JPH07141013A - 数値制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オプション品名を表示してユーザがＣＮＣの
オプション構成を知ることができる数値制御装置を提供
する。 【構成】 メモリ１は、ＣＮＣで選択可能なオプション
ソフトウェアの品名データを記憶するオプション品名領
域３を備えている。表示画面１６ａは、オプション品名
領域３に記憶されているオプションソフトウェアの品名
データから作成されるオプション構成を表示画面１６ａ
に表示する。ここからユーザはＣＮＣのオプション構成
を知ることができる。メモリ１にはオプション品名領域
３の他に、オプションパラメータをビットデータとして
記憶するビット設定型のオプションパラメータ領域５が
割り当てられている。オプションパラメータ領域５に
は、オプションパラメータがアドレス番号とビット番号
で割り付けられる。ＣＮＣは通常の動作が始まる前に、
このパラメータ領域５をチェックして、たとえば“１”
が設定されたビットに対応するオプションソフトウェア
機能を有効にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はソフトウェア選択機能を
備えた数値制御装置に関し、特にビット設定型のオプシ
ョンパラメータをチェックして、予め選択されているソ
フトウェアのみを有効にしてから動作するソフトウェア
選択機能を備えた数値制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、数値制御装置（ＣＮＣ）のシ
ステムを構成するソフトウェアは、基本的な動作のみを
実行可能にする基本ソフトウェアと、さらに特別な用途
に利用されるオプションソフトウェアとに分類されてい
る。メーカが出荷する時点で、一般にＣＮＣは選択可能
なソフトウェアが内部に組み込まれており、メーカはユ
ーザとの契約に基づいてオプション構成が選択される。

【０００３】一般にＣＮＣのソフトウェアオプション
は、メーカ側だけが操作可能なビット設定型のオプショ
ンパラメータにしたがって有効に機能する。こうしてＣ
ＮＣ内部に複数のオプションソフトウェアを組み込んで
ユーザに出荷されていても、メーカと契約していないソ
フトウェアがユーザ側で無断使用されることはない。ま
た、出荷時点でのオプション構成の設定やその後の契約
に基づく変更に利用するため、オプションパラメータを
記憶するパラメータ領域のビットデータは画面表示され
るが、一般に公開するＣＮＣのマニュアル本などにもパ
ラメータの設定に関する記述はされていない。

【０００４】すなわち、ＣＮＣを出荷した時点で設定さ
れた状態は、ビット設定型のオプションパラメータの画
面によって表示され、メーカ側ではそこからＣＮＣに設
定されたオプション構成を理解できるが、ユーザに対し
ては、このビットデータの画面表示だけでは納入された
装置がどのようなオプション構成であるかは簡単に判明
しないようになっている。ビット構成とオプションの関
係はメーカ側で極秘に保管される資料にのみ記載され、
それを参照してはじめて、ＣＮＣで実行可能なソフトウ
ェアが判明する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ユーザ側に
納入された装置で予期しない動作が発生し、メーカがそ
の原因を納入先まで出向かずに推定しようとすれば、そ
の装置のオプション構成に関する情報をユーザから入手
する必要がある。予め選択されているソフトウェアが異
なれば、同じ動作が発生してもＣＮＣごとに異なる診断
をすべきだからである。

【０００６】しかしそのような場合に、ユーザはオプシ
ョンパラメータの画面を見ても、そのビットの設定状態
から正確にオプション構成を理解することは不可能であ
る。このため、メーカのサービス要員にとっては、的確
に装置の障害内容を確認して、迅速な障害復旧を行うこ
とが困難になるという問題があった。

【０００７】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、オプション品名を表示してユーザがＣＮＣの
オプション構成を知ることができるようにし、メーカの
サービス要員がユーザ側の工場など、そのシステム設置
の現場まで出掛けなくても簡単な障害であればユーザが
独自に解決でき、あるいはサービス要員が現場に出動す
る場合であっても、不具合の原因が容易に推測でき、発
生したトラブルに迅速に対処できるようにした数値制御
装置を提供することを目的とする。

【０００８】また、本発明の他の目的は、オプション構
成を変更する場合に、特定の暗証番号を用いて開かれる
キーを利用することによって、サービス要員のみがソフ
トウェアオプションを変更できるようにした数値制御装
置を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、ビット設定型のオプションパラメータを
チェックして、予め選択されているオプションソフトウ
ェアのみを有効にしてから動作するオプションソフトウ
ェア選択機能を備えた数値制御装置において、前記オプ
ションパラメータをビットデータとして記憶するオプシ
ョンパラメータ領域とともに、選択可能なオプションソ
フトウェアの品名データを記憶するオプション品名領域
を備えた記憶手段と、前記オプションパラメータ領域内
のビットデータに基づいてオプション品名領域をサーチ
し、予め選択されているオプションソフトウェアの種類
をオプション名称画面に表示する表示手段と、を有する
ことを特徴とする数値制御装置が提供される。

【００１０】また、ビット設定型のオプションパラメー
タをチェックして、予め選択されているオプションソフ
トウェアのみを有効にしてから動作するオプションソフ
トウェア選択機能を備えた数値制御装置において、前記
オプションパラメータ領域に対してアクセスするための
特定の暗証番号と一致するキー信号入力があった場合の
み、前記オプションパラメータのビットデータの変更操
作を許可するキー手段を有することを特徴とする数値制
御装置が提供される。

【００１１】

【作用】装置の運転を開始する前に、オプションパラメ
ータ領域で記憶しているオプションパラメータをチェッ
クする。設定されたビットデータに従って、ソフトウェ
アオプション機能を有効にする。オプション名称の表示
指令が出されると、オプションパラメータ領域からビッ
トデータを読み出し、それに対応する品名データをオプ
ション品名領域から探し出す。表示手段では、ビットデ
ータの表示に代えて、オプション名称画面を表示する。

【００１２】オプション構成を設定し、あるいは変更す
るためには、前記パラメータ領域に対してアクセスする
ための特定の暗証番号と一致するキー信号を入力する。
これによって前記オプションパラメータ領域のキー手段
が解除され、オプションパラメータのビットデータの変
更操作が許可される。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１は本発明の数値制御装置（ＣＮＣ）におけ
る主要部を示すブロック図である。

【００１４】ＲＯＭ１２に、このＣＮＣで選択可能なオ
プションソフトウェア３の品名データを記憶するオプシ
ョン品名領域２とオプションソフトウェア３を備え、不
揮発性メモリ１４に、オプションパラメータをアドレス
番号とビット番号で割り付けたビット型のオプションパ
ラメータ領域５を備えている。

【００１５】数値制御装置の運転を開始する前に、読出
し指令を与えると、ＣＰＵはオプションパラメータ領域
５で“１”が設定されているアドレス番号とビット番号
を読み出して、対応するオプション品名をオプション品
名領域２から読み出して、ＲＡＭ１３に割り付けられた
オプション構成表７にそれぞれ書き込む。そして、オプ
ション構成表７がチェックされてＲＯＭ１２に記憶され
ているオプションソフトウェア３から有効にすべきソフ
トウェアが抽出される。

【００１６】一方、オプション構成を知りたい場合に
は、画面選択操作を行うと、オプション構成表７の内容
を表示画面１６ａに表示することによって、ビットデー
タの表示であったオプション構成がヘリカル補間、円筒
補間などの品名データで表示される。

【００１７】なお、オプションパラメータ領域５へのア
クセスは通常はキーによってプロテクトされている。こ
れによって、ユーザでは勝手にオプション構成を変更で
きない。メーカ側は、オプションパラメータ領域５に対
してアクセスするための特定の暗唱番号をキー信号とし
て入力してプロテクトを解除し、オプションパラメータ
のビットデータを画面表示する。この画面表示されたオ
プションパラメータ領域５を操作してビットデータを書
き換えることによって、オプションパラメータの設定、
あるいは変更が可能となる。

【００１８】図２はオプションパラメータ領域５に記憶
されたビット設定型のオプションパラメータの一例を示
す図である。あるビットに１が設定されていると、対応
するソフトウェアが有効になる。従来はこのオプション
パラメータ領域５からビットデータだけが画面表示され
ていたので、ユーザは設定されたオプション構成を容易
に知ることができず、メーカ側では一旦出荷されたＣＮ
Ｃの状態について、ユーザから正確な情報が得られなか
った。

【００１９】本発明では、オプション名称画面が表示さ
れることにより、ユーザからＣＮＣのオプション構成に
関する情報を確実に入手できるから、メーカのサービス
要員が現場まで出掛けなくても不具合の原因が容易に推
測でき、あるいは発生したトラブルに対応する出動時の
準備が容易に行える。

【００２０】図３は本発明を実施するためのＣＮＣ内部
のハードウェアの概略構成図である。プロセッサ１１
は、ＲＯＭ１２に格納されたシステムプログラムに従っ
て数値制御装置全体を制御する。ＲＯＭ１２には、ＥＰ
ＲＯＭやＥＥＰＲＯＭ等が使用され、ここには選択可能
なオプションソフトウェアと、オプション品名データも
記憶される。ＲＡＭ１３にはＳＲＡＭ等が使用され、図
１のオプション構成表７や各種の演算データなど数値制
御装置の電源がオンしている間のみ記憶する必要のある
データが格納されている。

【００２１】不揮発性メモリ１４には図示されていない
バッテリによってバックアップされたＣＭＯＳが使用さ
れ、電源切断後も保持すべきパラメータ、ピッチ誤差補
正量及び工具補正量等が格納されている。また、不揮発
性メモリ１４には、本実施例のオプションパラメータを
ビットデータとして記憶するパラメータ領域が構成さ
れ、そのビット構成とＲＯＭ１２に格納されたオプショ
ンの関係はメーカ側で極秘に保管される資料にのみ記載
される。

【００２２】グラフィック制御回路１５はディジタル信
号を表示用の信号に変換し、表示装置１６に与える。表
示装置１６にはＣＲＴあるいは液晶表示装置が使用され
る。表示装置１６は作成中または実行中のプログラム、
現在位置、工具データ、パラメータ、状態表示データ、
アラーム等を表示する。

【００２３】また、この表示装置１６には、ＲＡＭ１３
に格納されたオプションソフトウェアの品名データから
構成されるオプション構成画面が表示できる。キーボー
ド１７はシンボリックキー、数値キー等からなり、必要
な図形、データ等の入力ができ、ここから不揮発性メモ
リ１４に格納されたオプションパラメータのプロテクト
を解除する暗証番号をキー入力し、かつその設定、変更
のキー操作が行われる。これらグラフィック制御回路１
５、表示装置１６、キーボード１７はＭＤＩ装置２５と
して一体に構成されている。

【００２４】ＰＭＣ（プログラマブル・マシン・コント
ローラ）２２はバス２１経由でＭ機能信号等を受けて、
シーケンス・プログラムで処理して、出力信号を出力
し、工作機械２０を制御する。また、ＰＭＣ２２は、機
械側からの入力信号を受けて、シーケンス・プログラム
で処理を行い、バス２１を経由して、プロセッサ１１に
必要な入力信号を転送する。

【００２５】軸制御回路１８はプロセッサ１１からの軸
の移動指令を受けて、軸の指令をサーボアンプ１９に出
力する。サーボアンプ１９はこの移動指令を受けて、工
作機械２０のサーボモータを駆動する。

【００２６】次に、本発明の数値制御装置におけるオプ
ション品名の表示について説明する。図４はオプション
名称画面作成の手順を示すフローチャートである。図に
おいて、Ｓに続く数値はステップ番号を示してある。 〔Ｓ１〕数値制御装置の電源が投入されると、オプショ
ン読出し指令が発生する。 〔Ｓ２〕ＣＰＵは読出し指令を受けると、オプションパ
ラメータ領域５から“１”が設定されているアドレスと
ビット番号を読み出してオプション構成表７に書き込
む。 〔Ｓ３〕オプション構成表７に書き込まれた番号に対応
するオプション品名をＲＯＭにあるオプション品名領域
から読み出して、オプション構成表７の番号に対応して
書き込み、オプション構成表７を完成させる。 〔Ｓ４〕画面選択キーでオプション構成表を選択する。 〔Ｓ５〕表示画面１６ａにオプション構成が表示され
る。

【００２７】このように、ユーザが使用しているＣＮＣ
の障害、保守を行う上で、マニュアルなどによってはユ
ーザ側に開示されていないオプションパラメータ領域で
の設定内容を、品名データとして記憶し、オプション構
成を表示する。

【００２８】これによって、メーカ側のサービス要員は
ユーザから確実に情報を得て、障害内容を確認できる。
すなわち、ユーザは直接に画面表示されているオプショ
ン構成のオプション品名を読み取って、メーカ側に正確
にオプション構成を伝達する。このため、メーカのサー
ビス要員がユーザ側の工場など、そのシステム設置の現
場まで出掛けなくても簡単な障害であればユーザが独自
に解決でき、あるいはサービス要員が現場に出動する場
合であっても、不具合の原因が容易に推測でき、発生し
たトラブルに迅速に対処できる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように本発明では、ビット
設定型のオプションパラメータをチェックして、予め選
択されているオプションソフトウェアのみを有効にして
から動作するオプションソフトウェア選択機能を備えた
数値制御装置において、オプション品名を表示してユー
ザがＣＮＣのオプション構成を知ることができる。

【００３０】このため、メーカのサービス要員は、的確
に装置の障害内容を確認して、迅速な障害復旧が行える
うえ、オプション構成を変更する場合に、特定の暗証番
号を用いて開かれるキーを利用することによって、サー
ビス要員のみがソフトウェアオプションを変更できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のＣＮＣの主要部を示すブロック図であ
る。

【図２】ビット設定型のオプションパラメータの一例を
示す図である。

【図３】ＣＮＣ内部のハードウェアの概略構成図であ
る。

【図４】オプション名称画面作成の手順を示すフローチ
ャートである。

【符号の説明】

１ メモリ ２ 表示画面 ３ オプション品名領域 ４ パラメータ領域

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ビット設定型のオプションパラメータを
   チェックして、予め選択されているオプションソフトウ
   ェアのみを有効にしてから動作するオプションソフトウ
   ェア選択機能を備えた数値制御装置において、 前記オプションパラメータをビットデータとして記憶す
   るオプションパラメータ領域とともに、選択可能なオプ
   ションソフトウェアの品名データを記憶するオプション
   品名領域を備えた記憶手段と、 前記オプションパラメータ領域内のビットデータに基づ
   いてオプション品名領域をサーチし、予め選択されてい
   るオプションソフトウェアの種類をオプション名称画面
   に表示する表示手段と、 を有することを特徴とする数値制御装置。
2. 【請求項２】 前記パラメータ領域に対してアクセスす
   るための特定の暗証番号と一致するキー信号入力があっ
   た場合のみ、前記オプションパラメータのビットデータ
   の変更操作を許可するキー手段を有することを特徴とす
   る請求項１記載の数値制御装置。