JPH0717529B2 - α―オレフィンの製造方法 - Google Patents
α―オレフィンの製造方法Info
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Description
分子重合体、可塑剤、海面活性剤などの原料として有用
なα−オレフィンの製造において、副生するポリマーを
系外に取り出すことなく、また、配管、弁、熱交換器、
ポンプなどの装置の詰まりやそれに起因するトラブルの
ない安定した運転を可能とし、さらに触媒失活時におけ
る有機ハロゲン化合物の副生を可及的に抑制することの
できるα−オレフィンの製造方法に関するものである。
て、また各種高分子重合体のコモノマーとして、さらに
は可塑剤や界面活性剤などの原料として広く用いられて
いる有用な物質である。
グラー系触媒を用いて重合し製造されている。この製造
プロセスは一般に大別して、重合反応系、未反応エチレ
ン回収系、触媒の失活および脱灰系、溶媒およびα−オ
レフィンの分留系から成っている。
つは、副生するポリマーの取り扱いにある。
部や、触媒の失活、脱灰などの後処理部の配管、弁、熱
交換機、ポンプなど装置各部における詰まりの原因とな
り、安定した運転を妨げるなどの不都合を招来すること
が多かった。
ーを系外へ除去する方法が採られていた。
ーを除去するに要する新たな設置を取り付けなければな
らず、その費用や用役コストが増大するのは免れず、そ
の上、そのポリマーの廃棄に時間と労力を要するという
問題があった。さらに、触媒失活工程で有機ハロゲン化
合物の副生量が増大傾向を示すという欠点もあった。
おいて副生ポリマーを系外に取出すことなく、未反応エ
チレンを断熱フラッシュさせて回収するとともに、副生
ポリマーを析出させ、次いで、析出ポリマーの破砕、触
媒の失活および脱灰処理を行い、さらにこの反応生成液
を加熱してα−オレフィンを分離回収する方法が知られ
ている(特開平1-161002号公報)。
するが、副生ポリマーの析出と破砕に新たな設備が必要
であり、これらの運転をよく管理する必要があった。
となく、また、配管、弁、熱交換器、ポンプなどの装置
の詰まりやそれに起因するトラブルのない安定した運転
を可能とし、さらに触媒失活時における有機ハロゲン化
合物の副生を可及的に抑制することのできる一層効果的
なα−オレフィンの製造方法を提供するにある。
含む反応生成液の後処理について種々検討を重ねた結
果、重合反応終了後、反応生成液を特定の温度以上に保
持し、次いで特定の圧力以上とし、塩基性窒素化合物を
特定量導入して触媒を失活させることによって、副生ポ
リマーの析出と破砕を行う工程を採用せずとも前記目的
を達成しうることを見い出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
下、エチレンを重合してα−オレフィンを製造するに当
たり、重合反応終了後、反応生成液を90℃以上の温度に
保持し、次いで、処理系を3kg/cm2・G以上の圧力とし
て、チーグラー系触媒の有するハロゲンの含有量に対し
て30モル倍以上の塩基性窒素化合物を、その濃度を10重
量%以上の溶液として導入し触媒を失活させる工程を含
むことを特徴とするα−オレフィンの製造方法が提供さ
れる。
の存在下、エチレンを重合させることによって得られ
る。このチーグラー系触媒は、第1図のフローチャート
図に示すように、(A)遷移金属成分、(B)有機金属
成分および所望に応じて用いられる(C)第三成分の組
み合わせから成っており、(A)遷移金属成分として
は、一般式 ZXaA4-a …(I) (式中のZはジルコニウムまたはチタン原子、X及びA
は塩素、臭素またはヨウ素原子であり、それらは同一で
あってもよいし、たがいに異なっていてもよく、aは0
〜4の整数である)で表される化合物が用いられる。こ
のような化合物の具体例としてはZrCl4、ZrBr4、ZrI4、
ZrBrCl3、ZrBr2Cl2、TiCl4、TiBr4、TiI4、TiBrCl3、Ti
Br2Cl2などを挙げることができる。
素またはヨウ素原子、bは0〜3の整数である) で表される化合物、および/又は一般式 AlR′1.5Q′1.5 …(III) (式中のR′は炭素数1〜20のアルキル基、Q′は塩
素、臭素またはヨウ素原子である)で表される化合物を
挙げることができる。
としては、例えば、 Al2(CH3)3Cl3、Al2(CH3)3Br3、 Al2(C2H5)3Cl3、Al2(C2H5)3Br3、 Al2(C2H5)3I3、Al2(C2H5)2BrCl2、 Al2(C3H7)3Cl3、Al2(iso-C3H7)3Cl3、 Al2(C4H9)3Cl3、Al2(iso-C4H9)3Cl3、 Al2(C5H11)3Cl3、Al2(C8H17)3Cl3、 Al2(C2H5)2(CH3)Cl3 などが挙げられる。
オウ化合物、リン化合物および窒素化合物の中から選ば
れた少なくとも1種の化合物が挙げられる。この第三成
分は、製品であるα−オレフィンの純度向上に寄与する
ものと思われる。
く、特に制限はないが、通常例えば、硫化ジメチル、硫
化ジエチル、硫化ジプロピル、硫化ジヘキシル、硫化ジ
シクロヘキシル、ジフェニルチオエーテルなどのチオエ
ーテル類:二硫化ジメチル、二硫化ジエチル、二硫化ジ
プロピル、二硫化ジブチル、二硫化ジヘキシル、二硫化
ジシクロヘキシル、二硫化エチルメチルなどの二硫化ジ
アルキル化合物;チオフェン、2−メチルチオフェン、
3−メチルチオフェン、2,3−ジメチルチオフェン、2
−エチルチオフェン、ベンソチオフェンなどのチオフェ
ン類やテトラヒドロチオフェン、チオピランなどのヘテ
ロ環イオウ化合物;ジフェニルイオウ、二硫化ジフェニ
ル、二硫化メチルフェニル、メチルフェニルイオウなど
の芳香族イオウ化合物:チオ尿素;メチルスルフィド、
エチルスルフィド、ブチルスルフィトなどのスルフィド
類などが好ましく用いられる。
制限はないが、通常例えば、トリフェニルホスフィン、
トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリプ
ロピルホスフィン、トリオクチルオスフィン、トリシク
ロヘキシルホスフィンなどのホスフィン類が好ましく用
いられる。
く、特に制限はないが、通常例えば、メチルアミン、エ
チルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチル
アイン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オク
チルアミン、デシルアミン、アニリン、ベンジルアミ
ン、ナフチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、ジブチルアミン、ジフェニルアミン、メチルフェニ
ルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
ブチルアミン、トリフェニルアミン、ピリジン、ピコリ
ンなどの有機アミン類が好ましく用いられる。
も、例えば、二硫化ジメチル、チオフェン、チオ尿素、
トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ
オクチルホスフィン、アニリンなどから選ばれた1種ま
たは2種以上の化合物を特に公的に使用することができ
る。
われる。この有機溶媒としては、例えば、シクロヘキサ
ンやデカリンなどのナフテン系パラフィン類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、エチルベン
ゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなどの芳香族
炭化水素やそのハロゲン置換体、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの脂肪族パラ
フィン類、ジクロロエタン、ジクロロブタンなどのハロ
アルカン類などが挙げられる。
成分および前記溶媒の配合割合は、前記溶媒250ml当た
り、通常(A)成分を0.01〜5ミリモル、好ましくは、
0.03〜1ミリモル、(B)成分を通常、0.05〜15ミリモ
ル、好ましくは0.06〜3ミリモル、(C)成分を通常、
0.05〜20ミリモル、好ましくは(C)成分として前記イ
オウ化合物を用いる場合には、0.1〜10ミリモル、
(C)成分とて窒素化合物またはリン化合物を用いる場
合には0.05〜5ミリモルである。また、前記(A)成分
と(B)成分との配合比に関しては、Al/Zr(モル比)
を1〜15の範囲に設定することによって、さらに好まし
い結果を得ることができる。
の温度において、30〜70kg/cm2・Gの加圧下で行われ
る。また反応時間は、温度や圧力によって左右され一律
に決めることができないが、通常10分ないし60分程度で
十分である。
得られた反応生成液を、先ず、90℃以上に保持し、続い
て未反応エチレンの回収、触媒の失活および脱灰処理を
行う。
に保持することが必要である。90℃以上であれば特に制
限はないが、通常は90〜150℃、好ましくは100〜130℃
である。温度に高温にすると製品純度の低下を招くこと
があるので好ましくない。
によって一律ではないが、通常は300〜500ppmであり、
反応生成液を90℃以上に保持することによって溶解し、
安定した運転を続行することができる。
しても、安定した運転を行うことができる。
として塩基性窒素化合物を導入して、触媒の失活処理に
行う。
ンモニアまたはメチルアミン、エチルアミン、プロピル
アミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルア
ミン、アニリン、ベンジルアミン、ナフチルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジフ
ェニルアミン、メチルアフェニルアミン、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリフェ
ニルアミン、ピリジン、ピコリンなどのアミン類を挙げ
ることができる。
重合触媒として用いるチーグラー系触媒の有するハロゲ
ンの含有量に対し、30モル倍以上とすることが必要であ
る。30モル倍以上であれば特に制限はないが、通常は50
〜150モル倍の範囲が好ましい。
溶液の濃度を10重量%以上とすることが必要である。こ
の溶液の溶媒としては種々のものが用いられるが、水が
最も好ましい。
合、有機ハロゲン化合物の副生量が多くなり、好ましく
ない。
の塩基性窒素化合物を使用する限り、他の通常用いられ
る失活剤、例えば、水、アルコール、カルボン酸、フェ
ノール類などを併用しても差し支えない。
ゲン化合物の副生を可及的に抑制することができる。
うと、製品であるα−オレフィンにハロゲンが付加し、
有機ハロゲン化合物が比較的多量に副生するという欠点
があった。
たらし、製品の品質に重大な支障となっていた。
窒素化合物を導入することによって、触媒失活時に発生
するハロゲン化水素のα−オレフィンと塩基性窒素化合
物とへの競争反応が生起し、塩基性窒素化合物との反応
が促進されて、α−オレフィンと反応して副生する有機
ハロゲン化合物がほとんど無くなるものと思われ、前記
のような製品純度の低下、製品の品質劣化を回避するこ
とができることとなった。
成液を90℃以上の温度に保持したまま、未反応エチレン
を回収し、次いで、処理系を3kg/cm2・G以上の圧力と
して、特定量の塩基性窒素化合物を特定濃度の溶液とし
て用い、触媒の失活処理を行う。その後、脱灰処理を行
い、溶媒およびα−オレフィンを蒸留によって分離回収
する。
サイクルされる。
以上の各種α−オレフィンの混合物として生成する。こ
の混合生成物は多数形式の蒸留処理によって、所望の各
種α−オレフィンを得ることができ、また、反応条件を
適宜選択することによって、所望の炭素数のα−オレフ
ィンをより多量に取得することもできる。
る。
て、反応器1において得られた、チーグラー系触媒、溶
媒、未反応エチレンおよびα−オレフィンを含有する反
応生成液は、制御弁2を介して1段目フラッシュ槽3
へ、さらに制御弁5を介して2段目フラッシュ槽6へ供
給される。なお、1段目フラッシュ後の生成液は90℃以
上に保つために2段目フラッシャーに供給される前に熱
交換器4で加熱される。
ている未反応エチレンが回収される。
により触媒が失活される。また回収エチレン中に僅かに
同伴する軽質α−オレフィンはポット10で回収され失活
機8に送られる。
槽15に送られる。この分離槽15において油槽と水槽とに
分離され、水槽は排水16として系外に廃棄されると共
に、油槽は熱交換器17およびポンプ18を備えた溶解槽19
に送られ、加熱されて、その中のポリマーが再び完全に
溶解されたのち蒸留系に送られ、溶媒およびα−オレフ
ィンが分留される。
に説明する。
の反応器1(攪拌500rpm)に供給する。圧力制御弁22
により反応器1の圧力が一定に維持されるように原料ガ
スのエチレンを供給する。
ら、容量1、バッフル付きの失活槽25(攪拌700rpm、
液位500cc)に供給する。
剤をタンク26から供給する。失活槽の圧力は圧力制御弁
23により調整し、失活槽内の液位はレベル制御弁21で調
整する。
分離する。温度は反応器1と失活槽25に装備しているジ
ャケットに、温度制御した熱媒を流通させることによっ
て制御する。
く説明する。
モルの無水四塩化ジルコニウムと乾燥しシクロヘキン25
0mlを導入し、10分間室温で攪拌した。
次いでエチルアルミニウムセスキクロライド[(C2H5)3A
l2Cl3]を添加した。
ロライドの量は、(C2H5)3Al2Cl3/(C2H5)3Al2=3.5(モ
ル比)、[(C2H5)3Al2Cl3+(C2H5)3Al]/ZrCl4=7
(モル比)になるようにした。
熱、攪拌し、錯体を形成させ触媒液を調製した。
連続的に行った。
ロヘキサンを混合し、四塩化ジルコニウムの濃度を0.08
ミリモル/l−シクロヘキサンに調整し、さらにチオフェ
ンを四塩化ジルコニウムに対して3倍モルになるように
添加したものを反応器に一定量(700cc/時間)供給し
た。反応器のレベルは500ccとして滞留時間は溶媒基準
で約43分とした。
数とした。
維持するように連続的に供給した。
/時間(700cc/時間)、α−オレフィン225g/時間、合計
量771g/時間で、連続的に失活槽に供給し、第2表に示
す条件で触媒の失活処理を行った。失活槽は700rpmで攪
拌した。
ろ液は2倍量のイオン交換水で2回洗浄し、次いで無水
炭酸カリウムで乾燥した。
ロマトグラフィーで分析し、製品α−オレフィンの分布
と純度を求めた。
グラフィーの分析結果からSchultz・Flory分布より計算
により求めた。
重合してα−オレフィンを製造するに際し、副生するポ
リマーを系外に取り出すことなく、また、配管、弁、熱
交換器、ポンプなどの装置の詰まりやそれに起因するト
ラブルのない安定した長時間運転を可能とするα−オレ
フィンの製造方法が提供される。
を可及的に抑制することができ、オレフィン系重合体の
モノマーや各種高分子重合体のコモノマーとして、ま
た、可塑剤や界面活性剤などの原料として重量なα−オ
レフィンの工業的製造方法としてきわめて有用である。
ート図、第2図は本発明を実施するための工程図の1
例、第3図は本発明における触媒の失活処理を行う装置
図の1例である。 第2図および第3図の符号は、1;反応器、2,5,20,21,2
2,23;制御弁、3、6;フラッシュ槽、7,11,18,27,28;ポ
ンプ、8;失活機、9;脱灰機、10,24;ポット、4,12,17;熱
交換器、19;溶解槽、25;失活槽、26;アンモニア水槽を
示す。
Claims (1)
- 【請求項1】チーグラー系触媒の存在下、エチレンを重
合してα−オレフィンを製造するに当たり、重合反応終
了後、反応生成液を90℃以上の温度に保持し、次いで、
処理系を3kg/cm2・G以上の圧力として、チーグラー系
触媒の有するハロゲンの含有量に対して30モル倍以上の
塩基性窒素化合物を、その濃度を10重量%以上の溶液と
して導入し触媒を失活させる工程を含むことを特徴とす
るα−オレフィンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1263490A JPH0717529B2 (ja) | 1990-01-24 | 1990-01-24 | α―オレフィンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1263490A JPH0717529B2 (ja) | 1990-01-24 | 1990-01-24 | α―オレフィンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03220135A JPH03220135A (ja) | 1991-09-27 |
JPH0717529B2 true JPH0717529B2 (ja) | 1995-03-01 |
Family
ID=11810814
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1263490A Expired - Lifetime JPH0717529B2 (ja) | 1990-01-24 | 1990-01-24 | α―オレフィンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0717529B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1990
- 1990-01-24 JP JP1263490A patent/JPH0717529B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03220135A (ja) | 1991-09-27 |
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