JPH07138083A - 多孔質チタン酸アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

多孔質チタン酸アルミニウム焼結体の製造方法

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JPH07138083A JP5282378A JP28237893A JPH07138083A JP H07138083 A JPH07138083 A JP H07138083A JP 5282378 A JP5282378 A JP 5282378A JP 28237893 A JP28237893 A JP 28237893A JP H07138083 A JPH07138083 A JP H07138083A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】チタン酸アルミニウム焼結体の低熱膨張の理由
を解明し、その作用を最大に引き出すことが可能な多孔
質チタン酸アルミニウム焼結体を製造する。 【構成】平均粒径1〜50μmのチタン酸アルミニウム
粉末に平均粒径20〜120μmの燃焼性粉末10〜5
0重量%を添加した混合粉末を成形し、次いで酸化性雰
囲気下で焼成することを特徴とする。焼結体中の気孔と
マイクロクラックを最適に制御することにより、気孔率
が30〜50%で熱膨張係数の小さな多孔質チタン酸ア
ルミニウム焼結体を容易に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔質なチタン酸アル
ミニウム焼結体の製造方法に関する。本発明の多孔質チ
タン酸アルミニウム焼結体は、ディーゼルパティキュレ
ートフィルタなどに利用できる。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの排ガス中には、デ
ィーゼルパティキュレートと称されるすす状微粒子が含
まれ、大気汚染の一つの原因とされている。そこでディ
ーゼルパティキュレートを除去するフィルタ(以下、D
PFという)の開発が進められている。
【0003】DPFの機能としては、ディーゼルパティ
キュレートを捕捉するだけではなく、捕捉されたディー
ゼルパティキュレートを燃焼除去して繰り返しの使用に
耐えることが要求される。そこでDPFは一般に多孔質
セラミックスを素材としたハニカム状とされ、細孔中に
ディーゼルパティキュレートを捕捉し、目詰まりにより
圧力損失が高くなるとヒータやバーナで加熱することで
捕捉されたディーゼルパティキュレートを燃焼除去して
再生できる構成とされている。
【0004】なお、ディーゼルパティキュレートの燃焼
開始温度は600℃程度であるが、堆積量が多い場合に
は再生時の燃焼温度は1100〜1300℃にもなる。
そのため急激な温度勾配によりDPFには再生時に熱応
力が発生し、割れたりクラックが生じたりする場合があ
る。このためDPFには1300℃以上の高い耐熱性
と、高い熱衝撃性が必要であり、このようなDPF用の
材料としては、例えばコーディエライトや炭化珪素が挙
げられる。
【0005】また、これらのセラミックスをDPFとし
て利用するには、ディーゼルパティキュレートを捕捉可
能な細孔をもつ多孔質体とする必要がある。多孔質セラ
ミック焼結体を製造する方法としては、例えば特開平3
ー208870号公報には、黒鉛や炭素からなる粉粒体
とアルミナなどのセラミック粉末の混合粉末から成形・
焼成することで、粉粒体を燃焼させて多孔質セラミック
焼結体とする製造方法が記載されている。また特開平2
ー69367号公報には、プラスチックビーズなどの有
機物粉末と炭化珪素などのセラミック粉末とから成形体
を形成し、それを仮焼後焼結して多孔質セラミック焼結
体を製造する方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】各セラミック材料から
多孔質焼結体としてのDPFを形成して試験すると、コ
ーディエライトは低熱膨張であるので熱衝撃性に優れて
いるが、加熱を繰り返し行なった場合にクラックが発生
したり、1100〜1300℃で溶損する場合があり、
再生性に問題があることが明らかとなった。
【0007】また炭化珪素は耐熱性と強度に優れている
が、熱膨張係数がコーディエライトの10〜20倍と高
く熱応力により割れる場合がある。そこでDPFを分割
形状として熱応力を緩和することも考えられているが、
この場合はシール性に問題がある。また炭化珪素は熱伝
導率が高くヒータ加熱では放熱が大きくなって不十分で
あるため、多くの再生エネルギーを必要とするバーナ加
熱を用いる必要がある。
【0008】そこで本発明では、新しい材料としてチタ
ン酸アルミニウムを用いることとした。チタン酸アルミ
ニウム焼結体は、コーディエライトと同様に熱膨張係数
の小さい材料である。しかしその熱膨張係数が小さい理
由は従来明らかではなく、多孔質とする技術も確立され
ていない。本発明はこのような事情に鑑みてなされたも
のであり、チタン酸アルミニウム焼結体の低熱膨張の理
由を解明し、その作用を最大に引き出すことが可能な多
孔質チタン酸アルミニウム焼結体とすることを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、チタン酸アルミニウムの低熱膨張性は、焼結体の粒
界中に存在するマイクロクラックと大きな関係があるこ
とが明らかとなった。すなわち、チタン酸アルミニウム
の結晶は熱異方性が大きく、a軸とb軸は正の熱膨張係
数をもつがc軸は負の熱膨張係数を有する。そのため焼
成時に高温から室温への冷却時には、結晶軸の熱異方性
によって粒内あるいは粒界にマイクロクラックが導入さ
れる。
【0010】ここでチタン酸アルミニウム焼結体が加熱
されると、結晶粒子が熱膨張してもその膨張はマイクロ
クラックの閉塞で吸収される。そのため焼結体は、見掛
け上熱膨張係数が小さくなるのである。そして一般に熱
衝撃抵抗(R)は次式で表され、熱膨張係数(α)を小
さくすれば熱衝撃抵抗(R)が増大するのである。 R=σ(1−ν)/Eα (σ:強度,ν:ポアッソン比,E:ヤング率) すなわち多孔質の程度を調整するとともに、マイクロク
ラックの発生程度を最適に制御することにより、熱膨張
係数が極めて小さなチタン酸アルミニウム焼結体とする
ことができ、再生時の急激な温度上昇に対しても割れの
発生がない高耐久のDPFを製造することが可能とな
る。
【0011】そこで本発明では、チタン酸アルミニウム
粉末の粒径と燃焼性粉末の粒径及び添加量を最適に制御
することで、得られる多孔質焼結体の熱膨張係数を極め
て小さくすることができたのである。すなわち上記課題
を解決する第1発明の多孔質チタン酸アルミニウム焼結
体の製造方法は、平均粒径1〜50μmのチタン酸アル
ミニウム粉末に平均粒径20〜120μmの燃焼性粉末
10〜50重量%を添加した混合粉末を成形し、次いで
酸化性雰囲気下で焼成することを特徴とする。
【0012】チタン酸アルミニウム粉末の粒径が1μm
より小さいと、焼結体の気孔径が小さくなり過ぎDPF
とした場合の圧力損失が大きくなる。また粒径が50μ
mより大きくなると、気孔率が大きくなり過ぎて強度面
で不具合がある。特に望ましいのは10〜20μmの範
囲である。燃焼性粉末としては、プラスチック粉末や木
粉などの有機物粉末、あるいはグラファイトやカーボン
ブラックなどのカーボン粉末などを用いることができ
る。中でも粒径の調整が容易なカーボン粉末を使用する
のが好ましい。
【0013】この燃焼性粉末の平均粒径は20〜120
μmとされる。平均粒径が20μmより小さいと焼結体
の気孔径が小さくなり過ぎ、120μmを超えると焼成
時の収縮率が大きくかえって気孔率が低下してしまう。
特に望ましいのは40〜100μmである。また燃焼性
粉末の添加量は、混合粉末全量中に10〜50重量%で
ある。燃焼性粉末の量が10重量%に満たないと得られ
る焼結体の気孔率が小さくなり過ぎ、50重量%を超え
て添加すると気孔率が大きくなり過ぎ焼結が困難となる
場合がある。特に望ましいのは20〜40重量%であ
る。
【0014】また第2発明の多孔質チタン酸アルミニウ
ム焼結体の製造方法は、平均粒径5〜50μmのチタン
酸アルミニウムの粗大粉末と平均粒径0.5μm以上で
5μm未満のチタン酸アルミニウムの微細粉末を混合し
たバイモーダル粉末に平均粒径20〜120μmの燃焼
性粉末10〜50重量%を添加した混合粉末を成形し、
次いで酸化性雰囲気下で焼成することを特徴とする。
【0015】第2発明では、チタン酸アルミニウム粉末
にバイモーダル粉末を用いるところに最大の特徴があ
る。このバイモーダル粉末は粒径の大きい粗大粉末と粒
径の小さい微細粉末とから構成されている。このうち粗
大粉末の平均粒径は5〜50μmであり、微細粉末の平
均粒径は0.5μm以上で5μm未満である。粗大粉末
の平均粒径が5μmより小さいとバイモーダル粉末を用
いた意味をなさず、多孔質体の気孔径が小さくなる。ま
た50μmより大きくなると、強度面で不具合が生じ
る。
【0016】また微細粉末の平均粒径が0.5μmより
小さくなると、焼結性が向上し、気孔径が小さくなり、
5μmより大きくなるとバイモーダル粉末を用いた意味
をなさず焼結体の強度の向上が不十分となり、熱膨張係
数も大きくなってしまう。微細粉末はバイモーダル粉末
中に50重量%以下の範囲で添加するのが望ましい。5
0重量%より多く添加すると熱膨張係数が大きくなり、
気孔率も小さくなってしまう。
【0017】なお、燃焼性粉末の粒径及び添加量には、
第1発明と同じ理由により同様の適当な範囲がある。第
3発明の多孔質チタン酸アルミニウム焼結体の製造方法
は、平均粒径1〜50μmのチタン酸アルミニウム粉末
に平均粒径10〜40μmの燃焼性粉末5〜20重量%
を添加した混合粉末を成形し、非酸化性雰囲気下で焼成
した後、さらに酸化性雰囲気下でチタン酸アルミニムの
焼結が進行しない温度範囲で熱処理し燃焼性粉末を燃焼
させることを特徴とする。
【0018】第3発明では非酸化性雰囲気下で焼成した
後、さらに酸化性雰囲気下でチタン酸アルミニムの焼結
が進行しない温度範囲で熱処理し、燃焼性粉末を燃焼さ
せるところに最大の特徴を有する。ここで用いられるチ
タン酸アルミニウム粉末の平均粒径は、第1発明と同様
の理由により1〜50μmとされる。
【0019】また燃焼性粉末の平均粒径は10〜40μ
m、添加量は5〜20重量%とされる。平均粒径が10
μmより小さかったり添加量が5重量%より少ないと気
孔率が小さくなり、40μmを超えたり20重量%を超
えると気孔率が大きくなって強度が低下する。なお、焼
結温度は1400〜1600℃の範囲を利用できる。
【0020】
【作用】本発明の多孔質チタン酸アルミニウム焼結体の
製造方法では、チタン酸アルミニウム粉末の粒径と、燃
焼性粉末の粒径及び添加量を請求項1記載の範囲とする
ことにより、焼結体中の気孔とマイクロクラックを最適
に制御することができる。これにより、気孔率が30〜
50%で熱膨張係数の小さな多孔質焼結体を製造するこ
とができる。
【0021】またチタン酸アルミニウム粉末に請求項2
記載の範囲でバイモーダル粉末を用いれば、粒界では微
細粉末を介して局部的に焼結が促進され強度が向上す
る。またそれに伴ってマイクロクラックが増加すると考
えられ、一層小さな熱膨張係数をもつ焼結体が得られ
る。さらに請求項3記載のように非酸化性雰囲気で焼結
すると、燃焼性粉末はそのまま残存した状態でチタン酸
アルミニウム粉末が焼結される。その後酸化性雰囲気で
熱処理することにより、燃焼性粉末は燃焼して気孔が形
成される。したがってこの製造方法では、焼結時には燃
焼性粉末の存在により収縮が阻止されるので、燃焼性粉
末の粒径に応じた気孔を形成することができ、気孔の制
御が極めて容易である。また酸化性雰囲気で焼成する場
合に比べて、少ない燃焼性粉末量で同程度の気孔率とす
ることができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1)SiO26wt%,Fe2O32wt%,残部Al2TiO5(Al2O3+
T5O2) からなる原料を1500℃で加熱することによっ
てチタン酸アルミニウムを合成し、これを粉砕し、表1
に示す各種平均粒径の原料粉末を調製した。次に各粉末
に対して、平均粒径40μmの人造黒鉛粉末20重量%
を混粉した。混粉は、ポリエチレン製ポットに鉄芯入り
ラバーボールを用いたボールミルに原料粉末、黒鉛粉
末、水及び分散剤を投入し、湿式にて24時間混合し
た。なお各粉末の平均粒径は、レーザー光散乱式粒度分
布計を用いて測定した。
【0023】それぞれの混粉を乾燥後、バインダーを加
えて造粒し、500kg/cm2の圧力で金型成形して5×5
×50mmの試験片形状の成形体をそれぞれ作製した。そ
してそれぞれの成形体を、大気中にて1400〜155
0℃の範囲の所定温度で4時間焼成し、チタン酸アルミ
ニウム焼結体としての試験片を作製した。得られた各試
験片について、気孔率、40〜1000℃における平均
熱膨張係数及び4点曲げ強度を測定し、結果を表1に示
す。
【0024】
【表1】
【0025】表1より、チタン酸アルミニウムの原料粉
末の粒径が大きく、焼成温度が低いほど気孔率が高くな
っていることがわかる。DPFとして望ましいとされる
気孔率は30〜50%であるが、それを満たす焼成温度
は、原料粉末粒径が20μmでは1500℃以下、10
〜13μmでは1450℃以下、3〜7μmでは140
0℃であった。また粒径が7μm以下では焼結により閉
気孔も存在するので、DPFとして必要な気孔率を維持
するためには、20μmの原料粉末であれば1500℃
以下、10〜13μmの原料粉末であれば1400〜1
450℃が適している。
【0026】また熱膨張係数をみると、粒径が20μm
の原料粉末では1400℃程度の低温焼成でも1.0 ×10
-6/℃以下の低熱膨張係数を維持することができる。し
かし粒径が3μmの原料を低温で焼成すると、熱膨張係
数は3 〜4 ×10-6/℃と大きくなってしまう。これは、
粒径が大きいほどマイクロクラックが増大しやすく、結
果として熱膨張係数が低くなるものと考えられる。
【0027】さらに強度に関しては、原料粉末粒径が小
さいほど高い強度を示し、7μm以上の粒径では焼成温
度が高くなるほど強度は向上している。ところが3μm
の粒径では、焼成温度が上昇すると強度は逆に低下して
いる。これは、粒径が小さい場合には低温でも焼結が進
行して高い強度となるが、高温では粒成長に伴ってマイ
クロクラックが生成し、それによる強度低下が支配した
ものと考えられる。 (実施例2)実施例1における平均粒径20μmのチタ
ン酸アルミニウム粉末に、平均粒径40μmのカーボン
粉末を表2に示す10〜50重量%の範囲で混合した混
合粉末から、実施例1と同様に成形体を形成した。それ
ぞれの成形体を大気中にて1450〜1550℃で4時
間焼成し、それぞれの焼結体の気孔率を測定した結果を
表2に示す。
【0028】
【表2】 表2より、カーボン粉末が10重量%以下であると気孔
率は20%以下となり、DPFとして使用するには圧力
損失が大きいため好ましくない。またカーボン粉末を3
0重量%を超えて添加すると、焼成時の収縮により気孔
率は50%に達していない。 (実施例3)実施例1と同様の平均粒径20μmの粗大
粉末に、実施例1と同様の平均粒径3μmの微細粉末が
表3に示すように0〜50重量%の範囲で混合されたチ
タン酸アルミニウムのバイモーダル粉末に対して、平均
粒径40μmのカーボン粉末20重量%をそれぞれ添加
した混合粉末を用い、実施例1と同様にしてそれぞれの
成形体を作製した。そして1450℃と1550℃にて
それぞれ4時間焼成し、得られたそれぞれの試験片につ
いて実施例1と同様に気孔率、平均熱膨張係数及び4点
曲げ強度を測定した。結果を表3に示す。
【0029】
【表3】 表3より、1450℃及び1500℃のいずれにおいて
も、微細粉末の添加により強度が向上している。これ
は、粗大粉末中に混在した微細粉末を介して、粒界で局
部的に焼結が促進されたことに起因していると推察され
る。
【0030】また、平均熱膨張係数に関しては、微細粉
末がいずれの添加量であっても、1500℃で焼結した
ものの方が小さい値を示している。また微細粉末の添加
量が増加するにつれて熱膨張係数は低下し、添加量が3
0重量%程度で最低となるものの、50重量%では再び
増大している。これは以下のような機構によるものと考
えられる。
【0031】すなわち微細粉末の添加によって局部的に
粒成長が促進され、それに伴うマイクロクラックの増加
により熱膨張係数が低下する。しかしさらに微細粉末の
添加量が増えると、微細粉末が多くなり過ぎると焼成体
の粒径の増大が抑制されてマイクロクラックの発生が抑
制されたものと考えられる。したがってバイモーダル粉
末を用いる場合は、微細粉末の添加量を30重量%程度
とすることが望ましい。
【0032】さらに気孔率については、1450℃で焼
成した方が1500℃で焼成したものより5%程度高
い。そして微細粉末の添加量が増えるにつれて気孔率は
低下している。したがって30%以上の気孔率とするた
めには、1450℃で焼成する場合の微細粉末添加量は
50重量%以下とし、1500℃で焼成する場合は30
重量%以下とするのが望ましい。 (実施例4)実施例1と同様の平均粒径20μmの粗大
粉末に、実施例1と同様の平均粒径3μmの微細粉末が
30重量%添加されたチタン酸アルミニウムのバイモー
ダル粉末に対して、表4に示す平均粒径40〜120μ
mのカーボン粉末を20〜40重量%混合した混合粉末
を用い、実施例1と同様にしてそれぞれの成形体を作製
した。そして大気中で1550℃にてそれぞれ4時間焼
成し、得られたそれぞれの試験片について実施例1と同
様に気孔率、平均熱膨張係数及び4点曲げ強度を測定し
た。結果を表4に示す。
【0033】
【表4】 表4より、カーボン粉末の粒径と添加量を変化させるこ
とにより、気孔率や強度ばかりでなく、熱膨張係数まで
も制御できることがわかる。 (実施例5)実施例1と同様の平均粒径20μmの粗大
粉末に、実施例1と同様の平均粒径3μmの微細粉末が
30重量%添加されたチタン酸アルミニウムのバイモー
ダル粉末に対して、平均粒径40μmのカーボン粉末を
表5に示すように5〜30重量%混合した混合粉末を用
い、実施例1と同様にしてそれぞれの成形体を作製し
た。この成形体を0.01torrの真空炉内で140
0〜1600℃で4時間焼成した。
【0034】次に、さらに大気中で600〜1000℃
で2時間熱処理し、焼結体中に残存するカーボン粉末を
燃焼除去した。得られたそれぞれの試験片について実施
例1と同様に気孔率と4点曲げ強度を測定し、さらに焼
結前後における成形体と焼結体の体積の測定から収縮率
を算出した。結果を表5に示す。
【0035】
【表5】 (実施例6)実施例1と同様の平均粒径20μmの粗大
粉末に、実施例1と同様の平均粒径3μmの微細粉末が
30重量%添加されたチタン酸アルミニウムのバイモー
ダル粉末に対して、平均粒径40μmのカーボン粉末を
表6に示すように5〜30重量%混合した混合粉末を用
い、実施例1と同様にしてそれぞれの成形体を作製し
た。この成形体をアルゴンガスないし窒素ガス雰囲気で
1400〜1600℃で4時間焼成した。
【0036】次に、さらに大気中で600〜1000℃
で2時間熱処理し、焼結体中に残存するカーボン粉末を
燃焼除去した。得られたそれぞれの試験片について実施
例1と同様に気孔率と4点曲げ強度を測定し、さらに焼
結前後における成形体と焼結体の体積の測定から収縮率
を算出した。結果を表6に示す。
【0037】
【表6】 表5及び表6より、いずれの焼結体においても収縮率は
4%以内であり、大気中で焼成した場合のように大きな
収縮はみられなかった。これは、減圧下やアルゴンガス
あるいは窒素ガス雰囲気下での焼結ではカーボン粉末の
燃焼が生じないため、カーボン粉末の抵抗で収縮が阻止
されるからである。そして大気中での熱処理時には、カ
ーボン粉末は燃焼除去されるものの温度が低いため、さ
らなる焼結が防止されているからである。
【0038】すなわち、焼結体の気孔率はカーボン粉末
の添加量によってほぼ制御可能であることがわかる。
【0039】
【発明の効果】すなわち本発明の多孔質チタン酸アルミ
ニウム焼結体の製造方法によれば、最適の気孔率をも
ち、低熱膨張性で強度に優れた焼結体を容易にかつ安定
して製造することができる。そして得られた焼結体はコ
ーディエライトより低熱膨張性であるので、この製造方
法をDPFの製造に適用することにより、耐久性に優れ
かつ再生時の破損や溶損のないDPFを製造することが
できる。さらに、1000℃の再生温度にも耐えるので
再生効率が極めて高く、気孔径の分布が比較的均一であ
るため圧力損失の低減が容易となり小型化や軽量化にも
寄与する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径1〜50μmのチタン酸アルミニ
    ウム粉末に平均粒径20〜120μmの燃焼性粉末10
    〜50重量%を添加した混合粉末を成形し、次いで酸化
    性雰囲気下で焼成することを特徴とする多孔質チタン酸
    アルミニウム焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】平均粒径5〜50μmのチタン酸アルミニ
    ウムの粗大粉末と平均粒径0.5μm以上で5μm未満
    のチタン酸アルミニウムの微細粉末を混合したバイモー
    ダル粉末に平均粒径20〜120μmの燃焼性粉末10
    〜50重量%を添加した混合粉末を成形し、次いで酸化
    性雰囲気下で焼成することを特徴とする多孔質チタン酸
    アルミニウム焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】平均粒径1〜50μmのチタン酸アルミニ
    ウム粉末に平均粒径10〜40ミクロンの燃焼性粉末5
    〜20重量%を添加した混合粉末を成形し、非酸化性雰
    囲気下で焼成した後、さらに酸化性雰囲気下でチタン酸
    アルミニムの焼結が進行しない温度範囲で熱処理し該燃
    焼性粉末を燃焼させることを特徴とする多孔質チタン酸
    アルミニウム焼結体の製造方法。
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