JPH0712846Y2 - 空気調和機組合せ試験用囮装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案はスプリット型空気調和機の室外機に室内機のダ
ミーとして接続されて組合せ試験を行なう空気調和機組
合せ試験用囮装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種のスプリット型空気調和機ではコンプレッ
サを搭載した室外機を組立てた後に、この室外機につい
てこれと同等の能力（馬力）を有する室内機との組合せ
試験を行なっている。

すなわち、第３図に示すように試験用の室外機１のコン
プレッサ1aと室外側熱交換器1bとを介装する冷媒配管1c
の両端部に、室内機２の減圧器2aと、室外側熱交換器1b
と同等の熱交換能力を有する室内側熱交換器2bとを介装
する冷媒配管2aの両端部を連結し、冷媒を循環させる閉
じた冷凍サイクルを構成する。

次いで、コンプレッサ1aを運転して冷媒に冷凍サイクル
を図中矢印方向に循環させて、冷房等の空調運転を行な
い、室外機１と室内機２との組合せ試験を行なう。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来のスプリット型空気調和
機の組合せ試験方式では、空気調和機の生産時におい
て、室外機１と、この室外機１と同等の能力（馬力）を
有する室内機２とを１台おきに組立ラインに流して生産
するというペア生産を行なう必要がある。このために、
室外機１および室内機２の組立ラインにおける各工程の
作業のアンバランスと、部品管理点数の増大と、これに
伴う部品置場の確保等生産現場におけるデメリットが大
きく、作業性が低いという問題がある。

また、上記組合せ試験後は製品である室内機の熱交換器
2b等に水滴が付着するので、この水滴を除去する水切作
業が必要となる等作業性が低いという問題がある。

そこで、本考案の目的は、空気調和機の組立作業の作業
性の向上を図ることができる空気調和機組合せ試験用囮
装置を提供することにある。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案は試験用の室外機の組合せ試験を、製品の室内機
を使用せずに、室内機のダミーである空気調和機組合せ
試験用囮装置を用いて行なうものであり、次のように構
成される。

所定の単位能力を有する複数の単位熱交換器と、この単
位熱交換器に減圧器を夫々接続して複数の冷媒流路を構
成し、この複数の冷媒流路を選択的に切換える電磁弁
と、上記単位熱交換器に送風する送風ファンと、上記単
位熱交換器の熱交換能力を微調節するために送風ファン
の回転速度を制御する制御器とを備え、上記冷媒流路に
接続する室外機の熱交換能力に応じて、上記冷媒流路を
選択的に切換え、且つ、送風ファンの回転速度を制御す
るようにしている。

（作用） スプリット型空気調和機の室外機に、室内機のダミーと
して接続され、組合せ試験を行う場合、先ず、空気調和
機組合せ試験用囮装置の熱交換能力を、室外機の熱交換
能力に適合するように冷媒流路の選択と、送風ファンの
回転速度を制御する。しかる後、空気調和機組合せ試験
用囮装置に、室外機を接続して組合せ試験を行う。

このために、空気調和機の組合せ試験時には、室外機か
らの冷媒が、その熱交換能力とほぼ同等の熱交換能力を
有する空気調和機組合せ試験用囮装置の熱交換器に流れ
て熱交換される。

従って、本考案の空気調和機組合せ試験用囮装置は、そ
の熱交換能力を室外機の能力に適合させた試験が可能と
なり、１台で、各種能力の室外機との組合せ試験を行う
ことができ、製品である室内機を必要としないので室外
機と室内機とをペアで生産する必要もなくなる。

その結果、空気調和機の組立の作業性を向上できる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図および第２図に基づい
て説明する。

第１図は本考案の一実施例の要部系統図、第２図はその
外観斜視図であり、図中符号11はスプリット型空気調和
機の室外機に室内機のダミーとして着脱自在に接続され
て、この室外機の組合せ試験を行なう囮装置である。

囮装置11は第１図に示すように構成され、図示しない室
外機の冷媒配管の冷媒出口と冷媒入口とにそれぞれ着脱
自在に連結される冷媒配管12を有し、この冷媒配管12の
途中には熱交換器13を介装している。

熱交換器13は例えば1HP（馬力）の能力を有する単位熱
交換器13a〜13dを４台積層しており、各単位熱交換器13
a〜13dの各冷媒入口と各冷媒出口とには４股分岐管より
なる入口側分岐管14と出口側分岐管15との各４股分岐端
がそれぞれ接続され、これら両分岐管14,15の各主管部
が冷媒配管12,12の各内端部に連結されている。

また、入口側分岐管14の各分岐管部には電磁弁よりなる
入口弁16a〜16dと、減圧器であるキャピラリチューブ17
a〜17dとがそれぞれ介装され、出口側分岐管15には電磁
弁よりなる出口弁18a〜18dが入口弁16a〜16dと横方向で
対をなすようにそれぞれ介装されている。

各入口、出口弁16a〜16d,18a〜18dは図示しない制御器
に電気的に接続され、この制御器の操作により各入口、
出口弁16a〜16d,18a〜18dが開閉制御されて、冷媒配管1
2より流入した冷媒を流通させる単位熱交換器13a〜13d
を適宜選択することができるようになっている。

したがって、例えば室外機の能力が1HPの場合には、囮
装置11の入口、出口弁16a〜16d,18a〜18dの所要の一対
を開放して所要の単位熱交換器、例えば13aの１台を選
択することにより、囮装置11の能力を室外機の能力に適
合させることができ、また、室外機の能力が2HPの場合
には、所要の単位熱交換器13a〜13dを２台選択するよう
に所要の入口、出口弁、例えば16a,16b,18a,18bの２対
を開放すればよい。

そして、各単位熱交換器13a〜13dに送風する送風ファン
19をインバータ20を介して図示しない制御器に電気的に
接続し、制御器の操作により送風ファン19の回転速度を
適宜制御するように構成し、送風ファン19により熱交換
器13の熱交換能力を微調整するようになっている。

すなわち、室外機の能力が例えば1.5HPのように中間値
を示す場合には、所要の単位熱交換器13a（1HP）の１台
を選択したうえで、ファンの回転速度を適宜制御して熱
交換器13の熱交換能力を1.5HPに調整することができ
る。

次に、本実施例の作用について述べる。

まず、組合せ試験を行なおうとする室外機の冷媒配管の
冷媒入口、出口端部に囮装置11の冷媒配管12の冷媒出
口、入口端部を着脱自在に結合する。

次いで、室外機の能力（馬力）に、囮装置11の能力を適
合させるように所要の入口、出口弁15a〜15d,16a〜16d
を対で開放すると共に、送風ファン19を起動してその回
転速度を選択する。

室外機の能力が例えば2HPの場合には、所要の単位熱交
換器、例えば13a,13bの２台を導通させるように２対の
入口弁、出口弁、例えば15a,15b,16a,16bを制御器によ
り選択操作して開放させる。

次に、室外機のコンプレッサを起動させると、この室外
機の室外側熱交換器からの冷媒が第１図および第２図中
矢印で示すように囮装置11の冷媒配管12に導入され、さ
らに、４股の入口分岐管14を経て開放中の２台の入口
弁、例えば15a,15bに案内されて、２台のキャピラリチ
ューブ14a,14bを通って減圧され、この後、送風ファン1
9により送風されている２台の単位熱交換器13a,13bに導
入され、ここで熱交換される。ここでの熱交換能力は各
1HPの能力を有する単位熱交換器13a,13bの２台の合計の
２馬力であり、室外機の能力に適合されている。

２台の単位熱交換器13a,13bにて熱交換をした冷媒は出
口側分岐管15にて開放中の出口弁16a,16bに案内され、
さらに、冷媒配管12を経て室外機の冷媒配管の冷媒入口
に還流される。

したがって、本実施例によれば、囮装置11の熱交換能力
を室外機の能力に適宜適合させることができるので、１
台の囮装置11により、各種能力の室外機の組合せ試験を
種々行なうことができ、製品の室内機を使用しないで済
む。

したがって、室外機と室内機とのペア生産を図る必要が
なく、これらの組立ラインにおける各工程の作業バラン
ス（工程バランス）が図り易く、作業性の向上を図るこ
とができる。

また、製品の室内機を用いずに室外機の組合せ試験を行
なうことができるので、室内機を用いた従来例にて行な
っていた室内機の水切作業等を省略することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、熱交換器の能力を室外機
の能力に適合させることができる囮装置により、室外機
の組合せ試験を行なうので、この室外機の組合せ試験に
製品の室内機を使用する必要がない。

したがって、室外機と、この室外機と同等の能力を有す
る室内機とを１台おきに組立ラインに流して生産すると
いうペア生産の必要がなくなり、これらの組立ラインに
おける各工程の作業バランスが図り易く、作業性の向上
を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る空気調和機組合せ試験用囮装置の
一実施例の要部系統図、第２図は第１図の外観斜視図、
第３図は従来の空気調和機組合せ試験方法を説明するた
めのスプリット型空気調和機の冷凍サイクル図である。 11……囮装置、12……冷媒配管、13……熱交換器、13a
〜13d……単位熱交換器、14a〜14d……キャピラリチュ
ーブ、19……送風ファン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スプリット型空気調和機の室外機に、室内
   機のダミーとして接続されて組合せ試験を行う空気調和
   機組合せ試験用囮装置において、所定の単位能力を有す
   る複数の単位熱交換器と、この単位熱交換器に減圧器を
   夫々接続して複数の冷媒流路を構成し、この複数の冷媒
   流路を選択的に切換える電磁弁と、上記単位熱交換器に
   送風する送風ファンと、上記単位熱交換器の熱交換能力
   を微調節するために送風ファンの回転速度を制御する制
   御器とを備え、上記冷媒流路に接続する室外機の熱交換
   能力に応じて、上記冷媒流路を選択的に切換え、且つ、
   送風ファンの回転速度を制御するようにしたことを特徴
   とする空気調和機組合せ試験用囮装置。