JPH07136363A - ミシンの送り機構 - Google Patents

ミシンの送り機構

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JPH07136363A
JPH07136363A JP5525794A JP5525794A JPH07136363A JP H07136363 A JPH07136363 A JP H07136363A JP 5525794 A JP5525794 A JP 5525794A JP 5525794 A JP5525794 A JP 5525794A JP H07136363 A JPH07136363 A JP H07136363A
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foot
needle
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Shinjiro Kadowaki
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Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 上送り足による上送り量の不足分を押え足に
よる差動送りにより補い、製品品質を向上する。また、
縫製物の連続送りを可能とし、縫製物の速度変化を小さ
くして、良好な縫製を行う。 【構成】 所定の揺動運動を受けて、上送り足35と押
え足25とをほぼ逆位相で上下動させる機構31と、ミ
シン針51を備え、上送り足35と同調して上下動する
針棒19と、この針棒19及び上送り足35を上下動自
在に支承して揺動させる針棒揺動手段60と、押え足2
5を、上下動自在に支承すると共に上送り足35に対し
てほぼ逆位相で揺動させる押え足揺動手段61と、を具
備してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシンの送り機構に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばパイピング縫い等を行う場
合には、上布と下布とを合わせ縫うために、総合送りミ
シンが用いられている。この総合送りミシンは、上軸の
回転に従った揺動運動を受けて、上送り足と押え足とを
ほぼ逆位相で上下動させる機構としてのベルクランク
と、ミシン針を備え、該上送り足と同調して上下動する
針棒と、この針棒及び上記上送り足を上下動自在に支承
し、下軸の回転に関連して該針棒及び上送り足を揺動さ
せる針棒揺動手段と、を具備しており、上送り足及びミ
シンベッド側の送り歯により上布、下布を上下から挟持
し、ミシン針を該上布、下布に突き刺した状態で、上送
り足と送り歯とを協働させて上布、下布を共に送り方向
に送るようにしたものであって、上記ベルクランクによ
り布送り時には押え足は上布から浮いており、布停止時
に押え足で上布を押えるというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の総合送りミシンにおいては、以下の問題点があっ
た。すなわち、送り歯による下送り力に比して上送り足
による上送り力の方がどうしても劣ってしまうので、図
7に示されるように、例えばパイピングの縫い上がり等
で上布Aに対して下布Bが撓んでしまい、製品不良にな
るといった問題がある。
【0004】ここで、上送り足による上送り量を増やす
ことができれば、上記問題点を解決することができる
が、布送り時には、上述の如くミシン針が突き刺さった
状態となっているので、針が折れてしまうことになる。
【0005】また、送り歯を通常の楕円送りではなく、
水平送りにしその下送り力を弱めることにより上記問題
点に対処することも考えられるが、例えばスポンジ状の
柔らかい縫製物を縫う場合には送り力が著しく低下して
しまい、縫製が困難になってしまうので好ましくない。
【0006】さらにまた、上記総合送りミシンに限られ
ず、一般のミシンの送り機構にあっては、図6に実線P
で示されるように、1針(上軸1回転)当たりの送り回
数は1回となっており、1針の間には送り期間とほぼ同
じ期間の休止期間を含んでいるので、その送り(送り期
間の実線Pの傾き)が急激となり、従ってオペレーター
が、例えば高速や大きなピッチでの曲線縫いをする際に
縫製物の速度変化が大きく、追従できないといった問題
がある。
【0007】ここで、送り歯に代えて2個のローラを用
い、これらローラをワンウェイクラッチによりそれぞれ
同調しないよう間欠運動させて、縫製物を連続的に送る
ように構成したミシンの送り機構が知られているが、ロ
ーラの送り力は下送り歯のそれに比べて弱い等の欠点が
あり、従って使用できる工程が限定されてしまう等の問
題点があって好ましくない。
【0008】そこで本発明は、上送り足による上送り量
の不足分を押え足による差動送りにより補うことがで
き、製品品質を向上し得るミシンの送り機構を提供する
ことを第1の目的とする。
【0009】また、縫製物の連続送りが可能にされ、縫
製物の速度変化が可能な限り小さくされて、良好な縫製
がなされるミシンの送り機構を提供することを第2の目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のミシンの送り機構は、所定の揺動運動を受
けて、上送り足と押え足とをほぼ逆位相で上下動させる
機構と、ミシン針を備え、前記上送り足と同調して上下
動する針棒と、この針棒及び前記上送り足を上下動自在
に支承して揺動させる針棒揺動手段と、前記押え足を、
上下動自在に支承すると共に前記上送り足に対してほぼ
逆位相で揺動させる押え足揺動手段と、を具備した。
【0011】
【作用】このような手段におけるミシンの送り機構によ
れば、2枚重ねられた縫製物を用い、例えば上送り足と
送り歯とを同調させれば、ミシン針が下降して上布、下
布を貫くと、これと同調して上送り足及び送り歯により
上布、下布は上下から挟持されながら、上送り足と送り
歯との協働により送り方向に共に送られるが、この時押
え足は、上送り足と押え足とをほぼ逆位相で上下動させ
る機構により上布から浮いた状態で、且つ押え足揺動手
段により上送り足に対して逆位相で揺動する。ミシン針
が上昇して上布、下布から抜かれると、これと同調して
上送り足及び送り歯は上布、下布から離れながら揺動し
て元の位置に戻るが、この時押え足は、上記機構により
下降して上布を押えると共に、押え足揺動手段により上
送り足に対して逆位相で揺動し、上布のみ送り方向に送
られるようになる。
【0012】また、1枚の縫製物を用い、例えば上送り
足と送り歯とを同調させれば、ミシン針、上送り足、送
り歯の協働による送りと、押え足による送りとが繰り返
されて縫製物が連続して送られるようになり、縫製物の
速度変化が小さくされる。
【0013】さらにまた、例えば押え足と送り歯とを同
調させれば、ミシン針、上送り足による送りと、押え
足、送り歯の協働による送りとが繰り返されて縫製物が
連続して送られるようになり、縫製物の速度変化が小さ
くされる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の第1実施例を示すミシンの送り機
構が適用された総合送りミシンの構成図である。
【0015】同図において、符号1は図示されない軸受
に回転自在に支承された上軸を示しており、この上軸1
には偏心カムとしての上送りカム26が固設されてい
る。この上送りカム26には上送り揺動ロット27の一
端が摺動可能に係合されており、この上送り揺動ロット
27の他端には上送り揺動腕(後)28の上端部が枢着
されている。この上送り揺動腕(後)28の下端部には
軸50が連結されており、この軸50は回転自在に支承
されている。
【0016】軸50の図におけるこちら側には上送り揺
動腕(前)29の上端部が連結されており、この上送り
揺動腕(前)29の下端部には上送り揺動リンク30の
一端が枢着されている。上送り揺動リンク30の他端に
は三角てことしてのベルクランク31の一端が枢着され
ている。このベルクランク31の股部分にはベルクラン
ク支持リンク36の一端が枢着されており、このベルク
ランク支持リンク36の他端はミシンヘッド54側に枢
着されている。ベルクランク支持リンク36の途中とミ
シンヘッド上部との間には上送りバネ37が配設されて
おり、この上送りバネ37により、ベルクランク支持リ
ンク36はその他端を支点として下方に押圧された状態
となっている。ベルクランク31の他端には連結リンク
32の上端部が枢着されており、この連結リンク32の
下端部には上送り棒34の上端部が枢着されている。そ
して、この上送り棒34の下端部には上送り足35が固
設されている。
【0017】ところで、上記ベルクランク31の股部分
には連結リンク33の上端部も枢着されており、この連
結リンク33の下端部には押え棒24の上端部が枢着さ
れている。そして、この押え棒24の下端部には押え足
25が固設されている。
【0018】一方、図2には後述の針棒及び上送り足を
揺動させる針棒揺動手段60及び押え足を揺動させる押
え足揺動手段61の揺動駆動機構62の構成図が示され
ている。同図において、符号5は図示されない軸受に回
転自在に支承された下軸を示しており、この下軸5には
偏心カムとしての水平送りカム6が固設されている。こ
の水平送りカム6には水平送りロット7の一端が摺動可
能に係合されており、この水平送りロット7の他端には
水平送り腕8の下端部が枢着されている。この水平送り
腕8の上端部には水平送り軸9が連結されており、この
水平送り軸9は図示されない軸受に回転自在に支承され
ている。
【0019】水平送り軸9の図における向こう側には上
送り腕(下)10の一端が連結されており、この上送り
腕(下)10の他端には上送りロット11の下端部が枢
着されている。上送りロット11の上端部には上送り腕
(上)12の一端が枢着されており、この上送り腕
(上)12の他端には上送り軸20が連結されている。
この上送り軸20は図示されない軸受に回転自在に支承
されており、この上送り軸20には偏心カムとしての針
送りカム13が固設されている。この針送りカム13に
は針送りロット14の上端部が摺動可能に係合されてお
り、この針送りロット14の下端部には針送り腕15の
一端が枢着されている。この針送り腕15の他端には針
送り軸16が連結されており、この針送り軸16は図示
されない軸受に回転自在に支承されている。
【0020】該針送り軸16の図におけるこちら側に
は、図1に示されるように、針棒揺動台17の上端部が
連結されている。この針棒揺動台17の下部には、この
下部17aを上下方向に貫通する図示されない2個のス
ライド孔が形成されており、この各々のスライド孔に、
上記上送り棒34及びミシン針51を備えた針棒19が
それぞれ遊嵌された状態となっている。
【0021】また、図2に示した上送り軸20の図にお
けるこちら側には、図1に示されるように、上送り腕
(前)21の上端部が連結されている。この上送り腕
(前)21はスライド溝を有するチャンネル形状をなし
ており、そのスライド溝の途中には、上送り揺動リンク
22の一端が、段螺子55によりスライド溝の長手方向
(図1における上下方向)に位置調節可能に枢支されて
いる。
【0022】該上送り揺動リンク22の他端には、L字
状をなす押え棒揺動台23の一端が枢着されており、こ
の押え棒揺動台23の股部分はミシンヘッド54側に回
転自在に支持されている。押え棒揺動台23の他端部分
23aには、この他端部分23aを上下方向に貫通する
図示されない1個のスライド孔が形成されており、この
スライド孔に、上記押え棒24が遊嵌された状態となっ
ている。
【0023】なお、図1における符号52は針板を、5
3は楕円運動を行う送り歯をそれぞれ示しており、図
1、図2において、内部にハッチングが施された軸は回
転自在に支承された軸をそれぞれ示している。
【0024】次に、このように構成された総合送りミシ
ンの動作について以下説明する。先ず、図1を参照にし
て説明する。上軸1が回転すると、この回転運動は上送
りカム26及び上送り揺動ロット27により往復直線運
動に変換され、上送り揺動腕(後)28が揺動運動する
ことになり、この上送り揺動腕(後)28に連結された
軸50も揺動運動する。この軸50の揺動運動は上送り
揺動腕(前)29及び上送り揺動リンク30により往復
直線運動に変換される。
【0025】ここで、上送り揺動リンク30が、例えば
図における右方に押し出されるとすると、押え棒24及
び押え足25が下降し、該押え足25が着地して図1に
示される状態となる。
【0026】この状態から、上送り揺動リンク30がさ
らに右方に押し出されると、押え足25が着地していて
これ以上下降することができないので、ベルクランク3
1はベルクランク31の股部分を支点として時計回りに
回動することになり、上送り棒34及び上送り足35が
下降し、今度は上送り足35が着地する。
【0027】この状態から、上送り揺動リンク30がさ
らに右方に押し出されると、上送り足35が着地してい
てこれ以上下降することができないので、ベルクランク
31はベルクランク31の他端を支点として時計回りに
回動することになり、押え棒24及び押え足25が上昇
する。
【0028】次いで、今度は軸50の揺動方向が反転
し、上送り揺動リンク30が上記状態から図における左
方に引き戻されると、ベルクランク31はベルクランク
31の他端を支点として反時計回りに回動することにな
り、押え棒24及び押え足25が下降し、今度は押え足
25が着地する。
【0029】この状態から、上送り揺動リンク30がさ
らに左方に引き戻されると、押え足25が着地していて
これ以上下降することができないので、ベルクランク3
1はベルクランク31の股部分を支点として反時計回り
に回動することになり、上送り棒34及び上送り足35
が上昇する。
【0030】そして、この状態から上送り揺動リンク3
0がさらに左方に引き戻されると、元の状態に戻り、こ
れら動作が繰り返し行われる。すなわち、上送り足35
と押え足25とは該ベルクランク31によりほぼ逆位相
で上下動し、交互に着地して縫製物を押えられるように
なっている。なお、針棒19は該上送り足35とほぼ同
期して上下動するようになっている。
【0031】次に、針棒揺動手段60及び押え足揺動手
段61の動作について説明する。先ず、図2を参照にし
て説明する。下軸5が回転すると、この回転運動は水平
送りカム6及び水平送りロット7により往復直線運動に
変換され、水平送り腕8が揺動運動することになり、こ
の水平送り腕8に連結された水平送り軸9も揺動運動す
る。この水平送り軸9の揺動運動は上送り腕(下)10
及び上送りロット11により往復直線運動に変換され、
上送り腕(上)12が揺動運動することになり、この上
送り腕(上)12に連結された上送り軸20も揺動運動
する。すなわち、水平送り軸9と上送り軸20は連動し
て揺動運動する。
【0032】上送り軸20の揺動運動は針送りカム13
及び針送りロット14により往復直線運動に変換され、
針送り腕15が揺動運動することになり、この針送り腕
15に連結された針送り軸16も揺動運動する。
【0033】次いで、図1を参照にして説明すれば、該
針送り軸16が揺動すると、針棒揺動台17が針送り軸
16を支点として揺動し、従って上送り棒34及び針棒
19も揺動する。この揺動運動は送り歯53の楕円送り
運動と同調するようになっている。
【0034】一方、上送り軸20が揺動すると、この揺
動運動は上送り腕(前)21及び上送り揺動リンク22
により往復直線運動に変換され、押え棒揺動台23が股
部分を支点として揺動運動することになる。ここで、針
送り軸16及び上送り軸20が例えば時計回りに揺動運
動しているとすると、針棒揺動台17は時計回りに、押
え棒揺動台23は反時計回りにそれぞれ揺動運動する。
従って、針棒揺動台17と押え棒揺動台23の揺動運動
は逆位相となっている。
【0035】斯くの如く、上記針棒19及び上送り足3
5(上送り棒34)並びに押え足25(押え棒24)
は、上下運動並びに揺動運動を行っているので、実際に
は、これら上下運動と揺動運動を合成した運動となる。
【0036】以下、図3を参照にして上記合成した実際
の動きを説明する。先ず、図3(a)に示されるよう
に、ミシン針51が下降して重ねられた上布A、下布B
を突き刺し、これと同時に上送り足35が下降する。こ
の時、上送り足35と楕円揺動して上昇してきた送り歯
53との間に上、下布A,Bが挟持される。
【0037】次いで、図3(b)に示されるように、上
送り足35が上、下布A,Bを押えると同時に、押え足
25が上布Aから離れ始める。この時、針棒揺動台17
の揺動が開始され、ミシン針51及び上送り足35が図
における左方向へ揺動する。従って、上、下布A,Bは
ミシン針51に突き刺された状態で上送り足35と送り
歯53との協働により図における左側に送られる。この
時、押え棒揺動台23の揺動も開始され、押え足25は
上布Aから離れながら上送り足35とは逆方向、すなわ
ち図における右方向に揺動する。
【0038】次いで、図3(c)に示されるように、上
送り足35と送り歯53との協働による上、下布A,B
の送り運動が終了すると、ミシン針51が上、下布A,
Bから抜け始める。この時、押え足25が下降してきて
上布Aを押える。
【0039】次いで、図3(d)に示されるように、押
え足25が上布Aを押えると同時に、上送り足35及び
送り歯53が上、下布A,Bから離れ始め、これと同時
に押え棒揺動台23及び針棒揺動台17の揺動がそれぞ
れ反転する。従って、押え足25の図における左方向へ
の揺動により、上布Aのみが図における左側に送られる
ようになり、この間、ミシン針51及び上送り足35並
びに送り歯53は、上、下布A,Bから離れながら揺動
し、図3(a)に示される初期位置に戻る。そして、こ
れら動作が引き続き繰り返される。
【0040】このように、第1実施例においては、所定
の揺動運動を受けて、上送り足35と押え足25とをほ
ぼ逆位相で上下動させるベルクランク31と、ミシン針
51を備え、上送り足35と同調して上下動する針棒1
9と、この針棒19及び上送り足35を上下動自在に支
承して揺動させる針棒揺動手段60と、押え足25を、
上下動自在に支承すると共に上送り足35に対してほぼ
逆位相で揺動させる押え足揺動手段61と、を具備し、
さらに上送り足35と送り歯53とを同調するようにし
たので、例えば2枚重ねられた上、下布A,Bを用いた
場合には、上送り足35による上送り量の不足分を押え
足25による差動送りにより補えることができるように
なっており、従って従来生じていた下布Bの撓み等が生
じなくなり、製品品質を向上することが可能となってい
る。
【0041】また、上述のように、ミシン針51、上送
り足35、送り歯53の協働による送りと、押え足25
による送りとが交互に繰り返されることから、1枚の縫
製物を用いた場合には、該縫製物が連続して送られるよ
うになる。従って、図6に点線Qで示されるように、そ
の送りの傾きを従来に比べて穏やかにすることができる
ようになっている。因って、縫製物の速度変化が可能な
限り小さくなり、例えば高速や大きなピッチでの曲線縫
いをする際に良好な縫製を行うことが可能となってい
る。
【0042】因に、押え足25による送り量を調節した
い場合には、上送り揺動リンク22の一端を上送り腕
(前)21のスライド溝内で移動すれば良く、例えば図
1における上方に上送り揺動リンク22の一端をスライ
ドして固定すれば、その送り量を小さくすることがで
き、下方にスライドして固定すれば、その送り量を大き
くすることができる。
【0043】図4は本発明の第2実施例を示すミシンの
送り機構の針棒揺動手段及び押え足揺動手段の揺動駆動
機構の構成図である。
【0044】この第2実施例のミシンの送り機構が先の
第1実施例のそれと違う点は、上送り腕(下)10の一
端を、第1実施例に対して180°回転させて水平送り
軸9に連結した点である。すなわち、送り歯53に対す
る押え足25とミシン針51、上送り足35との位相
が、第1実施例のものに対して180°ズレるようにな
っており、従って、送り歯53に対しては押え足25が
同調するようになっている。なお、ミシン針51は上送
り足35に同調して上下動するようになっており、また
送り歯53の位置は、ミシン針51との干渉を避けるた
めに、第1実施例のようなミシン針51の直下ではな
く、脇に設けられている。
【0045】以下、図5を参照して動作を説明する。先
ず、図5(a)に示されるように、ミシン針51が下降
して重ねられた上布A、下布Bを突き刺し、これと同時
に上送り足35が下降する。この時、押え足25と送り
歯53との間に上、下布A,Bを挟持した送りが完了す
る。
【0046】次いで、図5(b)に示されるように、上
送り足35が上、下布A,Bを押えると同時に、押え足
25が上布Aから離れると共に送り歯53が下布Bから
離れ始める。この時、針棒揺動台17の揺動が開始さ
れ、ミシン針51及び上送り足35が図における左方向
へ揺動する。従って、上、下布A,Bはミシン針51に
突き刺された状態で上送り足35とミシン針51により
図における左側に送られる。この時、押え棒揺動台23
の揺動も開始され、押え足25と送り歯53は、布A,
Bから離れながら上送り足35とは逆方向、すなわち図
における右方向に揺動する。
【0047】次いで、図5(c)に示されるように、上
送り足35とミシン針51による上、下布A,Bの送り
運動が終了すると、ミシン針51が上、下布A,Bから
抜け始める。この時、押え足25が下降してきて上布A
を押える。また、送り歯53が上昇し、この送り歯53
と押え足25との間に、上、下布A,Bが挟持される。
【0048】次いで、図5(d)に示されるように、押
え足25が上布Aを押えると同時に、上送り足35が
上、下布A,Bから離れ始め、これと同時に押え棒揺動
台23及び針棒揺動台17の揺動がそれぞれ反転する。
従って、押え足25と送り歯53とが図における左方向
へ揺動し且つ協働することにより、上、下布A,Bが図
における左側に送られるようになり、この間、ミシン針
51及び上送り足35は、上、下布A,Bから離れなが
ら揺動し、図5(a)に示される初期位置に戻る。そし
て、これら動作が引き続き繰り返される。
【0049】このように、第2実施例においては、送り
歯53に対して押え足25を同調させるようにしたので
(第1実施例においては、ミシン針51及び上送り足3
5を同調させていた)、ミシン針51、上送り足35に
よる送りと、押え足25、送り歯53の協働による送り
とが繰り返されて、上、下布A,Bが連続して送られる
ようになっている。従って、図6に点線Qで示されるよ
うに、その送りの傾きを従来に比べて穏やかにすること
ができるようになっており、因って、縫製物の速度変化
が可能な限り小さくなり、例えば高速や大きなピッチで
の曲線縫いをする際に良好な縫製を行うことが可能とな
っている。
【0050】なお、第2実施例においては、2枚重ねら
れた上、下布A,Bを用いた例が述べられているが、単
枚であっても同様な効果を得ることができる。
【0051】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例え
ば、上記実施例においては、V字状のベルクランク31
を用いているが、三角形状のベルクランクを用いても良
く、要は上送り足と押え足とをほぼ逆位相で上下動させ
る機構であれば何でも良い。
【0052】また、上記送り歯53に代えて送りローラ
を用いることも可能である。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のミシンの送
り機構によれば、所定の揺動運動を受けて、上送り足と
押え足とをほぼ逆位相で上下動させる機構と、ミシン針
を備え、前記上送り足と同調して上下動する針棒と、こ
の針棒及び前記上送り足を上下動自在に支承して揺動さ
せる針棒揺動手段と、前記押え足を、上下動自在に支承
すると共に前記上送り足に対してほぼ逆位相で揺動させ
る押え足揺動手段と、を具備したので、2枚重ねられた
縫製物を用い、例えば上送り足と送り歯とを同調させれ
ば、ミシン針が下降して上布、下布を貫くと、これと同
調して上送り足及び送り歯により上布、下布は上下から
挟持されながら、上送り足と送り歯との協働により送り
方向に共に送られるが、この時押え足は、上送り足と押
え足とをほぼ逆位相で上下動させる機構により上布から
浮いた状態で、且つ押え足揺動手段により上送り足に対
して逆位相で揺動する。ミシン針が上昇して上布、下布
から抜かれると、これと同調して上送り足及び送り歯は
上布、下布から離れながら揺動して元の位置に戻るが、
この時押え足は、上記機構により下降して上布を押える
と共に、押え足揺動手段により上送り足に対して逆位相
で揺動し、上布のみ送り方向に送られるようになる。従
って、上送り足による上送り量の不足分を押え足による
差動送りにより補えるようになり、例えば従来生じてい
た下布の撓み等がなくなって、製品品質を向上すること
が可能となる。
【0054】また、1枚の縫製物を用い、例えば上送り
足と送り歯とを同調させれば、ミシン針、上送り足、送
り歯の協働による送りと、押え足による送りとが繰り返
されて縫製物が連続して送られるようになり、従って縫
製物の速度変化が小さくなり、良好な縫製を行うことが
可能となる。
【0055】さらにまた、例えば押え足と送り歯とを同
調させれば、ミシン針、上送り足のによる送りと、押え
足、送り歯の協働による送りとが繰り返されて縫製物が
連続して送られるようになり、従って縫製物の速度変化
が小さくなり、良好な縫製を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すミシンの送り機構が
適用された総合送りミシンの構成図である。
【図2】第1実施例の針棒揺動手段及び押え足揺動手段
の揺動駆動機構の構成図である。
【図3】第1実施例の動作を表したミシンの送り機構の
要部の拡大図である。
【図4】本発明の第2実施例を示すミシンの送り機構の
針棒揺動手段及び押え足揺動手段の揺動駆動機構の構成
図である。
【図5】第2の実施例の動作を表したミシンの送り機構
の要部の拡大図である。
【図6】上軸の回転数と送りピッチとの関係を従来技術
と比較して表した図である。
【図7】従来技術の問題点を表した縫製物の斜視図であ
る。
【符号の説明】
19 針棒 25 押え足 31 上送り足と押え足とを逆位相で上下動させる機構
(ベルクランク) 35 上送り足 51 ミシン針 60 針棒揺動手段 61 押え足揺動手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の揺動運動を受けて、上送り足と押
    え足とをほぼ逆位相で上下動させる機構と、 ミシン針を備え、前記上送り足と同調して上下動する針
    棒と、 この針棒及び前記上送り足を上下動自在に支承して揺動
    させる針棒揺動手段と、 前記押え足を、上下動自在に支承すると共に前記上送り
    足に対してほぼ逆位相で揺動させる押え足揺動手段と、
    を具備したミシンの送り機構。
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