JPH071681B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

荷電粒子線装置

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JPH071681B2
JPH071681B2 JP2110116A JP11011690A JPH071681B2 JP H071681 B2 JPH071681 B2 JP H071681B2 JP 2110116 A JP2110116 A JP 2110116A JP 11011690 A JP11011690 A JP 11011690A JP H071681 B2 JPH071681 B2 JP H071681B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/10Lenses
    • H01J37/12Lenses electrostatic
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y15/00Nanotechnology for interacting, sensing or actuating, e.g. quantum dots as markers in protein assays or molecular motors

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  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、例えば電子顕微鏡、電子線描画装置、イオン
顕微鏡、二次イオン質量分析装置などの細く集束された
電子線またはイオン線を用いる荷電粒子線装置の改良に
係り、特にそれにおける荷電粒子光学系の改良構造に係
る。
【従来の技術】
従来、電子顕微鏡、電子線描画装置、イオン顕微鏡、二
次イオン質量分析装置などの細く集束された電子線また
はイオン線を用いる荷電粒子線装置の荷電粒子光学系に
あっては、試料上に荷電粒子線を集束するための対物レ
ンズとして、例えば第4図や第12図に示すような、ヨー
ク14と励磁コイル15から構成される磁界型レンズ、また
は第5図や第13図に示すような、三枚の電極からなるア
インツェルレンズ17が使われてきた(前者については例
えば、特開昭63-160144号公報参照、後者については例
えば、特開昭63-252347号公報参照)。 また、これら荷電粒子線装置の荷電粒子線発生部には、
一般的に、荷電粒子源から荷電粒子線を引き出し、これ
を所望のエネルギまで加速(または減速)し、且つ集束
作用を行わせるための静電レンズが設けられている。こ
の静電レンズとしては、例えば第12図や第13図に示すよ
うな三枚の電極19、20、21からなる三電極レンズが用い
られている。上記荷電粒子線発生部における静電レンズ
や対物レンズなどの集束レンズ間の光学軸を合わせるた
めには、機械的または電気的なアラインメント手段が必
要である。従来、荷電粒子線の精密な軸合わせを行なわ
せるための電気的なアラインメント手段は、第12図に示
すように三電極レンズと磁界レンズとの間、または第13
図に示すように三電極レンズとアインツェルレンズとの
間などのごとく、一般にアース電位にある空間内に設け
られたアラインメントコイル23′によって各レンズ間の
軸ずれを補正してやるものであった。また、荷電粒子線
の偏向や非点収差補正も荷電粒子線発生部を構成してい
る静電レンズの下側(試料側)に存在するアース電位空
間内に設けられた偏向コイル5′やスティグマコイル2
4′によって行なわれていた(例えば、特公昭63-67743
号公報参照)。
【発明が解決しようとする課題】
電子顕微鏡などの細く集束された荷電粒子線を用いて試
料表面の観察を行なう荷電粒子線装置においては、対物
レンズによって試料上に集束される荷電粒子線のスポッ
ト径が例えば分解能などの装置性能を決定する大きな要
因となっている。このスポット径をいかに小さくできる
かは、主として対物レンズの光学収差をいかに小さくで
きるかに依存する。この収差を小さくするためには、対
物レンズの主面にできるだけ試料を近づけ、対物レンズ
の焦点距離をできるだけ短かくして使うことが必要であ
る。従来の磁界型レンズにおいては、第4図に示すよう
に、レンズの主面11がヨーク14のギャップH内磁界中に
存在するため、試料6を主面11に近づけるためには、試
料6をヨーク14の狭いギャップH内に入れなければなら
ない。これは、大面積の試料を観察対象とする場合や、
同じ試料を他の観察・計測手段によっても同時に観察・
計測できるようにするために、該荷電粒子線装置にこれ
ら他の観察・計測手段を結合して用いようとする場合な
どには極めて不都合である。また、従来のアインツェル
レンズの場合にも、第5図に示すように、その中心電極
への印加電圧の正負にかかわらず、該レンズの主面11は
常にアインツェルレンズ17の内部空間内にあるため、試
料6をレンズの主面11に十分には近づけられない。その
ためレンズの収差がどうしても大きくなってしまう。 また、荷電粒子線を静電レンズ、または静電レンズと磁
界レンズとの組合せレンズを用いて試料上に集束させる
荷電粒子線装置においては、レンズの光学収差をできる
だけ小さくして試料上にボケの少ないスポットを得るこ
とが重要である。静電レンズにおいては、各電極間の中
心軸のずれが光学収差の増大を招く大きな要因となる。
一方、電極の加工精度や組立精度に限界があるため、こ
のような電極間の中心軸のずれは避けることができな
い。従来、荷電粒子線装置を構成するレンズの相互間、
つまり静電レンズ−磁界レンズ間,静電レンズ−静電レ
ンズ間などレンズ同志の間の軸ずれの精密な補正は、各
レンズ間のアース電位空間内において荷電粒子線を電気
的手段によってアラインメントすることによって行なわ
れていた。しかし、静電レンズを構成する各電極間の中
心軸のずれを電気的手段によって正確に補正することは
行なわれていなかった。即ち、従来は静電レンズの各電
極を装置外部(大気圧側)から機械的手段によって移動
調整するアラインメント手法が採られていたが、電極印
加電圧に対する絶縁の問題や真空シールの問題などで装
置構造が複雑となる上に、機械的なバックラッシュが残
るため、調整の精度、再現性などにも問題があった。 また色収差や球面収差を小さくするには、レンズと試料
とをできるだけ近づける必要がある。従来は、三電極レ
ンズのような荷電粒子線発生部を構成している静電レン
ズの下側(試料側)に荷電粒子線偏向手段や非点収差補
正手段を配置する構造となっていた。このため、荷電粒
子線発生部を構成している静電レンズと試料とを十分に
近づけられず、該静電レンズの下方に別に対物レンズを
設ける必要があった。従って、電子光学系が複雑になり
装置を小型化することは困難であった。 本発明の一つの目的は、試料を対物レンズの外に配置し
ても、十分に光学収差を小さくでき、しかも極めて小型
で構成の簡単な荷電粒子線装置を提供することである。 本発明の他の目的は、静電レンズを構成する各電極間の
軸ずれに基づいて生じる光学収差が小さな荷電粒子線装
置を提供することである。 本発明のさらに他の目的は、荷電粒子光学系の構成とそ
の構造が簡単で小型化することが容易な荷電粒子線装置
を提供することである。
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明においては、荷電
粒子線装置の対物レンズとして静電型対物レンズを使用
し、該静電型対物レンズを荷電粒子線を通過させるため
の開口をそれぞれ有する2つの電極より構成し、これら
2つの電極のうち荷電粒子源に近い側にある第一電極の
電圧をこれと対向する試料側の第二電極に対して、上記
荷電粒子線が負に帯電した粒子線である場合には正電位
に、正に帯電した粒子線である場合には負電位に保持す
ることによって荷電粒子線に対する集束作用を生じさ
せ、該静電型対物レンズのレンズ主面を上記第二電極の
下面よりも試料側の位置に形成させてなることを一つの
特徴としている。 また、本発明においては、荷電粒子線を試料上で走査さ
せるために、上記第二電極の電位に対して上記第一電極
の電位と同極性側の電位に保たれた空間内において、よ
り典型的には上記第一電極の電位と同電位に保たれた空
間内において、上記荷電粒子線を偏向させるような荷電
粒子線偏向手段を設けてなることを他の特徴としてい
る。 また、本発明においては、荷電粒子線をアラインメント
させるために、荷電粒子線を集束させるための静電レン
ズを構成する電極のうち可変電位が印加される電極の内
部空間内、特に荷電粒子線の速度を極大とするような電
位が印加される電極の内部空間内において、荷電粒子線
をアラインメントさせるような電磁的または静電的なア
ラインメント手段を設けてなることをさらに他の特徴と
している。 また、本発明においては、荷電粒子線を二次元的に走査
させるために、上記した荷電粒子線をアラインメントさ
せるのと同一の電極内部空間内において、荷電粒子線を
偏向させるような電磁的または静電的な荷電粒子線偏向
手段を設けてなることをさらに他の特徴としている。 さらに、本発明においては、上記した荷電粒子線をアラ
インメントさせるのと同一の電極内部空間内において、
荷電粒子線の非点収差補正を行なわせるような電磁的ま
たは静電的な非点収差補正手段を設けてなることをさら
に他の特徴としている。
【作用】
上記した本発明の特徴的構成によれば、次のような作用
効果が得られる。即ち、静電対物レンズの主面を該レン
ズを構成する2つの電極の下側、つまり、第二電極と試
料との間に位置させることによって、試料を対物レンズ
の中に置かずに第二電極よりも下方(試料側)に配置し
た場合でも十分に短焦点距離でのレンズ使用が可能とな
り、非常に小さいレンズ収差を実現できる。従って、か
かる本発明による対物レンズ構成を用いた荷電粒子線装
置においては、大面積の試料であってもこれを小さく分
割することなく、対物レンズの下方にそのまま配置して
高分解能での試料観察ができる。また、本発明による対
物レンズはその構成が著しく簡単な二電極静電レンズで
あるため、荷電粒子線装置全体の小型化が容易である。
また、本発明の荷電粒子線装置によれば、試料を対物レ
ンズからある程度離れた位置に置いても何ら分解能を損
なうことなく試料の観察ができるので、対物レンズと試
料との間に空間的余裕ができるため、この空間的余裕を
利用して他の観察・計測装置との複合化を行なうことが
容易にできる。 また、本発明による対物レンズは、該レンズを構成する
電極の内部空間内において荷電粒子線を偏向させる手段
を設けてなるため、荷電粒子線装置の電子光学系全体を
コンパクトに構成することができる。 また、本発明による静電レンズは、該レンズを構成する
電極の内部空間内において荷電粒子線をアラインメント
させる手段を設けてなるため、各電極間の軸ずれの影響
を精密に補正させることができるため、荷電粒子線装置
における電子光学系の収差を効果的に低減できる。ま
た、上記したように荷電粒子線のアラインメントや偏向
さらには非点収差補正などを静電レンズの内部空間内に
おいて行なわせることにより、そのためのアラインメン
ト手段や偏向手段や非点収差補正手段などを該静電レン
ズの近傍にコンパクトに収納してしまうことができるた
め、荷電粒子線装置の電子光学系の全体構造を容易に小
型化できる。
【実施例】
以下、本発明の実施例につき、図面を参照して詳細に説
明する。なお、以下の実施例では、本発明を集束電子線
を用いる装置、特に走査形電子顕微鏡に適用した場合に
ついて述べるが、本発明はそれのみに限定されるもので
はなく、集束イオン線を用いる装置にも適用できるもの
であることは云うまでもない。 第1図は、本発明の一実施例になる走査形電子顕微鏡の
電子光学系の概略構成図である。図において、電子源1
から放射された電子線2は、2つの電極3,4からなる対
物レンズによって試料6上に細く集束される。そして、
この対物レンズを構成する2つの電極3,4のうち、電子
源1側にある第一電極3の電圧を試料6側にある第二電
極4(アース電位にある)に対して正側の電圧とし、該
電圧を調整して第一電極3と第二電極4との間の電界を
調節することで、該対物レンズのレンズ作用が調節され
る。これによって、第6図に示すように、対物レンズの
レンズ主面11が第二電極4の下側に形成されるようにす
る。さらに、電子線2は、第一電極3に囲まれているこ
とによって該第一電極3と同電位に保たれている空間内
において、静電型または磁界型の偏向器5により偏向さ
れ、試料6上で二次元的に走査される。電子線2の照射
によって試料6から発生した二次電子8は、二次電子検
出器9によって検出され、該検出信号を映像信号として
制御・表示装置10内の表示部に試料6の二次元二次電子
像が得られる。これらの制御,信号処理,表示などに関
する操作は、すべて制御・表示装置10によって行なわれ
る。 なお、上記の第一電極3と同電位に保たれている空間内
において電子線2を偏向すると云うことの意味は、電子
線2が偏向作用を受けるべき位置空間(偏向空間)を指
定しているのであって、偏向器(例えば、偏向コイルや
偏向電極)そのものを設けるべき位置空間を指している
のではないことに留意されるべきである。そして、この
電子線2のための偏向空間は、必ずしも上記した第一電
極3に囲まれている空間内のみに限定されるものではな
く、詳しくは後述するように、第一電極3に隣接して該
第一電極3と同電位に保たれている空間内であってもよ
く、さらには、該第一電極3に隣接して該第一電極3と
同極性側の電位(第二電極4に対して正側の電位)に保
たれている空間内であってもよいのである。 上記静電対物レンズを構成する2つの電極のうち、第一
電極3を第二電極4に対して正電位にしたときの電子線
2の軌道を第6図に模式的に示す。電子線2は、第一電
極3を通過した後まず発散され、ついで第二電極4の近
傍で強く集束される。従って、このレンズのレンズ主面
11は第二電極4の下面よりもさらに試料6側に離れて位
置することになる。その結果試料6をレンズの外側(下
側)に置いても、レンズ主面11に試料6を十分に近づけ
て使用することができ、それがためにレンズ収差を十分
小さくできるのである。ただし、第一電極3を第二電極
4に対して負電位にした場合には、レンズの主面位置は
逆に第一電極3の下面よりもずっと上側に位置すること
になってしまい、却ってレンズ収差は大きくなってしま
う。従って、電子線に対する対物レンズとして働かせる
場合には、第一電極3を第二電極4に対して正電位にし
て動作させることが必要条件である。(もちろん、イオ
ン線に対する対物レンズとして働かせる場合には、この
逆に、第一電極3を第二電極4に対して負電位にして動
作させるべきであることは云うまでもない。) これに対して、従来用いられている磁界型対物レンズに
おいては、第4図に示すように、そのレンズ主面11は常
にヨーク14のギャップ内空間内にある。この理由は、電
子線2が該ギャップ内空間においては集束作用だけを受
けるためである。このように、磁界型対物レンズのレン
ズ主面11は常にヨーク14の下面16よりも上側に存在す
る。従って、試料6をレンズ外側(下側)に置くかぎ
り、試料6とレンズ主面11とはある限界よりも近づける
ことができず、このため、収差の低減にもおのずから限
界がある。 第7図は、従来の代表的な磁界型対物レンズと本発明に
よる静電型対物レンズとについてワーキングディスタン
ス(レンズ下面16から試料6までの距離)Aと色収差係
数Ccとの関係を示したものである。ここで、従来の磁界
型対物レンズについては、ポールピース部の寸法を、ギ
ャップH=4mm、開口径φD=3mmとした例である。ま
た、本発明による静電型対物レンズについては、第一電
極3と第二電極4との間隔B=2mmとした例である。第
7図からもわかるように、従来の磁界型レンズでは、レ
ンズ下面に試料を十分に近づけても、つまり、ワーキン
グディスタンスAを十分に小さくしても、収差を低減す
る効果は少ないことがわかる。これに対して、本発明に
よる静電型対物レンズでは、レンズ主面11がレンズの外
側(下側)に形成されているため、ワーキングディスタ
ンスAを小さくして試料6をレンズ主面11に近づければ
近づけるほど収差は小さくできる。この点で、本発明に
よる静電型対物レンズは、従来の磁界型対物レンズに比
べて、走査形電子線装置の高性能化により一層有効であ
る。 磁界型レンズを用いた電子線装置の場合には、該レンズ
のギャップ内空間内に試料を置くことよってレンズ収差
を小さくする方法もあるが、該電子線装置によって半導
体ウエハなどの大面積試料をそのままで観察したい場合
や、該電子線装置を他の観察・計測手段と結合すること
によって複合化した観察・計測手段として用いようとす
る場合などには極めて不都合である。この点、本発明に
よる静電型対物レンズを用いた電子線装置の場合には、
何ら分解能を損ねることなく試料をレンズから離して置
くことができるので、大面積の試料でもそのまま観察す
ることができ、さらには、試料−レンズ間空間を利用し
て、該電子線装置を他の観察・計測手段と結合し、複合
化してやることも容易である。 また、本発明のように静電型の対物レンズとした場合に
は、磁界型レンズの場合のように励磁コイルを巻く必要
がないため、レンズ自体を非常に小型にすることが可能
である。例えば、従来の磁界型レンズの大きさが直径約
100〜150mmであるのに比べ、本発明による静電型対物レ
ンズでは直径10mm以下にすることも容易に実現できる。
このようにレンズ自体を著しく小型化できると云う点で
も、本発明による静電型対物レンズは従来の磁界型対物
レンズに優っており、この点からしても、本発明による
静電型対物レンズを用いた電子線装置は、それを他の観
察・計測手段と結合して用いようとする場合に有利であ
る。 また、第5図に示すような従来のアインツェル型対物レ
ンズ17を用いた場合にも、その中心電極への電圧の印加
状態の如何によらず、そのレンズ主面11は常にレンズ17
の内部空間内にある。これは、次のように説明できる。
つまり、アインツェル型対物レンズを用いた電子線装置
においては、電子線2に偏向を試料6と同じ電位つまり
アース電位において行なうため、上下両側の電極が同じ
アース電位となり、このために中心電極の下側だけでな
くその上側にも互いに同程度の強さのレンズ作用が発生
する。この上側のレンズ作用があるために、アインツェ
ルレンズ17のレンズ主面11は該レンズのほぼ中央部あた
りにできるのである。従って、試料6をレンズ主面11に
十分に近づけることができず、そのレンズ収差は従来の
磁界型レンズよりもさらに大きくなってしまう。よっ
て、レンズ主面11をできるだけ試料6側に作るために
は、本発明のように、第一電極3のすぐ上方に強いレン
ズ作用を生じさせることがないようにするために、電子
線2の偏向を第一電極3と同電位か少なくとも該第一電
極3と同極性側の電位にある空間内において行なうのが
望ましい。また、アインツェル型対物レンズは、本発明
の静電型対物レンズに比べ、電極の数も多く、構造も複
雑である。これらの点で、本発明の静電型対物レンズを
用いた電子線装置は、従来のアインツェル型対物レンズ
17を用いた電子線装置に比べても著しく有利である。 第2図は、本発明の他の一実施例になる走査形電子顕微
鏡の電子光学系の概略構成図である。本実施例では、電
子源1として電界放出型電子源が用いられており、その
放出電流を制御するために引出電極7が設けられてい
る。電界放出型電子源を用いることにより、低加速でよ
り高分解能な観察ができる。また、電界放出電流の安定
化のためには、電界放出型電子源を10-10Torr程度の超
高真空中で用いる必要があるが、本発明のように磁界型
レンズの代わりに静電型レンズを用いることにより、高
温度でのベーキングによる脱ガス処理が可能となり、よ
り容易に超高真空状態を実現できるようになる。 第3図は、本発明のさらに他の一実施例になる走査形電
子顕微鏡の電子光学系の概略構成図である。本実施例で
は、第2図に示した実施例の構成に加えて、引出電極7
の下にさらにプローブ電流制御用電極12が設けられてい
る。この電極12に印加する電圧を調節することによっ
て、試料6に照射される電子線2の電流値(プローブ電
流)を制御することができる。 また、電子線2を偏向させるための空間(第一電極3と
同電位の空間)を設けるために、第3図に示すように、
該第一電極3の上方に新たに別の電極(偏向空間形成用
電極)13を設け、該電極13を第一電極3に接続して両者
を同電位に保持するようにしてもよい。また、偏向器5
として電磁偏向コイルを用いるときには、電極13を非磁
性体製とすることにより、該電磁偏向コイル5を電極13
の外側に配置することも可能である。この実施例の構成
による走査形電子顕微鏡においては、1kV程度の低加速
電圧での試料表面観察においても、8nmという高分解能
が確認されている。 第8図は、本発明のさらに他の一実施例になる走査形電
子顕微鏡の電子光学系の概略構成図である。図におい
て、電界放出型の電子源1と第一陽極19との間の電界に
より電子源1から放出された電子線2は、第一陽極19と
第二陽極20′との間の電界および第二陽極20′と第三陽
極21との間の電界により集束作用を受ける。該電子線2
はさらにヨーク14と励磁コイル15からなる磁界レンズに
よって試料6上にフォーカスされ、偏向コイル5′によ
って試料6上で二次元的に走査される。試料6から発生
した二次電子8は二次電子検出器9によって検出され、
この検出信号を映像信号として制御・表示装置10内の表
示部に試料6表面の二次元二次電子像が得られる。この
とき電子源1と三電極静電レンズを構成する各陽極19、
20′、21の間の軸ずれによる収差を低減するために、可
動機構18による電子源1の機械的アラインメントと第一
アラインメントコイル22による静電レンズの内部(第二
陽極20′によって囲まれた空間内)での電子線2の電磁
的アラインメントが行なわれる。さらに、レンズ間の軸
ずれを補正するための従来の第二アラインメントコイル
23′によって、電子線2は磁界レンズ14の中心を通るよ
うにアラインメントされる。また、スティグマコイル2
4′によって非点収差補正が行なわれる。これらの制
御、信号処理、表示などに関する操作はすべて制御・表
示装置10によって行なわれるものとする。 従来は、第12図または第13図に示すように、電子源1の
位置を微動調整する機械的なアラインメント機構18およ
び陽極19、20、21で構成される三電極静電レンズと磁界
レンズ14またはアインツェルレンズ17との間の軸ずれに
よる収差を補正するための第二アラインメントコイル2
3′だけが設けられていた。しかし、静電レンズ自体の
内部における軸ずれ、例えば三電極静電レンズの各陽極
19、20、21間の軸ずれを補正するためのアラインメント
手段は設けられていなかった。このため、各電極の加工
誤差や組立て誤差により発生する光学的収差を十分な精
度で補正することはできなかった。 従来の機械的アラインメント手段だけでは収差補正には
不十分であることを以下に第14図を参照して説明する。
第14図は、三電極静電レンズによってフォーカスされる
電子線の各レンズ電極間に軸ずれが全くない場合のスポ
ット径と各電極が20μずつ軸ずれしている場合のスポッ
ト径のボケ量とを計算して求めた結果を示している。こ
こでは、三電極静電レンズの色収差と球面収差を小さく
するために、第二陽極20に正電位を印加することによっ
て電子線2をフォーカスさせる場合について説明する。
第14図からわかるように、電子源1をどのようにうまく
アラインメントしたとしても各陽極間の軸ずれによるス
ポット径のボケ量は理想的に軸ずれが全くないときのス
ポット径そのものの大きさと同程度あるいはそれ以上に
なってしまい、満足できるように小さなスポット径を得
ることはできない。その理由について、第15図を用いて
説明しよう。同図は三電極静電レンズにおける電子速
度、電子軌道、レンズ作用を概略的に示したものであ
る。この図からわかるように、電子線の速度が極大とな
る第二陽極20の付近ではレンズとしての集束作用は弱
く、集束作用(凸レンズ作用)の強い部分は、第一陽極
19の付近と第三陽極21の付近との2ヵ所に存在してい
る。従って、レンズ電極間の軸ずれによるボケ量を小さ
くするためには、電子線を上述の2ヶ所に形成される集
束作用(凸レンズ作用)の強い部分の中心軸上、即ち、
第一陽極19の開口中心軸上と第三陽極21の開口中心軸上
とを同時に通してやる必要がある。第12図、第13図に示
すような従来の3電極静電レンズの構成では、電子源1
を機械的微動手段によってどのようにうまくアラインメ
ントしたとしても上記の条件を満足させることは不可能
であり、これがために各電極間の軸ずれによるスポット
径のボケ量は殆ど小さくできないのである。 そこで本実施例では、レンズ作用の弱い部分つまり電子
線2の速度が極大となるような第二陽極部分20′を光学
軸方向に拡げて、該第二陽極部分20′の内部空間内で電
磁的に電子線2をアラインメントできるようにするため
に、新たに第一アラインメントコイル22を付設してあ
る。このようにすれば、電子源1の機械的アラインメン
トと第一アラインメントコイル22による電磁的アライン
メントによって、電子線2をして第一陽極19の開口中心
軸上と第三陽極21の開口中心軸上とを同時に通してやる
ことが可能となるのである。これにより、各電極間の軸
ずれによるスポット径のボケ量は、第14図に実線で示し
たものより一桁程度小さくできる。第14図、第15図は3
枚の電極からなる静電レンズの場合の例であるが、一般
に静電レンズにおいては、それを構成する電極の枚数に
関係なく、レンズ空間内における集束作用は荷電粒子線
の速度が小さいところで強く、荷電粒子線の速度が大き
いところで弱くなる。よって、荷電粒子線の速度が極大
となるような部位において荷電粒子線のアラインメント
を行なうようにすれば、電極間の軸ずれの影響で生じる
光学収差は効果的に補正できる。 第9図に、本発明のさらに他の一実施例を示す。本実施
例では、対物レンズとしてアインツェルレンズ17が用い
られており、上記した電子線発生部における三電極静電
レンズの第二陽極部20′の位置の他に上記アインツェル
レンズ17の中心電極位置においても電子線の速度が極大
となるような構成となっている。そのため、第8図に示
した実施例で付設した三電極静電レンズ用の第一アライ
ンメントコイル22、レンズ間の軸合わせ用の第二アライ
ンメントコイル23′に加えて、アラインツェルレンズ
(静電レンズ)17用の第三アラインメントコイル25が設
けられている。これによって、アインツェルレンズ17の
各電極間の軸ずれの影響をも補正でき、第13図に示した
従来の装置構成におけるよりも著しく収差を低減でき
る。 第10図に、本発明のさらに他の一実施例を示す。本実施
例では、電子源1から引出電極7によって引き出された
電子線2は、本発明による二電極静電対物レンズによっ
て直接試料6上にフォーカスされている。ここでは、電
子線の速度が極大となる第一電極3の内部空間内におい
て電子線のアラインメントを行なわせるためのアライン
メントコイル22を設けると共に、それと同一の電極内空
間内において電子線2を偏向させるための偏向コイル5
が設けられ、該偏向コイル5によって電子線2を試料6
表面上で二次元的に走査させている。このようにすれ
ば、各レンズ電極間の軸ずれの影響を効果的に補正でき
るだけでなく、従来のようにわざわざ偏向コイル5′の
下にさらに別の対物レンズを配置するなどの面倒な構成
をとらなくても、電極3、4からなる静電対物レンズと
試料6との間の距離を十分に短くして使用することがで
きるので、レンズ収差を十分に小さくして使用すること
ができる。また、本実施例では、さらに第一電極3の内
部空間内において非点収差補正を行なわせるためのステ
ィグマコイル24も付設されている。従って、非常に構造
が簡単で、小型で、しかも収差の小さな走査形電子顕微
鏡用の電子光学系が実現できる。本実施例の構成によれ
ば、走査型電子顕微鏡の鏡体全体を一例として直径34m
m,高さ100mm程度に小型化することが実現できており、
しかも、電子線の加速電圧が1kVで8nm以下という非常に
高い分解能での観察が可能となっている。 第11図に、本発明のさらに他の一実施例を示す。本実施
例では、第10図に示した実施例における引出電極7と第
一電極3との間に、さらにプローブ電流制御用電極12が
設けられている。そして、該プローブ電流制御用電極12
と第一電極3とにそれぞれ印加する電圧を調整すること
により、電子線2を試料6表面上にフォーカスさせると
ともに、試料に照射される電子線の電流値(プローブ電
流)を調整するようになっている。 上記した本発明の実施例においては、アラインメントコ
イルなどには小型化のために電磁コイルを用い、それら
を静電レンズを構成する電極の近傍の真空空間内に配置
して用いたが、これらの電磁コイルを真空空間外に配置
して用いても同様の効果が得られることは云うまでもな
い。 また、アラインメント用などには、電磁コイルを用いず
に、静電プレートをレンズ電極の内側空間内に配置して
用いる構成を採ることももちろん可能である。 第16図は、本発明のさらに他の一実施例になる走査形電
子顕微鏡の断面構造図である。この実施例は既に詳しく
述べた静電対物レンズを実装した走査形電子顕微鏡の例
であり、その電子光学系の鏡筒部分は外径34mm,高さ120
mmと従来装置に比べて体積的にも重量的にも1/100以下
に小型化されている。 以下に、その構造と動作について説明する。電界放出型
電子源1と引出電極7との間に印加された電界によって
電子源1から放出された電子線は、引出電極7,調整電極
12,第三電極13によって構成される三電極静電レンズの
それぞれの電極間に形成されるレンズ電界によって、さ
らには第一電極3と第二電極4によって構成される本発
明の静電対物レンズの電極間に形成されるレンズ電界に
よって、細く集束されて試料6上に照射される。さら
に、電子線を試料6上でより微小なスポットに集束させ
るために、第一電極3および第三電極13と同電位に保た
れている偏向空間形成用電極13′の内部空間内で、第11
図に示したようなアラインメントコイル22によるアライ
ンメント、スティグマコイル24による非点収差補正が行
なわれ、それによって細く集束された電子線は、同じ電
極内空間内で偏向コイル5により偏向され、試料6の表
面上で二次元的に走査される。この走査に従って試料6
から発生した二次電子が二次電子検出器9によって検出
され、この検出信号を映像信号として試料表面の走査電
子顕微鏡像が表示される。なお、上述したアラインメン
トコイル22,スティグマコイル24,偏向コイル5は、電気
絶縁体円筒34の外周に付設されたボビン30上に重ね巻き
されており、図中ではコイル31として示されている。 三電極静電レンズを構成する引出電極7,調整電極12,第
三電極13の各間は、それぞれ電気絶縁体スペーサ32,33
によって互いに絶縁されている。また、第一電極3と第
二電極4との間は、電気絶縁体円筒34によって絶縁され
ている。そして、第二電極4と試料6とはアース電位に
置かれている。 はじめに、第三電極13と偏向空間形成用電極13′の部分
の電位について説明する。本実施例においては、第三電
極13,第一電極3,偏向空間形成用電極13′は同電位に保
たれ、これら電極を第二電極4に対して正電位に保持す
ることによってレンズ作用を起こさせている。もちろ
ん、第18図に示すように、第三電極13と偏向空間形成用
電極13′とにそれぞれ第一電極3とは異なる正電位を印
加するような構成とすることも可能である。ここで、第
三電極13と偏向空間形成用電極13′とに正電位を加える
理由について以下に述べる。第三電極13や偏向空間形成
用電極13′を第二電極4と同じアース電位にすれば、従
来周知のアインツェルレンズを形成する。しかし、その
ようなアインツェルレンズ構成では、光学収差を十分に
小さくすることはできない。 第19図には、第18図に示すごとく構成された静電型対物
レンズにおいて、偏向空間形成用電極13′への印加電圧
Vdefと第一電極3への印加電圧VL1との比(Vdef/VL1
を変化させたときの色収差係数Ccおよび球面収差係数Cs
の変化の様子を示してある。偏向空間形成用電極13′に
第一電極3と同極性の正電位(Vdef>0)を印加するこ
とにより、色収差係数Cc及び球面収差係数Csがアインツ
ェルレンズ(Vdef=0とした場合)よりも小さくなるこ
とが分かる。即ち、前述した従来のアインツェルレンズ
では、光学収差のため十分に微小な電子線スポットを得
ることができない。 従来のアインツェルレンズでは得られないような十分に
微小な電子線スポットを得ることができ、さらに、磁界
型対物レンズと同等もしくはそれ以上のレンズ性能が得
られるようにな静電型対物レンズとするためには、Vdef
>VL1/4とすることが望ましい。本実施例のようにVdef
=VL1とすることにより、偏向空間形成用電極13′を第
一電極3と絶縁する必要もなくり、非常に構造が簡単に
なって、装置全体の小型化がより容易となる。また、偏
向空間形成用電極13′を別電位にすることによる煩雑な
調整作業も不必要となり、さらに必要な高圧電源の数も
少なくて済むと云う利点も得られる。 第二電極4の試料側の下面と試料6表面との間のワーキ
ング距離Aは本実施例では1〜10mm程度にしている。第
17図には、本発明の第一電極3と第二電極4からなる静
電型対物レンズ(電極間距離B=2mmと20mmの場合)と
代表的な磁界型対物レンズ(磁極開口径4mm,磁極間間隔
4mm)との色収差係数Ccを比較して示してある。図から
わかるように、電極間距離Bにほとんどかかわらず、ワ
ーキング距離Aを15mm以下にした場合において、本発明
の静電対物レンズの方が磁界型対物レンズよりもより低
い収差を実現できるようになり、より高分解能での試料
観察ができるようになる。従って、これまでの磁界型対
物レンズを用いた走査形電子顕微鏡と同等もしくはそれ
以上の分解能を得るためには、ワーキング距離Aを15mm
以下に設定することが望ましい。 本発明の静電型対物レンズにおいては、上記したように
電極間距離Bにほとんどかかわらず、ワーキング距離A
を短くすることにより低収差を実現することができる。
しかし、あるワーキング距離Aのところに電子線を集束
させるために必要な第一電極3への印加電圧VL1は電極
間距離Bを長くするほど急速に大きくなる。本実施例の
最大の特長は、走査形電子顕微鏡の鏡筒を非常に小型に
できるということである。この特長を活かすためには、
高圧電源やフィールドスルーがあまりに大型であっては
ならない。また、各レンズ電極へ高電圧を印加するため
のリード線も鏡筒内の狭い間隙を介して付設する必要が
ある。この意味で電極間距離Bをなるべく小さくし、必
要な印加電圧を小さくする方が望ましい。例えば、加速
電圧が3kV以下の場合、最大20kVの電源電圧でワーキン
グ距離A=15mmの位置に電子線を集束させるためには、
B<20mmとすることが必要である。上記の理由によりB
<20mmとすることが望ましく、本実施例ではさらに実用
的観点を加味してB=2mmとしている。また、電極の製
作技術等が改善されれば、電極間距離Bをさらに小さく
することも小型化のためには有効である。 本発明のもう一つの特徴は、静電対物レンズの主面がレ
ンズの外部(試料側)にあるということである。したが
って、磁界型対物レンズの場合のように試料を小さく分
割してレンズのギャップ内空間中に入れるという必要が
なく、大面積の試料でもそれをレンズの外部に置いて十
分に高分解能での試料表面観察ができる。とくに、磁性
材料を試料とする場合には、該試料を磁界レンズのギャ
ップ内磁界中に置いて観察することは不可能であるが、
本発明の静電対物レンズにおいては、レンズ内外に磁界
が存在しないので、磁性材試料であっても十分に高分解
能での観察ができる。また半導体ウエハのような大型試
料でも、それを分割することによって破壊してしまうこ
となく、そのままの状態で高分解能観察ができる。さら
に半導体ウエハのような試料においては、その表面を電
子線の入射方向に対して45°〜60°の角度に傾斜させた
状態で観察したいという要求が大きいが、この要求に応
えるためには、静電対物レンズの最下端にある第二電極
4の形状を、その下端部外径Dが10mm以下であるような
逆円錐台形状としてやるのがよい。 本実施例の電子光学系においては、それぞれ異なる5つ
の電位、つまり電子源1の電位、引出電極7の電位、調
整電極12の電位、第三電極13,第一電極3,偏向空間形成
用電極13′に共通の電位、および第二電極4の電位(ア
ース電位)が用いられている。電子源1の電位によって
加速電圧が決められ、引出電極7の電位によって電子源
1からの電界放出電流が制御される。さらに、調整電極
12の電位と第一電極3の電位を制御することにより、試
料6へのプローブ電流値とフォーカス状態が調整され
る。電流値を絞って高分解能を得るためには、第三電極
13,第一電極3,偏向空間形成用電極13′に共通に印加す
る電位を最終的な加速電圧の5〜15倍程度の高い正電位
に設定して、電子線を強くフォーカスさせる。また、分
解能を少々低下させてもプローブ電流値を多くとりたい
場合や焦点深度を大きくしたい場合には、第三電極13,
第一電極3,偏向空間形成用電極13′に共通に印加する電
位を低くして、電子線を弱フォーカスさせてやる。 このように、本実施例では特に高分解能を実現するため
に、最下端電極である第二電極4以外はすべてアース電
位以外の電位を印加できる構造になっている。このよう
な条件下においても、より小型化を実現できるようにす
るために、電界放出電子源1を除いて、各電極7,12,13,
3,4と絶縁体32,33,34はそれぞれの中心軸をできるだけ
合わせるようにそれぞれの内,外径部を利用しての嵌合
によって軸合わせ精度良くプリセットできるようになっ
ている。そして、これらの電極はアース電位にある第二
電極4および保持円筒43を介してフランジ38に固定支持
されている。さらに、絶縁体32,33,34の材質としては、
電気絶縁性が良好で、しかも切削加工によっても容易か
つ精度良く加工することができるようなセラミック系絶
縁材料を用いている。 本実施例においては、電子線2の偏向を第一電極3より
も上方(電子源側)にある正電位空間(偏向空間形成用
電極13′の内部空間)内において行なわせるために、絶
縁体円筒34の外周に付設されたボビン30上に偏向コイル
が巻設されている。このように、偏向コイルを高電圧部
位から絶縁された位置に設けることによって、偏向制御
系における走査信号発生回路などはアース電位に置くこ
とができる。なお、装置構造を簡単にするために、この
絶縁体円筒34には、上述したように、第一電極3と第二
電極4との間の絶縁スペーサとしての役割も兼ねさせて
ある。さらに、電極の加工精度や組立て精度の関係上ど
うしても生ずる各電極間の軸ずれの影響を補正するため
に、上記した偏向を行なわせる空間と同じ空間内におい
て電子線のアラインメントも行なわせている。即ち、電
子線の光軸調整を行なわせるために、上下2段のアライ
ンメントコイルを上記した偏向コイルの場合と同じくボ
ビン30上に巻きつけて設けてある。さらに、上記した偏
向を行なわせるべき空間と同じ空間内を利用してレンズ
の非点収差補正をも行なわせるために、絶縁体円筒34に
付設されたボビン30上には、そのためのスティグマコイ
ルも巻設されている。このように、電子光学系の小型化
を実現するたそには、偏向コイル,アラインメントコイ
ル,スティグマコイルを同一もしくは共通のボビン上に
重ね巻きすることが望ましい。第16図には、このように
して重ね巻きされた状態でのコイル31が示されている。 この実施例に示した鏡筒部分は、その使用に先立って内
部の真空度を上げるためにベーキングが行なわれるが、
そのために偏向コイル,アラインメントコイル,スティ
グマコイルなどはすべて耐熱ワイヤ(例えば、耐熱温度
200℃以上のポリイミド被覆ワイヤなど)を用いてい
る。さらに構造を簡単にして小型化するためにこれらの
耐熱ワイヤは他から密封することなく真空中にむきだし
で配置されている。本実施例では、偏向,アラインメン
ト,非点収差補正はすべて電磁コイルを用いて電磁気的
に行われているが、代わりに偏向空間形成用電極13′内
に電極を設けることによってこれらの機能を静電的に行
なわせることももちろん可能である。しかし、その場合
にはそれぞれの電極用の電圧源は偏向空間形成用電極1
3′の電圧に応じて高電圧に浮かしてやる必要がある。 本実施例では、高分解能を実現するために、電子源1と
して光源径が小さく電子のエネルギ幅の小さい冷陰極電
界放出型電子源を用いている。しかし、オージェ電子分
析器や電子線テスタなどの分析装置に用いるためには、
プローブ電流がさらに多くとれる熱陰極電界放出型電子
源を用いることが望ましい。また、電子源1の付近を超
高真空にできない場合には、通常の熱電子源を用いるこ
とが必要であるが、その場合には分解能は低下してしま
うことも否めない。 電界放出型電子源1は、前記のプリセットされた静電型
対物レンズに対して光軸合わせする必要がある。本実施
例では、小型化のため電子源1を保持しているフィード
スルーは保持部材37に直接取り付けられており、この保
持部材37をベローズ36と調整ネジ37′などからなる可動
機構を介して、鏡筒39の上端にガスケット35′を介して
固定されているICF規格のうち最も小さい外径(34mm)
のフランジ35に対して微動調節(水平、垂直及び傾斜調
節)できるようにして取り付けられている。これによ
り、真空外から静電レンズ系に対する電子源位置を最適
に調整してやることができる。 電界放出型電子源1からの放出電子流を安定化させるた
めに、電子衝撃によるガス放出が少ない安定な金属で引
出電極7の表面を覆うのが望ましい。本実施例では、引
出電極7の電子源側の表面に安定な金属である金を真空
蒸着して用いている。さらに、ベーキングの際に引出電
極7の加熱温度をとくに高くして十分な脱ガス処理がで
きるようにするために、絶縁体32内に加熱用ヒーターを
埋め込んでやることが望ましい。 また、電子源1から第二電極4にいたるまでの非常に小
型な走査型電子顕微鏡の電子光学系を、さまざまな試料
室42に取り付けられるようにするために、電子源1と引
出電極7から第二電極4までを保持円筒43を介してプリ
セットしたものとを鏡筒39に取り付けることによって一
体化している。また、外部擾乱磁界の電子ビームに対す
る影響を除き微小スポットを得るため、鏡筒39と保持円
筒43の少なくとも一方は磁性材料で作成することが望ま
しい。また、この鏡筒39側に高電圧導入端子や電流導入
端子40を設けている。そのため、電子源1が取り付けら
れている側のフランジ35用のガスケット35′よりも大き
な径のガスケット38′を用いて、フランジ38側を他の分
析装置などの様々な試料室42に容易に取り付けて使用で
きる。また、試料室42が超高真空でない装置にも対応で
きるようにするためには、電子源1近傍と試料室42の間
で差動排気を行なう必要がある。本実施例では、第二電
極4以外の電極はすべてアース電位でないため、アース
電位にある第二電極4かそれを鏡筒39に取り付ける部
分、もしくは絶縁体32,33,34などの絶縁物の両側部分を
境界部として、超高真空を要する電界放出電子源側と試
料室側とでの差動排気を行なう。この場合、電子源側は
鏡筒側壁に設けられた排気口を介して高真空排気され
る。また、レンズ系内部の真空度をよくするために、該
レンズ系の保持円筒43の側壁にも大きな開口部44が設け
られている。なお、鏡筒部分全体が体積的に従来より2
桁程度小さいため、試料室42が超高真空である場合に
は、敢えて鏡筒側に真空排気系を設けなくても、試料室
側の排気系を利用して鏡筒側でも十分な真空度が得られ
るようにできるという利点がある。 本実施例の走査型電子顕微鏡において、ワーキング距離
Aを2mmとすることにより、1kVの低加速電圧で6nmとい
う高分解能が実現されている。これは、従来の磁界型対
物レンズを用いた大型の走査型電子顕微鏡(試料をレン
ズの外部に置くタイプ)の分解能(〜10nm)を大きく凌
ぐものである。 以上、本発明をいろいろな実施例によって説明してきた
が、本発明はこれら実施例に示した具体的構成のみに限
定されるものではなく、さらに種々の変形が可能であ
る。例えば、上記実施例では、本発明を走査形電子顕微
鏡に適用する場合について説明してきたが、本発明はさ
らに電子線測長装置や電子線描画装置などの他の類似の
電子線装置にもそのまま応用することが可能であり、さ
らにはイオン顕微鏡や集束イオンビーム装置や二次イオ
ン質量分析器などの集束イオンビームを用いる装置にも
単に印加電圧などの極性を変換してやる程度の簡単な変
形により容易に適用可能である。本発明は、このような
場合も含むものであることもちろんである。
【発明の効果】
本発明によれば、2つの電極からなる静電型対物レンズ
を用い、レンズの主面をレンズを構成する両電極の外側
(下側電極よりもさらに下側)にもってくることによ
り、試料をレンズの内部空間中に入れることなくレンズ
収差を十分に小さくして使用することができる。このこ
とによって、例えば走査型電子顕微鏡では、半導体ウエ
ハなどの大面積試料であっても高分解で非破壊観察を行
なうことができる。さらに本発明における対物レンズ構
成は、その構造が極めて簡単であるため、小型化が容易
である。従って、高分解能を維持しながら、対物レンズ
の下面と試料との間に十分な空間を確保してやることで
きるので、例えば走査形トンネル顕微鏡などの他の試料
観察・計測装置との結合による複合化にも好都合であ
る。 また、本発明によれば、上記した二電極構成の静電型対
物レンズにおける電子源側電極と同極性電位もしくは同
電位にある空間内において電子線の偏向をおこなわせる
ことにより、何ら分解能を損なうことなくして、装置全
体をより一層コンパクトに構成できる。 また、本発明によれば、静電レンズを構成する電極の内
部空間内で荷電粒子線を電気的手段によりアラインメン
トする構成としているため、静電レンズを構成する各電
極間の軸ずれを精度よく補正してやることができ、光学
収差をより効果的に低減できる。しかも、機械的なアラ
インメント機構を用いる場合に比べ電子光学系の構造が
非常に簡単かつ小型になる。またアラインメントを行な
わせる電極内部空間と同一の空間内において電子線を偏
向させ、さらにはそれと同一の空間内で非点収差補正を
も行なわせる構成にすることにより、荷電粒子線装置に
おける光学収差を増大させることなく電子光学系を容易
に小型化できる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、および第3図は、それぞれ本発明の一
実施例になる走査形荷電粒子線装置の一実施例を示す断
面概略図,第4図は、従来の磁界型対物レンズの構成を
示す断面概略図,第5図は、従来のアインツェル型静電
対物レンズの構成を示す断面概略図,第6図は、本発明
による静電型対物レンズの主面位置を示すための断面概
略図,第7図は、磁界型対物レンズと本発明による静電
型対物レンズの収差を比較して示す特性説明図,第8
図、第9図、第10図、および第11図は、それぞれ本発明
の一実施例になる走査形電子顕微鏡の概略構成を示す断
面模式図,第12図および第13図は、それぞれ従来の走査
形電子顕微鏡の一構成例を示す断面概略図,第14図は、
レンズ電極間の軸ずれによる電子線スポット径のボケ量
を表す特性説明図,第15図は、静電レンズにおける電子
速度、電子軌道、レンズ作用の説明図,第16図は、本発
明のさらに別の一実施例になる走査形電子顕微鏡の概略
構成を示す断面構造図,第17図は、本発明による静電型
対物レンズにおけるワーキング距離と色収差係数の関係
を従来の磁界型対物レンズにおけるそれと比較して示す
特性説明図,第18図は、本発明のさらに別の一実施例に
なる走査形電子顕微鏡の概略構成を示す断面模式図,第
19図は、本発明による静電型対物レンズにおける偏向空
間形成用電極への印加電圧と収差係数の関係を従来の磁
界型対物レンズにおけるそれと比較して示す特性説明
図,である。 1……電子源、2……電子線、3……第一電極、4……
第二電極、5……偏向器、6……試料、7……引出電
極、8……二次電子、9……二次電子検出器、10……制
御・表示装置、12……プローブ電流制御用電極、13……
偏向空間形成用電極、14……ヨーク、15……励磁コイ
ル、17……アインツエルレンズ、19……第一陽極、20…
…第二陽極、21……第三陽極、22……第一アラインメン
トコイル、23……第二アラインメントコイル、24……ス
テイグマコイル、25……第三アラインメントコイル。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子源から荷電粒子線を発生させる荷
    電粒子線発生手段と、該荷電粒子線を試料上に集束させ
    るための少なくとも対物レンズを含む荷電粒子線集束手
    段とを有する荷電粒子線装置において、上記対物レンズ
    は、上記荷電粒子線を通過させるための開口をそれぞれ
    有する相対向する2つの電極、即ち上記荷電粒子源に近
    い側の第一電極と上記試料に近い側の第二電極とよりな
    る静電型対物レンズであり、上記第一電極の電位が上記
    第二電極の電位に対して、上記荷電粒子線が負に帯電し
    た粒子線である場合には正側の電位に、正に帯電した粒
    子線である場合には負側の電位に保たれ、かつ、該静電
    型対物レンズのレンズ主面は上記第二電極の下面よりも
    試料側の位置に形成されてなることを特徴とする荷電粒
    子線装置。
  2. 【請求項2】荷電粒子源から荷電粒子線を発生させる荷
    電粒子線発生手段と、該荷電粒子線を試料上に集束させ
    るための少なくとも対物レンズを含む荷電粒子線集束手
    段と、該荷電粒子線を試料上で走査させるための荷電粒
    子線偏向手段とを有する荷電粒子線装置において、上記
    対物レンズは、上記荷電粒子線を通過させるための開口
    をそれぞれ有する相対向する2つの電極、即ち上記荷電
    粒子源に近い側の第一電極と上記試料に近い側の第二電
    極とよりなる静電型対物レンズであり、上記第一電極の
    電位が上記第二電極の電位に対して、上記荷電粒子線が
    負に帯電した粒子線である場合には正極性側の電位に、
    正に帯電した粒子線である場合には負極性側の電位に保
    たれ、かつ、上記荷電粒子線偏向手段は、上記第二電極
    の電位に対して上記第一電極の電位と同極性側の電位に
    保たれた空間内において、上記荷電粒子線を偏向させる
    ものであることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 【請求項3】上記第一電極の上記荷電粒子源側に、上記
    第二電極の電位に対して上記第一電極の電位と同極性側
    の電位に保持された偏向空間形成用電極が付設され、上
    記荷電粒子線偏向手段は、上記偏向空間形成用電極によ
    って取り囲まれた空間内で、上記荷電粒子線を偏向させ
    るものであることを特徴とする請求項2に記載の荷電粒
    子線装置。
  4. 【請求項4】上記荷電粒子線偏向手段によって荷電粒子
    線を偏向させる空間と同一の空間内において荷電粒子線
    の光軸合わせを行なうための電磁的または静電的なアラ
    インメント手段が付設されてなることを特徴とする請求
    項2または3に記載の荷電粒子線装置。
  5. 【請求項5】上記荷電粒子線偏向手段によって荷電粒子
    線を偏向させる空間と同一の空間内において上記静電レ
    ンズの非点収差補正を行なうための電磁的または静電的
    な非点収差補正手段が付設されてなることを特徴とする
    請求項2ないし4のいずれかに記載の荷電粒子線装置。
  6. 【請求項6】荷電粒子源から荷電粒子線を発生させる荷
    電粒子線発生手段と、該荷電粒子線を試料上に集束させ
    るための少なくとも対物レンズを含む荷電粒子線集束手
    段と、該荷電粒子線を試料上で走査させるための荷電粒
    子線偏向手段とを有する荷電粒子線装置において、上記
    対物レンズは、上記荷電粒子線を通過させるための開口
    をそれぞれ有する相対向する2つの電極、即ち上記荷電
    粒子源に近い側の第一電極と上記試料に近い側の第二電
    極とよりなる静電型対物レンズであり、上記第一電極の
    電位が上記第二電極の電位に対して、上記荷電粒子線が
    負に帯電した粒子線である場合には正極性側の電位に、
    正に帯電した粒子線である場合には負極性側の電位に保
    たれ、かつ、上記荷電粒子線偏向手段は、上記第一電極
    と同電位に保たれた空間内において、上記荷電粒子線を
    偏向させるものであることを特徴とする荷電粒子線装
    置。
  7. 【請求項7】上記荷電粒子線偏向手段は、上記第一電極
    によって取り囲まれた空間内において、上記荷電粒子線
    を偏向させるものであることを特徴とする請求項6に記
    載の荷電粒子線装置。
  8. 【請求項8】上記第一電極の上記荷電粒子源側に該第一
    電極と同電位に保持された偏向空間形成用電極が付設さ
    れ、上記荷電粒子線偏向手段は、該偏向空間形成用電極
    によって取り囲まれた空間内において、上記荷電粒子線
    を偏向させるものであることを特徴とする請求項6に記
    載の荷電粒子線装置。
  9. 【請求項9】上記荷電粒子線発生手段の荷電粒子源とし
    て電界放出型電子源が用いられ、該電子源と上記荷電粒
    子線偏向手段によって上記電子源からの電子線を偏向さ
    せる空間との間に、上記電子源から電子線を電界放出さ
    せるための引出電圧を印加された引出電極が付設されて
    なることを特徴とする請求項2ないし8のいずれかに記
    載の荷電粒子線装置。
  10. 【請求項10】上記引出電極と上記荷電粒子線偏向手段
    によって上記電子源からの電子線を偏向させる空間との
    間に試料へ照射される荷電粒子線のプローブ電流を制御
    するためのプローブ電流制御用電極が付設されてなるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の荷電粒子線装置。
  11. 【請求項11】上記荷電粒子線偏向手段によって荷電粒
    子線を偏向させる空間と同一の空間内において荷電粒子
    線の光軸合わせを行なうための電磁的または静電的なア
    ラインメント手段が付設されてなることを特徴とする請
    求項6ないし10のいずれかに記載の荷電粒子線装置。
  12. 【請求項12】上記荷電粒子線偏向手段によって荷電粒
    子線を偏向させる空間と同一の空間内において上記静電
    レンズの非点収差補正を行なうための電磁的または静電
    的な非点収差補正手段が付設されてなることを特徴とす
    る請求項6ないし11のいずれかに記載の荷電粒子線装
    置。
  13. 【請求項13】荷電粒子源から荷電粒子線を発生させる
    荷電粒子線発生手段と、該荷電粒子線を試料上に集束さ
    せるための荷電粒子線集束手段と、該荷電粒子線の光軸
    合わせを行うための電磁的または静電的なアラインメン
    ト手段とを有する荷電粒子線装置において、上記荷電粒
    子線集束手段は静電レンズによって構成されており、上
    記アラインメント手段は、上記静電レンズを構成する電
    極のうち接地電位以外の電位が印加される電極の内部空
    間内で荷電粒子線の光軸合わせを行なうものであること
    を特徴とする荷電粒子線装置。
  14. 【請求項14】荷電粒子源から荷電粒子線を発生させる
    荷電粒子線発生手段と、該荷電粒子線を試料上に集束さ
    せるための荷電粒子線集束手段と、該荷電粒子線の光軸
    合わせを行うための電磁的または静電的なアラインメン
    ト手段とを有する荷電粒子線装置において、上記荷電粒
    子線集束手段は静電レンズと磁界レンズとの組合せレン
    ズによって構成されており、上記アラインメント手段
    は、上記静電レンズを構成する電極のうち接地電位以外
    の電位が印加される電極の内部空間内において、荷電粒
    子線の光軸合わせを行なうものであることを特徴とする
    荷電粒子線装置。
  15. 【請求項15】上記アラインメント手段は、上記静電レ
    ンズを構成する電極のうち荷電粒子線の速度を極大とす
    るような電位が印加される電極の内部空間内において、
    荷電粒子線の光軸合わせを行なうものであることを特徴
    とする請求項13または14に記載の荷電粒子線装置。
  16. 【請求項16】荷電粒子線を試料上で二次元的に走査す
    るために、上記アラインメント手段によって荷電粒子線
    の光軸合わせを行なわせる空間と同一の空間内におい
    て、上記荷電粒子線を偏向させるための電磁的または静
    電的な荷電粒子線偏向手段が付設されてなることを特徴
    とする請求項13ないし15のいずれかに記載の荷電粒子線
    装置。
  17. 【請求項17】上記アラインメント手段によって荷電粒
    子線の光軸合わせを行なわせる空間と同一の空間内にお
    いて、上記静電レンズの非点収差補正を行なわせるため
    の電磁的または静電的な非点収差補正手段が付設されて
    なることを特徴とする請求項13ないし16のいずれかに記
    載の荷電粒子線装置。
  18. 【請求項18】荷電粒子源から荷電粒子線を発生させる
    荷電粒子線発生手段と、該荷電粒子線を試料上に集束さ
    せるための少なくとも対物レンズを含む荷電粒子線集束
    手段とを有する荷電粒子線装置において、上記対物レン
    ズは、上記荷電粒子線を通過させるための開口をそれぞ
    れ有する相対向する2つの電極、即ち上記荷電粒子源に
    近い側の第一電極と上記試料に近い側の第二電極とより
    なる静電型対物レンズであり、上記第一電極の電位が上
    記第二電極の電位に対して、上記荷電粒子線が負に帯電
    した粒子線である場合には正側の電位に、正に帯電した
    粒子線である場合には負側の電位に保たれてなることを
    特徴とする荷電粒子線装置。
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