JPH07134345A - 立体画像撮影装置、立体画像撮影用アタッチメントおよび立体画像観賞装置 - Google Patents

立体画像撮影装置、立体画像撮影用アタッチメントおよび立体画像観賞装置

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JPH07134345A
JPH07134345A JP5282722A JP28272293A JPH07134345A JP H07134345 A JPH07134345 A JP H07134345A JP 5282722 A JP5282722 A JP 5282722A JP 28272293 A JP28272293 A JP 28272293A JP H07134345 A JPH07134345 A JP H07134345A
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stereoscopic image
stereoscopic
light
reflecting surfaces
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Jiro Sekine
二郎 関根
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、現行の画像システムを前提とした、
立体画像撮影装置、従来の画像撮影装置を用いて立体画
像を撮影するための立体画像撮影用アタッチメント、お
よび万人に適合する簡単な鑑賞装置を提供する。 【構成】2つの撮影光束取入口9a,9bそれぞれから
入射した光束を第1の反射面7a,7bで内向きに反射
し、結像レンズ1a,1bを経由し、第2の反射面8
a,8bで反射し、上下に並ぶ被写体像を記録する。現
像後、これら2つの被写体像をプリズムで左右の目に導
く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、左右に隔てられた2
系統の撮影光学系により、二視点からの被写体像を記録
する撮影装置と、再生された二視点からの被写体像を観
察して立体感が得られる観賞装置に関するものである。
従来より画像記録・再生システムは一般に下記のサブシ
ステムから構成されている。 (1)撮影・記録装置 (2)記録媒体 (3)編集装置(不要な場合もある) (4)再生装置 (5)観賞装置 この発明は、上記サブシステムのうち、(1)撮影・記
録装置、(5)観賞装置に関するものであり、(2)記
録媒体、(3)編集装置、(4)再生装置は従来のシス
テムをそのまま利用する。記録媒体、編集装置、再生装
置の変更は画像システムの根幹に関わるものであり、こ
れらの変更はシステムの基本から作り直さなければなら
ない。本発明は、最小の新規サブシステムで、最大の効
果が得られる立体画像システムを作ることに目的があ
る。
【0002】
【従来の技術】立体視は、二視点からの映像を左右の目
から別々に入射させ、視神経を経由し、脳内で融合させ
ることにより、得られる心理現象である。静止画像であ
っても、動く映像であっても、また記録媒体、再生方式
の如何によらず、立体視が得られる心理物理的基本原理
は共通であると考えられる。
【0003】写真が発明される以前の、1832年には
既に立体視の論理的検討がなされ、1839年写真が発
明された直後の、1840年代には立体写真(STER
EOSCOPIC PHOTOGRAPHY)の撮影装
置、観賞装置が現われている。立体写真の技術は旧い時
代に現われ、その後改良が加えられ、流行と衰退を繰り
返しながら今日に至っている。
【0004】また動く映像についても、1858年のア
ナグリフ法以来、さまざまな方式が試みられているが、
偏光法による立体画像が特殊な映像、例えば、テーマパ
ークや博覧会用に実用化されているだけで、一般劇映画
には広く応用されていない。テレビ映像についても、種
々の方式が提案されているが、液晶シャッター式(一種
の偏光法)が種々試験的に実施されているに過ぎない。
【0005】立体視が得られる基本的なメカニズムは、
静止画像でも、動く映像でも共通であると考えられるか
ら、立体写真の撮影装置及び観賞装置について述べ、次
にその応用例としての、映画、テレビ、出版の方式につ
いて述べる。従来の撮影装置の代表的な例を図31、図
32に示す。図31に示す例は立体写真専用カメラであ
る。間隔Aをもって左右に並んだ2個のレンズ1a、1
cにより、画像枠2a、2cに位置するフィルム4上に
被写体像が写し込まれる。
【0006】立体感を十分に表現するためにレンズ1a
とレンズ1cとの間隔Aは、経験的に、人間の両眼距離
65ミリ前後、又はそれ以上としている(レンズ間隔A
については詳細を後述する)。二視点からの被写体像
が、隣接する画面枠2a、2bに写し込まれるようにす
ると、レンズ1a、1bの間隔は65ミリメートル(m
m;以下、この単位を「ミリ」と略記する)前後を確保
できないため、1乃至2駒跳で撮影が行われる。従っ
て、画面サイズは両レンズ間距離と跳び駒数によって決
まり、特殊なものになっている。
【0007】図31に示す立体撮影カメラの場合1駒跳
びで画面枠2a、2cに撮影が行われている。この場
合、フィルムの給送は最初の撮影後、1駒分送られ、2
回目の撮影後3駒分送られ、以後奇数回目には1駒分、
偶数回目には3駒分送られると云う変則的な給送が以後
繰り返し行われることになる。従って、フィルム4上に
は最初の4駒の中に、一、二回目の撮影駒が交互に並
び、次の4駒の中に三、四回目の撮影駒が交互に並ぶと
いう変則的な配列になる。
【0008】2駒跳びで撮影が行われる場合は最初の二
回は1駒ずつ送られ3回目に4駒送られる。以後この変
則的なモードの繰返しでフィルムの給送が行われ、フィ
ルム上には撮影の順序は[123123456456・
・・]のように並ぶ。何れにしても、カメラのフィルム
カウンターを含めフィルム供給機構は複雑を極め、出来
上がったフィルム上の駒の並びも単純ではない。また画
面サイズも特殊なものとなり、通常のプリント依頼方法
ができないばかりでなく、プリント代は一桁程度高くな
ると云われている。
【0009】即ち、現在最も普及している写真システム
である、ネガカラーフィルム・カラープリントシステム
のうち、記録媒体の用法即ち画面枠サイズを変更したた
めに、画像システムのうちの再生システム即ちカラープ
リントシステムに旨く乗せることができなくなってい
る。図32に示す実施例は、一般の35ミリフィルムを
使用するカメラ本体5に立体写真撮影用のアタッチメン
ト6を取り付けた状態を示す。立体写真撮影用アッタチ
メント6の光学要素は4枚の反射鏡7a、7b、8a、
8bから成り、左右に間隔A隔たった光束を窓9a、9
bから取り入れ、反射鏡7a、8a及び7b、8bによ
り撮影レンズ1に送り込む。撮影レンズ1を通過すると
き、レンズ1内で交差した光束は2区画に仕切られた3
5ミリサイズ(24×36ミリ)画面の各画像区画3
a、3bに入射する。
【0010】本アッタチメント6によって撮影されたフ
ィルムの現像・プリントの依頼は通常のフィルム同様、
普通の注文をすればよい。得られるプリントは1枚の中
が2つの画像区画に区切られ、縦長の画像区画が並ぶこ
とになる。この方式は、現行カラープリントシステムと
旨く折り合いがついている点では問題は無いが、縦長の
画面枠となる点に問題がある。再生された画像枠が、縦
長になる画像システムは古来成功したためしがない。詳
しくはあとで論ずる。
【0011】従来のプリント観賞装置の代表的例を図3
3、図34に示す。図33に示す観賞装置例はブリュス
ターの立体視鏡(Brewster’s Ster
eo−scope)として知られているもので、184
4年に発表されている。横長大型のプリントを観賞する
場合、両眼瞳孔間距離よりも両画面の対応点間の距離が
大となり、視軸の方向は左右に開き、いわゆる藪睨みと
なる。この藪睨みを解決するため、接眼レンズ20a、
20bにプリズム成分を持たせ、藪睨みの視軸17a、
17bを物体側有限距離で交わる視軸12a、13a、
12b、13bに変えている。
【0012】本観賞装置は、プリントサイズ、目の視
度、瞳孔間距離、両眼視軸が交わる位置と遠近調節位置
を一致させようとする癖等により観賞距離や接眼レンズ
の間の距離を調節する必要があるが、旨く調節ができれ
ば立体視が得られる。図34に示す観賞装置の例は、図
32に示した撮影装置等から得られる従来の画面サイズ
内に2視点からの被写体像を記録したプリントを観賞す
る場合に使われる。基本光学系は図32に示した立体写
真撮影アッタッチメントと同様、各々二枚の反射鏡で光
束の間隔を瞳孔距離に合わせている。
【0013】従来の立体写真鑑賞装置を見てすぐに立体
視が得られる場合は少ない。この原因は、例えば視軸は
平行すなわち遠くを視る視軸であるにかかわらず、眼の
焦点は明視距離250ミリに合わせなければならないと
いう、眼の生理と相容れない現象が起きていることによ
る。人間の視覚器官は、視軸の交差する位置と眼の焦点
が合う位置がほとんど一致する(視軸の輻奏conve
rgenceと遠近調節accomodationが連
動する)ように生理的に習慣づけられている。
【0014】然るに、従来の立体写真鑑賞装置では、両
眼視軸の交点と焦点調節位置にずれがあり、これが原因
で容易に立体視が得られないと考えられる。また、当然
のことながら、視覚の生理的・光学的諸特性(視度、眼
鏡の有無、両眼の瞳孔間距離、輻輳と焦点調節連動特性
等)は個々人で異なっており、万人に適合する特性を鑑
賞装置が持っていないことも原因のひとつである。
【0015】視軸の交点と焦点調節位置が不一致を生じ
ている場合でも、暫く観察しているうちに立体感が得ら
れる場合がある。これは人間が脳に刷り込んでいる輻輳
と遠近調節の連携プログラムを意識的に一時解除して輻
輳と遠近調節をそれぞれ別個に調節することにより得ら
れる立体視である。このようにして得られた立体視は意
識的な行動であるから、絶えず無意識の調節行動との間
に葛藤が生じ、意識を緩めると立体視が得られなくなる
し、また、暫くの間意識的に観察を続けると、眼の疲
労、頭痛、極端な場合は目眩に似た症状さえも覚えるこ
とがあると言われている。
【0016】150年に至る立体写真の歴史の中で数多
くの発明や改良がなされているが、以上示した従来例の
如く、撮影装置にも、鑑賞装置にも数々の不具合点を残
したまま今日に至っている。映画の立体化は偏光法によ
って行われている。レンズの間隔Aを隔てて並べられた
二台の撮影機により、左右の視点からの被写体像が2本
の映画フィルム上に記録され、現象・編集後、二台の映
写機により、互いに偏光軸が直交する偏光フィルターを
通して、反射面が金属光沢を有するスクリーン上に投影
される。
【0017】鑑賞者は映写機に掛けられた偏光フィルタ
ーと同方向に偏光軸が配置された偏光フィルター付き眼
鏡を通して、左右の目から別々の映像を視る。本方式の
立体映画は、先にも述べた如く、特殊用途には実用化さ
れたが、一般の劇映画や、アマチュア用8ミリ映画シス
テムで普及するに至らなかった。撮影器材、映写器材が
2セット必要なことも然ることながら、撮影、編集、映
写、を通じて操作が大変複雑であったこと、金属製の特
殊なスクリーンを必要としたこと、二回の偏光フィルタ
ーを通過することによる大略四分の一の光量の低下を招
く等数多くの問題を抱えていた。赤と青の2色で投影さ
れた映像を赤と青の二色の眼鏡により鑑賞するアナグリ
フ法や、スクリーンの前に多数の縦方向筋状ラスターを
張る一種のシャドウマスク法などは、偏光法以上に実用
的でなかった。
【0018】テレビにおける立体映像化は、液晶を利用
した偏光法によって行われ、1フィールド毎に、左右二
視点からの映像に切り替えるとともに、ブラウン管と同
期した液晶シャターを通して左右別々の映像を観賞者が
受け取る。画面の暗さやフリッカーが感じられる等映像
自身にも難点があるばかりでなく、この方式は現行のテ
レビ、ビデオ方式を流用してはいるが、全く別の装置に
なり、一般に普及するに至っていない。
【0019】立体画像システムは、立体を立体として認
識できる優れた特徴を持ちながら、特殊用途に限定的に
実用化されたり、アマチュアホビーとして極く一部の愛
好家の間にしか知られていない。これは前記の例でも触
れたように、以下の要因によるものと考えられる。 (1)普通の写真程に撮影操作が簡単でない。 (2)その時々普及している画像システム、例えば写真
システムで云えば、感光材料、現象・プリントシステ
ム、と旨く折り合いがついていない。 (3)簡単・安価・取り扱い容易な観賞装置がない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】立体画像システムが一
般アマチュア層に広く普及するためには以下の条件を具
備していることが必要である。 1 記録媒体は一般アマチュアが容易に入手出来、かつ
使い慣れたものである必要がある。従って現時点では写
真システムでは35ミリカラーネガフィルムかまたはレ
ンズ付きフィルム、ビデオシステムでは、8ミリビデ
オ、VHSビデオテープ等であることが必須条件であ
る。
【0021】2 撮影時にはファインダーで被写体をね
らい、シャッターを押すだけの操作であることが必要で
ある。たとえば、撮影時に何駒目と何駒目が対を成す等
のメモを残す必要がないこと、また2台の撮影装置を同
時に操作する等、繁雑な操作を必要としないことが望ま
しい。 3 2系統の光学系の入射瞳の間隔は少なくとも65ミ
リ前後離れて大略水平に並んでおり、この光学系の配置
によって、記録媒体に特殊な用法や特殊なホーマットの
設定を強いるものであってはならない。
【0022】4 画像の再生は普及しているシステムに
乗るものでなけらばならない。例えば写真システムにお
いては、現像・プリントの依頼時には特別な依頼の必要
はなく、普通の写真の場合と同じく現像、プリントを依
頼すれば、一対の立体写真、言い換えると一枚の立体写
真として観賞できる写真が仕上ってくること、ビデオシ
ステムでは何の改変もなく現行ビデオシステムが使える
ことが必要である。
【0023】5 記録・再生媒体等のランニングコスト
は非立体画像の場合と同等程度であることが望ましい。
例えばフィルム・プリントを含め一回の撮影当りのコス
トは一般の写真と同等であることが望ましい。 6 再生された立体画像の画面枠は横長であることが必
須条件である。一般の写真の場合には、出来上がった写
真を横長にも、縦長にも自由な姿勢にして眺めることが
出来る。従って、カメラを縦横どちらに構えようとも自
由である。立体写真の場合はカメラの姿勢は固定され
る。
【0024】立体写真を撮影するとき横長の画面を得る
ために縦画面の立体撮影カメラを90度倒して、2個の
レンズを縦並びにして撮影することは許されない(この
ようにして撮影された一対の写真は立体感を認識できな
い)。他方、再生画面の姿勢が固定される映画、テレビ
では、画面枠姿勢は横長に固定されており、未だ嘗て縦
長の画面が広く普及したことがない。映画誕生時におい
ては、1:1.33の比較的正方形に近いアスペクト比
であったが、1950年代のスクリーンのワイド化で、
代表的なフォーマットであるシネマスコープではさらに
横長な1:2.66のアスペクト比に変貌を遂げてい
る。また現行のテレビ画面のアスペクト比は1.33で
あるが、未来のシステムと目されているハイビジョン等
のアスペクト比も9:16(1:1.78)のさらに横
長に変わろうとしている。
【0025】再生画面枠の姿勢が固定されている映画、
テレビにおいて、その誕生時にはアスペクト比が1:
1.33であったものがその発展型においてさらに横に
長い長方形に変化したことは、画像のプレゼンテーショ
ンにおいて、横長な画面が不可欠な条件であることを示
すものであろう。 7 仕上がった画像記録済み媒体は一切手を加えずにそ
のまま鑑賞して立体感が得られることが必要である。例
えば、ばらばらのプリントの中から、撮影時の記憶やメ
モを頼りに、ネガとプリントを突き合わせ、対になるプ
リントを捜し出すという操作は一般アマチュアには大変
厄介な作業である。特に、似た被写体を撮影した場合
や、同じ被写体を僅か条件を変えて複数回撮影した場合
などは、一対の立体写真を選び出すのは至難の技であ
る。
【0026】また、二台のビデオカメラで撮影された二
本のビデオテープを完全に同期させて再生させること
は、2セットの再生装置が必要であるばかりでなく、操
作が大変繁雑である。 8 また立体画像として撮影され、再生された画像は、
立体画像用の鑑賞装置を使わない場合にも普通の画像と
して鑑賞に耐えるものでなければならない。
【0027】偏光法による立体映画、液晶シャッターに
よる立体テレビ画像、アナグリフ法による、赤・青色分
けによる印刷物等は裸眼では二重像に見え、観賞に耐え
る画像ではない。 9 鑑賞装置は安価、単純であり、一般の拡大鏡程度の
扱い易さで、特別な注意は不要であることが必要であ
る。許容される操作は、目的の被観察物を拡大鏡レンズ
の光軸上、焦点位置付近に置くこと、または被観察物を
固定し、拡大鏡の位置、姿勢を調節する程度であって、
観察装置の光学系を微妙に調節することが加わることは
避けなければならない。
【0028】10 個人差による視覚のばらつき(近・
遠・老眼等の視度の違い、眼鏡の有無、両眼瞳孔距離の
違い、両眼の輻輳と焦点調節の連動特性)に対して許容
度を有しており訓練をしなくてもすぐ立体視が得られる
ことが必要である。 11 また長時間鑑賞していても視覚の疲労を感じさせ
ないことが必要である。
【0029】本発明は簡単な鑑賞装置を使うことを前提
にしている。立体画像を鑑賞する場合、何ら装置を使う
ことなく、裸眼で鑑賞できることが望ましい。比較的小
サイズの写真を横に並べて、左眼で左側の写真を、右目
で右側の写真を眺める方法や、比較的大サイズの写真を
左右に並べ左眼で右側の写真を、右眼で左側の写真を交
差して眺める立体視の方法が旧くから行われているが、
この方法は輻輳と遠近調節の生理的な連携を解くと云う
生理的、精神的に大変な負担をかける。また訓練をして
も誰でもが会得できる術ではない。
【0030】ホログラフィーやレンチキュラーレンズを
使用した立体写真は裸眼で立体を認識できるが、ホログ
ラフィーはミニチュア的な撮影、再現しか出来ないし、
レンチキュラーレンズを使用した立体写真は、被写体個
々の前後関係は認識できても、例えば雄大な景色等遠方
の存在感を表現するには難があると云わざるおえない。
【0031】またこれらの立体写真システムでは立体情
報を担った媒体の製作に大掛かりな装置が必要であり、
これらの装置はフィルムの現像・プリント機器ほどには
普及していないし、また将来普及するとも考えられな
い。現時点では、写真システムでは現行35ミリカラー
ネガフィルム・カラープリントのシステムに、ビデオシ
ステムでは現行8ミリビデオ、またはVHSシステムに
乗ること、及び万人に適合する簡単な鑑賞装置を実現す
ることが、一般アマチュア層への立体画像普及促進の手
段であると考えられる。
【0032】本発明は、上記事情に鑑み、現行の画像シ
ステムを前提とした、立体画像撮影装置、従来の画像撮
影装置を用いて立体画像を撮影するための立体画像撮影
用アタッチメント、および万人に適合する簡単な鑑賞装
置を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1の立体画像撮影装置は、 (1)左右に所定の間隔を隔てた2つの入射瞳に前方か
ら入射した各光束を互いの方向に向けて反射する2つの
第1の反射面 (2)上記2つの第1の反射面で反射された各光束を、
前方に向いた画面枠が上下に二分されてなる、上下に並
ぶ2つの各画像区画に向けて反射する2つの第2の反射
面 (3)上記2つの入射瞳それぞれから入射した各光束に
よる各被写体像を、上記各画像区画に結ばせる結像光学
系を備えたことを特徴とするものである。
【0034】また、本発明の第2の立体画像撮影装置
は、 (1)左右に所定の間隔を隔てた2つの入射瞳に前方か
ら入射した各光束を互いの方向に向けて反射する2つの
第1の反射面 (2)これら2つの第1の反射面で反射された各光束
を、下向きもしくは上向きの画面枠が左右に二分されて
なる、左右に並ぶ2つの各画像区画に向けて反射する2
つの第2の反射面 (3)上記2つの入射瞳それぞれから入射した各光束に
よる各被写体像を、上記各画像区画に結ばせる結像光学
系を備えたことを特徴とするものである。
【0035】さらに本発明の第3の立体画像撮影装置
は、 (1)左右に所定の間隔を隔てた2つの各入射瞳に前方
から入射した各光束を互いの方向に向けて反射する2つ
の第1の反射面 (2)上記2つの第1の反射面で反射された各光束を、
前方に向いた画面枠が左右に二分されてなる、左右に並
ぶ2つの各画像区画に向けて反射する2つの第2の反射
面 (3)上記画面枠の上部および下部を覆う遮光部材 (4)上記2つの入射瞳それぞれから入射した各光束に
よる各被写体像を、上記各画像区画に結ばせる結像光学
系を備えたことを特徴とするものである。
【0036】また本発明の第1の立体画像撮影用アタッ
チメントは、被写体像を所定の画面枠内に結ばせる結像
光学系を備えたカメラに着脱自在に取着させる立体画像
撮影用アッタッチメントであって、 (1)上記結像光学系の光軸に沿う方向から、左右に所
定の間隔を隔てた2つの入射瞳に入射した各光束を、互
いの方向に向けて反射する2つの第1の反射面 (2)上記2つの第1の反射面で反射された各光束を、
上記画面枠が、該立体画像撮影用アタッチメントが取り
外された上記カメラにより上記画面枠内に被写体像を形
成した場合のその被写体像を上下に二分する、該上下に
並ぶ2つの各画像区画に、上記各光束による各被写体像
がそれぞれ形成されるように上記結像光学系に向けて反
射する2つの第2の反射面を備えたことを特徴とするも
のである。
【0037】上記第1の立体画像撮影用アタッチメント
において、上記2つの入射瞳が互いに真横に配置される
とともに、上記2つの入射瞳から入射した各光束を偏向
することによりそれら2つの入射瞳と上記2つの画像区
画との上下位置の相違を補正する偏向光学系を備えるこ
とが好ましい。
【0038】また本発明の第2の立体画像撮影用アタッ
チメントは、被写体の像を所定の画面枠内に結ばせる結
像光学系を備えたカメラに着脱自在に取着される立体画
像撮影用アタッチメントであって、 (1)上記結像光学系の光軸に交わる方向から、左右に
所定の間隔を隔てた2つの入射瞳に入射した各光束を、
互いの方向に向けて反射する2つの第1の反射面 (2)上記2つの第1の反射面で反射された各光束を、
上記画面枠が、その立体画像撮影用アタッチメントが取
り外されたカメラにより上記画面枠内に被写体像を形成
した場合のその被写体像を左右に二分する、該左右に並
ぶ2つの各画像区画に、上記各光束による各被写体像が
それぞれ形成されるように上記結像光学系に向けて反射
する2つの第2の反射面を備えたことを特徴とするもの
である。
【0039】また、本発明の第1の立体画像観賞装置
は、上下方向が互いに同一、かつ左右方向が互いに同一
の、互いに上下に並ぶ二つの画像から射出された各光束
をそれぞれ左右の目に導く立体画像観賞装置であって、
上記2つの画像から射出された各光束が上下方向につい
て互いに平行に射出されるようにそれら各光束のうちの
少くとも一方を上下方向に偏向するプリズムを備えたこ
とを特徴とするものである。
【0040】ここで上記プリズムが可変頂角プリズムで
あってもよい。また本発明の第2の立体画像観賞装置
は、上下方向が互いに同一、かつ左右方向が互いに同一
の、互いに上下に並ぶ二つの画像から射出された各光束
をそれぞれ左右の目に導く立体画像観賞装置であって、
各光軸を中心として互いに逆向きに連繋回動するととも
に、所定の回動調節状態において厚さ勾配が上下方向に
互いに逆向きとなるように左右に配列された一対のプリ
ズムを備えたことを特徴とするものである。
【0041】また本発明の第3の立体画像観賞装置は、
上下方向が互いに逆向き、かつ左右方向が互いに逆向き
の、互いに左右に並ぶ2つの画像から射出された各光束
をそれぞれ左右の目に導く立体画像観賞装置であって、 (1)上記各光束を互いに近づく方向もしくは互いに遠
ざかる方向に反射する2つの第1の反射面 これら第1の反射面で反射された各光束を反射して前記
2つの画像それぞれから前記各第1の反射面に向かう各
光束の進行方向に対し略直角の方向に射出する2つの第
2の反射面を備えたことを特徴とするものである。
【0042】さらに本発明の第4の立体画像観賞装置
は、上下方向が互いに同一、かつ左右方向が互いに同一
の、互いに左右に並ぶ2つの画像から射出された各光束
をそれぞれ左右の目に導く立体画像観賞装置であって、
上記2つの画像から射出された各光束が互いに交差した
後に左右の目に入射されるように配置された、各々少く
とも2面の反射面を有する2系統の光学系を備えたこと
を特徴とするものである。
【0043】また、本発明の第5の立体画像観賞装置
は、上下方向が互いに同一、かつ左右方向が互いに同一
の、互いに左右に並ぶ2つの画像から射出された各光束
をそれぞれ左右の目に導く立体画像観賞装置であって、
各光軸を中心として互いに逆向きに連繋回動するととも
に、所定の回動調節状態において厚さ勾配が左右方向に
互いに逆向きとなるように左右に配列された一対のプリ
ズムを備えたことを特徴とするものである。
【0044】尚、上述した各立体画像観賞装置における
プリズムとして、フレネルプリズムを用いることが好ま
しい。以下、上述の本発明について、具体例を交えて詳
述する。但し、本発明は、以下の説明中の具体的な各数
値に限定されるものではない。上記目的を達成する本発
明の立体画像撮影装置は下記(1)(2)を備えてい
る。 (1)例えば35ミリフルサイズ、ビデオカメラ等の現
行の画面枠が分割されて形成された二つの画像区画(以
後画面枠と画像区画は明確に区別して記述する)一般に
普及している撮影画面枠の形状は一般に長方形である。
この長方形画面枠を二分する方法は3つある。本発明は
3方式の画面分割方式を採用した場合の各撮影装置、鑑
賞装置に関する。
【0045】一つの方式は、横長の長方形を横に二分
し、さらに横長な長方形2区画を上下に並べて形成す方
式である。例えば現行35ミリフルサイズ画面の場合、
24×36ミリを二区画に分け、所謂大略パノラマサイ
ズ画面12×36ミリを上下2区画とる方法である。こ
の場合、画像区画は、前向き、即ち被写体から入射する
光線に対し垂直に配置され、被写体像は、長方形区画を
横に長く置いた時、二つの被写体像は共に正立する(カ
メラ内では倒立)。以後本方式を2P方式と記述する。
【0046】第2の方式は、横長の長方形を縦に二分
し、元の撮影画面と大略相似な長方形2区画を左右に並
べて形成させる方法、即ち現行35ミリフルサイズ画面
の場合、24×18ミリを2区画に分け、所謂シネサイ
ズ(またはハーフサイズ画面)24×18ミリを2区画
とる方法である。この場合、もとの画面24×36ミリ
を横に長くおいた時、2分された各区画は縦長となるか
ら、被写体像に対して横長な区画とするために、逆に被
写体像の方を横臥させる。この場合、画像区画長辺は被
写体から入射する光線に対し平行に配置される。即ち画
面枠は上向きもしくは下向きに配置される。以後本方式
を2C方式と記述する。
【0047】写真の35ミリフィルム等の場合、第三の
区画法が可能である。所謂パノラマサイズ13×36ミ
リを左右に二分し、13×18ミリの画像区画を左右に
並べて2面とる方法や、ハイビジョンサイズ20×36
ミリをやはり左右に2分して20×18ミリサイズ画面
を左右に並べて2面とる方法である。画像区画を左右に
並べる本方式を採用する場合、横長形状の画像区画を形
成させるため、乃至は少なくとも縦長形状の画像区画と
なることを避け、横長形状とはならないまでも、正方形
に近い形状の画像区画とするために、感光面の上下部分
をカバーする遮光部材を設ける必要がある。本遮光部材
は、カメラ本体の一部であってもよいし、別部材であっ
てもよい。いずれにしても本来被写体像を感光・記録す
る能力を有する感光材料の、一部、即ち、画像区画の上
下部分を無効化する機能を有する。
【0048】従来のパノラマサイズやハイビジョンサイ
ズは広範囲展望効果を表現するための手段であり、本発
明における方式は広範囲展望効果を表現するための手段
ではなく、立体画像区画が異様に縦長に形成されること
を防ぎ、視野の不自然さを除去するための手段である点
に特長がある。本方式の場合、35ミリフルサイズ画面
のうち、パノラマサイズの場合は50%、ハイビジョン
サイズの場合は83%の面積しか利用されていないか
ら、効率のよくない画面枠の形成法であるが、画質に余
力を残している35ミリフィルム以上の写真システムに
適用可能である。
【0049】さらに、パノラマサイズプリント及びハイ
ビジョンサイズプリント(通称、迫力サイズプリント)
は、現在既に普及している大量、迅速処理可能な35ミ
リフィルムのカラープリントシステム、及び集配システ
ムにより、素早くユーザーの手元に届けられる。このよ
うな現状からして、記録面積からみて効率の良くないシ
ステムを活用することになるが、ハードウエアシステ
ム、社会システムを総合した広汎な観点からは、巧妙な
システムであるといえる。
【0050】以後本方式をP/H方式として記述する。
画面の分割の仕方によりそれぞれ光学系の配置、システ
ムの構成が変わる。 (2)前記の2分された画面枠内の各画像区画に、被写
体像を、その上下方向が画像区画短辺方向と一致、ハイ
ビジョンサイズの場合はわずかに長い長辺と一致するよ
うに導く2面の反射光学素子と、各系に1組、または全
系を通じて1組の撮影レンズとを有し、撮影光束取入れ
口(入射瞳)が65ミリ内外以上の間隔で横に並ぶ2系
統の撮影光学系 左右に並んだ2系統の各撮影光学系には、二分された各
区画に被写体像が導かれるように、それぞれ2面の反射
面が配置される。被写体からの光線が入射する第1反射
面は、前記光線が互いに内向きに、例えば略90度に反
射されるように、前記光線に対し、例えば約45度内側
に傾けて配置される。第2反射面の姿勢は方式により異
なる。
【0051】撮影レンズは2系統の光学系それぞれに設
けられてもよく、2系統の光学系に共通の1組の撮影レ
ンズが設けられてもよい。2系統のそれぞれに設ける方
式は、立体像撮影専用カメラに適し、2系統に共通な1
組のレンズが対応する方式は、通常のカメラに取り付け
る立体撮影用アタッチメントに適する。前記2P方式、
2C方、P/H方式で、画像区画に対して、第2反射面
が配置される姿勢は異なる。
【0052】2系統の各光学系に各1組の撮影レンズを
設ける場合は、光学系を小型化するために、撮影レンズ
は前記2枚の反射鏡の間に配置されることが望ましい。
2P方式で且つ撮影レンズを各光学系に持つ場合(2)
に加え下記の構成をとる。 (a)1系統の光学系内に互いに平行に配置された2面
の反射面 単純化のため、2系統の撮影光束取り入れ口は左右に6
5ミリ内外以上隔たっており、画面枠の縦寸法の二分の
一(横に二分された区画の縦寸法)分だけ上下にずれて
いるとする。充分に遠い被写体からの光束は、大略平行
に前記の2系統の撮影光束取り入れ口から、前記入射光
束に対し、一例として各々45°傾けて設けられた各撮
影光学系の第1反射面に入射し、本入射光束に対し、一
例として各々45°傾けて設けられた各撮影光学系の第
2反射面により、各画像区画に各々入射し、二視点から
の被写体像を各々形成する。
【0053】尚、上述の説明は、説明の単純化のため
に、撮影光束取り入れ口が上下に半縦画面枠分ずれてい
ること、及び入射・反射を全て45°で行わせるように
反射鏡を設置したものとして説明を行った。実用上、前
記撮影光束取り入れ口が上下に半縦画面枠分ずれている
ことは、再生画像鑑賞時、実用上、立体視の大きな妨げ
にならないが、理想的には撮影光束取り入れ口は水平に
並ぶ方が望ましい。水平に撮影光束を取り入れ口を配置
するために、各撮影光学系の第1、第2反射面を平行に
保ったまま、感光面に垂直な軸を回転軸として、各光学
系をθ度同一方向へ回せばよい。
【0054】θ=tan-1(V/2A) V:画面枠短辺 A:撮影光束取り入れ口間隔 (但しsinθ≒tanθとする) 上記光学系のθ度の回転は、撮影レンズの射出瞳が大き
い場合は各撮影光学系の第2反射鏡により、相手側の区
画に‘蹴られ’を生ずることがある。この場合には、上
記回転はθ’度の範囲に留めておいてもよい。
【0055】θ’=tan-1{(V−2D)/2A} D:撮影レンズ射出瞳径 上記回転は感光面(フィルム面)に垂直な軸を回転軸と
して各光学系を回したが、光学系を小型化するために、
撮影画面短辺に平行な軸を中心に前記回転と同じく第
1、第2反射面を保ったまま、第2反射面とフィルム面
とが成す角度が小さくなる方向に回した姿勢に、光学系
を設定してもよい。また、本回動と前記θまたはθ’度
の回動とを同時に行ってもよい。第1反射面と第2反射
面が平行に保たれている限り、被写体像が傾くことはな
い。
【0056】2系統の光学系に共通の撮影レンズを設け
る場合、典型的には、通常カメラの本体レンズに取り付
ける立体撮影用アッタチメントの場合は、各光学系に撮
影のレンズを設ける場合と反射面の配置は大略等しい。
但し、撮影レンズ射出瞳中心から各画像区画の中心に入
射する光線は、撮影レンズの光軸に対して、縦画角の四
分の一の角度(画像区画縦画角の二分の一の角度)がつ
いており、このずれを補正するための手段を必要とす
る。また光学系の小型化のため、反射面をプリズムで形
成することが望ましい。詳細は図4、図5、図6、図7
に示す実施例の説明で述べる。
【0057】2C方式の場合、下記の如き構成をとる。 (a)第1反射面により撮影画面中心方向に大略水平に
各々反射された光束を上方または下方に大略垂直に反射
させるべく、前記大略水平に各々反射された光束に対し
上方または下方に向けて大略45°傾けて設けられた第
2反射面 なお第1反射面と第2反射面の関係はポロ2型反射光学
系の前半(又は後半)二分の一部分に相当する。両反射
面の基本的関係は、両反射面は互いに60°の角度を成
す。
【0058】前記の如く配置された前記第2反射面の作
用により、被写体像は、もとの被写体上下方向に対し9
0度倒れることになる。本方式により形成される二視点
からの各被写体像は、画面枠を横長に置き、画像区画を
縦長に置いたとき、互いに頭部又は脚部を接して横臥す
ることになり、各画像区画短辺方向と被写体上下方向が
一致する。2系統の光学系に共通の撮影レンズを設ける
場合、即ち、典型的には、通常カメラの本体レンズに取
り付ける立体撮影用アッタチメントの場合は、各光学系
に撮影レンズを設ける場合と反射面の配置は大略等し
い。詳細は図9に示す実施例の説明で述べる。
【0059】P/H方式の場合下記の如き構成をとる。 (a)各光学系内に前記第1反射面に対し、平行に配置
された第2反射面 被写体から入射する光線に対して垂直で、縦割り2区画
に分割され、上下が切落とされた画面枠(35ミリフル
サイズ画面に対するパノラマサイズ又はハイビジョンサ
イズ画面等)に倒立被写体がおのおの形成される。
【0060】先にも述べたように、2P方式、2C方
式、P/H方式全て、2系統の撮影光学系による2視点
からの被写体像は1画面枠が二分された各画像区画に、
被写体像の上下方向が画像区画短辺方向に一致するよう
に(画面がハイビジョンサイズの場合はわずかに長い長
辺に一致するように)形成される。以上基本的には
(1)、(2)の如く構成されることを特徴とする。再
生される画面枠内に左右2視点から記録された二つの被
写体像が納まっており、再生された画像をそのまま、2
P方式、2C方式、P/H方式それぞれに対応した鑑賞
装置で眺めれば、立体画像として鑑賞できる。
【0061】上記2P方式立体撮影装置で記録され、再
生された画像の鑑賞装置は (3)両眼に対応する位置に左右に並び、かつ縦方向に
互いに逆の方向に厚みの勾配を有する2枚の接眼プリズ
ムを備えていることを特徴とする。但し、本発明におい
ては、接眼プリズムは2枚備えられている必要はなく、
前述したように、2つの光束のうちの少なくとも一方を
上下方向に偏向する、例えば1枚の接眼プリズムを備え
たものであってもよい。
【0062】両眼に対応する位置に左右に配置された各
々の接眼プリズムは、少なくとも縦方向に互いに逆の方
向に厚みの勾配を有し、通過する光束を縦方向に偏向さ
せる。水平方向には、輻輳を僅かに調節するために、厚
みの勾配を少しつけてもよい。例えば、89×126ミ
リのサイズに引伸された上下2段式の2P方式写真のプ
リントを、被写体像が正立するようにプリント面を垂直
に置き、プリントの中央(上下区画境界線中央)を通る
垂線上の明視距離250ミリから鑑賞する場合、縦方向
の光路については、上下画像区画中心点の上下区画境界
線に対する視軸角度は各々約5.09°となり、画像区
画の各中心から発し、各々縦方向に約±5.09°の角
度で互いに近付きながら明視距離250ミリを進み同一
の高さに達した光線が、例えば屈折率1.5の材質で、
頂角10.2°に形成された接眼プリズムを通過する
と、各々約5.09°屈折し、水平に進むこととなり、
観賞者は上下2画像区画に分割された被写体像を同じ高
さに視ることができる。水平方向の光路については、接
眼プリズムは、水平方向の厚さ勾配がつけられていない
場合は、屈折作用はないから、通常視の明視距離輻輳角
度(14.5°内外)と変わらず、自然な視軸が得られ
る。
【0063】観賞者は上下2段式の2P方式プリントを
明視に置き、上記観賞装置で観察すれば、通常視と変わ
らない自然な感覚で立体視を得ることが出来る。大きい
サイズのプリント、例えば前記サイズの2倍のプリント
を観賞する場合は、観賞距離を2倍即ち500ミリとす
るようにプリントサイズ(正確にはプリントの縦寸法)
に比例した距離で観賞すればよい。プリントを遠ざけた
くないときは前記の接眼プリズムを2枚重ねて観賞すれ
ばよい。また、普通サイズのプリントを近付いて見たい
ときも接眼プリズムを2枚重ねて観賞すればよい。
【0064】また、上下二段に撮影、記録されて再生さ
れた画像ばかりでなく、撮影記録再生の方法には無関係
に、左右二視点からの画像を縦に並べて観賞してもよ
い。接眼プリズムの形状はフレネルプリズムでもよい。
接眼プリズムの輪郭形状は円形、楕円形、変形水滴型、
正方形、長方形などの何れでもあってもよい。また、接
眼プリズム部の傷付き防止のため、プリズム周辺部に凸
部を設けてもよい。鼻掛け、耳掛け等が付属した眼鏡型
でもよいし、つまみが付いた虫眼鏡型でもよい。接眼プ
リズム部から、前方にアームが伸び、先にプリントセッ
ト部材が付属していてもよい。
【0065】本立体写真観賞装置は前記2P方式プリン
トばかりでなく、通常のカメラで視点を水平にずらして
撮影した2駒のネガフィルムからの通常の2枚のプリン
トをも観賞できる。2枚のプリントを縦に並べ、先に述
べたように、単に観賞距離を調節するだけで立体視が得
られる。プリントサイズが89×254ミリで画面の縦
横比が1:3に近いパノラマタイププリントでも、上下
に並べることによって、本発明の観賞装置により立体視
が可能である。つまり、二視点からの二被写体像プリン
トを横に並べるのではなく、縦に並べて観賞できる点に
大きな利点が生まれる。もしも、長大なプリントを従来
の観賞装置のように横に並べて観賞しようとすれば、著
しい薮睨みとなり、薮睨みを解消するために大掛りな装
置を必要とするであろう。
【0066】但し、横に広いプリントを観賞する場合、
視野が横に広がり、プリント中央部の観賞距離とプリン
ト両脇部の観賞距離の間に無視できない差(1/cos
ω)−1(ω:1/2視野角)が生じ、互いに上下に反
り返る弓なり形状に見える。この弓なりの歪曲を防ぐた
めに、大略両接眼部の中間を中心とする円弧状に横長プ
リントをカールさせておくことが望ましい。
【0067】2C方式立体撮影装置で撮影され、再生さ
れた画像の観賞装置は、典型的には、 (4)再生された画像から大略垂直に射出され、第1の
光路に沿って入射する光束に対し約45°傾けて設けら
れた第1反射面と、第1反射面から反射され、第2の光
路に沿って入射する光束に対し約45°傾けて設けられ
た第2反射面と、第2反射面から反射され、第3の光路
に沿って進む光束が通過する接眼部を各々有する2系統
の光学系から成り、両光学系の第1の光路どうしは大略
平行であり、両光学系の第2の光路どうしは大略一直線
上にあり、且つ光の進行方向は互いに逆向きであり、両
光学系の第3の光路どうしは大略平行であり、第1の光
路と第2の光路及び第2の光路と第3の光路は大略直角
を成し、第2の光路の延長上から見ると、第1の光路と
第3の光路は大略直角を成す。
【0068】上記立体観賞装置を構成する一対の第1、
第2反射面の配置は、ポロ2型反射光学系2型の前半
(または後半)二分の一部分と類似な構成である。先に
も述べたように、第1、第2反射面の成す角度は60°
である。本観賞装置で観賞する画像は観察者の視線の延
長線上に置かれるのではなく視線と垂直な光軸上に置か
れることになる。即ち観賞者の視線が水平方向に向いて
いる場合には、再生画像は上向き(または下向き)に置
かれることになる。
【0069】画像の左右方向移動により、二つの被写体
像の上下位置の一致調整が行なえ、また、画像の縦方向
(手前に近付けたり、向こう側へ遠ざけたりする)移動
により、輻輳(視軸)の調節ができる。逆に画像は動か
さずに、観賞装置をわずかに向きを変えても、両画像の
高さ調節、輻輳調節ができる。言い換えると、本方式の
観賞装置も光学系を調節(反射面の設置角度等を調節)
することなく被観賞物の位置を調節するだけで立体視が
得られる。
【0070】また、先に述べた2P方式観賞装置と同
様、横長長大なプリントの観賞が可能である。この場
合、観察者に対して長大な画像が手前から向こう側へ展
開することになるから、机の上で観賞する場合、観察者
の身体が邪魔になるので、画像の長さには限界がある
が、例えば写真プリントを天井に下向きに置くならば長
さの制限はなくなる。天井に画像を展示する本方式は、
大勢の人が行き交う展示会、ショー会場等において人の
頭に邪魔されないディスプレイ方法として有効である。
【0071】上記立体観賞装置を構成する一対の第1反
射面及び第2反射面は反射鏡でもよいし、反射作用を有
するプリズムに置き換えてもよい。P/H方式で記録、
再生された画像は従来の観賞装置、例えばブリュスター
の立体視鏡を両画像の間隔等を十分調節したうえで観賞
できる。
【0072】
【作用】比較的遠い被写体からの二つの光束は、2系統
の撮影光学系の撮影光束取り入れ口から大略平行に入射
し、それぞれ第1反射面により大略直角に反射され、第
2反射面により大略直角にそれぞれ反射され、光学系内
のいずれかの光路で撮影レンズを通過し、撮影画面内の
各区画に入射し、被写体像をそれぞれ形成する。
【0073】ハイビジョンサイズ2分割方式以外の場合
は撮影画面枠内各画像区画の短辺方向と被写体上下方向
を一致させてある(又は被写体像の左右方向と画像区画
の長辺方向を一致させてある)から、被写体像を正立さ
せると横長の画像区画となる。但し、ハイビジョンサイ
ズの場合は、わずかに縦長な画像区画となる。本発明を
採用した立体画像システムは、現行一般の画像システム
を前提とし、画像の入口である記録装置と最終段階の観
賞装置のみ本発明の装置を使用することにより、通常の
画像システムと全く変わらないランニングコストで運用
でき、画面内には2視点からの被写体像が、画面内の横
長(ハイビジョンサイズの場合はわずかに縦長)の各画
像区画に再生され、各方式にあった観賞装置で見ると、
視覚器官に無理なストレスを与えることなく、画像の位
置をわずかに調節するだけで、横長の立体画像を明視距
離で観賞できる。
【0074】正常視以外でも、明視の距離に眼鏡で矯正
されていることを前提とし、明視の距離で画像を観賞で
きるようにしておくことは、一般アマチュア用の観賞装
置にとって重要である。画像を大きく見るために、明視
の距離よりも近づけ、拡大鏡で観察する方法は瞳孔間距
離が異なると輻輳が変わり、誰にでも適合させようとす
ると、接眼レンズ間距離を調節する手段が必要になり、
徒に複雑化するばかりでなく、扱い方が難しくなる。但
し輻輳に大きな影響を与えない程度の弱い凸レンズ成分
を持たせるなら、この限りではない。大きく見る必要が
あるときは、再生装置で大きな倍率をかせぐ(例えば、
大サイズプリント、大サイズテレビ画面にする)方が賢
明な方法である。
【0075】本発明の観賞装置、特に2P方式の観賞装
置はパノラマ写真等横幅が広い画像、さらに全周画像に
至るまで、横幅に左右されない観賞装置として使用でき
る。また、従来の立体映画の鑑賞は、偏光フィルターを
通して、金属性スクリーン上に映写された映像を、偏光
眼鏡を通して見ることが行なわれていた。偏光フィルタ
を使用する立体映画の映写方法では、映写、観賞全系を
通じて光束は2枚の偏光フィルターを通ることになり、
光量は約四分の一に落ちる。裸眼で見るとき左右二視点
からの像が重なり合って見え、鑑賞に耐える映像ではな
い。
【0076】本発明の撮影装置、観賞装置を使用するな
らば、立体視実現のための光量損失は全く生じない。ま
た映写スクリーン面に金属性の反射物質を使用するなど
の特別な配慮をする必要もない。編集作業も大幅に軽減
化される。劇場等観賞距離が決められてしまう場合は、
観賞距離により、接眼プリズムの頂角等を変化させ、観
賞距離に応じた視軸補正をする必要はある。
【0077】また従来、立体テレビを実現するための簡
易な方法が見つかっていないが、本発明の画像記録装置
による、二つの画像区画を有する映像を、本発明の観賞
装置で観賞することにより容易に立体テレビを実現でき
る。当然のことながら一般のテレビ、ビデオばかりでな
く、コンピュータグラフィック、CAD、テレビゲー
ム、バーチャルリアリティ(仮想現実)の立体画像化に
も応用できる。
【0078】また、2P方式観賞装置の接眼プリズムを
フレネルプリズムにしておけば、1ミリ以内の厚さに押
えることも可能であり、出版物に添付することができ、
立体像の出版が可能になる。撮影系、再生系、観賞系を
通じての立体画像の遠近感の目安は、双眼鏡と同様、比
浮き上がり度SP(specific plastic
ity)、総浮き上がり度TP(total plas
ticity)を以て表せる。
【0079】SP=A/A’ TP=mA/A’ A :撮影光学系入射瞳間隔 A’:観賞者の瞳孔間隔(日本人平均63ミリとされて
いる) m :像倍率 最終的には総浮き上がり度TPが1であれば遠近感は現
実の実景に等しい。写真システムのネガカラーフィルム
・カラープリントを例に取るなら、像倍率mは下記によ
る。但し接眼部に拡大レンズを用いていないものとす
る。
【0080】m=n・f/D n:プリント倍率(Lサイズ:約4.2、2Lサイズ:
約6) f:撮影光学系の焦点距離(仮に35ミリとする) D:明視の距離、即ち250ミリ ∴ m=0.588(Lサイズの場合) m=0.84 (2Lサイズの場合) 従って上記条件における、総浮き上がり度TPを一とす
るための撮影光学系入射瞳間隔Aは、Lサイズプリント
の場合107ミリ、2Lサイズプリントの場合75ミリ
となる。
【0081】焦点距離とプリント倍率を振った場合の撮
影光学系入射瞳間隔を下表に示す。 ─────────────────────────────── 撮影光学系焦点距離(ミリ) 28 35 45 50 プリント Lサイズ 134 107 83 75 2Lサイズ 94 75 58 35 ─────────────────────────────── 現在最も一般化しているLサイズプリントを前提とし
て、2P方式、2C方式撮影系のそれぞれの入射瞳間隔
は、上表から下記が望ましいといえる。
【0082】2P方式では、35ミリフルサイズ画角と
ほとんど変わらないとして、コンパクトカメラの標準焦
点距離35ミリを採用して、入射瞳間隔は107ミリ前
後、2C方式では、ハーフサイズの標準焦点距離28ミ
リを採用して、入射瞳間隔は134ミリ前後とすること
が望ましい。先の記述では大略65ミリ内外以上とした
のはこのためである。
【0083】両肉眼で実際の風景を見たとき、確実に遠
近を判別できる最大距離(肉眼立体視半径)は650メ
ートルとされており、この距離に全浮き上がり度TPを
掛けた値が、その系の立体視半径とされる。全浮き上が
り度TPが1に近づくように立体画像撮影・再生システ
ムを設計しておけば、肉眼と等しい立体視半径650メ
ートルが得られることになる。
【0084】人間の視覚は、物の大きさの把握に、輻輳
角度が関与している。視覚倍率が一定で輻輳角度(両視
軸の成す角度)が変化すると、主観的に倍率が変化した
かの如く認識され、輻輳角度が平行に近付くほど、大き
く認識される。立体画像観賞装置においても、物を大き
く見せたい場合は視軸が平行になるように配置すること
が望ましい。明視の距離の輻輳角14.5°より小さい
角度での観賞が望ましい場合は、2P方式では、接眼プ
リズムの水平方向にも厚さ勾配を設け輻輳を調節しても
よい。また2C方式では、プリントをおく位置を調節す
ればよい。
【0085】
【実施例】図1に35ミリフィルムを使用した2P方式
(パノラマサイズ12×36ミリ2区画)立体カメラ実
施例斜視図を示す。図1は立体撮影に基本的に必須な撮
影光学系、感光材料のみを示している。 (a)左右に65ミリ内外以上離れた光軸a1 、b1
中心として広がる撮影光束取り入れ口9a、9b (b)光軸a1 、b1 に対し内側に大略45°傾けて設
けられた第1反射鏡7a、7b (c)第1反射鏡7a、7bで反射された光束の光軸a
2 、b2 上に配置された撮影レンズ1a、1b (d)光軸a2 、b2 上の第1反射鏡7a、7bの反対
側に、光軸a2 、b2 に対して画面枠2側に約45°傾
けて、第1反射鏡7a、7bと大略平行に設けられた第
2反射鏡8a、8b (e)第2反射鏡8a、8bで反射された光束の光軸a
3 、b3 に対して垂直に広がる画像区画3a、3bが設
けられる。
【0086】前述したように撮影光束取り入れ口9a、
9bが撮影画面縦寸法の2分の1(35ミリフルサイズ
画面の場合12ミリ)だけ縦方向にずれていること、及
び光学系の小型化を極限まで求めないことを許容するな
ら、第1、第2反射鏡7a、7b、8a、8bは各々入
射する光束の光軸a1 、b1 、a2 、b2 に対して45
°傾けて配置してもよい。
【0087】図1に示す実施例は、撮影光束取り入れ口
9a、9bが大略水平に並び、カメラ本体4の小型化
(カメラ本体5の前後方向の厚み短縮)が図れるよう
に、第1反射鏡と第2反射鏡を平行に保ったまま、フィ
ルム面に垂直な軸、例えば軸a3、b3 を回転軸として
θ度またはθ’度回転させ、撮影画面短辺に平行な軸を
回転軸として、撮影区画の面3a、3bと第2反射鏡8
a、8bとの成す角度が小さくなる方向へ回転してあ
る。
【0088】また撮影レンズ1a、1bは、小型化を図
るために第1反射鏡7a、7bと第2反射鏡8a、8b
の間に配置してある。撮影光束は撮影レンズ1a、1b
に近付くほど細く絞られているから、撮影レンズ1a、
1bを第1反射鏡7a、7bと第2反射鏡8a、8bの
間に配置することは、光学系のコンパクト化のための有
効な手段である。
【0089】撮影画面内の互いに隣り合う区画からの迷
光を遮断するために区画の境界線上に遮光板を設けても
よい。また、小型化を達成するために、フィルムのパト
ローネ4a及びフィルム巻き上げ部4bは、第2反射鏡
8a、8bの背面側に設けることが望ましい。第1反射
鏡7a、7b等への塵付着防止のため撮影光束取り入れ
口9a、9bは平面透明部材でカバーしてもよい。
【0090】図2に固体撮像素子を具えた撮影装置の実
施例を示す。光学系の配置は図1に示した写真フィルム
撮影カメラと大略等しい。フィルム面相当位置には固体
撮像素子25が配置され、画像区画3a、3bに形成さ
れる各被写体像は撮像素子25により電気信号に変換さ
れ、画像処理回路23を経由して磁気テープ、ICカー
ド等の記録媒体24に記録される。
【0091】光学系に配置される撮影レンズ1a、1b
はズームレンスとしてもよい。この場合、両ズームレン
ズ1a、1bは、ズーム機能はズーム制御回路21によ
り、距離調節は距離調節回路22により制御される。図
3にレンズ交換式カメラ用、立体撮影アタッチメントの
実施例を示す。通常の撮影レンズ前面に取付けると立体
撮影アタッチメントが大型化を招く。大型化を防止する
ため、一度撮影レンズ 1a、1bによりフィールド
レンズ27a、27b付近に形成された被写体一次像を
リレイレンズ26a、26bで画像区画に再形成させ
る。反射鏡7a、8a、7b、8bの配置は、図1、図
2に示す実施例と大略等しい。リレイレンズ部26と反
射光学アタッチメント部6を分離可能としてもよいし、
一体化してもよい。
【0092】図4、図5に撮影装置に固定された撮影レ
ンズ前面に取付けられる立体撮影アタッチメントの実施
例を示す。なお図5は反射面を削除し、光軸a、bの高
さ関係を明示している。本アタッチメントは撮影装置本
体に固定された撮影レンズ1の前面に取り付け使用され
る。
【0093】アタッチメントの大型化を防ぐために、本
体レンズ1はズームレンズとし、例えば水平画角画30
°内外以下になるように焦点距離を設定し、反射光学素
子としてプリズムを採用する。説明を容易化するため
に、光線を逆に辿り、画像区画3a、3b側から順を追
って説明する。
【0094】画像区画3a、3bの中心から発した光線
は光軸a5 、b5 に沿って進み、撮影レンズ1を通過す
るとき交差し、第1プリズム29a、29bに入射し、
光軸a4 、b4 に沿って進み、反射面29a’、29
b’により反射され、a3 、b 3 に沿って進み、第1補
正プリズム30a、30bにより水平方向に向きを変え
られて、a2 、b2 に沿って進む。
【0095】水平方向に向きを変えられた光線は、第2
プリズム28a、28bに入射し、反射面28a’、2
8b’により反射され、光軸a1 、b1 に沿って進み、
第2プリズム28a、28bの外に出て被写体に至る。
傾斜した光軸a5 、b5 〜a 3 、b3 に沿って進む光線
は、第1補正プリズム30a、30bにより水平に向き
は変えられるものの、互いに上下方向にずれHを生じて
おり、第2プリズム28a、28bの外に出るときは、
ずれHを残している。ずれ量Hは立体視の大きな妨げに
はならないが、理想的にはゼロとするに越したことはな
い。
【0096】図6、図7に上記の光軸のずれHをゼロと
した実施例を示す。本図についても画像区画3a、3b
側から光が逆行するとして説明する。本実施例は図4、
図5に示した実施例と、第2補正プリズム31a、31
bが付加された点が異なる。第1補正プリズム30a、
30bの屈折力を強くして、過剰に屈折させ、第2補正
プリズム31a、31bの位置でa1 、b1 両光軸のず
れ量Hをゼロとし、第2補正プリズム31a、31bの
弱い屈折作用で光軸a1 、b1 を同一平面上を進む光軸
0 、b0 に矯正する。第1補正プリズム30a、30
bに高屈折低分散光学材料を、第2補正プリズム31
a、31bに低屈折高分散光学材料を使用する等の組合
わせにより色収差の補正を行なってもよい。
【0097】図8に35ミリフィルムを使用した2C方
式(シネサイズ18×24ミリ2区画)立体カメラ実施
例を示す。本図8は立体撮影に基本的に必須な撮影光学
系、ファインダー、感光材料のみを示している。本2C
方式立体カメラは以下に述べる構成をとる。 (a)左右に65ミリ内外離れた光軸a1 、b1 を中心
として広がる撮影光束取り入れ口9a、9b (b)光軸a1 、b1 に対し約45°内側に傾けて設け
られた第1反射鏡7a、7b (c)第1反射鏡7a、7bで反射された光束の光軸a
2 、b2 上に配置された撮影レンズ1a、1b (d)光軸a2 、b2 上で第1反射鏡7a、7bの反対
側に、光軸a2 、b2 に対して約45°下方に傾けて設
けられた第2反射鏡8a、8b (e)第2反射鏡8a、8bで反射された光束の光軸a
3 、b3 に対して垂直にひろがる画像区画3a、3bが
設けられる。
【0098】上記第1反射鏡7a、7bと第2反射鏡8
a、8bが形成する反射光学系は、撮影レンズ1a、1
bを削除して考えるならポロミラー2型の前半(または
後半)二分の一部分と等価な機能を有する。先にも述べ
た如く、第1反射鏡7a、7bと第2反射鏡8a、8b
が成す角度は約60°である。遠い被写体に対しては、
全ての反射鏡は入・反射する光軸に対して45°傾けて
設けられる。
【0099】言い換えると、光軸a1 、b1 と光軸a
2 、b2 及び光軸a2 、b2 と光軸a 3 、b3 はそれぞ
れ直角を成し、光軸a2 、b2 の延長線上から見た場
合、光軸a1 、b1 と光軸a3 、b3 は各々直角を成
す。また、光軸a1 と光軸b1 、光軸a2 と光軸b2
び光軸a3 と光軸b3 は各々平行である。特に光軸a
2 、b2 は同一直線上にある。
【0100】もしも、反射鏡の傾き角度が45°から外
れ、光軸間の直角関係が崩れると、被写体像の倒れが生
じたり、撮影光束光軸a1 、b1 の平行性が失われ、両
光学系視軸の薮睨みが生じる。近い被写体に対しては、
光軸a2 、b2 、a3 、b3 は上記の条件を保ったま
ま、光軸a1 と光軸b1 が被写体距離位置付近で交わる
ように、第1反射鏡7a、7bの設置角度を鉛直な軸を
中心に回転し調節してもよい。
【0101】本2C方式立体カメラにおいても、機能上
必ずしも第1反射鏡7a、7bと第2反射鏡8a、8b
の間に撮影レンズ1a、1bを配置する必要はないが、
撮影光束は撮影レンズ1a、1bに近付くほど細く絞ら
れるから、撮影レンス1a、1bを第1反射鏡7a、7
bと第2反射鏡8a,8bの間に配置することは、光学
系小型化の有効な手段である。
【0102】第1反射鏡7a、7b等への塵付着防止の
ため撮影光束取り入れ口9a,9bは平面透明部材でカ
バーしてもよい。ファインダー光学系10を第2反射鏡
8aと8bの裏面にできるV型谷状部分に配置すること
はカメラ本体の小型化に有効な手段である。図9に撮影
装置に固定された撮影レンズ前面に取付けられる立体撮
影アタッチメントの実施例を示す。
【0103】被写体からの光線は光軸a1 、b1 に沿っ
て進み、第2プリズム28a、28bに入射し、反射面
28a’,28b’により大略直角に反射され、光軸a
2 、b2 に沿ってそれぞれ内向きに進み、第1プリズム
29a、29bの反射面29a’、29b’により下向
きに反射され撮影レンズ1内で交差し画像区画3a、3
bにそれぞれ入射し、被写体像を形成する。
【0104】2C方式において、左右の各画像区画に形
成される被写体像の向きは、撮影レンズが撮影光学系の
どの部位に配置されるかによって異なる。図9に示す立
体画像撮影装置の実施例においては、左右の撮影光学系
a,bに共通に一つの撮影レンズ1が設けられており、
左右両光学系a,bによる被写体像は互いに脚部を接す
る姿勢で左右画像区画3a,3bに横臥する。
【0105】図8に示す立体画像撮影装置の実施例にお
いては、左右の撮影光学系a,bにそれぞれ1ケの撮影
レンズ1a,1bが設けられており、左右両光学系a,
bによる被写体像は互いに頭部を接する姿勢で左右画像
区画3a,3bに横臥する。従って、像の姿勢によっ
て、それぞれに適した立体画像観賞装置及び観賞方法が
ある。
【0106】画像区画3a、3bには写真フィルムが配
置されてもよいし、固体撮像素子が配置され画像信号が
出力されてもよい。図10にP/H方式35ミリフィル
ム使用カメラの実施例を示す。35ミリフルサイズ画面
枠2の上下部分をパノラマサイズ用遮光板32でカバー
して形成されるパノラマサイズ画面枠に、二つの画像区
画3a、3bが形成される。この画像区画3a、3bに
a、b両系統からの被写体像が形成される。反射鏡7a
と反射鏡8a及び反射鏡7bと反射鏡8bは平行に配置
され、撮影レンズ1a,1bは光学系を小型化するため
にそれぞれの反射鏡の間に配置される。被写体からの光
線は光軸a1 、a2 、a3 及び光軸b1 、b2 、b3
沿って進み、画像区画3a、3bに入射する。
【0107】本撮影方式は、遮光板32により元の画面
枠の大略半分をカバーしてしまうから、画質に余力があ
るシステム、例えば35ミリフォーマット以上の写真フ
ィルム等にのみ応用できる。図11に別のP/H方式3
5ミリフィルム使用カメラ実施例を示す。本実施例は図
10に示す実施例と比較して、撮影レンズ1が配置され
る位置が異なる。言い換えると、a、b両光学系に共通
の1個の撮影レンズ1が設けられている。さらにいえ
ば、パノラマサイズ対応カメラに取付ける、立体写真撮
影用アタッチメントに適する。
【0108】P/H方式において、記録再生された画像
区画の左右配列は、撮影装置の結像レンズが、撮影光学
系のどの部位に設けられるかによって異なる。図11に
示す撮影装置実施例において、撮影レンズ1は左右の撮
影光学系a,bに共通に設けられており、撮影者側から
見て左側の撮影光学系aにより導かれる被写体像は、再
生像として観賞者から見て右側画像区画に現われ、撮影
者側から見て左側の撮影光学系bにより導かれる被写体
像は、再生像として観賞者から見て左側画像区画に現わ
れる。従って、右側再生像を左目で、右側再生像を右目
で眺められる観賞装置により、正常な立体視が得られ
る。
【0109】図10に示す撮影装置実施例においては、
左右の撮影光学系a,bそれぞれに撮影レンズ1a,1
bが設けられ、撮影者からみて右側の撮影光学系aによ
り導かれる被写体像は、再生像として観賞者から見て左
側の画像区画に現われ、撮影者からみて左側の撮影光学
系bにより導かれる被写体像は、再生像として観賞者か
らみて右側の画像区画に現われる。従って、左側再生像
を右目で、右側再生像を左目で見る観賞装置により、正
常な立体視が得られる。
【0110】従って、P/H方式の立体画像観賞装置
は、撮影光学系の撮影レンズの配置位置により、異なる
方式となる。図12に2P方式観賞装置の実施例を示
す。本装置を構成する要素は、縦方向に互いに逆向きに
厚さ勾配を有する2個の接眼プリズム11a、11bで
ある。接眼プリズム11a、11bの前方、明視の距離
250ミリを隔てて位置する再生画像14は上下の画像
区画14a、14bに分れており、各画像区画中心から
発し接眼プリズム11a、11bを通過する光線13
a、13bは屈折し、あたかも画像区画境界線中央部か
ら発した光線12a、12bのごとく見える。
【0111】接眼プリズム11a、11bの仕様は下記
の条件によりきまる。 (1)観賞距離 明視の距離250ミリとすることが望ましい。各種サイ
ズの印刷物、テレビ画面、映画スクリーンを対象とする
場合は、状況に応じて変える必要がある。 (2)観賞対象物のサイズ 89×126ミリのプリント(通称Lサイズ)が各画像
区画44.5×126ミリが上下2区画に分れていると
仮定する。この場合重要なのは、上下像区画対応点の隔
たり量44.5ミリであって、横幅の大小は問わない。
【0112】上記(1)観賞距離、(2)再生画像のサ
イズが決まると、観賞対象物からの光束が必要とする屈
折角度が決まる。Lサイズプリントの場合5.09°と
なる。プリズム材質の屈折率を1.5とすれば、プリズ
ムの頂角は約10.2°となる。上記のサイズに対し面
積が2倍のプリントサイズ128×178ミリ(通称2
Lサイズ)の場合、上下画像区画対応点の隔たり量が6
4ミリとなり、約1.4倍の観賞距離350ミリから眺
めればよい。
【0113】図12に示す実施例では、観賞者の右側接
眼プリズム11aの厚み勾配が上方向にマイナス、左側
接眼プリズム11bの厚み勾配が上方向にプラスにとっ
てあるが、この配置は、図1に示した撮影光学系によっ
て撮影されたフィルムの画像区画3a、3bから焼き付
けられた再生画像14の画像区画14a、14bに適合
した配置である。従って、撮影光学系の反射鏡の配置が
逆の撮影装置より撮影されたフィルムからの再生画像に
は、図12に示す接眼プリズムの厚さ勾配は逆向きでな
ければならない。
【0114】図13にテレビ・ビデオシステム観賞装置
実施例を示す。図2に示す撮像装置等により作られた映
像信号をビデオテープ等の記録媒体を介して、または有
線、または無線で信号を受け、テレビ画面14の画像区
画14a、14bに再生し、本発明の観賞装置の接眼プ
リズム11a、11bで観賞することにより、立体視が
得られる。また、図14に示す実施例の如く、ハイビジ
ョン等横長画面のテレビ受像機33a、33bを上下に
重ねて観賞してもよい。
【0115】図15にプリントの横幅が長い場合の実施
例を示す。プリントの横幅が大きくなると、プリント中
央部と両脇部で接眼プリズムからの観賞距離が異なる。
プリントを平面に保ったままにしておくと像は上下に反
り、弓なりの歪曲が見えるようになる。図15に示すよ
うに、両接眼プリズム11a、11bの中間付近を中心
として設定観賞距離を半径Rとする円筒形状にプリント
をカーブさせ弓なり歪曲を防止する。さらに図16に示
す実施例の如く、全周に広がる再生画像、映画スクリー
ンも本方式の観賞装置で観賞できる。
【0116】図17に別の接眼プリズムの実施例を示
す。図17に示す如く、接眼プリズム11a、11bは
厚みが鋸の刃状に変化するフレネルプリズムでもよい。
図18に本発明の出版物への実施例を示す。接眼プリズ
ムをフレネルプリズム11a、11bとした場合、1ミ
リ程度の薄さに成形できるから、本の栞として添付する
ことができ、出版物の画像を規定の画像区画14a、1
4bに印刷しておけば、出版物画像の立体化が容易に行
なえる。
【0117】何れの形状であっても、合成樹脂成形を行
なうから1ショットで成形でき、安価に製造できる。ま
た接眼プリズム11a、11bの輪郭形状は円形、楕円
形、変形水滴状、正方形、長方形のいずれであってもよ
い。また、接眼プリズム部の傷付き防止のため、プリズ
ム周辺部に凸部を設けてもよい。さらに、鼻掛け、耳掛
けが付いた眼鏡状に成形または組立てられていてもよい
し、またつまみが付いた虫眼鏡型でもよい。接眼プリズ
ム部から前方に腕が伸び、その先端にプリントを固定す
る部材が付属していてもよい。さらにこれらの各種の部
材が折り畳めるように配慮されていてもよい。
【0118】図19、図20に、観賞距離又は画像縦寸
法の変化に対応するための、頂角α可変型接眼プリズム
の実施例を示す。図19に示す実施例は、可撓性を有す
る側面部材41、42と、透明平面部材44とで構成さ
れた容器と、本容器に充填された透明液体43とから成
る頂角α可変型プリズムである。矢印方向に力を加え
て、頂角αを変化させる。図20に示す実施例は、ギヤ
ー45G、46Gが周囲に刻設された楔型円盤状プリズ
ム45、46と、ギヤー45G、46G双方に噛み合う
ギヤー47から成る頂角α可変型プリズムである。
【0119】図示されていない手段によりギヤー47を
回すと、楔型円盤状プリズム45、46は互いに反対方
向に回転し、頂角αが変化する。図20に示す状態は、
楔型円盤状プリズム45、46の厚さ勾配が同一方向を
向き頂角最大の状態であり、本状態から互いに90度反
対方向に回転した状態では、頂角αはゼロになる。図1
9、図20に示した頂角可変型プリズムを、観賞装置の
少なくとも片側に接眼プリズムとして採用することによ
り、種々の画像サイズ、多様な観賞距離に対応できる観
賞装置を提供できる。
【0120】図21に接眼プリズムの頂角を変化させ
ず、左右に配置された前記接眼プリズムをおのおの回動
させて、観賞距離の変化や画像区画サイズ変化に対応で
きる立体画像観賞装置実施例を示す。図21において、
断面が楔型を成し、厚み勾配が大略等しい接眼プリズム
11a,11bは、図示されていない部材により、それ
ぞれ回動可能な状態に保持されており、前記プリズム1
1a,11bの周囲は歯車47a,47bが取り付けら
れ、噛み合わせてある。初期状態として接眼プリズム1
1a,11bはその断面の厚み勾配が図21に示す如
く、上下方向に逆向きに配置されている。この状態は図
11に示す立体画像観賞装置実施例と等価である。
【0121】いま、接眼プリズム11aを時計方向に変
位量Raだけ回動させると、歯車47a,47bを介し
て、接眼プリズム11bは反時計方向に変位量Rbだけ
回動する。初期状態では、図示しない画像区画中心から
それぞれ発し、点Pa1,Pb1を通り光軸17a,1
7bに沿って進む光線が接眼プリズム11a,11bを
通過して後、視軸13a,13bに沿って進み瞳孔に入
射する。接眼レンズ11a,11bがある変位量Ra,
Rb回動した状態では、前記の点Pa1,Pb1からそ
れぞれ変位量Qa,Qbだけ回動した点Pa2,Pb2
を通り光軸18a,18bに沿って進む光線が接眼プリ
ズム11a,11bを通過して視軸13a,13bに乗
り瞳孔に入射する。
【0122】それぞれの変位量Qa,Qbの横軸(X
軸)成分XQaとXQbは等しく、縦軸(Y軸)成分Q
aとQbは絶対値は等しいが方向が逆である。即ち、輻
輳は変化せず、視軸の上下方向が相対的に変化し、観賞
距離変化または画像区画の縦寸法変化に対応できること
になる。図22に2C方式観賞装置の実施例、さらに詳
しく云えば、図8に示すa系統、b系統それぞれの撮影
光学系に撮影レンズ1a,1bが設けられた撮影装置実
施例より得られる被写体像の観賞装置実施例を示す。本
装置を構成する要素は、ポロミラー2型の二分の一と等
価なミラー構成を有する2系統の光学系a、bから成
る。
【0123】説明の簡易化のため、観賞するプリント等
の画像14は画像面を水平に、画像区画14aが右に、
画像区画14bが左に、置かれているものとする。画像
14の各画像区画14a、14bから発する光束は第1
の光軸17a、17bに沿って上昇し、画像14内画像
区画14a、14b上方に互いに内向き約90°、光軸
17a、17bに対して各々約45°傾けて設けられた
第1反射鏡15a、15bにより内側向きに反射され、
第2の光軸18a、18bに沿って進み、光軸18a、
18bに対し各々約45°傾けて設けられ、互いに約9
0°を成す第2反射鏡16a、16bにより、第1の光
軸17a、17bに対しても、第2の光軸18a、18
bに対しても約90°で反射され、第三の光軸13a、
13bに沿って後ろ向きに進み、図示されていない接眼
部を各々通って観賞者の瞳に達する。接眼部から観察す
ると、光軸13a、13bの延長線12a、12bの交
点位置に立体画像14cを見ることができる。
【0124】ここで画像区画14a、14bを立体像1
4cとして一致させる方法について述べる。観賞光学系
を構成する4枚の反射鏡は固定したまま、画像14の位
置を調節することにより立体像14cを得ることができ
る。プリント等の画像14を+y方向へ移動させると、
画像区画14aに対応する観賞画像は−y’方向(下
方)に動き画像区画14bに対応する観賞画像は+y’
方向(上方)に動くのでy方向調節により両観賞画像の
高さを一致させることができる。
【0125】またプリント14を+x方向に移動させる
と、画像区画14aに対応する観賞画像は+x’方向
(右方向)に動き、画像区画14bに対応する観賞画像
は−x(左方向)に動くので、x方向調節により輻輳を
調節することができる。画像14は固定しておき、観賞
装置全体の方向を変えても画像区画14a、14bの位
置調整ができる。
【0126】視軸13a、13bを上向きに動かすと、
倒立の立体像14dを眺めることができる。本像14d
の活用については後で述べる。図23に2C方式観賞装
置の別の実施例を示す。本装置を構成する要素は、ポロ
ミラー2型の前半(後半)二分の一と等価なミラー構成
を有する2系統の光学系a、bから成る点において、図
22に示した実施例と基本的には変わらない。プリント
等の画像14は画像区画14aを右側に、画像区画14
bを左側にして天井に下向きに置かれる。画像区画14
a、14bからの光束は夫々光軸17a、17bに沿っ
て下降し、光軸17a、17bに対して約45°傾けて
外向きに設けられた第1反射鏡15a、15bによって
大略水平外向きに、大略直角に反射され、光軸18a、
18bに沿って進み、光軸18a、18bに対し約45
°後方に傾けて設けられた第2反射鏡16a、16bに
よって各々後方に反射され、光軸13a、13bに沿っ
て進み、図示しない接眼部を通って観賞者の瞳に入射す
る。
【0127】光学系を構成する4枚の反射鏡は固定した
まま、プリント14の位置を調節することにより立体像
14cを得ることができる。プリント14を+y方向へ
移動させると、画像区画14aに対応する観賞画像は−
y’方向(下方)に動き、画像区画14bに対応する観
賞画像は+y’方向(上方)に動くので、プリントを左
右方向に動かして両観賞画像の高さを一致させることが
できる。
【0128】またプリント14を+x方向へ移動させる
と画像区画14aに対応する観賞画像は−x’方向(左
方向)に動き、画像区画14bに対応する観賞画像は+
x’(右方向)に動くのでプリントを前後方向に動かし
て視軸の輻輳を調節できる。天井に貼り付いたプリント
を図22に示した実施例による観賞装置で観賞すること
もできる。図22に示す実施例を上下逆さまに180°
回転するとともに、視軸を立体画像14dの方へ向ける
ことにより観賞できる。また図23に示した実施例の観
賞装置によって机上のプリントを観賞できる。図23に
示す実施例を上下逆さまに180°回転させ、視軸を立
体画像14dの方へ向けることにより観賞できる。
【0129】以上述べた2C方式の観賞装置及び観賞方
法は、図8に示す撮影装置の実施例から得られる、互い
に頭部を接して横臥する被写体像、を観察するためのも
のであったが、以下に、図9に示す撮影装置実施例、即
ちa系統、b系統両光学系に共通にひとつの撮影レンズ
1が設けられた立体画像撮影装置実施例により得られ、
互いの脚部を接して横臥する被写体像の観賞装置と観賞
方法について述べる。
【0130】互いに脚部を接して横臥する、図24に示
すような被写体像も、図23に示す観賞装置実施例によ
り、立体像として観賞することができる。図9に示す立
体画像撮影により記録され、再生され、上向きにおかれ
た脚部隣接型被写体像は、図23に示す観賞装置を、図
24に示すように、上下を逆に180度反転させ、画像
区画a側を観賞装置のb光学系側に、画像区画b側を観
賞装置のa光学系側に配置して観賞すれば視軸12b,
13b及び視軸12a,13aの方向に立体画像14c
を認識できる。
【0131】また、天井に下向きに掲げられた脚部隣接
型被写体像は、図22に示す観賞装置を、上下逆に18
0度反転させ、画像区画a側を観賞装置のb光学系側
に、画像区画b側を観賞装置のa光学系側に、配置して
眺めるようにすれば、視軸12b,13b及び視軸12
a,13a方向に立体画像14cを認識できる。どの観
賞装置、どの観賞方法によるとしても、正立し、且つ自
然なやや下向の視軸の先にある立体像を見ることにな
り、観賞者に無理を強いることはない。
【0132】一般に光学機器に使用される反射鏡は表面
鏡である。表面鏡は、入射する光束を、ガラス等の反射
面支持層を通過させずに、直接反射させるから、ガラス
表面反射の影響を受けない点において勝れているが、他
方反射表面は経時による化学的・物理的変化を受けやす
く、反射面に表面処理を行なう必要があり製造コストが
高い。本発明の観賞装置には、ガラスの表面反射の影響
が軽微であるために、製造コストが安価で、且つ耐久性
に勝れた裏面鏡を使用できる。
【0133】透明体の表面に投射させる光の反射率は、
ブリュスターの法則により、光の入射角i、透明体の屈
折率n、光の振動面等に依存し、光の振動面が入射面に
平行な光が、式tani=nから導かれる入射角iで入
射する場合、反射率はゼロとなる。屈折率nが1.5の
ガラスを使用した場合、i=56.3°となる。45度
入射を繰り返す本発明の反射鏡構成は、入射光線振動面
の各入射面に対する角度は直交しているから、互いの表
面反射を打ち消す方向に働き、2面ともに裏面鏡とする
なら、クリアな画像を観察できる。
【0134】図25に2C方式の別の観賞装置実施例を
示す。本立体画像装置本体39には図22に示した観賞
装置実施例と類似の反射光学素子で構成される観賞装
置、立体画像を表示するブラウン管または液晶パネル等
の画像区画14a、14b、立体画像観察窓36、画像
信号・諸画像機器類等をコントロールする制御部37、
画像信号記録・再生機34、画像信号生成機38、画像
読取り機等を目的に応じて設ける。本立体画像装置39
は、テレビ立体画像の受像・再生、ビデオ立体画像の再
生、立体画像ゲーム機、立体画像CAD(コンピュータ
支援設計製図機)、立体CG(コンピュータ画像)製作
装置として使用できる。
【0135】P/H方式立体画像、即ち図11に示す立
体画像撮影装置により記録され、再生された画像は、ブ
リュスター式観賞装置(図33に示す従来例)により諸
条件(画像サイズ、観賞距離、目の視度等)が合致すれ
ば立体画像として認識できる。画像サイズが大きい場合
(例えばパノラマサイズプリント等の場合)は、プリュ
スター観賞装置の接眼レンズ20a,20bの凸レンズ
成分が寧ろ障害になる。図26に大サイズ画像に適する
立体画像観賞装置の実施例を示す。本実施例では凸レン
ズ成分を取り除き、水平面内の偏向機能をもつプリズム
成分だけを残した接眼プリズム48a,48bが設けら
れており、画像は明視の距離に置かれて観賞される。
【0136】図27に接眼プリズムをおのおの回動させ
て、観賞距離の変化や画像区画サイズ変化に対応できる
P/H方式立体画像観賞装置実施例を示す。図27にお
いて、断面が楔型を成し、厚み勾配が大略等しい接眼プ
リズム48a,48bは図示されていない部材により、
それぞれ回動可能な状態に保持されており、前記プリズ
ム48a,48bの周囲は歯車47a,47bが取り付
けられ、噛み合わされている。初期状態として接眼プリ
ズム48a,48bはその断面の厚み勾配が図27に示
す如く、水平方向に逆向きに配置されている。この状態
は図26に示す立体画像観賞装置実施例と等価である。
【0137】いま、接眼プリズム48aを時計方向に変
位量Raだけ回動させると、歯車47a,47bを介し
て、接眼プリズム48bは反時計方向に変位量Rbだけ
回動する。初期状態では、図示しない画像区画中心から
それぞれ発し、点Pa1,Pb1を通り光軸17a,1
7bに沿って進む光線が接眼プリズム48a,48bを
通過して後、視軸13a,13bに沿って進み瞳孔に入
射する。接眼レンズ48a,48bがある変位量Ra,
Rb回動した状態では、前記の点Pa1,Pb1からそ
れぞれ変位量Qa,Qbだけ回動した点Pa2,Pb2
を通り光軸18a,18bに沿って進む光線が接眼プリ
ズム48a,48bを通過して視軸13a,13bに乗
り瞳孔に入射する。
【0138】それぞれの変位量Qa,Qbの縦軸(Y
軸)成分YQaとYQbは等しく、横軸(X軸)成分X
QaとXQbは絶対値は等しいが方向が逆である。即
ち、視軸の上下方向は相対的に変化せず、輻輳が変化
し、観賞距離変化または画像区画の横寸法変化に対応で
きることになる。図10に示す立体画像撮影装置実施例
で記録され、再生された画像区画の配列は左右が逆転す
る。撮影者からみて右側の撮影光学系で記録された被写
体像は、観賞者からみて左側画像区画に再生され、左側
撮影光学系よる被写体像は右側画像区画に再生される。
【0139】左右逆に再生される被写体像は、図28、
図29、図30に示す立体画像観賞装置によって正常な
立体画像として認識することができる。図25に示す実
施例は、図26に示す実施例とは、逆の厚さ勾配を有す
る接眼プリズム48a,48bを配して成る。画像区画
19a,19bの中心から発する光線は、光軸17a,
17bに沿って内向きに進み交差し、接眼プリズム48
a,48bに入射し屈折作用を受けて偏向し、平行乃至
画像側有限距離で交わる視軸13a,13bに沿って進
み図示されていない瞳孔に入射する。
【0140】左右に並ぶ画像区画19a,19bの左右
隔たり距離は、写真システムのパノラマサイズプリント
の場合約128ミリ、ハイビジョンサイズプリントの場
合約79ミリである。両瞳孔間距離を62ミリとし、明
視の距離250ミリから眺めるとすれば、接眼プリズム
48a,48bに要求される偏向角度は、それぞれの場
合、約22度及び約16度となり、接眼プリズム48
a,48bの材質の屈折率を1.5とすれば、接眼プリ
ズム48a,48bの頂角はそれぞれの場合、33度、
27度となり、図12、図26に示す観賞装置実施例の
接眼プリズムに比較し大きくなる。
【0141】従って、図28に示す観賞装置実施例によ
り得られる立体映像は、色収差等諸収差の影響によりあ
る程度の画質劣化は避けられない。図29に示す実施例
は、接眼プリズム48a,48bの反射及び全反射作用
により、光軸17a,17bを交叉させる立体画像観賞
装置である。図29において、画像区画19a,19b
の中心から発した光線は、光軸17a,17bに沿って
進み交叉した後プリズム面48a−1,48b−1から
接眼プリズム48a,48bに入射し、鏡面化されたプ
リズム面48a−2,48b−2で反射され、再度プリ
ズム面48a−1,48b−1で全反射され、プリズム
面48a−3,48b−3から射出され、図示されてい
ない瞳孔に入射する。
【0142】光軸17aと光軸17bが交叉することに
より、正常な立体画像が観賞できることになるが、他
方、光軸17a,17bは本実施例の場合、互いに約5
6度という比較的大きな角度を成しているから、各画像
区画の正面から観賞できるように画像区画19a,19
bをある角度、本実施例の場合は約28度ずつ折曲げ両
画像区画が約124度を成すようにしておく。
【0143】図29に示す実施例においては、接眼プリ
ズム48a,48bの断面形状は18度,50度,11
2度として、反射、全反射作用ばかりでなくわずかな屈
折作用を持たせ、光軸17a,17bの交叉角度を56
度におさえ、画像区画19a,19bの折り曲げ角度を
比較的小さい値に押さえると同時に、明視の距離での中
心光軸17a,17bの隔たり距離を、パノラマサイズ
プリント上に左右に並ぶ両画像区画19a,19bの隔
たり量約128ミリと一致させてある。ハイビジョンサ
イズプリントの場合は別の寸法仕様となることはいうま
でもない。
【0144】図30に示す立体画像観賞装置は、断面形
状が大略正三角形を成す接眼プリズム48と反射鏡15
a,15bにより構成される。図30において、画像区
画19a,19bの中心から発する光線は光軸17a,
17bに沿って互いに大略平行に進み、反射鏡15a,
15bにより内向きに反射され、プリズム面48−1,
48−2に大略垂直に接眼プリズム48内に入射し、プ
リズム48内で交叉した後、プリズム面48−2,48
−1で全反射されて、プリズム48−3から射出し、図
示されていない瞳孔に入射する。
【0145】ここで、立体画像観賞装置を使用して立体
画像を認識可能とするために、不可欠な視軸調節につい
てまとめる。基本的に、有限距離被写体像を見つめる視
軸は有限距離で交わる必要がある。言い換えると、立体
画像観賞装置は、左右視軸13a,13bの、横方向
(x軸・輻輳)については有限距離での合致化、縦方向
(y軸)については同一平面内への押さえ込み(左右画
像の上下一致)が容易に行えることが必要である。
【0146】図12等に示す2P方式立体画像観賞装置
では、x軸(輻輳)は、視軸が必ず明視の距離で交わる
から、全く調節の必要がなく、y軸調節は再生画像の遠
近調節で容易に行われる。このy軸方向調節は、遠近調
節量と視軸の上下移動量が比例関係にあるので調節容易
に行え、また再生画像の縦寸法が変わらなければ、再生
画像の横幅がどのように変わっても再調節の必要はな
い。
【0147】図22、図23に示す2C方式立体画像観
賞装置では、画像の縦(手前−前方)方向移動が輻輳調
節となり、横方向移動が視軸の上下移動調節になる。こ
の画像の動かし方に対応するように、観賞装置の向きを
変えるだけで、画像を動かすことと等価な調節が行え
る。図26に示すP/H方式立体画像観賞装置は、図1
2に示す2P方式立体画像観賞装置とは逆にY軸方向の
調節は不要であり、輻輳調節を画像の遠近調節で行う。
但し、両瞳孔間距離が定数項として入るために、遠近距
離と輻輳が比例関係にはなく、また遠近調節量が像の輻
輳変化に対して鈍い効き方をする。
【0148】図28、図29に示すP/H方式立体画像
観賞装置は、図26に示す実施例と同様、Y軸方向の調
節は不要であり、輻輳調節を画像の遠近調節により行
う。この場合も、両瞳孔間距離が定数項として入ってく
るから、遠近調節と輻輳変化量は比例関係にない。但し
遠近調節量は輻輳変化に対して大きく効くことになる。
図30に示すP/H方式立体画像観賞装置は、画像の位
置を変化させることによる、輻輳の調節はほとんどでき
ない。本実施例においては反射鏡31の角度調節により
輻輳調節を行うことになる。
【0149】
【発明の効果】以上述べた如く、本立体画像撮影装置も
しくは立体画像撮影用アタッチメント、および立体画像
観賞装置により、市販の記録媒体を使用し、一般の撮影
と同じく簡単に撮影し、一般の画像再生と同様に、同じ
コストで再生された像を容易に、楽に立体像として観賞
できる。写真、映画、テレビ、ビデオ、テレビゲーム、
CG、CAD、出版等全ての画像メディアの立体化に応
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立体画像撮影装置第1実施例斜視図で
ある。
【図2】本発明の立体画像撮影装置第2実施例斜視図で
ある。
【図3】本発明の立体画像撮影装置第3実施例斜視図で
ある。
【図4】本発明の立体画像撮影用アタッチメント第1実
施例斜視図である。
【図5】本発明の立体画像撮影用アタッチメント第1実
施例模式図である。
【図6】本発明の立体画像撮影用アタッチメント第2実
施例斜視図である。
【図7】本発明の立体画像撮影用アタッチメント第2実
施例模式図である。
【図8】本発明の立体画像撮影装置第4実施例斜視図で
ある。
【図9】本発明の立体画像撮影用アタッチメント第3実
施例斜視図である。
【図10】本発明の立体画像撮影装置第5実施例斜視図
である。
【図11】本発明の立体画像撮影装置第6実施例斜視図
である。
【図12】本発明の立体画像観賞装置第1実施例斜視図
である。
【図13】本発明の立体画像観賞装置第2実施例斜視図
である。
【図14】本発明の立体画像観賞装置第3実施例斜視図
である。
【図15】本発明の立体画像観賞装置第4実施例模式図
である。
【図16】本発明の立体画像観賞装置第5実施例模式図
である。
【図17】本発明の立体画像観賞装置第6実施例斜視図
である。
【図18】本発明の立体画像観賞装置第7実施例斜視図
である。
【図19】本発明の立体画像観賞装置第8実施例斜視図
である。
【図20】本発明の立体画像観賞装置第9実施例斜視図
である。
【図21】本発明の立体画像観賞装置第10実施例斜視
図である。
【図22】本発明の立体画像観賞装置第11実施例斜視
図である。
【図23】本発明の立体画像観賞装置第12実施例斜視
図である。
【図24】本発明の立体画像観賞装置第13実施例斜視
図である。
【図25】本発明の立体画像観賞装置第14実施例斜視
図である。
【図26】本発明の立体画像観賞装置第15実施例斜視
図である。
【図27】本発明の立体画像観賞装置第16実施例斜視
図である。
【図28】本発明の立体画像観賞装置第17実施例斜視
図である。
【図29】本発明の立体画像観賞装置第18実施例斜視
図である。
【図30】本発明の立体画像観賞装置第19実施例斜視
図である。
【図31】立体写真撮影装置の従来例斜視図である。
【図32】立体写真撮影用アタッチメントの従来例斜視
図である。
【図33】立体写真観賞装置の従来例斜視図である。
【図34】立体写真観賞装置の従来例斜視図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c 撮影レンズ 2,2a,2b,2c 画面枠 3a,3b 画像区画 4 フィルム 4a フィルム容器 4b フィルム巻取り部 5 カメラ本体 6 アタッチメント 7a,7b 第1反射鏡 8a,8b 第2反射鏡 9a,9b 撮影光束取り入れ口 10 ファインダー 11 接眼鏡 11a,11b 接眼プリズム 12a,12b 虚視軸 13a,13b 視軸 14 再生画像 14a,14b画像区画 14c,14d 画像区画の虚像 15a,15b観賞装置第1反射鏡 16a,16b 観賞装置第2反射鏡 17a,17b,18a,18b 光軸 19a,19b プリント 19c プリントの虚像 20a,20b 接眼レンズ 21 ズーム制御回路 22 距離調節回路 23 画像処理回路 24 記録媒体 25 固体撮像素子 26a,26b リレイレンズ 27a,27b フィールドレンズ 28a,28b 第2プリズム 29a,29b 第1プリズム 30a,30b 第1補助プリズム 31a,31b 第2補助プリズム 32 遮光板 33 再生画像 34 画像信号記録・再生機 35 アンテナ 36 観察窓 37 制御部 38 画像生成機 39 立体画像装置 40 画像リーダー 41,42 可撓性部材 43 透明液体 44 透明部材 45,46 楔プリズム 45G,46G ギヤー 47 連動ギヤー 48 接眼プリズム 48a 接眼プリズム 48b 接眼プリズム 48−1 接眼プリズムの面 48−2 接眼プリズムの面 48−3 接眼プリズムの面 A 撮影光学系入射瞳間隔 A’ 接眼部間隔、または瞳孔間距離 a0 ,a1 ,a2 ,a3 ,a4 ,a5 ,b0 ,b1 ,b
2 ,b3 ,b4 ,b5光軸 H 撮影光束取り入れ口ずれ量 Pa1 光軸通過点 Pa2 光軸通過点 Pb1 光軸通過点 Pb2 光軸通過点 Qa 光軸通過点変位量 Qb 光軸通過点変位量 R 画像曲率半径 Ra プリズム変位量 Rb プリズム変位量 x,y 画像移動方向 x’,y’ 像移動方向 XQa 光軸通過点変位量 XQb 光軸通過点変位量 YQa 光軸通過点変位量 YQb 光軸通過点変位量 α 接眼プリズム頂角 θ,θ’ 光軸傾斜角

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右に所定の間隔を隔てた2つの入射瞳
    に前方から入射した各光束を互いの方向に向けて反射す
    る2つの第1の反射面と、 前記2つの第1の反射面で反射された各光束を、前方に
    向いた画面枠が上下に二分されてなる、上下に並ぶ2つ
    の各画像区画に向けて反射する2つの第2の反射面と、 前記2つの入射瞳それぞれから入射した各光束による各
    被写体像を、前記各画像区画に結ばせる結像光学系とを
    備えたことを特徴とする立体画像撮影装置。
  2. 【請求項2】 左右に所定の間隔を隔てた2つの入射瞳
    に前方から入射した各光束を互いの方向に向けて反射す
    る2つの第1の反射面と、 これら2つの第1の反射面で反射された各光束を、下向
    きもしくは上向きの画面枠が左右に二分されてなる、左
    右に並ぶ2つの各画像区画に向けて反射する2つの第2
    の反射面と、 前記2つの入射瞳それぞれから入射した各光束による各
    被写体像を、前記各画像区画に結ばせる結像光学系とを
    備えたことを特徴とする立体画像撮影装置。
  3. 【請求項3】 左右に所定の間隔を隔てた2つの各入射
    瞳に前方から入射した各光束を互いの方向に向けて反射
    する2つの第1の反射面と、 前記2つの第1の反射面で反射された各光束を、前方に
    向いた画面枠が左右に二分されてなる、左右に並ぶ2つ
    の各画像区画に向けて反射する2つの第2の反射面と、 前記画面枠の上部および下部を覆う遮光部材と、 前記2つの入射瞳それぞれから入射した各光束による各
    被写体像を、前記各画像区画に結ばせる結像光学系とを
    備えたことを特徴とする立体画像撮影装置。
  4. 【請求項4】 被写体像を所定の画面枠内に結ばせる結
    像光学系を備えたカメラに着脱自在に取着させる立体画
    像撮影用アッタッチメントであって、 前記結像光学系の光軸に沿う方向から、左右に所定の間
    隔を隔てた2つの入射瞳に入射した各光束を、互いの方
    向に向けて反射する2つの第1の反射面と、 前記2つの第1の反射面で反射された各光束を、前記画
    面枠が、該立体画像撮影用アタッチメントが取り外され
    た前記カメラにより前記画面枠内に被写体像を形成した
    場合の該被写体像を上下に二分する、該上下に並ぶ2つ
    の各画像区画に、前記各光束による各被写体像がそれぞ
    れ形成されるように前記結像光学系に向けて反射する2
    つの第2の反射面とを備えたことを特徴とする立体画像
    撮影用アタッチメント。
  5. 【請求項5】 前記2つの入射瞳が互いに真横に配置さ
    れるとともに、 前記2つの入射瞳から入射した各光束を偏向することに
    より該2つの入射瞳と前記2つの画像区画との上下位置
    の相違を補正する偏向光学系を備えたことを特徴とする
    請求項4記載の立体画像撮影用アタッチメント。
  6. 【請求項6】 被写体の像を所定の画面枠内に結ばせる
    結像光学系を備えたカメラに着脱自在に取着される立体
    画像撮影用アタッチメントであって、 前記結像光学系の光軸に交わる方向から、左右に所定の
    間隔を隔てた2つの入射瞳に入射した各光束を、互いの
    方向に向けて反射する2つの第1の反射面と、 前記2つの第1の反射面で反射された各光束を、前記画
    面枠が、該立体画像撮影用アタッチメントが取り外され
    た前記カメラにより前記画面枠内に被写体像を形成した
    場合の該被写体像を左右に二分する、該左右に並ぶ2つ
    の各画像区画に、前記各光束による各被写体像がそれぞ
    れ形成されるように前記結像光学系に向けて反射する2
    つの第2のの反射面とを備えたことを特徴とする立体画
    像撮影用アタッチメント。
  7. 【請求項7】 上下方向が互いに同一、かつ左右方向が
    互いに同一の、互いに上下に並ぶ二つの画像から射出さ
    れた各光束をそれぞれ左右の目に導く立体画像観賞装置
    であって、 前記2つの画像から射出された各光束が上下方向につい
    て互いに平行に射出されるように該各光束のうちの少く
    とも一方を上下方向に偏向するプリズムを備えたことを
    特徴とする立体画像観賞装置。
  8. 【請求項8】 前記プリズムが可変頂角プリズムである
    ことを特徴とする請求項7記載の立体画像観賞装置。
  9. 【請求項9】 上下方向が互いに同一、かつ左右方向が
    互いに同一の、互いに上下に並ぶ二つの画像から射出さ
    れた各光束をそれぞれ左右の目に導く立体画像観賞装置
    であって、 各光軸を中心として互いに逆向きに連繋回動するととも
    に、所定の回動調節状態において厚さ勾配が上下方向に
    互いに逆向きとなるように左右に配列された一対のプリ
    ズムを備えたことを特徴とする立体画像観賞装置。
  10. 【請求項10】 上下方向が互いに逆向き、かつ左右方
    向が互いに逆向きの、互いに左右に並ぶ2つの画像から
    射出された各光束をそれぞれ左右の目に導く立体画像観
    賞装置であって、 前記各光束を互いに近づく方向もしくは互いに遠ざかる
    方向に反射する2つの第1の反射面と、 該第1の反射面で反射された各光束を反射して前記2つ
    の画像それぞれから前記各第1の反射面に向かう各光束
    の進行方向に対し略直角の方向に射出する2つの第2の
    反射面とを備えたことを特徴とする立体画像観賞装置。
  11. 【請求項11】 上下方向が互いに同一、かつ左右方向
    が互いに同一の、互いに左右に並ぶ2つの画像から射出
    された各光束をそれぞれ左右の目に導く立体画像観賞装
    置であって、 前記2つの画像から射出された各光束が互いに交差した
    後に左右の目に入射されるように配置された、各々少く
    とも2面の反射面を有する2系統の光学系を備えたこと
    を特徴とする立体画像観賞装置。
  12. 【請求項12】 上下方向が互いに同一、かつ左右方向
    が互いに同一の、互いに左右に並ぶ2つの画像から射出
    された各光束をそれぞれ左右の目に導く立体画像観賞装
    置であって、 各光軸を中心として互いに逆向きに連繋回動するととも
    に、所定の回動調節状態において厚さ勾配が左右方向に
    互いに逆向きとなるように左右に配列された一対のプリ
    ズムを備えたことを特徴とする立体画像観賞装置。
  13. 【請求項13】 前記プリズムが、フレネルプリズムで
    あることを特徴とする請求項7、9又は12記載の立体
    画像観賞装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004070302A (ja) * 2002-06-12 2004-03-04 Eriko Shimizu 立体画面構成方式
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JP2006235566A (ja) * 2005-01-28 2006-09-07 View Magic:Kk 立体映像投影装置
EP2848996A1 (en) 2013-09-17 2015-03-18 Fujitsu Limited Stereo imaging apparatus and stereo image generating method

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