JPH07172880A - 自動車積層安全ガラス用中間膜及びそれを用いた自動車積層安全ガラスの製造方法 - Google Patents

自動車積層安全ガラス用中間膜及びそれを用いた自動車積層安全ガラスの製造方法

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JPH07172880A
JPH07172880A JP32289593A JP32289593A JPH07172880A JP H07172880 A JPH07172880 A JP H07172880A JP 32289593 A JP32289593 A JP 32289593A JP 32289593 A JP32289593 A JP 32289593A JP H07172880 A JPH07172880 A JP H07172880A
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Japan
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pitch
intermediate film
film
safety glass
embossing
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JP32289593A
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Toshio Yamane
俊男 山根
Tadahiko Yoshioka
忠彦 吉岡
Akira Asano
陽 浅野
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 伸展後の上辺側・下辺側のエンボスのピッチ
差が少なく、ピッチ差による脱気不良の無い自動車積層
安全ガラス用中間膜及びそれを用いた自動車積層安全ガ
ラス用中間膜の製造方法を提供する。 【構成】 中間膜10の少なくとも一面に、一辺側のエ
ンボス12のピッチが対応する他辺側のピッチよりも相
対的に大きなピッチを有するようにエンボスを形成す
る。この中間膜10の前記一辺側を前記他辺側よりも相
対的に大きく伸展させて前記一面の全面に均一なピッチ
のエンボス12が形成された中間膜を得た後、該中間膜
12を2枚のガラス板に挟んで合わせ加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車積層安全ガラス
用中間膜及びそれを用いた自動車用積層安全ガラスの製
造方法に関する。さらに詳しくは、自動車積層安全ガラ
スの製造に有利なエンボスピッチを有する中間膜及びそ
れを用いた自動車積層安全ガラスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のフロントガラスやリアガラスと
して用いられる自動車積層安全ガラスとしては、一般
に、2枚の板ガラスの間に中間膜が挿入された積層体か
らなる合わせガラスが用いられる。この合わせガラス
は、強度が大きく破損しにくいという優れた特徴を有
し、破損した場合でも破片が飛散しない安全なガラス材
である。
【0003】この合わせガラスを製造する場合は、接着
性の熱可塑性樹脂からなる中間膜を2枚のガラス板の間
に挿入し、得られた積層体を予備圧着して各層間に残存
する空気を排除(脱気)した後、本圧着して積層体を完
全に密着させる。
【0004】上記合わせガラスに用いられる中間膜は、
保管時に中間膜同士のブロッキングが生じないこと、ガ
ラスと中間膜とを重ね合わせる際の作業性が良好である
ことに加えて、予備圧着工程における脱気性が良好であ
ることが要求される。このような脱気性を含む中間膜の
綜合性能は、素材である熱可塑性樹脂の種類や粘弾性等
の物性によって左右されるが、これらの物性を固定して
考えると、中間膜の表面形状がその綜合性能を決定する
大きな要因となる。
【0005】特に、エンボスと呼ばれる多数の微細な凹
凸を中間膜の表面に形成すると効果があることが知ら
れ、エンボスが表面に形成された中間膜が従来より使用
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年使用される自動車
のフロントガラスやリアガラスの曲率の程度は様々であ
り、サイズも多様である。通常、中間膜はガラスの曲率
に合わせて伸展され、例えばフロントガラスの場合に
は、中間膜の下辺に相当する部位が最も伸展され、表面
にあるエンボスのピッチは伸展に伴って広くなる。な
お、伸展の度合いは、指定する部位の長さの前後の変位
を伸展前の長さで割った伸展率で表される。
【0007】エンボスのピッチが広すぎると、真空バッ
グによる予備圧着の際、その部分が真空バッグ中で他の
部位よりもいち早くガラス−中間膜の密着が起こり、そ
の部分の界面の空気の流れが阻害されるいわゆる先行シ
ールが生じる。その結果、ガラス−中間膜の間で、流れ
ずに保持されたままの空気がオートクレーブの本プレス
を経た後も残り、いわゆる脱気不良が生じる。
【0008】エンボスのピッチが狭すぎると、シール不
良と呼ばれるシール不足の状態となる。そのままオート
クレーブに入れると、空隙を埋める樹脂流動が高圧空気
で堰止められ、外気と連通したガラス−中間膜の隙間は
保持されたままとなり、やはり不良となる。
【0009】そして、上辺側と下辺側とでエンボスのピ
ッチ差が大きすぎると、真空バッグ内部で周辺シールが
同時に起こらず、シールし易い周辺からシールする。シ
ールし易い箇所とは、他よりもピッチが広くなっている
ところに該当する。ガラスの四辺のうちの一辺がシール
すると、界面の脱気能力は著しく低下し、内部に空気を
取り残したままとなる。
【0010】従来では、中間膜の表裏全面に均一なピッ
チでエンボスが形成され、伸展後には伸展率の高い部位
でエンボスのピッチが広くなり、そのままガラスと合わ
せるために、上記脱気不良が生じていた。しかも、エン
ボス形状に見合った有効な伸展率の範囲が決まってお
り、それを越えると脱気不良となる。その範囲に対して
上辺・下辺のピッチ差がかなり大きいので、振れ幅は自
ずと小さくなり、管理に多大なる労力を要していた。
【0011】たとえば、積水化学工業株式会社製エスレ
ックフィルム(非売品)でエンボスピッチ165μmを
有する中間膜の場合、上辺と下辺のピッチ差が30μm
を越えると、脱気不良が頻繁に発生し始める。
【0012】そこで本発明は、伸展後の上辺側・下辺側
のエンボスのピッチ差が少なく、ピッチ差による脱気不
良の無い自動車積層安全ガラス用中間膜及びそれを用い
た自動車積層安全ガラス用中間膜の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも一
面にエンボスが形成された自動車積層安全ガラス用中間
膜において、該中間膜を用いて作製される自動車積層安
全ガラスの下辺側に対応する辺側のエンボスのピッチが
該自動車積層安全ガラスの上辺側に対応する辺側のエン
ボスのピッチよりも相対的に小さくなるように形成され
ていることを特徴とする自動車積層安全ガラス用中間膜
である。
【0014】また本発明は、中間膜の少なくとも一面
に、一辺側のエンボスのピッチが対応する他辺側のピッ
チよりも相対的に小さなピッチを有するようにエンボス
を形成し、該中間膜の前記一辺側を前記他辺側よりも相
対的に大きく伸展させて前記一面の全面に均一なピッチ
のエンボスが形成された中間膜を得た後、該中間膜を2
枚のガラス板に挟んで合わせ加工を行うことを特徴とす
る自動車積層安全ガラスを製造する方法である。
【0015】すなわち本発明においては、伸展後に中間
膜の上辺・下辺のピッチ差が少なくなるように、中間膜
の伸展対象となる側に、予め非伸展対象側と比較して狭
いピッチのエンボスを形成する。具体的には、中間膜の
押し出しから巻き取りの間に専用の圧延ロールを設け、
これに中間膜を通過させることにより、ロールに刻まれ
た反転エンボスを中間膜表面に転写する。
【0016】圧延ロールに刻むエンボスは、一辺側のピ
ッチを他辺側よりも狭くしておく。ピッチの差は、伸展
率による影響を伸展後で相殺できるように設定する。こ
の場合、要求される伸展率に合わせるのが好ましいが、
現在のほとんどの自動車積層安全ガラス用中間膜が伸展
工程で伸展率の範囲が20%程度迄で製造されているこ
とを考慮すると、実際には伸展率15%を相殺できるピ
ッチ差にしておけば良い。従って、対象を伸展率15%
の1点に絞っても十分に有効となる。もちろん、対象と
なる伸展率が16%であっても何ら支障はない。
【0017】ロール表面のエンボスピッチの変化は、滑
らかに連続的に変化させるのが良い。エンボスの変化を
ある境界をもって断続的に変化させると、その箇所で界
面の空気の流れがスムーズなものでなくなるばかりか、
たとえ透明な合わせガラスが得られたとしても、その箇
所で歪みを生じ、安全で有効な視野確保という中間膜本
来の機能を失わせることになる。
【0018】次に本発明をさらに詳細に説明する。
【0019】本発明の自動車積層安全ガラス用中間膜1
0は、図1に示すように、熱可塑性樹脂シート11の一
面にエンボス12が形成されている。これを用いてフロ
ント(リア)ガラスを製造した場合に下辺側となる側、
すなわち伸展される側のエンボス11は上辺側となる
側、すなわち伸展されない側のエンボス11よりも密度
が高く形成されている。
【0020】例えば、あるサイズのフロントガラスに対
してある伸展率をもって中間膜を合わせたい時、後述す
る所定の式(式(9))によって与えられるエンボスピ
ッチの分布を上記圧延ロールを用いて形成する。有効な
ピッチはそのエンボス形状によりその絶対値が変るの
で、ある数値をもってどの形状のエンボスにも有効なピ
ッチとすることはできない。
【0021】フロントガラス20は、通常図2の如く、
下辺22が上辺21より相対的に長い扇形をしている。
これに合わせるために、図1に示した中間膜10も、図
3の如くその一辺側が伸展され、フロントガラス20の
形状に対応した扇形に整形される。この状態での中間膜
10のエンボス12のピッチは、上辺側と下辺側とで差
がなくなり、全面で均一なピッチのエンボス12が形成
された中間膜となる。
【0022】なお、フロントガラスの二側辺の延長線の
交点Xは、図4(A)に示すように上辺円周の中心Yと
一致するような場合が最も一般的で簡単な場合である
が、現在のフロントガラスの要求サイズはこの2点が必
ずしも一致しない場合も少なからずある。例えば図4
(B)に示すように二側辺の延長線の交点Xの方が上辺
円周の中心Yよりも遠くなる場合や、図4(C)に示す
ように上辺円周の中心Yの方が二側辺の延長線の交点X
よりも遠くなる場合がある。
【0023】二側辺の延長線の交点Xと上辺円周の中心
Yが一致する場合とは、上辺円周と下辺円周とが同心円
を成すことを示す。この場合、フロントガラスの上辺長
さと高さ寸法(上辺と下辺との距離)を与えると、所望
の伸展中間膜のサイズが得られる。この際、中間膜の大
きさはフロントガラスの大きさよりも大きくとり、図3
に示すように合わせガラス加工中にはみ出した膜13を
切り取る方法が採用される。
【0024】一例として、上辺円周と下辺円周が同心円
を成し、且つ上辺側を伸展しない場合において、伸展前
の中間膜にどのようなピッチ分布でエンボスを形成すれ
ば良いかを求める。まず、各パラメータを以下の通りに
定義する。 x=(中間膜の幅wのうち、上辺側を0としたときの位
置) y=(上辺長さ) w=(中間膜幅) r=(上辺円周半径) pa=(伸展前上辺ピッチ) pb=(伸展前下辺ピッチ) pc=(伸展後下辺ピッチ) p=(伸展前中心より r+x 位置のピッチ) Y=(伸展後下辺長さ) A=(予め中間膜に付与する伸展率) A’=(加工時の伸展率)
【0025】Y、p、Aはそれぞれ下式(1)、
(2)、(3)で与えられる。 Y={(r+w)/r}y (1) p={〔pb−pa〕/w}x+pa (2) A={(Y−y/y)}×100 ={(pc−pb)/pb}×100 (3)
【0026】(3)前式に(1)式を代入すると、 A=100w/r (4) となる。また、(3)後式を変形すると、 pb={100/(100+A)}pc (5) となる。伸展によりpc=paとなると、(5)式は、 pb={100/(100+A)}pa (6) となる。(6)式に(4)式を代入すると、 pb={r/(r+w)}pa (7) となる。(7)式を(2)式に代入して得られる次式
(8)は、伸展率Aにて伸展したときpc=paと成すべ
く事前に中間膜に付与すべきエンボスのピッチ分布を示
す。wは所望のガラスサイズより与えられ、rは(4)
式よりAとwより与えられる。即ち、pはwとAによっ
て決る。 p={1−x/(r+w)}pa (8) ここで、例えば同一のAでwが2倍になれば、rは2倍
になる。即ち、中間膜のピッチ分布が異なってくる。つ
まり、ガラスの形・寸法によって付けるべきエンボスピ
ッチが異なる。
【0027】上記のようにエンボスを付与した中間膜
に、加工時にA’なる伸展をすると、同じように(3)
式を適用して、 A’={(pc−pb)/pb}×100 (9) となる。これをpcについて解くと、 pc={(A’+100)/100}pb (10) となり、最終的に下辺のピッチは(10)式によって与
えられる。ここで、pbは先の(8)式のx=wの場合
のpの値なので、 pb={r/(r+w)}pa (11) と書ける。そして、(11)式を(10)式に代入した
次式(12)にて伸展後の下辺ピッチを得る。 pc={(A’+100)/100}×{r/(r+w)}pa (12) ここで、A’=Aならば、A’=A=100w/rとな
ることより、(12)式右辺はpaとなり、伸展率A’
の影響を完全に相殺し得たことになる。
【0028】このように、(8)式を用いてエンボスを
付与すれば、伸展後も一様なエンボスピッチを有する中
間膜を得ることができる。
【0029】二側辺の延長線の交点Xの方が上辺円周の
中心Yよりも遠くなる場合(図4(B))や上辺円周の
中心Yの方が二側辺の延長線の交点Xよりも遠くなる場
合(図4(C))でも、フロントガラスのサイズよりも
予め大きく作った伸展中間膜を使えば問題ないが、
(4)式を見合うように改良しても差し支えない。たと
えば、二側辺の延長線の交点Xの方が上辺円周の中心Y
よりも遠くなる場合(図4(B))には、(8)式r+
w の代りに(下辺円周半径)を用いてもよい。
【0030】なお、上辺側も同時に伸展される場合もあ
るが、上述したのと同じと考えてよい。この場合には、
上辺側の伸展後のエンボスピッチが所望の数値となるよ
うに配慮する必要がある。
【0031】以上のようなピッチ分布を持つエンボス転
写用の圧延ロールを使用して、中間膜表面にエンボスを
付与すれは、伸展後の中間膜は一面に均一なピッチのエ
ンボスを有するものとなる。
【0032】
【作用】上記手段によって製造された中間膜は、一伸展
中間膜内でのエンボスピッチの上辺側と下辺側の間の差
が極めて小さくなり、真空バッグによる予備圧着の際に
ガラスと中間膜の間にある空気の抜けが飛躍的に向上す
るばかりか、四辺のうち一辺だけが先にシールされると
いった現象もその頻度は極めて低くなる。これらの作用
は、いずれも伸展中間膜で一様なピッチでエンボスが存
在しているからに他ならない。
【0033】伸展による中間膜の下辺側表面のエンボス
の変化を図5に示す。図5(A)は伸展前で図5(B)
は伸展後を示す。伸展により下辺側のエンボスのピッチ
はP bからPcに伸びる。なお、伸展により中間膜は伸展
方向に垂直な2方向では縮むが、中間膜の幅は保持され
ているので、縮みは事実上厚みに現れる。無論、減じた
厚みでも合わせガラスとしての性能即ち耐貫通性は維持
している。この変形に伴い、エンボスそれ自体の変形は
その幅が広がることが予想されるが、その程度は極めて
小さく、その影響はないと考えて差し支えない。しか
し、エンボス間のピッチは伸展による長さの変化と同等
で変形は免れない。
【0034】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。な
お、本発明は以下に挙げる実施例のみに限定されず、本
発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であ
る。
【0035】[実施例1]転写用圧延ロールとして、面
長2m、直径25cmのロールを1対準備した。中間膜
幅w=1m、伸展率A=15%として、(4)式を利用
して(8)式を書き換えると、 p=−21.5x+165 (13) となる。ロールの一端から50cmのところをx=0と
し、(13)式を用いて面長2mに反転エンボスを刻印
した。このとき、エンボス粗さを直測43±2μmに設
定した。同じロールを2本で1対とし、これらを金型と
巻き取り装置の間に設置した。フロントガラスの上辺部
に当たる部分がx=0の位置を通過するように設定して
中間膜を作成した。
【0036】上記のような伸展操作を施してできた中間
膜は、幅が99cmで上辺相当部のピッチが166μ
m、下辺相当部のピッチが142μmであるp=−2
4.2x+166のピッチ分布であった。この中間膜の
上辺を保持し、下辺が伸展率10%、15%、20%と
なるように3水準で伸展した後の上辺相当部と下辺相当
部のピッチを測定した結果を表1に示す。
【0037】[比較例1]実施例1と同じサイズのロー
ルを使用し、刻印するエンボスのピッチを均一に165
μmとするほかは全て実施例1と同じようにして中間膜
を作成し、同様の測定を行った結果を表1に示す(5点
平均)。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、実施例1のよう
に上辺側と下辺側とでピッチが異なるようなピッチ分布
を中間膜に形成した方が、伸展後の上辺相当部と下辺当
部のピッチ差が小さくなる。
【0040】[実施例2]実施例1で伸展した中間膜を
平板ガラス間に合せて上辺相当部と下辺相当部の真空バ
ッグによる予備圧着を行い、予備圧着後の可視光線透過
率を測定した。その結果を表2に示す(各3点平均)。
数値が大きい方がシールが強大であり、上辺相当部と下
辺相当部のこの数値の差が大きい程、脱気不良になるこ
とを示す。
【0041】[比較例2]比較例1で伸展した中間膜を
平板ガラス間に合せて上辺相当部と下辺相当部の真空バ
ッグによる予備圧着を行い、予備圧着後の可視光線透過
率を測定した。その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2から明らかなように、実施例2の場
合、どの伸展率でも上辺側と下辺側とで透過率の差はほ
とんどないが、比較例2の場合はいずれの伸展率でも透
過率の差が20%以上となり、脱気不良を生じる。
【0044】[実施例3]実施例1と同じロールを使用
して幅が1.2mの中間膜を作った。フロントガラスの
上辺部に当たる部分がx=−0.1、即ち端部から40
cmを通過するように設定した。得られた中間膜は、幅
が1.2mで、上辺相当部のピッチが167μm、下辺
相当部のピッチが140μmであった。この中間膜を実
施例1と同様に伸展した後、エンボスのピッチを測定し
た結果を表3に示す。
【0045】[比較例3]比較例1のロールを使う他は
実施例3と同様に中間膜を作り、実施例3と同様に伸展
した後のエンボスのピッチを測定した結果を表3に示
す。
【0046】表3から明らかなように、実施例3のよう
に上辺側と下辺側とでエンボスのピッチが異なるような
ピッチ分布を有するロールを使った方が、伸展後の中間
膜の上辺相当部と下辺相当部とでエンボスのピッチ差が
小さくなる。
【0047】
【表3】
【0048】[実施例4]実施例3で伸展した中間膜を
平板ガラス間に合せて上辺相当部と下辺相当部の真空バ
ッグによる予備圧着を行い、予備圧着後の可視光線透過
率を測定した。その結果を表4に示す(各3点平均)。
【0049】[比較例4]比較例3で伸展した中間膜を
平板ガラス間に合せて上辺相当部と下辺相当部の真空バ
ッグによる予備圧着を行い、予備圧着後の可視光線透過
率を測定した。その結果を表4に示す(各3点平均)。
【0050】
【表4】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、伸展後の中間膜の上辺
側と下辺側との間のエンボスのピッチ差が小さくなるの
で、この中間膜を用いることにより、ピッチ差による脱
気不良が生じることなく自動車積層安全ガラスを製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による中間膜の一例を示す平面図であ
る。
【図2】フロントガラスの一例を示す平面図である。
【図3】伸展後の中間膜を示す平面図である。
【図4】形状の異なる種々のフロントガラスを示す説明
図である。
【図5】中間膜の伸展の前後におけるエンボスの変化を
示す説明図である。
【符合の説明】
10 中間膜 11 熱可塑性樹脂シート 12 エンボス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一面にエンボスが形成された
    自動車積層安全ガラス用中間膜において、該中間膜を用
    いて作製される自動車積層安全ガラスの下辺側に対応す
    る辺側のエンボスのピッチが該自動車積層安全ガラスの
    上辺側に対応する辺側のエンボスのピッチよりも相対的
    に小さくなるように形成されていることを特徴とする自
    動車積層安全ガラス用中間膜。
  2. 【請求項2】 中間膜の少なくとも一面に、一辺側のエ
    ンボスのピッチが対応する他辺側のピッチよりも相対的
    に小さなピッチを有するようにエンボスを形成し、該中
    間膜の前記一辺側を前記他辺側よりも相対的に大きく伸
    展させて前記一面の全面に均一なピッチのエンボスが形
    成された中間膜を得た後、該中間膜を2枚のガラス板に
    挟んで合わせ加工を行うことを特徴とする自動車積層安
    全ガラスを製造する方法。
JP32289593A 1993-12-21 1993-12-21 自動車積層安全ガラス用中間膜及びそれを用いた自動車積層安全ガラスの製造方法 Pending JPH07172880A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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