JPH07179587A - ポリエステル樹脂及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂及びその製造方法

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JPH07179587A
JPH07179587A JP34660693A JP34660693A JPH07179587A JP H07179587 A JPH07179587 A JP H07179587A JP 34660693 A JP34660693 A JP 34660693A JP 34660693 A JP34660693 A JP 34660693A JP H07179587 A JPH07179587 A JP H07179587A
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hydrocarbon group
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formula
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JP34660693A
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English (en)
Inventor
Shinichi Sakashita
伸一 坂下
Tomoki Hiiro
知樹 日色
Katsuhiko Kimura
勝彦 木村
Haruo Tomita
春生 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I)で示されるポリエステル。 【化1】 〔式中、R1 は炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素
基及び4〜20の2価の脂環式炭化水素基を示し、R2
は2価の芳香族炭化水素基及びR3 −X−R4 基(但
し、R3 及びR4 は2価の芳香族炭化水素基であり、X
は酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、
炭化水素基、エステル基又は直接結合を示す。)を示す
(但し、芳香族環の水素原子はハロゲン原子、炭化水素
基、アルコキシ基又はフェノキシ基等で置換されてもよ
い。)。nは10〜1000の整数を示す。〕 【効果】 成形性と耐熱性とをバランス良く備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル樹脂及びそ
の製造方法に関する。更に詳しくは、優れた物理的及び
機械的特性並びに成形性を有するポリエステル樹脂及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】全芳香族ポリエステルの主要な工業的製
造方法は、3つに分けることができる。第一の方法は、
アシルジクロリドを用いる界面重縮合法である。この方
法は、低温で行われるが、ジクロリドの合成及び精製の
ために複雑な操作が必要であり、その上、重合体の合成
に多量の溶媒を必要とする。更に、得られた重合体の溶
液からポリエステルの回収のために複雑な操作が必要と
なる。これらは例えば特公昭40−1959に記載され
ている。
【0003】第二、第三の方法は、それぞれジアリール
カルボキシレート、ジフェノールジアセテートを用いる
溶融重縮合法である。これらは例えば特公昭38−15
247、同43−28119及び米国特許第3,31
7,464号に記載されている。両方法共に揮発性縮合
生成物(フェノール又は酢酸)を除去することにより反
応が進行し重合体が得られる。これらの方法は原料の合
成や揮発性縮合生成物の回収にコストがかかるという問
題がある。
【0004】これに対し、特開平5−262864で
は、エステル交換触媒の存在下において芳香族ジアルキ
ルジカルボキシレートと、ポリカーボネート及び/又は
芳香族ジアルキルジカーボネートと反応させる全芳香族
ポリエステルの製造法について記載している。この方法
では、入手容易な原料から複雑な操作を行うことなく容
易に全芳香族ポリエステルが得られる。
【0005】このような全芳香族ポリエステルが多くの
優れた性質をもつことは公知である。即ち、引張強度、
曲げ強度、衝撃強度などの機械的性質、熱変形温度、熱
分解温度のごとき熱的性質、寸法安定性、難燃性などに
優れた性質を保持し、このため射出成形、プレス成形、
又はその他の各種の成形方法で作られた一般成形物、フ
ィルム、繊維及びコート材料は広い用途が期待できる。
このように全芳香族ポリエステルは優れた性質をもち、
その成形性も良好で通常の射出成形や押出成形が可能で
ある。しかし、一般にポリマー、特にプラスチックにあ
っては、成形性はポリマーの評価において極めて重要な
位置を占め、より優れた成形性、加工性を持つことが常
に望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、全芳香族ポ
リエステルの成形性及び加工性を更に改良したポリエス
テル樹脂を提供することを目的とする。本発明者らは、
上記目的を達成せんとして鋭意研究の結果、全芳香族ポ
リエステルの芳香族二酸成分のかわりに、脂肪族又は脂
環族二酸成分を用いた半芳香族ポリエステルが機械特性
及び熱的特性を比較的良く保持しつつ成形性及び加工性
が著しく改良されることを見いだし、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明は全芳香族ポリエステルの芳香
族二酸成分のかわりに、脂肪族又は脂環族二酸成分を用
いた半芳香族ポリエステル及び、その製造方法としてエ
ステル交換触媒の存在下において脂肪族又は脂環族ジア
ルキルジカルボキシレートとポリカーボネート及び/又
は芳香族ジアルキルジカーボネートと反応させる方法に
関するものである。
【0007】本発明において、半芳香族ポリエステルと
は、芳香族二酸から誘導される部分とジフェノールから
誘導される部分からなるポリエステルを全芳香族ポリエ
ステルというのに対し、脂肪族又は脂環族二酸から誘導
される部分とジフェノールから誘導される部分からなる
ポリエステルを意味する。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の第1は、
一般式(I)で示されるポリエステルを内容とする。
【0009】
【化5】
【0010】〔式(I)中、R1 は炭素数1〜20の2
価の脂肪族炭化水素基及び4〜20の2価の脂環式炭化
水素基を示し、R2 は2価の芳香族炭化水素基及びR3
−X−R4 基(但し、R3 及びR4 は2価の芳香族炭化
水素基であり、Xは酸素原子、硫黄原子、スルホニル
基、カルボニル基、炭化水素基、エステル基又は直接結
合を示す。)を示す(但し、芳香族環の水素原子はハロ
ゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基又はフェノキシ基
等で置換されてもよい。)。nは10〜1000の整数
を示す。〕
【0011】本発明の第2は、(A)一般式(II)で示
されるジアルキルジカルボキシレートと、(B)一般式
(III)で示されるポリカーボネート及び/又は一般式
(IV)で示される芳香族ジアルキルジカーボネートを、
エステル化又はエステル交換触媒存在下で反応させるこ
とを特徴とするポリエステルの製造方法を内容とする。
【0012】
【化6】
【0013】〔式(II)中、R1 は炭素数1〜20の2
価の脂肪族炭化水素基及び4〜20の2価の脂環式炭化
水素基又は直接結合を示し、R5 及びR6 はそれぞれ同
一又は異なり、炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕
【0014】
【化7】
【0015】〔式(III)中、R2 は少なくとも1種の2
価の芳香族炭化水素基及び/又はR3−X−R4 基(但
し、R3 及びR4 は2価の芳香族炭化水素基であり、X
は酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、
炭化水素基、エステル基又は直接結合を示す。)を示し
(但し、芳香族環の水素原子はハロゲン原子、炭化水素
基、アルコキシ基又はフェノキシ基等で置換されてもよ
い。)。mは500を越えない正の整数を示す。〕
【0016】
【化8】
【0017】〔式(IV)中、R2 は少なくとも1種の2
価の芳香族炭化水素基及び/又はR3−X−R4 基(但
し、R3 及びR4 は2価の芳香族炭化水素基であり、X
は酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、
炭化水素基、エステル基又は直接結合を示す。)を示し
(但し、芳香族環の水素原子はハロゲン原子、炭化水素
基、アルコキシ基又はフェノキシ基等で置換されてもよ
い。)、R5 及びR6 は炭素数1〜4のアルキル基を示
す。〕
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ポリエステルの製造にあたり、原料(A)成分として使
用されるジアルキルジカルボキシレートとしては、一般
式(II)で表される化合物を挙げることができる。
【0019】
【化9】
【0020】〔式(II)中、R1 は炭素数1〜20の2
価の脂肪族炭化水素基及び4〜20の2価の脂環式炭化
水素基又は直接結合を示し、R5 及びR6 はそれぞれ同
一又は異なり、炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕
【0021】かかるジアルキルジカルボキシレートの具
体例としては、以下に示すジカルボン酸のジメチル、ジ
エチル、ジプロピル及びジブチルエステル等が挙げられ
る。即ち、ジカルボン酸の具体例としては、例えばアジ
ピン酸、セバシン酸、スベリン酸、コハク酸、マレイン
酸、フタル酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、
1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2
−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、1,3
−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、1,4
−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、1,5
−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、1,6
−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、1,7
−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、1,8
−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、1,9
−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、1,1
0−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、2,
3−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、2,
4−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、2,
5−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、2,
6−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、2,
7−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、2,
8−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、2,
9−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、2,
10−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸、
9,10−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸
等が挙げられる。これらのジアルキルジカルボキシレー
トは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。これらの中で特に、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸ジメチル、2,6−ビシクロ
〔4,4,0〕デカンジカルボン酸ジメチルが好まし
い。
【0022】もう一つの原料(B)成分の1種であるポ
リカーボネートとしては、一般式(III)で表される化合
物を挙げることができる。
【0023】
【化10】
【0024】〔式(III)中、R2 は少なくとも1種の2
価の芳香族炭化水素基及び/又はR3−X−R4 基(但
し、R3 及びR4 は2価の芳香族炭化水素基であり、X
は酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、
炭化水素基、エステル基又は直接結合を示す。)を示し
(但し、芳香族環の水素原子はハロゲン原子、炭化水素
基、アルコキシ基又はフェノキシ基等で置換されてもよ
い。)。mは500を越えない正の整数を示す。〕
【0025】かかるR2 の具体例としては、オルト−、
メタ−、パラ−フェニレン、ジフェニレン、2,6−ナ
フタレン、2,8−ナフタレン、1,5−ナフタレン、
1,4−ナフタレン、4,4′−イソプロピリデンジフ
ェニレン、4,4′−スルホニルジフェニレン、4,
4′−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)
ジフェニレン等が挙げられる。これらは単独又は2種以
上混合してもよい。これらの中で特に、4,4′−イソ
プロピリデンジフェニレン及び4,4′−(3,3,5
−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェニレンが好ま
しい。
【0026】(B)成分の別のもう一つの原料である芳
香族ジアルキルジカーボネートは、一般式(IV)で表さ
れる化合物を挙げることができる。
【0027】
【化11】
【0028】〔式(IV)中、R2 は少なくとも1種の2
価の芳香族炭化水素基及び/又はR3−X−R4 基(但
し、R3 及びR4 は2価の芳香族炭化水素基であり、X
は酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、
炭化水素基、エステル基又は直接結合を示す。)を示し
(但し、芳香族環の水素原子はハロゲン原子、炭化水素
基、アルコキシ基又はフェノキシ基等で置換されてもよ
い。)、R5 及びR6 は炭素数1〜4のアルキル基を示
す。〕
【0029】かかるR5 、R6 の具体例としてはメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が、R2 の具体
例としては、オルト−、メタ−、パラ−フェニレン、ジ
フェニレン、2,6−ナフタレン、2,8−ナフタレ
ン、1,5−ナフタレン、1,4−ナフタレン、4,
4′−イソプロピリデンジフェニレン、4,4′−スル
ホニルジフェニレン、4,4′−(3,3,5−トリメ
チルシクロヘキシリデン)ジフェニレン等が挙げられ
る。これらは単独又は2種以上混合してもよい。これら
の中で特に、4,4′−イソプロピリデンジフェニレン
及び4,4′−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシ
リデン)ジフェニレンが好ましい。
【0030】本発明の一般式(I)で示されるポリエス
テルとしては、(A)一般式(II)で表されるジアルキ
ルジカルボキシレートと、(B)一般式(III)で表され
るポリカーボネート及び/又は一般式(IV)で表される
ジアルキルジカーボネートを反応させることにより製造
される。即ち、(A)ジアルキルジカルボキシレートと
(B)ポリカーボネート及び/又はジアルキルジカーボ
ネートを反応させることにより、ジアルキルカーボネー
トが脱離し、ポリエステルが得られる。
【0031】本発明のポリエステルの製造方法は、好ま
しくは異なる温度における2段階の反応工程で行われ。
第一段階においては、(A)成分である一般式(II)で
表されるジアルキルジカルボキシレートと、(B)成分
である一般式(III)で表されるポリカーボネート及び/
又は一般式(IV)で表されるジアルキルジカーボネート
を混合し、200〜300℃の範囲の温度に加熱する。
エステル交換で生成されるジアルキルカーボネートの一
部は留去される。第二段階においては、温度を280〜
350℃まで上げ、減圧下でジアルキルジカーボネート
の残留部分を除去して高分子量ポリエステルが得られ
る。
【0032】本発明の製造方法では、(A)成分である
一般式(II)で表されるジアルキルジカルボキシレート
が(B)成分である一般式(III)で表されるポリカーボ
ネート及び/又は一般式(IV)で表されるジアルキルジ
カーボネートの化学量論量に対して、100%まで過
剰、好ましくは10〜50%過剰で反応を行ってもよ
い。もし過剰のジアルキルジカルボキシレートが用いら
れる場合は、未反応部分は本発明の方法の最終工程の減
圧下で留去される。また、この反応は、例えばアルカリ
金属、アルカリ土類金属、チタン化合物、亜鉛化合物、
錫化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、ジルコ
ニウム化合物等の1種又は2種以上使用することにより
促進してもよい。好ましくは、これら化合物は重合開始
時に(B)成分のポリカーボネート及び/又は芳香族ジ
アルキルジカーボネートに対して0.001〜5.0重
量%、更に好ましくは0.5〜3重量%の範囲で反応混
合物へ添加してもよい。
【0033】本発明においては、適当な補助溶媒、例え
ば、ジフェニルエーテル、置換されたシクロヘキサン、
デカヒドロナフタレン等を使用してもよい。また、本発
明においては、種々の性質を付与するために種々の化合
物を加えてもよい。例えば、粘度を調節するために分岐
剤等を用いることも可能である。また、低着色のポリエ
ステルを得るために、例えば、酸化防止剤等を加えても
よい。一般に、本発明によるポリエステルの重量平均分
子量は、ポリスチレン換算で3000〜150000の
範囲が好ましく、30000〜100000の範囲が更
に好ましい。また、本発明のポリエステルには、染料、
顔料、安定剤、防炎剤、難燃剤、充填剤、及び強化物
質、例えばガラス繊維、炭素繊維、あるいは、その他の
助剤を含んでもよい。その添加量は、目的とする用途に
より適宜決定される。本発明のポリエステルは、形状の
ある物品、繊維、フィラメント、及びフィルムの製造に
使用される。本発明のポリエステルは高い耐熱性、強さ
(toughness)、耐加水分解性、耐クリープ性、耐応力亀
裂性等を有するので、これらの物性が要求される分野、
例えば、電気分野、照明分野、並びに自動車分野等にお
ける製品に特に適当である。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例を示し更に詳細に説明
するが、これらの実施例は決して本発明の範囲を限定す
るものではない。尚、ポリマーの特性は次に示す方法に
従って測定した。 (1) 1H−NMRの測定 Varian Instruments Gemini-300 を用い、重クロロホル
ムを溶媒とし、常法に従って求めた。 (2)ポリマーの重量平均分子量(Mw) Waters社製510型GPCシステムを用い、クロ
ロホルム溶媒中、ポリマー濃度2mg/mlでカラム温度3
5℃で測定した。重量平均分子量はポリスチレンを標準
試料として用い算出した。 (3)ポリマーのガラス転移温度(Tg) Perkin−Elmer社製DSC−7示差走査熱量
計を用い、窒素気流中、昇温速度20℃/min の条件で
測定した。 (4)ポリマーの溶融粘度 東洋精機製作所製キャピログラフPD−Cを用い、JI
SK7199に基づき、330℃、剪断速度1216s
-1の条件で測定した。
【0035】比較例1 24.4gのポリ(4,4′−イソプロピリデンジフェ
ニレンカーボネート)(帝人製、パンライトL−125
0W、Mv=25000)、13.4gのテレフタル酸
ジメチル、13.4gのイソフタル酸ジメチル及び0.
11gの触媒Ti(OBu)4 を攪拌翼、窒素導入口、
減圧口、蒸留口を装備したガラス製重合反応器中へ導入
した。この反応混合物を、攪拌しながら、窒素雰囲気中
で280℃まで加熱し、この温度に60分間保った。次
にジメチルカーボネートの蒸留を開始し、120分間で
5gのジメチルカーボネートを集めた。蒸留終了後、反
応器内部温度を310℃まで上げた。60分間この温度
を保ち、更に反応器内を0.4torrに減圧し、すべての
揮発性物質の除去を行った。重合を停止し、生成した重
合体を集めた。得られたポリマーは、 1H−NMRから
ポリ(4,4′−イソプロピリデンジフェニレンテレフ
タレート)とポリ(4,4′−イソプロピリデンジフェ
ニレンテレフタレート)の統計的重合体であることが確
認できた。また、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)法による重量平均分子量は、ポリスチレ
ン換算で55000であった。示差熱分析の結果、Tg
は198℃であり、キャピログラフによる溶融粘度は1
5000ポイズ(測定粘度:330℃、剪断速度:12
16s-1)であった。
【0036】実施例1 24.4gのポリ(4,4′−イソプロピリデンジフェ
ニレンカーボネート)(帝人製、パンライトL−125
0W、Mv=25000)、27.6gの1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジメチル及び0.11gの触媒
Ti(OBu)4 を攪拌翼、窒素導入口、減圧口、蒸留
口を装備したガラス製重合反応器中へ導入した。この反
応混合物を、攪拌しながら、窒素雰囲気中で280℃ま
で加熱し、この温度に60分間保った。次にジメチルカ
ーボネートの蒸留を開始し、120分間で4gのジメチ
ルカーボネートを集めた。蒸留終了後、反応器内部温度
を310℃まで上げた。60分間この温度を保ち、更に
反応器内を0.4torrに減圧し、すべての揮発性物質の
除去を行った。重合を停止し、生成した重合体を集め
た。得られたポリマーは、 1H−NMRからジフェノー
ル成分がビスフェノールAであり、ジカルボン酸成分が
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であるポリエステ
ルであることが確認できた。また、GPC(ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー)法による重量平均分子
量は、ポリスチレン換算で55000であった。示差熱
分析の結果、Tgは152℃であり、キャピログラフに
よる溶融粘度は5500ポイズ(測定粘度:330℃、
剪断速度:1216s-1)であった。
【0037】実施例2 24.4gのポリ(4,4′−イソプロピリデンジフェ
ニレンカーボネート)(帝人製、パンライトL−125
0W、Mv=25000)、27.6gの1,3−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジメチル及び0.11gの触媒
Ti(OBu)4 を攪拌翼、窒素導入口、減圧口、蒸留
口を装備したガラス製重合反応器中へ導入した。この反
応混合物を、攪拌しながら、窒素雰囲気中で280℃ま
で加熱し、この温度に60分間保った。次にジメチルカ
ーボネートの蒸留を開始し、120分間で4gのジメチ
ルカーボネートを集めた。蒸留終了後、反応器内部温度
を310℃まで上げた。60分間この温度を保ち、更に
反応器内を0.4torrに減圧し、すべての揮発性物質の
除去を行った。重合を停止し、生成した重合体を集め
た。得られたポリマーは、 1H−NMRからジフェノー
ル成分がビスフェノールAであり、ジカルボン酸成分が
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸であるポリエステ
ルであることが確認できた。また、GPC(ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー)法による重量平均分子
量は、ポリスチレン換算で50000であった。示差熱
分析の結果、Tgは148℃であり、キャピログラフに
よる溶融粘度は5200ポイズ(測定粘度:330℃、
剪断速度:1216s-1)であった。
【0038】実施例3 24.4gのポリ(4,4′−イソプロピリデンジフェ
ニレンカーボネート)(帝人製、パンライトL−125
0W、Mv=25000)、34.8gの2,6−ビシ
クロ〔4,4,0〕デカンジカルボン酸ジメチル(2,
6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸ジメチル)及び
0.11gの触媒Ti(OBu)4 を攪拌翼、窒素導入
口、減圧口、蒸留口を装備したガラス製重合反応器中へ
導入した。この反応混合物を、攪拌しながら、窒素雰囲
気中で280℃まで加熱し、この温度に60分間保っ
た。次にジメチルカーボネートの蒸留を開始し、120
分間で3.5gのジメチルカーボネートを集めた。蒸留
終了後、反応器内部温度を310℃まで上げた。60分
間この温度を保ち、更に反応器内を0.4torrに減圧
し、すべての揮発性物質の除去を行った。重合を停止
し、生成した重合体を集めた。得られたポリマーは、 1
H−NMRからジフェノール成分がビスフェノールAで
あり、ジカルボン酸成分が2,6−デカヒドロナフタレ
ンジカルボン酸であるポリエステルであることが確認で
きた。また、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー)法による重量平均分子量は、ポリスチレン換
算で50000であった。示差熱分析の結果、Tgは1
74℃であり、キャピログラフによる溶融粘度は640
0ポイズ(測定粘度:330℃、剪断速度:1216s
-1)であった。
【0039】実施例4 33.0gの4,4′−イソプロピリデンジフェニレン
ジメチルカーボネート、27.6gの1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジメチル及び0.11gの触媒Ti
(OBu)4 を攪拌翼、窒素導入口、減圧口、蒸留口を
装備したガラス製重合反応器中へ導入した。この反応混
合物を、攪拌しながら、窒素雰囲気中で280℃まで加
熱し、この温度に60分間保った。次にジメチルカーボ
ネートの蒸留を開始し、120分間で4gのジメチルカ
ーボネートを集めた。蒸留終了後、反応器内部温度を3
10℃まで上げた。60分間この温度を保ち、更に反応
器内を0.4torrに減圧し、すべての揮発性物質の除去
を行った。重合を停止し、生成した重合体を集めた。得
られたポリマーは、 1H−NMRからジフェノール成分
がビスフェノールAであり、ジカルボン酸成分が1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸であるポリエステルであ
ることが確認できた。また、GPC(ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー)法による重量平均分子量は、
ポリスチレン換算で53000であった。示差熱分析の
結果、Tgは152℃であり、キャピログラフによる溶
融粘度は5300ポイズ(測定粘度:330℃、剪断速
度:1216s-1)であった。
【0040】実施例5 33.0gの4,4′−イソプロピリデンジフェニレン
ジメチルカーボネート、34.8gの2,6−ビシクロ
〔4,4,0〕デカンジカルボン酸ジメチル(2,6−
デカヒドロナフタレンジカルボン酸ジメチル)及び0.
11gの触媒Ti(OBu)4 を攪拌翼、窒素導入口、
減圧口、蒸留口を装備したガラス製重合反応器中へ導入
した。この反応混合物を、攪拌しながら、窒素雰囲気中
で280℃まで加熱し、この温度に60分間保った。次
にジメチルカーボネートの蒸留を開始し、120分間で
4gのジメチルカーボネートを集めた。蒸留終了後、反
応器内部温度を310℃まで上げた。60分間この温度
を保ち、更に反応器内を0.4torrに減圧し、すべての
揮発性物質の除去を行った。重合を停止し、生成した重
合体を集めた。得られたポリマーは、 1H−NMRから
ジフェノール成分がビスフェノールAであり、ジカルボ
ン酸成分が2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸
であるポリエステルであることが確認できた。また、G
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法に
よる重量平均分子量は、ポリスチレン換算で52000
であった。示差熱分析の結果、Tgは175℃であり、
キャピログラフによる溶融粘度は6500ポイズ(測定
粘度:330℃、剪断速度:1216s-1)であった。
【0041】実施例6 24.4gのポリ(4,4′−イソプロピリデンジフェ
ニレンカーボネート)(帝人製、パンライトL−125
0W、Mv=25000)、27.6gの1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジメチル及び0.11gの触媒
Ti(OBu)4 を攪拌翼、窒素導入口、減圧口、蒸留
口を装備したガラス製重合反応器中へ導入した。この反
応混合物を、攪拌しながら、窒素雰囲気中で320℃ま
で加熱し、この温度に60分間保った。次にジメチルカ
ーボネートの蒸留を開始し、120分間で5gのジメチ
ルカーボネートを集めた。蒸留終了後、320℃で60
分間反応器内を0.4torrに減圧し、すべての揮発性物
質の除去を行った。重合を停止し、生成した重合体を集
めた。得られたポリマーは、 1H−NMRからジフェノ
ール成分がビスフェノールAであり、ジカルボン酸成分
が1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であるポリエス
テルであることが確認できた。また、GPC(ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー)法による重量平均分
子量は、ポリスチレン換算で53000であった。示差
熱分析の結果、Tgは152℃であり、キャピログラフ
による溶融粘度は5400ポイズ(測定粘度:330
℃、剪断速度:1216s-1)であった。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、成形性
と耐熱性に優れた新規ポリエステルが、簡単で安価な方
法で製造可能である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で示されるポリエステル。 【化1】 〔式(I)中、R1 は炭素数1〜20の2価の脂肪族炭
    化水素基及び4〜20の2価の脂環式炭化水素基を示
    し、R2 は2価の芳香族炭化水素基及びR3 −X−R4
    基(但し、R3 及びR4 は2価の芳香族炭化水素基であ
    り、Xは酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニ
    ル基、炭化水素基、エステル基又は直接結合を示す。)
    を示す(但し、芳香族環の水素原子はハロゲン原子、炭
    化水素基、アルコキシ基又はフェノキシ基等で置換され
    てもよい。)。nは10〜1000の整数を示す。〕
  2. 【請求項2】 (A)一般式(II)で示されるジアルキ
    ルジカルボキシレートと、(B)一般式(III)で示され
    るポリカーボネート及び/又は一般式(IV)で示される
    芳香族ジアルキルジカーボネートを、エステル化又はエ
    ステル交換触媒存在下で反応させることを特徴とするポ
    リエステルの製造方法。 【化2】 〔式(II)中、R1 は炭素数1〜20の2価の脂肪族炭
    化水素基及び4〜20の2価の脂環式炭化水素基又は直
    接結合を示し、R5 及びR6 はそれぞれ同一又は異な
    り、炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕 【化3】 〔式(III)中、R2 は少なくとも1種の2価の芳香族炭
    化水素基及び/又はR3−X−R4 基(但し、R3 及び
    4 は2価の芳香族炭化水素基であり、Xは酸素原子、
    硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、炭化水素基、
    エステル基又は直接結合を示す。)を示し(但し、芳香
    族環の水素原子はハロゲン原子、炭化水素基、アルコキ
    シ基又はフェノキシ基等で置換されてもよい。)。mは
    500を越えない正の整数を示す。〕 【化4】 〔式(IV)中、R2 は少なくとも1種の2価の芳香族炭
    化水素基及び/又はR3−X−R4 基(但し、R3 及び
    4 は2価の芳香族炭化水素基であり、Xは酸素原子、
    硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、炭化水素基、
    エステル基又は直接結合を示す。)を示し(但し、芳香
    族環の水素原子はハロゲン原子、炭化水素基、アルコキ
    シ基又はフェノキシ基等で置換されてもよい。)、R5
    及びR6 は炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕
  3. 【請求項3】 一般式(II)で示されるジアルキルジカ
    ルボキシレートが1,3−シクロヘキサンジカルボン酸
    ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチ
    ル、2,6−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジカルボン
    酸ジメチル、2,7−ビシクロ〔4,4,0〕デカンジ
    カルボン酸ジメチル、1,4−ビシクロ〔4,4,0〕
    デカンジカルボン酸ジメチル及び1,5−ビシクロ
    〔4,4,0〕デカンジカルボン酸ジメチルからなる郡
    から選ばれる少なくとも1種である請求項2記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 一般式(III)で示されるポリカーボネー
    トのR2 が4,4′−イソプロピリデンジフェニレン及
    び/又は4,4′−(3,3,5−トリメチルシクロヘ
    キシリデン)ジフェニレンである請求項2記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 一般式(IV)で示される芳香族ジアルキ
    ルジカーボネートのR2 が4,4′−イソプロピリデン
    ジフェニレン及び/又は4,4′−(3,3,5−トリ
    メチルシクロヘキシリデン)ジフェニレンである請求項
    2記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 反応が2段階の工程からなり、第1段階
    は200〜300℃で行われ、第2段階は減圧下280
    〜350℃で行われる請求項2〜5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 エステル化又はエステル交換触媒とし
    て、(B)成分であるポリカーボネート及び/又は芳香
    族ジアルキルジカーボネートの化学量論量に対して0.
    001〜5.0重量%の量の、Ti、Zn、Sn、S
    b、Zr、Li、K、Na系触媒を使用する請求項2〜
    6記載の製造方法。
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