JPH0715621U - ピッキング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 省スペースを図り且つ物品の補充を円滑に行
う。 【構成】 物品を一時保管する保管エリア１１及び取り
出される物品を置くピッキングエリア１２を有した自動
倉庫１３と、作業者Ｐにピッキング内容を示すための表
示器１４と、出荷データに基づいて表示器１４を作動さ
せると共にピッキングエリア１２に物品がなくなったと
きにクレーン１５を動作させて保管エリア１１から物品
を補充する制御部１６とを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、保管棚から必要な物品を取り出す作業を円滑に行うためのピッキン グ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

出荷センターから商品を各店舗に配送する場合などにおいて、多品種の物品を 必要数量だけ棚から取り出す作業を円滑に行うための機構として、デジタルピッ キング装置（ピッキングシステム）がある。

【０００３】 図５に示すように、従来この種のピッキング装置は、品種数に相応して区分け された棚１に、物品ケース２を前詰めに保管しておき、作業者が各棚１に設けら れた表示装置３に従ってピッキングを行い、コンベア４により搬送されてくる行 先別（店舗別）のバケット５に品物を納めるようになっている。表示装置３は、 出荷要求に従って物品を管理するコンピューター（図示せず）により駆動され、 該当品種の棚１の数量ランプ点滅等により作業者に指示するものである。またそ の棚１に品物がなくなると、物品を大量に保管している荷置場或いは自動倉庫６ から手押し台車７などで適宜補充するようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながらこのような装置では、棚１へ補充するための物品保管スペースが 別個に必要であると共に、自動倉庫６及び棚１の制御管理が別個に行われていた ので、補充が円滑に行いにくいという問題があった。例えば物品補充中、管理上 存在するはずのものが実際にはないといった欠品のトラブルが発生する。

【０００５】 そこで本考案は、省スペースで且つ物品の補充が円滑にできるピッキング装置 を提供すべく創案されたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、物品を一時保管する保管エリア及び取り出される物品を置くピッキ ングエリアを有した自動倉庫と、作業者にピッキング内容を示すための表示器と 、出荷データに基づいて表示器を作動させると共にピッキングエリアに物品がな くなったときにクレーンを動作させて保管エリアから物品を補充する制御部とを 備えたものである。

【０００７】

【作用】

上記構成によって、制御部は、出荷データが入力されると表示器にピッキング 内容を表示させる。作業者はこの表示器を見てピッキングエリアの物品を取り出 し、行先別のケース等に収納する。ピッキングエリアに物品がなくなると、ピッ キング数のカウント或いは作業者の要求により制御部がクレーンに作動指令を出 す。クレーンはこの指令により該当物品を保管エリアからピッキングエリアに移 して補充する。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面に従って説明する。

【０００９】 図１は、本考案に係わるピッキング装置の一実施例を示したものである。この ピッキング装置は、保管エリア１１及びピッキングエリア１２を有した自動倉庫 １３と、作業者Ｐにピッキング内容を示すための表示器１４と、表示器１４及び 自動倉庫１３のクレーン１５を適宜駆動させる制御部１６とにより主として構成 されている。

【００１０】 自動倉庫１３は、クレーン１５を挟んで両側に複数段（図示例にあっては5 段 ）の棚２４が多数列形成されており、ピッキングエリア１２は最下段に、保管エ リア１１は二段目より上位に設けられている。各エリア１１，１２の棚２４は、 物品が入っているカートンケース１７を載置するパレット１８が着脱自在に係止 されるように形成されている。このパレット１８にはカートンケース１７が一個 或いは複数個載せられる。保管エリア１１は、ピッキングされる物品を一時保管 するためのものであって、ランダムに或いは使用頻度に応じて各品種のカートン ケース１７が配分されている（図示省略）。ピッキングエリア１２は、物品の種 類ごとに区分され、作業者Ｐがカートンケース１７の開口から物品を取り出しや すいように形成されている。

【００１１】 表示器１４は、ピッキングエリア１２の各棚２４に一台づつ設置され、図２に 示すように、ピッキング数量をデジタル表示する表示窓１９と、そのデジタル表 示に従ってピッキングした作業者Ｐが操作する完了釦２０とが設けられ、本実施 例にあっては、作業者Ｐの判断で物品の補充を行わせることができるように補充 要求釦２１が併設されている。

【００１２】 制御部１６は、出荷データが入力されるホストコンピュータ２２と、ホストコ ンピュータ２２に接続され管理制御を実行する制御コンピュータ２３とで構成さ れている。制御コンピュータ２３は、出荷データに基づいて各棚２４の表示器１ ４にピッキング数量を点滅させると共に、ピッキングした物品を収納するための バケット２５をローラコンベア２６により該当する棚２４の位置まで流すように なっている。すなわちその収納バケット２５にピッキングする品目があれば、そ の棚２４の正面或いはその近傍（ゾーン）で停止させるようになっている。また 制御コンピュータ２３は、完了釦２０が押された時にその品目の消費数量（取り 出された数）をカウントし、その物品がなくなればクレーン１５を動作させて、 空のカートンケース１７を載せた空パレットを入出庫台（図示せず）に出してか ら、保管エリア１１にある該当品目の実パレットをその棚２４に入れるようにな っている。

【００１３】 次に本実施例の作用を説明する（図３参照）。

【００１４】 自動倉庫１３への入庫が完了している状態で、出荷要求のデータがホストコン ピュータ２２に入力されると、制御コンピュータ２３は収納用バケット２５を収 納すべき品目があるゾーンまで移送させると共に、その品目の棚２４の表示器１ ４にピッキング数量を示す（ST 1）。作業者Ｐはこの表示に従って順次ピッキン グを行い（ST 2）、取り出しを終える毎にその棚２４の完了釦２０を押す（ST 3 ）。そのゾーンで取り出すべき物品のピッキングが完了したなら、制御コンピュ ータ２３の指令でローラコンベア２６が駆動され、その収納バケット２５が下流 側のゾーンに移送される。そして制御コンピュータ２３は、ピッキングされた数 量をカウントし、その品目がパレット１８上のカートンケース１７に入っている 数量とを比較して、残品があるか否かを判断し（ST 4）、残っていれば次のピッ キング内容を表示し（ST 5）、次の収納用バケット２５を移送させて、同様にし てピッキングを行わせる。もしカートンケース１７が空になっていれば、クレー ン１５を駆動させて、まずピッキングエリア１２から空のパレット１８を出した 後、クレーン１５を保管エリアの該当実パレットがある棚２４に向かわせて、そ の実パレットをピッキングエリア１２の棚２４に入れる（ST 6）。なおこのステ ップ（ST 4〜6 ）は、作業者Ｐの判断で、カートンケース１７に残りが少なくな ったときに要求釦２１を押して、この信号を受けた制御コンピュータ２３がクレ ーン１５を動かすものとしてもよい。この場合、作業者Ｐは極少量残っている物 品をカートンケース１７から出して空の状態にしておく。実パレットを補充し終 わると制御コンピュータ２３は、保管エリア１１にその品目の実パレットが残っ ているか否かを点検し（ST 7）、残っていれば引き続きピッキングを行い、なけ れば作業を一旦中止するなどして入庫を促す。

【００１５】 このように、自動倉庫１３の最下段をピッキングエリア１２にして、その棚２ ４に表示器１４を設け、クレーン１５及び表示器１４、ローラコンベア２６を単 一の制御部１６で連動させて自動的に物品を補充するようにしたので、補充専用 の自動倉庫などが不要になってセンター内の省スペースが達成されると共に、ピ ッキングエリア１２へ迅速且つ円滑な物品補充を行うことができる。すなわち総 合的なペーパーレスの管理が実現することで、欠品などのトラブルが発生するお それもなく、在庫を必要最少限のものにできる。

【００１６】 なお本実施例にあってはピッキングエリアを自動倉庫の最下段に設けるものと したが、作業者の手が届く範囲であれば何段目でもよく、また複数段で成るピッ キングエリアとしてもよい。また制御部としては、クレーンコントローラと表示 コントローラとを設けてこれらをリンクさせるようにしても構わない。

【００１７】 図４は本考案の具体的実施例を示したもので、一端に入出庫台３１を備えた自 動倉庫１３が二台並設され、その両側に沿って、収納用バケット２５を移送する ためのローラコンベア２６が一系列設けられて構成されている。すなわち収納用 バケット２５がローラコンベア２６の上流端から下流端へ流される間に、各ゾー ンに配員されている作業者によりピッキングされて、必要な品目の商品が全て収 納されるようになっている。

【００１８】 ローラコンベア２６の上流端にはスタート台３２が設置されており、ここで収 納用バケット２５に予め貼付されているバーコードをスキャナで読取らせるなど して、制御部１６にその収納用バケット２５の出荷データを抽出させる。そして スタート台３２に設けられたスタート可ランプ３３が点灯されると、作業者がス タートスイッチ３４を操作して収納用バケット２５を流す。この収納用バケット ２５は、各ゾーンにおいて順次ピッキングを受け、終点の荷捌エリア３５で車両 等への積み込みの準備がなされる。

【００１９】 このように構成することで、自動倉庫１３の最下段に設けたピッキングエリア １２の棚２４の数に応じた品種のピッキングを行うことができ、各店舗への商品 発送などを円滑に行うことができる。

【００２０】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、次のような優れた効果を発揮する。

【００２１】 保管エリア及びピッキングエリアを有した自動倉庫と、ピッキング内容を示す 表示器と、表示器を作動させると共にピッキングエリアに保管エリアから物品を 補充する制御部とを備えたので、物品を一時保管する設備が不要になって省スペ ースが達成され、しかも円滑な物品補充ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わるピッキング装置の一実施例を示
した斜視図である。

【図２】図１の要部拡大図である。

【図３】本考案の作用を説明するためのフローチャート
である。

【図４】本考案の具体的な実施例を示した平面図であ
る。

【図５】従来のピッキング装置を示した側面図である。

【符号の説明】

１１ 保管エリア １２ ピッキングエリア １３ 自動倉庫 １４ 表示器 １５ クレーン １６ 制御部 Ｐ 作業者

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 物品を一時保管する保管エリア及び取り
   出される物品を置くピッキングエリアを有した自動倉庫
   と、作業者にピッキング内容を示すための表示器と、出
   荷データに基づいて表示器を作動させると共に上記ピッ
   キングエリアに物品がなくなったときにクレーンを動作
   させて上記保管エリアから物品を補充する制御部とを備
   えたことを特徴とするピッキング装置。