JPH07186674A - サスペンション特性制御装置 - Google Patents

サスペンション特性制御装置

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JPH07186674A
JPH07186674A JP33326593A JP33326593A JPH07186674A JP H07186674 A JPH07186674 A JP H07186674A JP 33326593 A JP33326593 A JP 33326593A JP 33326593 A JP33326593 A JP 33326593A JP H07186674 A JPH07186674 A JP H07186674A
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JP
Japan
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roll
suspension
vehicle
distribution
stroke
Prior art date
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Application number
JP33326593A
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English (en)
Inventor
Takayuki Tomohara
孝之 友原
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は車両のサスペンション特性制御装置
に関し、前後のロールモーメント配分に対応したロール
剛性配分を実現して車両に生じるねじれを抑制すること
を目的とする。 【構成】 車速V、操舵角θ、サスペンションストロー
クSを検出する(ステップ100)。これらの値より所
定レベルを越えるロールの発生が判別された場合は(ス
テップ102)、前後サスペンションそれぞれのロール
剛性と、ストロークSの関数である前後サスペンション
それぞれのロールモーメントとを演算する(ステップ1
04)。前輪のロールモーメント比とロール剛性比との
比Aが1以上かを判別し(ステップ106)、A≧1の
場合は前輪ハード・後輪ソフトの設定とし、A<1の場
合はその逆の設定とする(ステップ108,110)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サスペンション特性制
御装置に係り、特に前後輪ロールモーメント配分に対応
した前後輪ロール剛性配分を実現して車両に生じるねじ
れを抑制するサスペンション特性制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の挙動に応じてサスペン
ションの特性を変更して、快適な乗り心地と優れた操安
性とを両立させる装置が公知である。また、特開平3−
208713号公報には、上記装置の応用例として旋回
時における操舵特性を改善すべく、前後輪のサスペンシ
ョン機構を別個に制御する装置が開示されている。
【0003】この装置は、前後輪のサスペンションが異
なる特性を示す場合、前後輪接地性に差異が生じて車両
特性が変化することに着目し、旋回時において積極的に
アンダーステア特性、又はオーバーステア特性を作りだ
すことにより、優れた旋回性を実現する装置である。従
って、上記公報記載の装置によれば、例えば車両の旋回
初期においてはオーバステア特性を示し、優れた旋回性
を発揮し、また旋回中は弱アンダーステア特性を示し安
定した旋回性を発揮する等の特性を実現することがで
き、前後輪のサスペンション特性を一括制御する場合に
比べて、更に多様な車両特性の実現が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置は、旋回時に車両に生ずるロールモーメントの前後配
分については何ら考慮しないものである。従って、前輪
側、又は後輪側サスペンションの剛性を一方的に高めた
場合に、実際のロールモーメント配分と、前後輪サスペ
ンションにより形成されたロール剛性配分とが不当にか
け離れる場合が生ずる。
【0005】この場合、車体にはロールモーメント配分
とロール剛性配分との不適応に起因するねじれが発生
し、特に旋回速度が早く、発生したロールモーメントが
大きい場合等においては、車体に対して不当なねじれス
トレスを与えて車両の旋回フィイーリングを悪化させる
という問題を有していた。本発明は、上述の点に鑑みて
なされたものであり、前後輪のサスペンション機構の特
性を、現実に発生したロールモーメントの前後輪配分に
応じて制御して走行状態に応じたロール剛性配分を実現
することにより上記の課題を解決するサスペンション特
性制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明に係るサ
スペンション特性制御装置の原理構成図を示す。すなわ
ち、上記の目的は、図1に示すように、前後輪に配設し
たサスペンション機構M1の特性をそれぞれ変更可能な
サスペンション特性制御装置において、 車両に生ずる
ロールモーメントの前後輪配分を推定するロールモーメ
ント配分推定手段M2と、該ロールモーメント配分推定
手段M2の推定結果に対応した前後輪ロール剛性配分を
実現すべく前記サスペンション機構M1の特性を制御す
るサスペンション特性制御手段M3とを備えるサスペン
ション特性制御装置により達成される。
【0007】
【作用】本発明に係るサスペンション特性制御装置にお
いて、前記ロールモーメント配分推定手段M2は、旋回
時において車両に生じるロールモーメントが、如何なる
配分で前後輪に分配されているかを推定する。前記サス
ペンション特性制御手段M3は、該ロールモーメント配
分推定手段M2によって推定されたロールモーメント配
分に従って前記サスペンション機構M1の特性を制御す
る。
【0008】従って、旋回時において前後輪に対して異
なるロールモーメントが加わっても、前後輪それぞれに
配設された前記サスペンション機構M1により、車体は
前後均等に支持される。
【0009】
【実施例】図2(A),(B)は、本発明の一実施例で
あるサスペンション特性制御装置の全体構成図を示す。
同図においてアクチュエータ10は、車両12の各輪に
設けられたサスペンション機構の特性を変更する機構で
ある。本実施例においては、このアクチュエータ10に
より、各輪のショックアブソーバ14の減衰力を変更す
る構成としている。
【0010】ショックアブソーバ14のロッド16に
は、そのストロークを検出するストロークセンサ18が
連結されている。これにより車両走行中におけるショッ
クアブソーバ14の伸縮量、すなわちサスペンション機
構の変位量が検出される。ストロークセンサ18の検出
信号は、同じく車両12に搭載される電子制御装置(E
CU)20に供給される。ECU20は、ストロークセ
ンサ18から供給された信号に基づいて後述の如く車両
のロールモーメント配分を推定し、更にその推定結果に
応じてアクチュエータ10を制御する本実施例の要部で
あり、前記したロールモーメント配分推定手段M2、サ
スペンション特性制御手段M3の主要部を構成する。
【0011】また、ECU20は、アクチュエータ10
の制御を行うにあたり、車両の運転状態を考慮して行
う。このため、ECU20には、ストロークセンサ18
の他、スピードセンサ22、ステアリングセンサ24、
コントロールスイッチ26、及びストップランプスイッ
チ28等が接続されている。スピードセンサ22は、車
両の車速を検出すべく配設されたセンサであり、図示し
ないドライブシャフト等の回転を検出し、その回転速度
に応じた周期のパルス信号を発生する。ECU20は、
そのパルス信号を周期に基づいて車速を検出する。
【0012】ステアリングセンサ24は、ステアリング
操舵角を検出すべく配設されたセンサであり、ステアリ
ング操舵時にπ/4だけ位相の異なる2種類のパルス信
号を発生する。ECU20は、これらのパルス信号を2
ビット信号として受信し、2ビット信号が増加する方向
に変化するか、あるいは減少する方向に変化するかによ
りステアリングの回転方向を判断し、かつ信号の状態が
変化した回数をカウントして操舵角を検出する。
【0013】コントロールスイッチ26は、運転者の意
思を伝達するために設けたスイッチであり、例えばこの
スイッチによりハード設定が選択された場合、ECU2
0はその要求に応じたアクチュエータ10制御を実行す
る。ストップランプスイッチ28は、ブレーキペダル
(図示せず)に連動して切り替わるスイッチであり、ブ
レーキペダルが踏み込まれた際に、その状態をECU2
0に伝達する。
【0014】本実施例のサスペンション特性制御装置
は、上記したようにECU20がロールモーメント配分
を推定し、その推定結果に応じてアクチュエータ10を
制御する点に特徴を有し、後述の処理を行うことにより
その機能を達成するものであるが、その処理内容を説明
するに先立って、以下図3を参照してロールモーメント
の概念について説明する。
【0015】図3は、車両重心の位置と、ある瞬間にお
けるサスペンションの瞬間中心及びロールセンタの位置
とを表している。同図に示すように、車輪30がサスペ
ンション機構を構成する複数のリンク部材32,34に
よって支持される場合、ある瞬間における車輪30の動
きは、リンク部材32の延長線とリンク部材34の延長
線とが交わる点として定まる瞬間中心を中心とする回転
運動として把握することができる。
【0016】この場合、車輪30の接地点30aも、こ
の瞬間中心を中心とする回転軌跡に沿った変位を示すと
把握できる。一方、車体のロールは、車両重心が存在す
る車両センタ鉛直線上のある点を中心として車体が傾く
挙動である。従って、ある瞬間におけるロールセンタ
は、図3に示すように瞬間中心と車輪30の接地点とを
結ぶ直線と、車両センタ鉛直線とを交点として定義する
ことができる。
【0017】この際、車両に生ずるロールモーメントM
は、旋回時に車輪30に作用する輪重W、車両重心の高
さ(以下重心高と称す)h、及びロールセンタの高さH
を用いて以下のように表すことができる。 M=(h−H)×W ・・・(1) ところで、車両を前後輪の重量配分別に2分割すると共
に、前後輪それぞれについて重心高hF ,hR 、及びロ
ールセンタ高さHF ,HR を定めれば、前後輪それぞれ
についてのロールモーメントMF ,MR を定義すること
ができ、両者の関係からロールモーメントの前後配分比
(以下、単にロールモーメント比と称す)を求めること
ができる。
【0018】一方、ショックアブソーバの減衰力特性を
除いたサスペンションの静的なロール剛性Kは、サスペ
ンション機構を構成するスプリング(板バネ、及び空気
バネ等を含む)のバネ定数kSP、スタビライザのバネ定
数kST、車両のトレッドtrにより以下のように表すこ
とができる。 K= (1/2)・(kSP・rSP 2 +kST・rst 2 ) ・tr・π/180 ・・・(2) 尚、rSPはスプリングアーム比(スプリングのストロー
ク量/車輪のストローク量)、rstはスタビライザアー
ム比(スタビライザの車輪側取付け部材(ロアアーム
等)への取付け点のストローク量/車輪のストローク
量)でありそれぞれサスペンション機構の構成により一
義的に決まる値である。
【0019】従って、前後輪のサスペンション機構の諸
元毎にその静的なロール剛性を求めれば、静的ロール剛
性についての前後配分比(以下、単に静的ロール剛性比
と称す)を求めることができ、上記したロールモーメン
ト比と同比率の静的ロール剛性比を実現することができ
れば、旋回時において車両にねじれが生じることがな
く、安定した車両姿勢を維持することができる。
【0020】ところが、上述の如く車両のロールセンタ
は、ある瞬間における瞬間中心と車両センタとの関係で
決まる位置であり、サスペンション機構の伸縮に伴って
瞬間中心の位置がずれれば、それによりロールセンタ高
さHも変化し、その結果これを変数とするロールモーメ
ントMも変動することとなる。この場合、前後のサスペ
ンション機構の構成が全く同一であれば、前後輪のサス
ペンションが均一にストロークする限りにおいては、両
者に作用するロールモーメントMF ,MR が同様に変動
し、ロールモーメント比が変動することはないが、一般
にサスペンション機構の構成は搭載スペース、要求特性
等に規制され、前後で異なるものとなる。
【0021】従って、車両旋回時において前後輪が共に
ストロークすると、そのストローク長に従ってロールモ
ーメント比が変動することになり、サスペンション機構
を構成するにあたり予め設定した静的ロール剛性比と整
合しない事態を生ずる。本実施例のサスペンション特性
制御装置は、ショックアブソーバの減衰力を変更し、前
後輪の動的なロール剛性を変化させることにより上記不
整合を相殺しようとするものである。
【0022】図4は、ECU20が上記機能を実現すべ
く実行する減衰力切替えルーチンのフローチャートを示
す。尚、旋回時における前後輪サスペンション機構のス
トロークは、相互に連関しており、一方のストロークが
検出できれば他方のストロークは推定可能であることか
ら、本実施例においては前輪側サスペンション機構のス
トロークのみを検出し、その検出結果に基づいて後輪側
サスペンション機構のストロークを推定することとして
いる。
【0023】同図に示すルーチンが起動すると、先ずス
テップ100において車速V、ステアリング操舵角θ、
前輪側サスペンション機構のストロークSを、それぞれ
スピードセンサ22、ステアリングセンサ24、及びス
トロークセンサ18の出力に基づいて演算する。車両の
運転状態を推定するためである。ステップ102では、
検出したV、θに基づいて車両に所定レベルを越えるロ
ールが発生しているかを判別する。本ルーチンは、前後
のサスペンションが比較的大きくストロークすることに
より生ずるロールモーメント比の変動に対処するための
処理であり、比較的大きなロールが発生した場合にのみ
行えば足りるからである。
【0024】このため、ステップ102において所定レ
ベルを越えるロールは発生していないと判別された場合
には、以後上記ステップ100に戻り、ロールが検出さ
れるまで繰り返し上記の処理を実行する。一方、ステッ
プ102において所定レベルを越えるロールが検出され
た場合は、ステップ104へ進んで、上記(1)式、及
び(2)式に基づいて、前後輪それぞれについてのロー
ル剛性KF ,KR 、ロールモーメントMF ,MR を演算
する。
【0025】尚、ロール剛性KF ,KR は、上記(2)
式から明らかなようにサスペンション機構に対する定数
として扱うことができるため、予め演算してECU20
内のメモリに格納しておいてもよい。また、上記(1)
式中、ロールセンタ高さHは、サスペンションの瞬間中
心位置の関数、すなわちサスペンションのストロークの
関数である。このため、本実施例においては、予め前後
輪サスペンションそれぞれにつきストロークSに対する
ロールセンタ高さHの関係をマップとして設定し、それ
らのマップを上記ステップ100で検出したSにより検
索してロールセンタ高さHを求めることとしている。
【0026】この際、後輪側サスペンションのストロー
クSR は、上記したように前輪側サスペンションのスト
ロークSから推定することとしているため、後輪側のロ
ールセンタ高さHR については、先ずSからSR を推定
し、その結果得られたSR によりロールセンタ高さを検
索することになる。このようにして、前後輪それぞれに
ついての静的ロール剛性KF ,KR 、及びロールモーメ
ントMF ,MR を演算したら、ステップ106へ進んで
前輪についてのロールモーメント比α、及び静的ロール
剛性比βの演算を行い、更にそれらの比α/β=Aが1
以上であるかの判別を行う。
【0027】すなわち、図5は、旋回時においてサスペ
ンション機構がバウンド方向に縮むほど前輪のロールモ
ーメント比αが小さく、またリバウンド方向に伸びるほ
どそのαが大きくなる特性のサスペンションについて、
α、βとサスペンションストロークSとの関係を示した
ものであるが、同図においてA(=α/β)≧1となる
のは、前輪のロールモーメント比αが前輪のロール剛性
比βに対して過剰な場合、つまり予め設定された静的な
剛性に対して過剰な配分でロールモーメントが前輪側に
印加されている領域である。
【0028】一方、図5においてA<1となるのは、前
輪側の有するロール剛性に対して、前輪側に配分された
ロールモーメントが過少な場合、すなわち後輪側のサス
ペンションに対して過剰な配分でロールモーメントが印
加されている場合である。このため、本実施例において
は、上記ステップ106においてA≧1が成立すると判
別された場合にはステップ108へ進んで前輪側ショッ
クアブソーバ16の減衰力をハード、後輪側ショックア
ブソーバ16の減衰力をソフトにそれぞれ切り換える処
理を行って本ルーチンを終了する。
【0029】この場合、前輪側では、静的なロール剛性
は不足しているものの、ショックアブソーバの減衰力が
ハードに設定されるため、サスペンション機構としての
動的なロール剛性が向上し、一方、後輪側ではショック
アブソーバ16が動的なロール剛性を向上させるのにあ
まり寄与しないことから、前輪側サスペンション機構の
ロール剛性が相対的に向上することになり、車両に発生
したロールモーメント比と良好に整合することになる。
【0030】これに対して上記ステップ106において
A<1と判別された場合は、ステップ110へ進んで前
輪側ショックアブソーバ16の減衰力をソフトとし、後
輪側ショックアブソーバ16の減衰力をハードとする処
理を行って今回の処理を終了する。この場合、上記と同
様の理由により相対的に後輪のロール剛性が向上し、や
はり発生したロールモーメント比と良好に整合するロー
ル剛性配分が実現されることになる。
【0031】このように、本実施例のサスペンション特
性制御装置によれば、前後輪のサスペンション特性の差
に起因して、旋回時におけるロールモーメント配分が変
動する場合において、そのロールモーメント配分に良好
に適合するロール剛性配分を実現することができ、旋回
時に車両にねじれストレスを与えることがなく、安定し
た旋回姿勢の確保に有効である。
【0032】尚、上記実施例は、ショックアブソーバ1
6をハード、ソフトの2段階切り換えが可能なものと
し、またロールモーメントの配分変動に対して上記ステ
ップ108、及び110の2つの状態の切替えを行うも
のに限定しているが、これに限るものではなく、ショッ
クアブソーバ16を減衰力の多段切替えが可能なものと
し、検出したロールモーメント比αに対して、よりきめ
の細かい組み合わせを設定して前後サスペンションのロ
ール剛性配分を決定する構成としてもよい。
【0033】また、サスペンションの特性を変更する手
段としては、ショックアブソーバの減衰力を変更する手
法の他、例えば空気バネ等バネ定数可変のスプリングを
用いる場合は、そのバネ定数事態を変更する手法が公知
であるが、かかる構成のサスペンション機構を用いる場
合には、ロールモーメントの配分変動に対して前後サス
ペンションのバネ定数を変更する構成としてもよい。こ
の場合、上記(2)式中kSPが変化することになり、静
的なロール剛性KF ,KR をロールモーメント配分に応
じて設定することが可能となる。
【0034】ところで、上記実施例は、旋回時に生じる
ロールモーメントの前後配分を、前後のサスペンション
に作用するロールモーメントMF ,MR の比によって求
め、その結果に適合させて前後のサスペンション機構の
特性を制御する構成である。しかし、上記(1)式に示
したように、ロールモーメントMF ,MR は、それぞれ
ロールセンタ高さHF ,HR の関数であり、またこれら
ロールセンタ高さH F ,HR は、上記したように共に前
輪側サスペンションのストロークSの関数として把握で
きる。
【0035】図6は、これらHF ,HR とSとの関係の
一例として、前輪がストラット式サスペンション(図6
中、実線)、後輪がダブルウィッシュボーン式サスペン
ション(図6中、一点鎖線)の車両における特性を示し
たものである。すなわち、その特性上ロールセンタ高さ
が変化しにくいダブルウィッシュボーン式サスペンショ
ンを備える後輪側は、ストロークSの変化に対してロー
ルセンタ高さHR の変化が少なく、一方、ストラット式
サスペンションを備える前輪側は、Sの変化に対してH
F が大きく変化する様子を示している。
【0036】この場合、前後輪に加わる輪重W、及び重
心高hを、前輪側、及び後輪側で測定される輪重WF
R 、又は重心高hF ,hR の平均値として扱うことと
すれば、それぞれのロールモーメントMF ,MR は以下
のように表すことができる。 MF =(h−HF )・W ・・・(3) MR =(h−HR )・W ・・・(4) すなわち、この場合前後のロールモーメントMF ,MR
は、HF とHF のみで把握することができ、これらの値
を検討することで実質的にロールモーメントの前後配分
が推定できることになる。更に、予め図6に示す如くマ
ップを設定し、SとHF 及びHF との関係を定めておけ
ば、Sを直接ロールモーメントの前後配分比の代用特性
値として扱うことができる。
【0037】この場合、例えば車両特性が図6の如く表
せるとすれば、S<S0 の領域においては、後輪側に比
べて前輪側の静的ロール剛性が低く、従って減衰力制御
等により前輪側のロール剛性を相対的に高める必要があ
ると判断できる。また、S0<Sの領域であれば、相対
的に後輪側の静的ロール剛性が低く、従って後輪側のロ
ール剛性を高める処理が必要であると判断することがで
きる。
【0038】図7は、かかる点に着目してECU20が
実行する減衰力切替えルーチンの他の例のフローチャー
トを示す。尚、同図に示すルーチンは、ステップ200
を除き上記図4に示すルーチンと同様である。このた
め、それらのステップについては上記図4と同一の符号
を付してその説明を簡略化する。すなわち、図4に示す
ルーチンにおいては、車速V、操舵角θ、ストロークS
の検出後(ステップ100)、所定レベルを越えるロー
ルが発生したと判断された場合(ステップ102)は、
以後ステップ200に進んでストロークSがS0以上か
を判別する。
【0039】そして、S≦S0 の場合には、前輪側の動
的ロール剛性を高める処理を行い(ステップ108)、
またS0 <Sの場合は後輪側の動的ロール剛性を高める
処理を行い(ステップ110)、今回の処理を終了す
る。この場合、ECU20は、前後のサスペンション機
構の特性により決定するロール剛性配分を演算する必要
がなく、また、実際にロールモーメント配分を演算する
必要がないことから、上記図4に示すルーチンに比べて
処理の簡単化を図ることができる。
【0040】尚、上記図7においては、S<S0 の場合
には前輪側のロール剛性を、S0 <Sの場合には後輪側
のロール剛性をそれぞれ向上する構成としているが、こ
の処理は、あくまでも図6に示す如くS<S0 の領域で
F <HR が成立する特性に対応させたものであり、前
後のサスペンション機構により逆の特性が現れる場合に
は、上記ステップ108と110の処理を入れ換えて実
行することになる。
【0041】また、上記図4に示す実施例の場合と同様
に、本実施例についても、ショックアブソーバを多段切
替え式としてより細かくサスペンション特性を制御する
ことが可能であり、更に、サスペンション特性の変更手
法として空気バネのバネ定数を変更する手法等を適用す
ることも可能である。
【0042】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、前後輪に
配設したサスペンション機構それぞれの特性を、車両に
発生したロールモーメントの前後配分に対応して設定す
ることができ、ロールモーメントの前後輪配分が変動し
ても、常に車体を前後均等な状態で支持することができ
る。
【0043】従って、本発明に係るサスペンション特性
制御装置によれば、旋回時における車体のねじれ、及び
旋回時に生じるピッチ角を抑制することができ、車体に
加わるストレスの低減が図れると共に、旋回時における
車体姿勢の安定化を図ることができ、従来の装置に比べ
て優れた旋回フィーリングを得ることができるという特
長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサスペンション特性制御装置の原
理構成図である。
【図2】本発明の一実施例であるサスペンション特性制
御装置の全体構成図である。
【図3】ロールモーメントの概念を説明するための図で
ある。
【図4】本実施例のECUが実行する減衰力切替えルー
チンの一例である。
【図5】減衰力切替えルーチンの処理内容を説明するた
めの図である。
【図6】前後輪ロールセンタ高さとサスペンションスト
ロークとの関係の一例を表す図である。
【図7】本実施例のECUが実行する減衰力切替えルー
チンの他の例である。
【符号の説明】
M1 サスペンション機構 M2 ロールモーメント配分推定手段 M3 サスペンション特性制御手段 10 アクチュエータ 12 車両 14 ショックアブソーバ 18 ストロークセンサ 20 電子制御装置(ECU) 22 スピードセンサ 24 ステアリングセンサ 30 車輪 30a 接地点 32,34 リンク部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後輪に配設したサスペンション機構の
    特性をそれぞれ変更可能なサスペンション特性制御装置
    において、 車両に生ずるロールモーメントの前後配分を推定するロ
    ールモーメント配分推定手段と、 該ロールモーメント配分推定手段の推定結果に対応した
    前後輪ロール剛性配分を実現すべく前記サスペンション
    機構の特性を制御するサスペンション特性制御手段とを
    備えることを特徴とするサスペンション特性制御装置。
JP33326593A 1993-12-27 1993-12-27 サスペンション特性制御装置 Pending JPH07186674A (ja)

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JP33326593A JPH07186674A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 サスペンション特性制御装置

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