JPH0713083B2 - 乳化重合用乳化剤 - Google Patents

乳化重合用乳化剤

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JPH0713083B2
JPH0713083B2 JP12097585A JP12097585A JPH0713083B2 JP H0713083 B2 JPH0713083 B2 JP H0713083B2 JP 12097585 A JP12097585 A JP 12097585A JP 12097585 A JP12097585 A JP 12097585A JP H0713083 B2 JPH0713083 B2 JP H0713083B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、乳化重合用乳化剤に関し、特に耐水性、透明
性および平滑性にすぐれた皮膜を形成する高分子エマル
ジョンを製造するのに好適な乳化重合用乳化剤に関す
る。
従来の技術 従来から、不飽和単量体を乳化重合して高分子エマルジ
ョンを製造する際に用いる乳化重合用乳化剤として、各
種の界面活性剤例えば、アルキルトリメチルアンモニウ
ム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシ
エチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキル
トリメチレンジアミン、ポリオキシエチレンアルキルメ
チルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルジメ
チルトリメチレンアンモニウム塩、2−アルキル−N−
カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウ
ムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N
−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、N−アル
キルジメチルアミンオキシドなどが使用されている。
しかし、これらを乳化剤として用いた場合、重合物中に
生成する凝集物の量が多く、また、生成する高分子エマ
ルジョンの粒径が大きくなってしまう。しかも、得られ
た高分子エマルジョンの機械的安定性、化学的安定性、
貯蔵安定性にも悪影響を及ぼし、さらに、高分子エマル
ジョンを塗料や接着剤として用いた場合には、その性能
をも左右するのが通例であった。
一方、これらの問題点を解決する界面活性剤として分解
型のグリシンベタインアルキルエステルが提案されてい
る(Angew.Chem.,71,604(1959))。しかしながら、こ
のグリシンベタインアルキルエステルを乳化剤として使
用した場合も、生成する高分子エマルエジョンを用いて
形成させた皮膜が耐水性、透明性および平滑性に劣ると
いう問題点があった。
発明の目的 本発明は、耐水性、透明性および平滑性にすぐれた皮膜
を形成することのできる高分子エマルジョンを製造する
ことができる乳化重合用乳化剤を提供するものである。
発明の構成 本発明の乳化重合用乳化剤は、以下の一般式(I)で表
わされる第4級アンモニウム塩(以下、AEBと略称する
こともある)および/または(II)で表わされる第4級
アンモニウム塩(以下、APEBと略称することもある)か
らなることを特徴とし、これらは単独であるいは併用し
て用いられる。
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,n,Xはそれぞれ次のもの
を表わす。
R1:炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基 R2:炭素数2〜4のアルキレン基 R3:炭素数1〜5のアルキレン基 R4,R5,R6:炭素数1〜3のアルキル基または−C2H4OHで
あり、それぞれ同一でも異なってもよい。
R7:炭素数6〜20のアルキル基 n:平均付加モル数を示し、n=1〜20 X:無機アニオンまたは有機アニオン) 一般式(I)において、R1は直鎖状でも分枝鎖状でもよ
く、好ましくは炭素数が10〜18のものである。また、一
般式(II)におけるR7は、直鎖状でも分枝鎖状でもよ
く、好ましくは炭素数8〜18のものである。
高級脂肪族アルコール残基R1O−または長鎖アルキルフ
ェノール残基 に付加するアルキレンオキシド単位−R2O−は、エチレ
ンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドな
どの1種または2種以上を付加重合することにより導入
され、好ましくはエチレンオキシドである。2種以上の
アルキレンオキシドを付加させる場合の付加形式は問わ
ずランダム付加、ブロック付加のいずれでもよい。アル
キレンオキシドの好ましい平均付加モル数は3〜15であ
る。
Xの無機アニオンとしてはCl-,Br-などのハライドが、
また有機アニオンとしてはCH3COO-,OSO3CH3 -,OSO3C2H5 -
などが代表例として挙げられる。
このようなAEBおよびAPEBは、種々の調製方法により得
ることができ、たとえば、一般式(A)または(B) R1OH (A) (但し、R1およびR7は前記の通りである。) で示される高級脂肪族アルコールまたは長鎖アルキルフ
ェノールを出発原料とし、アルキレンオキシドを付加し
てアルコキシレートとし、ついで、このアルコキシレー
トを低級ハロアルキルカルボン酸によりエステルとし、
さらに、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの低
級トリアルキルアミンと反応させることにより得ること
ができる。また必要に応じて、イオン交換法により上記
一般式(I)および(II)のX を有機アニオンにする
こともできる。
一般に、乳化重合は乳化、重合および熟成の3工程に分
けられる。本発明の一般式(I)または(II)で表わさ
れる第4級アンモニウム塩は乳化性に優れ、乳化工程で
不飽和単量体と水とをミクロ乳化することができ、さら
に、重合、熟成工程で第4級アンモニウム塩の一部が分
解し、生成した分解物がコーサーファクタント(共活性
剤)として協奏的に作用し、重合安定性に優れ、しか
も、耐水性、透明性、平滑性が良好な高分子エマルジョ
ンが得られる。
さらに、このようなコーサーファクタントとAEBまたはA
PEBと予め組合せて乳化剤として使用することにより、
上記協奏効果をさらに有効に活用して、生成する高分子
エマルジョンの粒子径をよりいっそう小さくすることが
できる。コーサーファクタントとしては、以下の一般式
(III)および(IV)で表わされるポリオキシエチレン
アルキルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテルの少なくとも1種以上が用いられる。
R1OR2OnH (III) (R1,R2,R7,nは以下の通りである R1:炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基 R2:炭素数2〜4のアルキレン基 R7:炭素数6〜20のアルキル基 n:平均付加モル数を示し、n=1〜20) R1,R2,R7,nの好ましい範囲等は、AEBおよびAPEBについ
てすでに説明したのと同様である。
(a)AEBまたはAPEBと(b)ポリオキシエチレンアル
キル(またはアルキルフェニル)エーテルとは、重量比
で(a)/(b)=99/1〜6/4、好ましくは95/2〜65/35
の範囲で用いることが適当である。この比率が99/1より
大きいと生成する高分子エマルジョンの粒子径が大きく
なり、また、6/4より小さいと高分子エマルジョンの形
成する皮膜の特性に欠ける。
上記(a)成分と(b)成分とはそれぞれ別途に用意し
て配合してもよく、また、(b)成分が(a)成分の第
4級アンモニウム塩の製造原料であることから、(a)
成分の第4級アンモニウム塩の製造時に(b)成分が未
反応分として残るように条件を設定して製造し、本発明
の乳化剤を得ることもできる。
(b)ポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルフ
ェニル)エーテルとしては、使用されるAEBまたはAEPB
のアルコール部またはフェノール部と構造的に近似して
いることが好ましい。乳化剤としてAEBを用いる場合は
ポリオキシエチレンアルキルエーテルが、また、AEPBを
用いる場合はポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
ーテルが好ましい。
本発明のAEBおよびAPEBは、単独で乳化重合用乳化剤と
しての機能を十分に発揮するものであるが、必要に応じ
て、非イオン界面活性剤や高分子エマルジョンの保護コ
ロイドとして働く高分子物質などを併用することもでき
る。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンア
ルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルトリメチレ
ンジアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリ
オキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコール(プ
ルロニック型界面活性剤)などが使用可能であり、特
に、1個の活性水素に対しエチレンオキシドの平均付加
モル数が5〜80、好ましくは8〜60のポリオキシエチレ
ン系非イオン性界面活性剤が適している。
また、水溶性高分子物質としては、ポリビニルアルコー
ル、ヒドロキシエチルセルロースなどが使用できる。非
イオン性界面活性剤および/または水溶性高分子物質を
併用して用いる場合は、AEBおよびAPEB1重量部当たりそ
れぞれ0.05〜10重量部が適当である。
本発明の乳化剤は各種不飽和単量体の1種または2種以
上の乳化重合に使用することができる。不飽和単量体と
して、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、
クロロプレン、シクロペンタジエン、ヘキサジエンなど
の脂肪酸多不飽和炭化水素;該炭化水素のハロゲン置換
体;ジビニルベンゼン、ジイソプロピレベンゼンなどの
芳香族多不飽和炭化水素;エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレン
グリコールブロック共重合体、1,3−ブチレングリコー
ル、水素化ビスフェノールAなどの如き2価アルコール
と(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのジエステル
化合物;該2価アルコールと(メタ)アリルアルコール
またはクロトンアルコールとのジエーテル化合物および
ジビニルエーテル化合物;グリセロール、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトールなどの如き多価アル
コールと(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのポリ
エステル化合物;該多価アルコールと(メタ)アリルア
ルコールまたはクロトンアルコールとのポリエーテル化
合物およびポリビニルエーテル化合物;マグネシウム、
カルシウムなどの金属と(メタ)アクリル酸またはクロ
トン酸との金属塩化合物;(メタ)アクリル酸またはク
ロトン酸と(メタ)アリルアルコールまたはクロトンア
ルコールのエステル化合物およびビニルエステル化合
物;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シュウ
酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸などの如き二塩基酸と(メタ)アリルアルコー
ルまたはクロトンアルコールとのジエステル化合物およ
びジビニルエステル化合物;トリメリット酸、ピロメリ
ット酸などの如き多塩基酸と(メタ)アリルアルコール
またはクロトンアルコールとのポリエステル化合物およ
びポリビニルエステル化合物;マグネシウム、カルシウ
ムなどの如き金属とビニルスルホン酸またはスチレン−
p−スルホン酸との金属塩化合物;(メタ)アクリル
酸、クロトン酸などの如き不飽和一塩基酸;マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸などの如き不飽和二塩基酸;
メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコ
ール、ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコー
ル、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、フェ
ニルアルコール、ベンジルアルコールなどの如き1価ア
ルコールと不飽和二塩基酸とのモノエステル化合物;エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、トリプロピレングリコールの如き2価アルコ
ールとメチルアルコール、エチルアルコール、ブチルア
ルコールの如き低級1価アルコールとのモノエーテルと
不飽和二塩基酸とのモノエステル化合物:(メタ)アリ
ルアルコール、クロトンアルコールなどの如き不飽和ア
ルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、水酸化ビスフェノールA、
グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトールなどの如き多価アルコールのビニルエーテル化
合物;多価アルコールと(メタ)アリルアルコールまた
はクロトンアルコールとのエーテル化合物;多価アルコ
ールと(メタ)アクリル酸またはクロトン酸とのモノエ
ステル化合物;メチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2−エチ
ルヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、ステアリ
ルアルコール、フェニルアルコール、ベンジルアルコー
ルなどの如き1価アルコールと(メタ)アクリル酸また
はクロトン酸とのエステル化合物;1価アルコールとマレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸の如き不
飽和二塩基酸とのジエステル化合物;エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールな
どの如き2価アルコールとメチルアルコール、エチルア
ルコール、ブチルアルコールの如き1価アルコールとの
モノエーテル化合物と(メタ)アクリル酸またはクロト
ン酸とのエステル化合物;モノエーテル化合物と不飽和
二塩基酸とのジエステル化合物;エチレン、プロピレ
ン、ブチレン、イソブチレン、オクテン、イソオクテ
ン、デセン、ドデセンなどの如きオレフィン系炭化水
素;スチレン、クロルスチレン、2−メチルスチレン、
ビニルトルエン、ビニルキシレン、ビニルナフタレンな
どの芳香族ビニル炭化水素;弗化ビニル、塩化ビニル、
臭化ビニルなどの如きハロゲン化ビニル;弗化ビニリデ
ン、塩化ビニリデン、臭化ビニリデンなどの如きハロゲ
ン化ビニリデン;(メタ)アクリロニトリル、クロトン
ニトリル、2−シアノエチルアクリレート、2−クロル
アクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどの如き不飽
和シアン化合物;酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン
酸、ステアリン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香
酸、バーサティック酸(VERSATIC ACID)など如き1価
カルボン酸のビニルエステル化合物;1価カルボン酸と
(メタ)アリルアルコールまたはクロトンアルコールと
のエステル化合物;メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、ブチルアルコール、2−エチ
ルヘキシアルコール、ドデシルアルコール、ステアリル
アルコール、フェニルアルコール、ベンジルアルコール
の如き1価アルコールのビニルエーテル化合物;1価アル
コールと(メタ)アリルアルコールまたはクロトンアル
コールとのエーテル化合物;エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレ
ングリコールなどの如き2価アルコールと炭素数1〜4
個の脂肪族1価アルコールとのモノエーテル化合物のビ
ニルエーテル化合物;モノエーテル化合物と(メタ)ア
リルアルコールまたはクロトンアルコールとのエーテル
化合物;(メタ)アクロレイン、クロトンアルデヒドな
どの如き不飽和アルデヒド;ジエチルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アク
リレートなどの如きアミノ基含有(メタ)アクリレート
およびこれらを塩化メチルでカチオン化した四級塩;グ
リシジル(メタ)アクリレートなどの如き不飽和グリシ
ジルエステル;(メタ)アリルグリシジルエーテルなど
の如きグリシジルエーテル;(メタ)アクリルアミド、
ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミドなどの如き不飽和アミドお
よびこれらを塩化メチルでカチオン化した四級塩;メチ
ロール化(メタ)アクリルアミド、これらアクリルアミ
ドの炭素数1〜4個のアルキルエーテル化合物などの如
き不飽和アミド誘導体などを挙げることができる。
本発明の乳化剤を用いて前記不飽和単量体を重合または
共重合させる場合、重合開始剤としては、カチオン性ま
たはノニオン性フリーラジカルを発生する化合物であれ
ばいずれも使用することが可能である。例えば、2,2′
−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、過酸化水
素あるいはこれと還元剤との組合せ、キュメンハイドロ
パーオキサイドやtert−ブチルハイドロパーオキサイド
あるいはこれらと還元剤との組合せが挙げられ、その他
公知の過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなども使用
可能である。
そして上記不飽和単量体を乳化重合させるに当っては、
従来の公知の乳化重合用乳化剤と全く同じ扱いで、本発
明の乳化剤を使用することができる。例えば、不飽和単
量体の0.1〜10重量%に相当する乳化剤の存在下に、単
量体を20〜70重量%の濃度に、典型的には水に乳化分散
させ、さらに不飽和単量体の0.1〜2重量%に相当する
重合開始剤を加えれば、乳化重合を遂行することができ
る。この場合、必要に応じてpH調整剤、重合度調節剤、
その他の補助添加剤が使用できることも従来通りであ
る。
発明の効果 本発明の乳化重合用乳化剤は、従来のカチオン性乳化剤
に見られる欠点が改善されたことは勿論、カチオン性の
分解型活性剤であるため乳化重合により得られる高分子
エマルジョンは、従来のアニオン性およびノニオン性乳
化剤を用いる乳化重合により得られる高分子エマルジョ
ンに比較して、形成される皮膜が耐水性、透明性および
平滑性に著しくすぐれている。さらに、発泡性も低く、
良好な化学的安定性、凍結安定性および貯蔵安定性を有
する。
このため、本発明の乳化剤を使用して得られる高分子エ
マルジョンは塗料(特に焼付塗料)、接着・粘着剤、繊
維・紙加工などの通常の用途の他に、導電性皮膜の形成
にも好適である。この特性を利用して繊維、織布、不織
布、合成樹脂成形品などの帯電防止あるいは電子複写紙
や静電記録紙などの導電処理および磁性材料の用途に用
いた場合には、従来にない優れた効果を発揮する。
実施例1 温度計、撹拌機、還流冷却機および滴下ロートを備えた
ガラス製反応容器に第1表に示す乳化剤3重量部と水11
0重量部を仕込んで溶解し、系内を窒素ガスで置換し
た。別にアクリル酸エチル70重量部とメタクリル酸メチ
ル30重量部との不飽和単量体混合物を調製し、このうち
10重量部と2,2′−アゾビス(アミジノプロパン)ハイ
ドロクロライドの5%水溶液5重量部を前記反応容器に
加え、60℃で重合を開始した。次いで、残部の不飽和単
量体90重量部を90分間にわたって反容器内に連続的に滴
下し、途中、不飽和単量体の半量を滴下し終った時点で
2,2′−アゾビス(アミジノプロパン)ハイドクロライ
ドの5%水溶液5重量部を加えた。不飽和単量体の滴下
終了後、60℃で90分間熟成した。
このようにして得られた高分子エマルジョンを6×8cm
のガラス板に流延し、室温にて風乾して厚さ0.2mmの皮
膜を形成させ、皮膜特性を測定した。
第1表に、高分子エマルジョンの皮膜特性の測定結果を
示したが、本発明の乳化剤を用いる場合、従来の乳化剤
を使用する場合に比較して、耐水性、透明性および平滑
性が優れることが判る。なお、皮膜特性は以下の基準に
より評価した。
耐水性:風乾後の皮膜をさらに160℃で4時間加熱処理
し、20℃の水を満たしたシャーレの中に浸漬して、シャ
ーレの下に敷いた8ポイントの新聞活字が判読不能にな
るまでの時間を測定した(単位:時間)。
透明性:ヘイズメーターにて皮膜の曇り価を測定した。
平滑性:皮膜の表面状態を目視観察し、以下の判定基準
により評価した。
○:平滑で光沢のある皮膜 △:若干、シワ、ヒビのある皮膜 ×:シワ、ヒビが極端に多い皮膜 実施例2 乳化剤として、第2表に示した(b)アルコール(また
はフェノール)のEO付加体(下記構造式(I))と、
(a)このアルコール(またはフェノール)のEO付加体
骨格(残基)を有する第4級アンモニウム塩(下記構造
式(II)とを重量比で(a)/(b)=9/1の割合で配
合した乳化剤を用いる以外は、実施例1と同様にして高
分子エマルジョンを得た。
R−OEOnH ……(I) (R−O:アルコールまたはフェノール残基 EO:エチレンオキシドの付加単位) ここで、上記乳化剤は、(b)アルコール(またはフェ
ノール)のEO付加体を原料として、(a)第4級アンモ
ニウム塩を合成する際に、未反応分として(b)アルコ
ール(またはフェノール)のEO付加体が上記割合で残存
するように条件を設定し、反応せしめて得た。
得られた高分子エマルエジョンの粒子径をコールター・
カウンター(米国、コールター・エレクトロニクス社
製)で測定してその結果を第2表に示した。
ついで、実施例1と同様にして皮膜を形成させ、皮膜特
性を測定して第2表に示した。
また、試料No.11でコーサーファクタントである(b)
成分のC12〜142級アルコールのEO3モル付加体を用い
ない場合(実施例1の試料No.1に相当)の高分子エマル
ジョンの粒子径は0.20μmであった。
第2表から、コーサーファクタントとして(b)成分を
併用することにより、得られる粒子径が小さくなること
が判る。
実施例3 実施例1と同様に、第3表に示す種々のエチレンオキシ
ド平均付加モル数(EO)のポリオキシエチレンセトス
テアリルエーテル残基を有する下記構造式(III)の第
4級アンモニウム塩を重合用乳化剤として用い、アクリ
ル酸エチルとメタクリル酸メチルの乳化共重合を行っ
た。
(R−O:セトステアリルアルコール残基 n:エチレンオキシドの平均付加モル数EO) こうして得られた高分子エマルジョンの皮膜を形成さ
せ、皮膜特性を測定した。結果を第3表に示す。
試料No.4,21,22および23は本発明の実施例であり、試料
No.8および24は比較例である。第2表よりベタインエス
テルの分子中のオキシエチレン基は1〜20が適当である
ことが判る。
実施例4 乳化剤として、第4表に示した(a)成分および(b)
成分を重量比で(a)/(b)=17/3で併用した以外
は、実施例1と同様にしてアクリル酸エチルとメタクリ
ル酸メチルとの乳化共重合を行った。ここで、乳化剤
は、(b)成分を原料として(a)成分の第4級アンモ
ニウム塩を合成するに際し、未反応分として(b)成分
が上記割合で残存するように条件を設定して製造した。
エマルジョンの粒径および皮膜特性を評価して第4表に
示した。
また、試料No.25で(b)成分を用いることなく(a)
成分単独を乳化剤として用いた場合、得られた高分子エ
マルジョンの粒子径は0.18μmであった。
第4表中、試料No.28,32は比較例で他は実施例である。
実施例5 実施例1と同様の反応容器に第5表に示す乳化剤4重量
部と水110重量部を加えて溶解した。別にアクリル酸ブ
チル50重量部とスチレン50重量部との不飽和単量体混合
物を調製し、このうち10重量部と2,2′−アゾビス(ア
ミジノプロパン)ハイドロクロライドの5%水溶液5重
量部を加えて、60℃に昇温し、重合を開始した。残りの
モノマー混合物90重量部を90分間にわたって反応容器内
に連続的に滴下し、途中、単量体の半量が滴下し終った
時点で2,2′−アゾビス(アミジノプロパン)ハイドロ
クロライドの5%水溶液5重量部を加えた。単量体の滴
下終了後、60℃で90分間熟成した。
前記重合により得られた高分子エマルジョンを用いて実
施例1と同様な方法で皮膜を形成させ、その特性を測定
した。結果を第5表に示す。
実施例6 第6表にした(a)成分と(b)成分とからなる乳化剤
4重量部を用いる以外は実施例5と同様にして高分子エ
マルジョンを得、その平均粒径および皮膜特性を評価し
て結果を第6表に示した。
また、試料No.44で、(b)成分を用いることなく
(a)成分を100%用いたもの(実施例5の試料No.34に
相当)を乳化剤として用いた場合の粒径は0.16μmであ
った。
実施例7 乳化剤として、 (a)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル残基
を有する下記構造式(IV)の第4級アンモニウム塩と、 (EO:エチレンオキシドの付加単位) (b)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO
) とを、第7表に示した重量比で用い、実施例1と同様に
してアクリル酸エチルとメタクリル酸メチル乳化共重合
を行った。
ここで、(b)成分は、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル(b成分)を出発原料としてそのポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル残基を有する第4級
アンモニウム塩(a成分)を製造する際に、(b)成分
が未反応分として第7表に示した重量比で残るように製
造条件を制御し、この未反応分をそのまま利用した。
また、試料No.53として、(a)成分を単独で用いた場
合の結果を併せて示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I)および/または(II)
    で表わされる第4級アンモニウム塩からなることを特徴
    とする乳化重合用乳化剤。 (式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,n,Xはそれぞれ次のもの
    を表わす。 R1:炭素数8〜20のアルキル基またはアルケニル基 R2:炭素数2〜4のアルキレン基 R3:炭素数1〜5のアルキレン基 R4,R5,R6:炭素数1〜3のアルキル基または−C2H4OHで
    あり、それぞれ同一でも異なってもよい。 R7:炭素数6〜20のアルキル基 n:平均付加モル数を示し、n=1〜20 X:無機アニオンまたは有機アニオン)
JP12097585A 1985-06-04 1985-06-04 乳化重合用乳化剤 Expired - Lifetime JPH0713083B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022065456A1 (ja) 2020-09-24 2022-03-31 株式会社ニコン 生物体の操作方法および生物体操作装置

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