JPH0712177Y2 - 車両用ミラーの弾性カバー取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両用ミラーの弾性カバー取付構造に関し、特
に車両用ミラーの製造を容易とした車両用ミラーの弾性
カバー取付構造に関する。

（従来の技術） 自動二輪車、四輪車等の車両に取付けられる車両用ミラ
ーの中には、車体側から延出する棒状の支持部材の先端
側にミラーを保持するミラーハウジングを取付けて構成
したものがあるが、このような車両用ミラーでは、支持
部材の保護、及び外観性の向上のために支持部材の外周
にゴム等の材料から成る弾性カバーを設けたものがあ
る。

斯かる弾性カバーはその一端側がミラーハウジング側
に、又、他端側が支持部材及び車体側に取付けられる
が、この弾性カバーの取付構造は従来、次のようなもの
であった。

即ち、弾性カバーのうち車体側の取付を例に挙げれば、
支持部材の車体側近傍に溶接等により係止部材を固着
し、この係止部材で弾性カバーの車体側端部を係止する
のである。

（考案が解決しようとする課題） ところで、前述のようにして弾性カバーを取付けた車両
用ミラーでは係止部材の取付位置が支持部材の軸心まわ
りの方向にずれていると該支持部材が弾性カバーを押し
て該弾性カバーが捩れてしまい、これにより弾性カバー
に応力が作用しその耐久性が悪くなるとともに車両用ミ
ラーの外観性が悪くなるという不具合を生じる。そこで
これらの不具合を生じさせないために前記係止部材の支
持部材への取付けは極めて精度良く行なうことが必要に
なり、従って従来の車両用ミラーではこの点において製
造が容易なものではなかった。

本考案は斯かる従来の事情に鑑み成されたものであっ
て、その目的とする処はその製造を容易とした車両用ミ
ラーを提供するにある。

（課題を解決するための手段） 前記課題を解決するため本考案の第１の考案は車体側よ
り延出する支持部材の先端側にミラーハウジングを取付
け、該ミラーハウジングでミラーを保持し、前記支持部
材を弾性カバーで覆った車両用ミラーにおいて、前記支
持部材の外周に該支持部材の軸心まわりに回転自在な係
止部材を設け、該係止部材で前記弾性カバーの端部を係
止したことを特徴とする。

又、第２の考案は車体側より延出する支持部材の先端側
にミラーハウジングを取付け、該ミラーハウジングでミ
ラーを保持し、前記支持部材を弾性カバーで覆った車両
用ミラーにおいて、前記支持部材の車体側端部に車体側
に当接するロックナットを螺合し、該ロックナットの外
周に、該支持部材の軸心まわりに回転自在な係止部材を
設け、該係止部材で前記弾性カバーの端部を係止したこ
とを特徴とする。

（作用） 第１の考案によれば係止部材を支持部材の軸心まわりに
回動自在としたので車両用ミラーの組立時に係止部材が
本来の位置よりも回動方向にずれていても組立後に該係
止部材が回動することで本来の位置に戻り、弾性カバー
が捩れることがない。従って係止部材の取付時には特に
高い精度が不必要となり、これにより車両用ミラーの製
造を容易にすることができる。又、第２の考案によれば
回動自在な係止部材を車体側に当接するロックナットに
取付けるので係止部材の軸方向の位置を車体側に対して
一定にすることができ、これにより弾性カバーの端部を
安定して車体側に当接させることが可能となる。

（実施例） 以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づいて説明
する。

第１図は車両用ミラーの正面図、第２図は同ミラーのミ
ラーハウジング近傍の一部破断正面図、第３図は同ミラ
ーの車体側取付部分の縦断面図である。

第３図中、１は車体側に固定されるステー、３はこのス
テー１を覆う樹脂等のカバー部材、４は棒状の支持部材
で、該支持部材４の下端には雄ねじ部4bを形成して該雄
ねじ部4bをステー１の雌ネジ部1aに螺合させるとともに
ロックナット14にて締付け、以上により該支持部材４を
ステー１に固定する。

７はミラー８を保持するミラーハウジングであり、該ミ
ラーハウジング７内には内方へ膨出する受部7a及び外方
へ膨出するボス部7bを夫々形成し、ボス部7bには該ボス
部7bより小径の取付部7cを形成する。そして受部7aに前
記支持部材４の先端に形成した球状部4aを回動自在に嵌
合し、ミラー８を含むミラーハウジング７を所望の方向
に揺動可能とする。

前記支持部材４の下部には第６図に平面図で示すような
係止部材10の孔部10aを嵌合し、この係止部材10は支持
部材４の軸心まわりに回動自在であり、又その一方で支
持部材４の溝部4aに嵌合したサークリップ12により上動
が規制される。

20は支持部材４を覆うゴム等の弾性カバーであり、この
カバー20の断面形状は前記係止部材10の外周に略合致し
たものとなっている。該カバー20の上端開口には内方へ
延出する係止部材20aを形成してこの係止部20aを前記取
付部7cに係止し、又下端開口にも内方へ延出する係止部
20bを形成して前記係止部材10の外周に係止する。

以上において、本実施例では弾性カバー20の下端を取付
ける係止部材10を支持部材４の軸心まわりに回動自在と
しているので、車両用ミラーの組立時に係止部材10が本
来の位置よりも回動方向にずれて取付けられ、この位置
で弾性カバー20の下端を係止するようになっても組立後
に該係止部材10が回動することで係止部材10は本来の位
置に戻り、弾性カバー20が捩れることがない。従って本
実施例の車両用ミラーでは支持部材４に係止部材10を取
付ける際に特に高い精度が不必要となり、これにより車
両用ミラーの製造を容易にすることができる。

第４図は別実施例を示し、この実施例では係止部材10を
ロックナット14に取付けている。即ちロックナット14を
第５図に示すような形状に形成し、該ロックナット14の
外周に回動自在に係止部材10を嵌合するとともにロック
ナット14の溝部14aに嵌合したサークリップ12とロック
ナット14の頭部14bとで該係止部材10を挟持しその上下
位置を規制するようにした。その他の構造は前実施例と
同様である。

この実施例によればステー１に当接するロックナット14
に係止部材10を取付けたので、係止部材10の軸方向の位
置を車体側に対し常に一定とすることができ、これによ
り弾性カバー20の下端を安定してカバー３に当接させる
ことができる。

尚、弾性カバー20内に支持部材４を挿入組立てする際
に、従来のように係止部材が予め支持部材に固着されて
いるとこの係止部材が邪魔になって支持部材の挿入が行
いにくくなるが本実施例では支持部材４を弾性カバー20
内に挿入してからその後に係止部材10を該支持部材４に
取付けるので支持部材４の弾性カバー20内への挿入を行
い易い。

（考案の効果） 以上述べたように第１の考案によれば係止部材を支持部
材の軸心まわりに回動自在としたので車両用ミラーの組
立時に係止部材が本来の位置よりも回動方向にずれてい
ても組立後に該係止部材が回動することで本来の位置に
戻り弾性カバーが捩れることがない。従って係止部材の
取付時には特に高い精度が不必要となり、これにより車
両用ミラーの製造を容易にすることができる。又、第２
の考案によれば回動自在な係止部材を車体側に当接する
ロックナットに取付けるので係止部材の軸方向の位置を
車体側に対し一定にすることができ、これにより弾性カ
バーの端部を安定して車体側に当接させることが可能と
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は車両用ミラーの正面図、第２図は同ミラーのミ
ラーハウジング近傍の一部破断正面図、第３図は同ミラ
ーの車体側取付部分の縦断面図、第４図は別実施例の車
両用ミラーにおける車体側取付部分の縦断面図、第５図
はロックナットの半断面図、第６図は係止部材の平面図
である。 尚図面中、４は支持部材、７はミラーハウジング、８は
ミラー、10は係止部材、14はロックナット、20は弾性カ
バーである。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体側より延出する支持部材の先端側にミ
   ラーハウジングを取付け、該ミラーハウジングでミラー
   を保持し、前記支持部材を弾性カバーで覆った車両用ミ
   ラーにおいて、 前記支持部材の外周に該支持部材の軸心まわりに回転自
   在な係止部材を設け、該係止部材で前記弾性カバーの端
   部を係止したことを特徴とする車両用ミラーの弾性カバ
   ー取付構造。
2. 【請求項２】車体側より延出する支持部材の先端側にミ
   ラーハウジングを取付け、該ミラーハウジングでミラー
   を保持し、前記支持部材を弾性カバーで覆った車両用ミ
   ラーにおいて、 前記支持部材の車体側端部に車体側に当接するロックナ
   ットを螺合し、該ロックナットの外周に、前記支持部材
   の軸心まわりに回転自在な係止部材を設け、該係止部材
   で前記弾性カバーの端部を係止したことを特徴とする車
   両用ミラーの弾性カバー取付構造。