制御としてもよい。個々独立した
制御とする場合、各制御で用いるリファレンス信号は、
シ−トにもっとも近いばね下重量(車輪)のものを利用
するのが好ましい。 (2)図7のα2で示す第2共振振動を低減するように低
減用振動を設定してもよく、あるあいは第1と第2の両
方の共振振動を低減し得るように低減用振動を設定する
ようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、各部材をモデ
ル化して示す全体制御系統図。
【図2】振動低減制御の制御系を示す図。
【図3】振動低減制御の制御系の別の例を示す図。
【図4】本発明の他の実施例を示すもので、全体制御系
統図。
【図5】図4の変形例を示す図。
【図6】図5に用いられたエンジンマウント部材の詳細
を示す断面図。
【図7】路面を一定速度で走行したときの振動の様子を
示すもので、ばね下重量の共振振動を示すもの。
【図8】スカイフックダンパとの関係で、本発明による
シ−トの振動低減制御を説明するためのモデル図。
【図9】スカイフックダンパにより振動が低減される様
子を示す図。
【図10】路面入力を一定とした場合のばね下の加速度
を示す図。
【図11】シ−トの振動低減制御により得られるゲイン
を示す図。
【図12】シ−トの振動低減制御により得られる位相を
示す図。
【図13】シ−トの振動低減制御により改善された振動
特性を示す図。
【図14】シ−トの振動低減制御により改善された過渡
特性を示す図。
【図15】フィルタ係数を変更する適応制御の制御手順
を示すフロ−チャ−ト。
【図16】フィルタ係数を変更しない適応制御の制御手
順を示すフロ−チャ−ト。
【符号の説明】
1:車体 2:ばね下重量 3:シ−ト 4:アクチュエ−タ 6:サスペンション装置 U:制御ユニット(振動低減用) S1:センサ(リファレンス信号用) S2:センサ(エラ−信号用) 31:エンジン UE:制御ユンット(エンジン制御用) U1:制御ユンット(振動低減用) U2:制御ユニット(振動低減用) 32B:可変型の液体封入式エンジンマウント部材 UB :低減用振動の加振力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B60N 2/50 F16F 15/02 A 9138−3J G01H 17/00 Z G10K 11/16 11/178

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シ−トに対して振動を付与するためのアク
    チュエ−タと、 加振源としてのばね下重量の振動をリファレンス信号と
    して検出する加振振動検出手段と、 前記加振振動検出手段により得られるリファレンス信号
    に基づいて前記シ−トの振動を低減するための低減用振
    動を生成して、該低減用振動を前記アクチュエ−タから
    出力させる振動制御手段と、 を備えていることを特徴とする車両のシ−ト制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記リファレンス信号が、ばね下重量の変位、変位速
    度、加速度、外部入力、 サスペンションダンパの圧力のいずれか1つとされてい
    るもの。
  3. 【請求項3】請求項1において、 シ−トの振動をエラ−信号として検出するシ−ト振動検
    出手段をさらに備え、 前記振動制御手段が、前記シ−ト振動検出手段で得られ
    るエラ−信号が小さくなるように前記低減用振動を最適
    化するもの。
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記エラ−信号が、シ−トの上下方向加速度または前後
    方向加速度であるもの。
  5. 【請求項5】請求項1において、 前記低減用振動が、ばね下重量の共振振動のうちもっと
    も低次の共振振動となる第1共振振動を低減するように
    設定されるもの。
  6. 【請求項6】請求項1において、 前記低減用振動が、ばね下重量の共振振動のうちもっと
    も低次の共振振動となる第1共振振動の次に高次となる
    第2共振振動を低減するように設定されるもの。
  7. 【請求項7】請求項1において、 ばね下重量と車体とが、ばね下重量に連結されたシリン
    ダと車体に連結されたピストンとを備えたシリンダ装置
    を介して連結され、 前記リファレンス信号が、前記シリンダ装置のピストン
    に作用する上下方向加速度とされているもの。
  8. 【請求項8】シ−トに対して振動を付与するためのアク
    チュエ−タと、 加振源としてのエンジンの振動をリファレンス信号とし
    て検出する加振振動検出手段と、 前記加振振動検出手段により得られるリファレンス信号
    に基づいて前記シ−トの振動を低減するための低減用振
    動を生成して、該低減用振動を前記アクチュエ−タから
    出力させる振動制御手段と、を備えていることを特徴と
    する車両のシ−ト制御装置。
  9. 【請求項9】請求項8において、 前記リファレンス信号が、エンジン回転数、エンジンに
    作用する加速度、エンジンと車体とを連結するエンジン
    マウント部への入力、エンジンと車体とを連結する液体
    封入式とされたエンジンマウント部の液圧のいずれか1
    つとされているもの。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101346165B1 (ko) * 2007-09-20 2013-12-31 볼보 컨스트럭션 이큅먼트 에이비 운전석 서스펜션장치
CN110124973A (zh) * 2019-05-23 2019-08-16 哈尔滨理工大学 一种空心超声换能器的频率优化方法
CN112659995A (zh) * 2019-10-15 2021-04-16 丰田自动车株式会社 车辆的减振控制装置

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JP2021062755A (ja) * 2019-10-15 2021-04-22 トヨタ自動車株式会社 車両の制振制御装置

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