JPH07117433A - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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JPH07117433A
JPH07117433A JP27215593A JP27215593A JPH07117433A JP H07117433 A JPH07117433 A JP H07117433A JP 27215593 A JP27215593 A JP 27215593A JP 27215593 A JP27215593 A JP 27215593A JP H07117433 A JPH07117433 A JP H07117433A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ばね上部材の絶対速度の、ばね上部材とばね下
部材との相対速度に対する比に基づいてショックアブソ
ーバの減衰係数を制御するセミアクティブ型のサスペン
ション制御装置において、ばね上速度に不感帯を設定す
ることにより、乗り心地の確保と制振効果の極大化との
両立を図る。 【構成】ばね上速度の検出値Xが正から負、または負か
ら正に単調に変化する際には、検出値Xの符号が反転し
た直後においてのみ、検出値Xの補正値Yを0とする。
これにより、検出値Xの符号が反転する前後双方におい
て補正値Yを0とする場合より、乗り心地確保のために
制振効果が無駄に犠牲にされずに済む。さらに、補正値
Yが0とされた後検出値Xがこれまでとは逆の方向に変
化しても絶対値が設定値aを超えない間は、補正値Yを
0とする。これにより、減衰係数制御のハンチングが抑
制されて乗り心地が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のサスペンション特
性を制御するサスペンション制御装置に関するものであ
り、特にそれの制御の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サスペンション制御装置の一形式が本出
願人の特開平5−24423号公報に記載されている。
これは、(a) 車両のばね上部材の車両上下方向における
速度であるばね上速度を検出するばね上速度検出手段
と、(b) 車両のばね上部材とばね下部材との車両上下方
向における相対変位の変化速度である相対速度を検出す
る相対速度検出手段と、(c) ばね上速度(すなわち、ば
ね上部材の絶対速度)の、相対速度に対する比率である
速度比に基づき、ばね上部材とばね下部材とを連結する
サスペンション機構のサスペンション特性を制御するコ
ントローラとを含む形式のサスペンション制御装置であ
る。
【0003】速度比に基づいてサスペンション特性を制
御する形式のサスペンション制御装置には次のような問
題がある。車両が実質的に平坦な路面を走行する平坦路
走行時には、サスペンション特性を実質的に変化させな
いことが乗り心地確保のために望ましい。しかし、速度
比はばね上速度を相対速度で割ることによって求めら
れ、一方、路面が平坦でも路面からタイヤに比較的小さ
な振幅の振動が入力される小振動走行時には、相対速度
が0を中心に正負に小さく振動する傾向(すなわち、0
近傍での小振動傾向)があり、しかもこの傾向は信号ノ
イズ,演算誤差等の影響を強く受ける。そのため、小振
動走行時には、速度比が正負に大きく(敏感に)振動す
る傾向があり、ばね上速度の検出値と相対速度の検出値
とをそれぞれそのまま用いて速度比を求めてこの本来の
速度比に基づいてサスペンション特性を制御したので
は、平坦路走行時であるにもかかわらずサスペンション
特性が頻繁に変化させられてしまい、車体ショック等、
乗り心地を悪化させる原因を生じさせる。
【0004】この問題を解決するために本出願人は先に
次のような提案をし、特願平5−117741号明細書
に開示した。これは、ばね上速度に不感帯を設定すると
いう技術であり、これの一具体例として次のような技術
も提案した。それは、図12にグラフで表すように、ば
ね上速度の検出値Xが正および負の一方の領域から他方
の領域に向かってそれぞれ単調に変化する際に、 検
出値Xの絶対値が設定値eより大きい領域では、検出値
Xをそのまま補正ばね上速度Yとするが、設定値e以
下である領域では、補正ばね上速度Yを0とするばね上
速度補正技術である。
【0005】平坦路走行時には相対速度の検出値のみな
らずばね上速度の検出値もほぼ0となる傾向がある。し
たがって、このばね上速度補正技術を実施してばね上速
度に不感帯を設定すれば、小振動走行時、すなわち、ば
ね上速度の検出値が、それの絶対値が設定値eを超える
ことなく正負に小さく振動する車両走行時に、補正ばね
上速度が0となり、速度比も0となって、希望通りサス
ペンション特性が一定に保たれて乗り心地が確保され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このばね上速
度補正技術には次のような問題がある。この技術を実施
する場合には、ばね上速度の検出値の絶対値が設定値e
以下である領域全体、すなわち、検出値の符号が反転す
る直前および反転した直後の双方において補正ばね上速
度が0とされて速度比が0とされる。そのため、車両が
非平坦路を走行する場合など、路面からタイヤに比較的
大きな振幅の振動が入力される大振動走行時には、小振
動走行時に比べて大きな制振効果が必要であるにもかか
わらず、速度比が0とみなされる期間がやや長すぎてし
まい、制振作用を十分に発揮することができないおそれ
があるという問題があるのである。
【0007】このような事情を背景にして、請求項1の
発明は、速度比を利用するサスペンション制御におい
て、主に、大振動走行時に制振効果を確保することを課
題としてなされたものである。請求項2の発明は、その
請求項1の発明を実施する場合において、主に、小振動
走行時に乗り心地を確保することを課題としてなされた
ものである。請求項3の発明は、請求項1または2の発
明においてばね上速度に適切な不感帯を設定することに
より大振動走行時に制振効果を確保することを課題とし
てなされたものである。請求項4の発明は、請求項3の
発明においてばね上速度に適切な不感帯を設定すること
により小振動走行時に乗り心地を確保することを課題と
してなされたものである。請求項5の発明は、それら請
求項1ないし4の各発明をセミアクティブ型のサスペン
ション制御装置に適用する場合の望ましい一態様を提供
することを課題としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、図1
3に示すように、前記ばね上速度検出手段1,相対速度
検出手段2およびコントローラ3を含むサスペンション
制御装置において、そのコントローラ3に、ばね上速度
の検出値が正および負の一方の領域から他方の領域に向
かってそれぞれ単調に変化する際に、検出値が0になっ
てからそれの絶対値が第一設定値を超えるまでサスペン
ション特性の変化を禁止する第一特性変化禁止手段4を
設けることにより、課題を解決する。
【0009】ここにおける「第一設定値」は、固定値と
することも、例えば路面状態,車速,運転者の操縦状
態,車両横加速度,車両ヨーレート等に応じて変化する
可変値とすることもできる。
【0010】また「サスペンション特性」には、例え
ば、減衰係数,ばね定数,スタビライザ剛性等を選ぶこ
とができる。
【0011】また「コントローラ」は、サスペンション
特性を段階的に制御する態様とすることも、連続的に制
御する態様とすることもできる。
【0012】請求項2の発明は、図14に示すように、
請求項1の発明におけるコントローラ3に、さらに、ば
ね上速度の検出値が、前記第一特性変化禁止手段4によ
ってサスペンション特性の変化が禁止される不感帯に進
入した後、絶対値が第一設定値を超えることなく現時点
までの変化方向とは逆の方向に変化してその不感帯から
退出する場合には、その不感帯への進入時から検出値の
絶対値が第二設定値を超えるまでサスペンション特性の
変化を禁止する第二特性変化禁止手段5を設けることに
より、課題を解決する。
【0013】なお、ここにおける「第二設定値」も、
「第一設定値」の場合と同様に、固定値とすることも、
例えば路面状態,車速,運転者の操縦状態,車両横加速
度,車両ヨーレート等に応じて変化する可変値とするこ
ともできる。
【0014】また「第二設定値」は、「第一設定値」と
同じ値とすることも、異なる値とすることもできる。
【0015】請求項3の発明は、図15に示すように、
請求項1または2の発明における第一特性変化禁止手段
4を、ばね上速度の検出値が正および負の一方の領域か
ら他方の領域に向かってそれぞれ単調に変化する際に、
検出値が0になるまでは検出値をそのまま補正ばね上速
度とするが、検出値が0になってからそれの絶対値が第
一設定値を超えるまでは補正ばね上速度を0に固定し、
超えた後は検出値をそのまま補正ばね上速度とする第一
ばね上速度補正手段6とすることにより、課題を解決す
る。
【0016】請求項4の発明は、図16に示すように、
請求項3の発明における第二特性変化禁止手段5を、ば
ね上速度の検出値が、前記第一ばね上速度補正手段6に
よって補正ばね上速度が0に固定される不感帯に進入し
た後、絶対値が第一設定値を超えることなく現時点まで
の変化方向とは逆の方向に変化してその不感帯から退出
する場合には、その不感帯への進入時から検出値の絶対
値が第二設定値を超えるまで補正ばね上速度を0に固定
する第二ばね上速度補正手段7とすることにより、課題
を解決する。
【0017】請求項5の発明においては、図17に示す
ように、請求項1ないし4の各発明を、サスペンション
機構8がショックアブソーバ9,それの減衰係数を変化
させるアクチュエータ10およびスプリング11を主体
とするパッシブ型であるサスペンション制御装置に適用
する場合に、それら請求項1ないし4の各発明における
前記コントローラ3を、アクチュエータ10を制御する
ことによってサスペンション特性としての減衰係数の制
御を行うセミアクティブ型とすることにより、課題を解
決する。
【0018】
【作用】請求項1ないし5の各発明においては、第一特
性変化禁止手段4により、大振動走行時におけるサスペ
ンション特性が適正化される。具体的には、ばね上速度
の検出値が正および負の一方の領域から他方の領域に向
かってそれぞれ単調に変化する際に、検出値が0になっ
てからそれの絶対値が第一設定値を超えるまでサスペン
ション特性の変化が禁止される。
【0019】すなわち、本発明においては、ばね上速度
の検出値の符号が反転した直後の期間のみが、ばね上速
度を入力、サスペンション特性を出力とする関係におけ
る不感帯とされ、検出値の符号が反転する直前の期間は
サスペンション特性の変化が許容される期間とされてい
るのである。したがって、本発明によれば、検出値の符
号が反転した直後のみならず反転する直前にもサスペン
ション特性の変化を禁止する場合に比較して、大振動走
行時、すなわち、ばね上速度の検出値が、それの絶対値
が第一設定値を超えて正負に変動する車両走行時に、サ
スペンション制御における制振効果の損失が低減され
る。
【0020】大振動走行時には制振作用についてのみを
考慮し、乗り心地については全く無視してよいのであれ
ば、大振動走行時にばね上速度に不感帯を全く設定しな
いようにしてサスペンション特性を制御する技術も考え
られる。しかし、相対速度が0となる時期近傍において
本来の速度比が急変するから、ばね上速度とサスペンシ
ョン特性との関係に不感帯を全く設定しないでサスペン
ション制御を行う場合には、サスペンション特性が急変
して乗員に違和感を与えるおそれがある。一方、ばね上
速度の検出値および相対速度の検出値には一般に、図1
8にグラフで表すように、ばね上速度の位相が相対速度
の位相より進む傾向があり、ばね上速度のゼロクロス点
の方が相対速度のゼロクロス点より時期的に早く、相対
速度の検出値の符号反転がばね上速度の検出値の符号反
転の直後に行われる傾向がある。そのため、ばね上速度
の検出値の符号が反転した直後に、相対速度がほぼ0と
なり、本来の速度比が急変する傾向がある。したがっ
て、この請求項1の発明によれば、本来の速度比が急変
する期間にサスペンション特性の変化が禁止される傾向
が生じるため、大振動走行時に、乗り心地が確保されつ
つ制振効果が確保されることになる。
【0021】特に、請求項2の発明においては、第二特
性変化禁止手段5により、小振動走行時におけるサスペ
ンション特性が適正化される。具体的には、ばね上速度
の検出値が、サスペンション特性の変化が禁止される不
感帯に進入した後、絶対値が第一設定値を超えることな
く現時点までの変化方向とは逆の方向に変化してその不
感帯から退出する場合には、その不感帯への進入時から
検出値の絶対値が第二設定値を超えるまでサスペンショ
ン特性の変化が禁止される。
【0022】何ら特別の措置を講じることなく請求項1
の発明を実施する場合には、小振動走行時、すなわち、
ばね上速度の検出値が不感帯に進入した後に第一設定値
を超えることなく現時点までの変化方向とは逆の方向に
変化してその不感帯から退出する際に、ばね上速度の検
出値の符号が反転する直前および反転した直後の双方に
おいてサスペンション特性を禁止する場合に比較して、
サスペンション制御にハンチングが生じ、乗り心地が悪
化するおそれがある。ばね上速度に設定される不感帯は
検出値の0点に関して非対称性を有するのに対し、小振
動走行時にはばね上速度の検出値が0を中心に正負いず
れにも変動するからである。そこで、本発明において
は、小振動走行時に、サスペンション特性の変化が禁止
され、これにより、サスペンション制御のハンチングが
抑制される。
【0023】すなわち、本発明においては、前記第一特
性変化禁止手段4と第二特性変化禁止手段5との共同に
より、ばね上速度の検出値が不感帯に進入した後に第一
設定値を超えることなく現時点までの変化方向とは逆の
方向に変化してその不感帯から退出する場合には、絶対
値が第二設定値を超えない限り補正ばね上速度が0に固
定され、一方、検出値が、不感帯進入時における変化方
向と同じ方向に変化して不感帯から退出する場合には、
絶対値が第一設定値を超えない限り補正ばね上速度が0
に固定されるのであり、本発明によれば、小振動走行時
には、請求項1の発明における不感帯より幅が広い不感
帯が設定されることになるのである。
【0024】また、特に、請求項3の発明においては、
大振動走行時におけるサスペンション特性変化の禁止、
すなわち、大振動走行時におけるサスペンション特性の
適正化がばね上速度に不感帯を設定することによって実
現される。具体的には、図6にグラフで表すように、ば
ね上速度の検出値Xが正および負の一方の領域から他方
の領域に向かってそれぞれ単調に変化する際に、検出値
Xが0になるまでは検出値Xがそのまま補正ばね上速度
Yとされるが、検出値Xが0になってからそれの絶対値
が第一設定値aを超えるまでは補正ばね上速度Yが0に
固定され、検出値Xがそのまま補正ばね上速度Yとされ
る。補正ばね上速度Yが0に固定されれば、当然に速度
比も0に固定されるから、その間、結果的に、サスペン
ション特性の変化が禁止されることになるのである。
【0025】すなわち、本発明においては、ばね上速度
の検出値Xを入力、補正ばね上速度Yを出力とする関係
に不感帯が設定され、かつ、この不感帯が非対称性を有
するものとされることにより、検出値Xの増加時と減少
時とで補正ばね上速度Yの値が異なるヒステリシスも設
定されているのである。
【0026】ここで、補正ばね上速度を0に固定する期
間として、ばね上速度の検出値の符号が反転した直後の
期間を選んだ理由を具体的に説明する。
【0027】サスペンション制御装置には、速度比が正
のときには正の減衰力を、負のときには負の減衰力を発
生させるようにサスペンション機構を制御するアクティ
ブ型が存在する。これに対し、ショックアブソーバの減
衰係数を制御するセミアクティブ型も存在するが、この
セミアクティブ型においてはアクティブ型におけるとは
異なり、負の減衰力を発生させることができない。した
がって、このセミアクティブ型のサスペンション制御装
置においては、ばね上速度の検出値の符号が反転した直
後には本来の速度比が負となる傾向があるという事実
(図18参照)により、この期間に補正ばね上速度を0
として速度比を0としても、サスペンション制御に実質
的な影響はほとんどない。
【0028】これに対し、ばね上速度の検出値の符号が
反転する直前において補正ばね上速度を0に固定する場
合には、特にセミアクティブ型のサスペンション制御装
置において、十分な制振作用を発揮することができない
という問題が生ずる。検出値の符号が反転する直前には
図18から明らかなように、速度比が正である傾向があ
り、この期間に補正ばね上速度を0とし、速度比を0と
することは、本来発揮することができる制振作用を発揮
させないことを意味し、図19にハッチングで示す領域
が制振効果の損失領域となってしまうからである。
【0029】このように、サスペンション制御装置の中
には、ばね上速度の検出値の符号が反転した直後に速度
比を0としてもサスペンション制御に実質的な影響がほ
とんどない形式も存在するため、この請求項3の発明に
おいては、補正ばね上速度を0に固定する期間として、
ばね上速度の検出値の符号が反転する直前ではなく、反
転した直後が選ばれているのである。
【0030】なお、この請求項3の発明においては、補
正ばね上速度Yと相対速度との比として速度比が決定さ
れ、それに基づいてサスペンション特性が制御されるこ
とになるが、速度比を決定する際に使用される相対速度
は、検出値そのものとすることもできるが、ばね上速度
の場合に準じて、検出値に不感帯を設定した補正相対速
度を用いて速度比が決定されるようにすることが望まし
い。
【0031】また、特に、請求項4の発明においては、
小振動走行時におけるサスペンション特性変化の禁止、
すなわち、小振動走行時におけるサスペンション特性の
適正化がばね上速度に不感帯を設定することによって実
現される。具体的には、ばね上速度の検出値が不感帯に
進入した後、絶対値が第一設定値を超えることなく現時
点までの変化方向とは逆の方向に変化してその不感帯か
ら退出する場合には、その不感帯への進入時から検出値
の絶対値が第二設定値を超えるまで補正ばね上速度が0
に固定される。
【0032】また、特に、請求項5の発明においては、
請求項1ないし4の各発明をサスペンション機構がショ
ックアブソーバ,それの減衰係数を変化させるアクチュ
エータおよびスプリングを主体とするパッシブ型である
サスペンション制御装置に適用する場合において、コン
トローラが、そのアクチュエータを制御することによっ
てサスペンション制御を行うセミアクティブ型とされ
る。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1ないし5の各発明によれば、大振動走行時に制振効果
が確保される効果が得られる。さらに、それら各発明に
よれば、本来の速度比が急変する期間にサスペンション
特性の変化が禁止される傾向が生じるため、大振動走行
時に、乗り心地が確保されつつ制振効果が確保される効
果も得られる。
【0034】特に、請求項2または4の発明によれば、
請求項1の発明の効果に加えて、小振動走行時にサスペ
ンション制御のハンチングが抑制され、乗り心地が確保
される効果が得られる。したがって、請求項2または4
の発明によれば、結局、大振動走行時における制振効果
と小振動走行時における乗り心地との両立を容易に図り
得る効果が得られることになる。
【0035】
【実施例】以下、各請求項の発明を図示の一実施例に基
づいて具体的に説明する。本実施例は4輪車両用のサス
ペンション制御装置である。このサスペンション制御装
置は、センサからの信号に基づいてコントローラがアク
チュエータを介してショックアブソーバの減衰係数を制
御する。また、このサスペンション制御装置はセミアク
ティブ型であり、ショックアブソーバにスカイフックダ
ンパと同等の機能を発揮させることにより、車体の上下
振動を良好に抑制して極力フラットな乗り心地を実現す
るものである。
【0036】具体的には、図1に示すように、センサと
してばね上加速度センサ30および相対変位センサ32
が設けられている。ばね上加速度センサ30は各車輪ご
とにばね上部材に配置され、ばね上部材の車両上下方向
における加速度(以下、ばね上加速度αという)を検出
するものである。一方、相対変位センサ32は各車輪ご
とにばね上部材とばね下部材とに連携させられ、両者の
車両上下方向における相対変位δS を検出するものであ
る。
【0037】なお、ばね上加速度センサ30は、4個の
車輪のうち1個については車両への搭載が省略されるの
が一般的である。ばね上部材を剛体であるとみなすこと
ができることを前提に、他の3個の車輪のばね上加速度
αから計算によって取得することができるからである。
【0038】各ばね上加速度センサ30は各積分回路3
6を経てコントローラ40の入力側に接続されていて、
ばね上加速度αを時間に関して積分した値であるばね上
速度Vが各車輪ごとにコントローラ40に入力されるよ
うになっている。一方、各相対変位センサ32は各微分
回路42を経てコントローラ40の入力側に接続されて
いて、相対変位δS を時間に関して微分した値である相
対速度vS が各車輪ごとに入力されるようになってい
る。
【0039】コントローラ40の出力側には駆動回路5
0を介してアクチュエータ52が接続されている。これ
ら駆動回路50およびアクチュエータ52は各車輪のシ
ョックアブソーバ54ごとに設けられている。各アクチ
ュエータ52は、各駆動回路50から供給される駆動信
号に応じて各ショックアブソーバ54の弁開度、すなわ
ち、作動油の実効流路面積を変化させることにより、各
ショックアブソーバ54の減衰係数を変化させるもので
ある。なお、図1は1個の車輪に関連する諸要素のみを
代表的に示す。
【0040】コントローラ40は、CPU60,ROM
62およびRAM64を含むコンピュータを主体として
構成されている。ROM62には、図2にフローチャー
トで表されている減衰係数制御ルーチンを始めとする各
種プログラムが記憶されている。また、各種マップ,テ
ーブル等も記憶されている。一方、RAM64には、ば
ね上速度メモリ,相対速度メモリ,各種フラグメモリ等
が設けられている。そして、コントローラ40は、CP
U60がRAM64を利用しつつROM62のプログラ
ムを実行することによって、ショックアブソーバ54の
減衰係数をスカイフックダンパの理論に基づいて制御す
る。
【0041】この減衰係数制御の内容を概略的に説明す
る。ばね上部材,サスペンション機構(ショックアブソ
ーバ54と図示しないスプリングを主体とする)および
ばね下部材から成る運動系は振動工学上、図3に示すよ
うにモデル化することができる。この振動モデルにおい
ては、次のような運動方程式が成立する。 mα=−cvS −kδS ただし、 m :1/4車両のばね上部材の質量(固定値) c :ショックアブソーバ54の減衰係数(可変値) vS :相対速度 k :スプリングのばね定数(固定値) δS :相対変位
【0042】これに対し、スカイフックダンパの理論を
減衰係数制御に適用する場合には、ばね上部材,サスペ
ンション機構およびばね下部材から成る運動系は図4に
示すようにモデル化することができる。この振動モデル
においては、次のような運動方程式が成立する。 mα=−c’V−kδS ただし、 m :1/4車両のばね上部材の質量(固定値) c’:スカイフックダンパの減衰係数(可変値) V :ばね上速度 k :スプリングのばね定数(固定値) δS :相対変位
【0043】そこで、本実施例においては、極力フラッ
トな乗り心地を実現するため、減衰係数制御がショック
アブソーバ54にスカイフックダンパと同等の機能を発
揮させる内容とされている。具体的には、ショックアブ
ソーバ54の減衰力をスカイフックダンパの減衰力に一
致させるため、ショックアブソーバ54の減衰係数cと
スカイフックダンパの減衰係数c’との間に、 c=c’V/vS =c’γ なる式(ただし、γ:速度比)で表される関係が成立す
るように、アクチュエータ52を介してショックアブソ
ーバ54の減衰係数cを変化させる内容とされている。
ここに、スカイフックダンパの減衰係数(以下、スカイ
フック減衰係数という)c’は、路面の状態に基づいて
設定される。この詳細については後述する。
【0044】さらに、本実施例においては、小振動走行
時に良好な乗り心地を確保するとともに大振動走行時に
十分な制振効果を確保することを目的とし、ばね上速度
Vと相対速度vS とのそれぞれに不感帯が設定され、そ
の影響を受けた値を用いて速度比γが決定され、それに
基づいて減衰係数cが変化させられるようになってい
る。不感帯設定の詳細については後述する。
【0045】以上概略的に説明した減衰係数制御は前記
減衰係数制御ルーチンによって実行される。以下、この
ルーチンの内容を図2を参照して具体的に説明する。
【0046】まず、ステップS11(以下、単にS11
で表す。他のステップについても同じ)において、RA
M64からばね上速度Vの現在値と相対速度vS の現在
値とがそれぞれ全車輪について読み出される。次に、S
12において、全車輪のばね上速度Vに対し、運動モー
ド分解,バウンス制御ゲイン設定および運動モード合成
を順に行う適正化処理が行われる。車両走行中に乗員が
感じる4種類の運動モード、すなわちロール,ピッチ,
ヒーブおよびワープのそれぞれに個別的に着目して各車
輪のばね上速度Vを適正化するためである。バウンス制
御ゲイン設定は、例えば、車体の上下振動の収束状況が
乗員にとって違和感のないようにするため、車両の走行
速度,横加速度,前後加速度等に基づいて行われる。こ
の適正化処理の一例が前記特開平5−24423号公報
に記載されているため、詳細な説明を省略する。
【0047】その後、S13において、各車輪のばね上
速度Vに不感帯を設定することによってばね上速度Vが
補正される。
【0048】このばね上速度補正は、図6にグラフで表
すように、ばね上速度Vの検出値Xが正および負の一方
の領域から他方の領域に向かってそれぞれ単調に変化す
る際に、 検出値Xが0になるまでは、検出値Xをそ
のままばね上速度Vの補正値(すなわち、補正ばね上速
度)Yとし、 検出値Xが0になってからそれの絶対
値が第一設定値(図においてはa)を超えるまでは、補
正値Yを0に固定し、 超えた後は、検出値Xをその
まま補正値Yとする処理を含んでいる。
【0049】さらに、検出値Xが、補正値Yが0とされ
る不感帯に進入した後、絶対値が第一設定値を超えるこ
となく現時点までの変化方向とは逆の方向に変化してそ
の不感帯から退出する場合には、検出値Xの絶対値が第
二設定値(図においてはa)を超えるまでは、補正値Y
を0に固定し、超えた後は、検出値Xをそのまま補正値
Yとする処理をも含んでいる。
【0050】すなわち、本実施例においては、検出値X
が増加方向および減少方向にそれぞれ単調に変化する場
合には、検出値Xが0とaまたは−aとの間にある領域
が不感帯となるが、0点近傍で正負に変動する場合に
は、不感帯の幅が拡大され、検出値Xが−aからaまで
の間にある領域が不感帯となるのである。
【0051】なお、本実施例においては、「a」の大き
さが、ばね上速度の検出値と相対速度の検出値との位相
差の一般的な値よりやや小さい値に対応するように設定
されており、相対速度の検出値が0となる以前に、ばね
上速度Vの補正値Yを0に補正する状態が解除され、図
19における本来の速度比が正となった後に速度比γの
演算値が0とされてしまうことがないようにされてい
る。正の減衰力を要求される領域では必ず正の減衰力が
発生させられ、制振効果が無駄に犠牲されることがない
ようにされているのである。
【0052】このばね上速度補正における各工程がサブ
ルーチンとして図7にフローチャートで表されている。
本サブルーチンは一回の実行が終了すると、図2のS1
4に移行するが、以下、説明を簡単にするために、本サ
ブルーチンが続けて何回も実行されるものとして説明す
る。
【0053】まず、ばね上速度Vの検出値Xが正から負
に単調に変化する場合を例にとり、説明する。まず、S
51において、検出値Xがa以上であるか否かが判定さ
れる。a以上であると仮定すれば、判定がYESとな
り、S52において、フラグF1もフラグF2も1とさ
れる。その後、S53において、検出値Xがそのまま補
正値Yとされる。以上で本サブルーチンの一回の実行が
終了する。
【0054】その後、S51〜53の実行が繰り返され
るうちに検出値Xが減少し、aより小さくなったと仮定
すれば、S51の判定がNOとなり、S54において、
検出値Xが−a以下となったか否かが判定される。未だ
−aよりは大きいと仮定すれば、判定がNOとなり、S
55において、検出値Xが0以上であるか否かが判定さ
れる。0以上であると仮定すれば、判定がYESとな
り、S56において、フラグF1が0であるか否かが判
定される。現在1であるから、判定がNOとなり、S5
7において、フラグF2が1であるか否かが判定され
る。現在1であるから、判定がYESとなり、S53に
移行し、検出値Xがそのまま補正値Yとされる。以上で
本サブルーチンの一回の実行が終了する。
【0055】その後、S51,54,55,56,57
および53の実行が繰り返されるうちに、検出値Xが0
よりは小さいが−a以下ではない値になったと仮定すれ
ば、S51の判定はNO、S54の判定もNO、S55
の判定もNOとなり、S58において、フラグF1が1
であるか否かが判定される。現在1であるから、判定が
YESとなり、S59において、フラグF2が0とさ
れ、その後、S60に移行し、補正値Yが0とされる。
検出値Xが不感帯に進入したのである。以上で本サブル
ーチンの一回の実行が終了する。
【0056】その後、S51,54,55,58,59
および60の実行が繰り返されるうちに、検出値Xが−
a以下となったと仮定すれば、S51の判定はNO、S
54の判定はYESとなり、S61において、フラグF
1は0、フラグF2は1とされた後、S53に移行し、
検出値Xがそのまま補正値Yとされる。検出値Xが不感
帯から負の向きに退出したのである。以上で本サブルー
チンの一回の実行が終了する。
【0057】次に、検出値Xが負から正に単調に変化す
る場合を例にとり、説明する。検出値Xは現在負である
と仮定すれば、S51の判定はNOとなり、S54にお
いて、検出値Xが−a以下であるか否かが判定される。
−a以下であると仮定すれば、判定がYESとなり、S
61において、フラグF1は0、フラグF2は1とさ
れ、その後、S53において、検出値Xがそのまま補正
値Yとされる。以上で本サブルーチンの一回の実行が終
了する。
【0058】その後、S51,54,61および53の
実行が繰り返されるうちに、検出値Xが−aよりは大き
いが0よりは小さい値になったと仮定すれば、S51の
判定はNO、S54の判定もNO、S55の判定もNO
となり、S58において、フラグF1が1であるか否か
が判定される。現在0であるから、判定がNOとなり、
S62において、フラグF2が1であるか否かが判定さ
れる。現在1であるから、判定がYESとなり、S53
において、検出値Xがそのまま補正値Yとされる。以上
で本サブルーチンの一回の実行が終了する。
【0059】その後、S51,54,55,58,62
および53の実行が繰り返されるうちに、検出値Xが0
以上ではあるがaよりは小さい値になったと仮定すれ
ば、S51の判定はNO、S54の判定もNO、S55
の判定はYESとなり、S56において、フラグF1が
0であるか否かが判定される。現在0であるから、判定
がYESとなり、S63において、フラグF2が0とさ
れ、その後、S60において、補正値Yが0とされる。
以上で本サブルーチンの一回の実行が終了する。
【0060】その後、S51,54,55,56,63
および60の実行が繰り返されるうちに、検出値Xがa
以上となったと仮定すれば、S51の判定がYESとな
り、S52において、フラグF1もF2も1とされた
後、S53において、検出値Xがそのまま補正値Yとさ
れる。以上で本サブルーチンの一回の実行が終了する。
【0061】以上の説明から明らかなように、大振動走
行時に検出値Xが単調に増加または減少する場合には、
検出値Xの符号が反転した直後においてのみ補正値Yが
0に固定されるのであり、検出値Xの符号が反転する直
前においても補正値Yを0に固定する場合に比較して、
乗り心地確保のために制振作用が無駄に犠牲されずに済
むのである。
【0062】特に、このサスペンション制御装置は、シ
ョックアブソーバの減衰係数を変化させるセミアクティ
ブ型であって、原理上、負の減衰力を発生させることが
できない形式であるから、検出値Xの符号が反転する直
後、すなわち、本来の速度比が負となる期間に補正値Y
を0としても、制振効果の損失はない。
【0063】次に、検出値Xが正から負に単調に変化し
て不感帯に進入した後、逆に正に向かって変化してその
不感帯から正の向きに退出する場合を例にとり、説明す
る。
【0064】検出値Xは最初、a以上であると仮定すれ
ば、S51の判定がYESとなり、S52において、フ
ラグF1もF2も1とされ、S53において、検出値X
がそのまま補正値Yとされる。
【0065】検出値Xはその後、aよりは小さいが0以
上である値となったと仮定すれば、S51の判定はN
O、S54の判定もNO、S55の判定はYESとな
り、S56において、フラグF1が0であるか否かが判
定される。現在1であるから、判定がNOとなり、S5
7において、フラグF2が1であるか否かが判定され
る。現在1であるから、判定がYESとなり、S53に
おいて、検出値Xがそのまま補正値Yとされる。
【0066】検出値Xはその後、−aよりは大きいが0
よりは小さい値となったと仮定すれば、S55の判定が
NOとなり、S58において、フラグF1が1であるか
否かが判定される。現在1であるから、判定がYESと
なり、S59において、フラグF2が0とされた後、S
60において、補正値Yが0とされる。
【0067】検出値Xはその後、増加に転じ、0以上で
はあるがaよりは小さい値となったと仮定すれば、S5
5の判定がYESとなり、S56において、フラグF1
が0であるか否かが判定される。現在1であるから、判
定がNOとなり、S57において、フラグF2が1であ
るか否かが判定される。現在0であるから、判定がNO
となり、S60において、補正値Yが0とされる。検出
値Xの0からの増加が無視されることになるのである。
【0068】検出値Xはその後、減少に転じ、0よりは
小さいが−aよりは大きい値となったと仮定すると、S
55の判定がNOとなり、S58において、フラグF1
が1であるか否かが判定される。現在1であるから、判
定がYESとなり、S59において、フラグF2が0と
された後、S60において、補正値Yが0とされる。
【0069】検出値Xはその後、さらに減少し、−a以
下となったと仮定すれば、S54の判定がYESとな
り、S61において、フラグF1は0、F2は1とされ
た後、S53において、検出値Xがそのまま補正値Yと
される。
【0070】以上の説明から明らかなように、小振動走
行時に、検出値Xが不感帯に進入した後にその不感帯か
ら退出する場合には、検出値Xの絶対値がaを超えない
限り、検出値Xがいずれの方向に変化する場合でも、補
正値Yが0に固定されるのであり、これにより小振動走
行時に減衰係数cが頻繁に変化させられる、いわゆる減
衰係数制御のハンチングが抑制され、乗り心地が確保さ
れる。
【0071】例えば、ばね上速度Vの検出値Xが図8の
上側にグラフで表すように変化する場合には、補正値Y
は同図の下側にグラフで表すように変化することとな
る。
【0072】以上のようにしてばね上速度Vに対して補
正が行われた後、図2のS14に移行する。このS14
においては、各車輪の相対速度vS に不感帯を設定する
ことによって相対速度vS が補正される。
【0073】この相対速度補正は、図9にグラフで表す
ように、検出値Xが正および負の一方の領域から他方の
領域に向かってそれぞれ単調に変化する際に、 検出
値Xの符号が反転する前は、(i) 検出値Xの絶対値が第
三設定値(図においてはb)より大きい間は、検出値X
をそのまま補正値Yとし、(ii)第三設定値以下となれ
ば、補正値Yを第三設定値に固定し、一方、 検出値
Xの符号が反転した後は、(i) 検出値Xの絶対値が第三
設定値を超えない間は、補正値Yをそれの絶対値は第三
設定値のままで符号のみを反転し、(ii)超えた後は、検
出値Xをそのまま補正値Yとする処理を含んでいる。
【0074】さらに、検出値Xが、補正値Yが0と正の
第三設定値との間にある正側不感帯または0と負の第三
設定値との間にある負側不感帯に進入した後、第三設定
値を超えることなく現時点までの変化方向とは逆の方向
に変化して各不感帯から退出する場合には、検出値Xの
絶対値が第四設定値(図においてはb)を超えない間
は、補正値Yを固定する処理をも含んでいる。
【0075】すなわち、本実施例においては、検出値X
の符号が反転した後は、検出値Xがいずれの方向に変化
した場合でも、検出値Xの絶対値がbを超えない限り、
補正値Yがbまたは−bに固定されるのである。
【0076】この相対速度補正における各工程がサブル
ーチンとして図10にフローチャートで表されている。
本サブルーチンは一回の実行が終了すると、図2のS1
5に移行するが、以下、説明を簡単にするために、本サ
ブルーチンが続けて何回も実行されるものとして説明す
る。
【0077】まず、検出値Xが正から負に単調に変化す
る場合を例にとり、説明する。まず、S81において、
検出値Xがb以上であるか否かが判定される。b以上で
あると仮定すれば、判定がYESとなり、S82におい
て、フラグF3もフラグF4も1とされる。その後、S
83において、検出値Xがそのまま補正値Yとされる。
以上で本サブルーチンの一回の実行が終了する。
【0078】その後、S81〜83の実行が繰り返され
るうちに検出値Xが減少し、bより小さくなったと仮定
すれば、S58の判定がNOとなり、S58において、
検出値Xが−b以下となったか否かが判定される。−b
より大きいと仮定すれば、判定がNOとなり、S85に
おいて、検出値Xが0以上であるか否かが判定される。
0以上であると仮定すれば、判定がYESとなり、S8
6において、フラグF3が0であるか否かが判定され
る。現在1であるから、判定がNOとなり、S87にお
いて、フラグF4が1であるか否かが判定される。現在
1であるから、判定がYESとなり、S88において、
補正値Yの値がbとされる。検出値Xが右側の不感帯に
進入したのである。以上で本サブルーチンの一回の実行
が終了する。
【0079】その後、S81,84,85,86,87
および88の実行が繰り返されるうちに、検出値Xが0
より小さくなったと仮定すれば、S85の判定がNOと
なり、S89において、フラグF3が1であるか否かが
判定される。現在1であるから、判定がYESとなり、
S90において、フラグF4が0とされ、その後、S9
1において、補正値Yが−bとされる。検出値Xが正側
の不感帯から負側の不感帯に進入し、補正値Yの符号が
反転されるのである。以上で本サブルーチンの一回の実
行が終了する。
【0080】その後、S81,84,85,89,8
9,90および91の実行が繰り返されるうちに、検出
値Xが−b以下となったと仮定すれば、S84の判定が
YESとなり、S92において、フラグF3は0、フラ
グF4は1とされた後、S83に移行し、検出値Xがそ
のまま補正値Yとされる。検出値Xが負側の不感帯から
負の向きに退出したのである。以上で本サブルーチンの
一回の実行が終了する。
【0081】次に、検出値Xが負から正に単調に変化す
る場合を例にとり、説明する。検出値Xは現在負である
と仮定されているから、S81の判定はNOとなり、S
84において、検出値Xが−b以下であるか否かが判定
される。今回はそうであると仮定すれば、判定がYES
となり、S92において、フラグF3は0、フラグF4
は1とされ、その後、S83において、検出値Xがその
まま補正値Yとされる。以上で本サブルーチンの一回の
実行が終了する。
【0082】その後、S81,84,92および83の
実行が繰り返されるうちに、検出値Xが−bよりは大き
いが0以下である値となったと仮定すれば、S84の判
定はNO、S85の判定もNOとなり、S89におい
て、フラグF3が1であるか否かが判定される。現在0
であるから、判定がNOとなり、S93において、フラ
グF4が1であるか否かが判定される。現在1であるか
ら、判定がYESとなり、S91において、補正値Yが
−bとされる。検出値Xが負側の不感帯に進入したので
ある。以上で本サブルーチンの一回の実行が終了する。
【0083】その後、S81,84,85,89,93
および91の実行が繰り返されるうちに、検出値Xが0
以上ではあるがbよりは小さい値となったと仮定すれ
ば、S85の判定がYESとなり、S86において、フ
ラグF3が0であるか否かが判定される。現在0である
から、判定がYESとなり、S94において、フラグF
4が0とされ、その後、S88において、補正値Yがb
とされる。検出値Xが負側の不感帯から正側の不感帯に
進入し、補正値Yの符号が反転されるのである。以上で
本サブルーチンの一回の実行が終了する。
【0084】その後、S81,84,85,86,94
および88の実行が繰り返されるうちに、検出値Xがb
以上となったと仮定すれば、S81の判定がYESとな
り、S82において、フラグF3もF4も1とされた
後、S83において、検出値Xがそのまま補正値Yとさ
れる。検出値Xが正側の不感帯から正の向きに退出した
のである。以上で本サブルーチンの一回の実行が終了す
る。
【0085】以上の説明から明らかなように、相対速度
S は、0となることを回避されるとともに一定値以上
には0に近づかないようにされ、それが分母となる速度
比γが急変することを抑制されるようにされているので
ある。
【0086】次に、検出値Xが減少して正側の不感帯に
進入し、さらに減少して負側の不感帯に進入した後、逆
に正に向かって変化して負側の不感帯から退出する場合
を例にとり、説明する。
【0087】検出値Xは最初、b以上であると仮定すれ
ば、S81の判定がYESとなり、S82において、フ
ラグF3もF4も1とされ、S83において、検出値X
がそのまま補正値Yとされる。
【0088】検出値Xはその後、bよりは小さいが0以
上である値となったと仮定すれば、S81の判定はN
O、S84の判定もNO、S85の判定はYESとな
り、S86において、フラグF3が0であるか否かが判
定される。現在1であるから、判定がNOとなり、S8
7において、フラグF4が1であるか否かが判定され
る。現在1であるから、判定がYESとなり、S88に
移行し、補正値Yはbとされる。
【0089】検出値Xはその後、−bよりは大きいが0
よりは小さい値となったと仮定すれば、S85の判定が
NOとなり、S89において、フラグF3が1であるか
否かが判定される。現在1であるから、判定がYESと
なり、S90において、フラグF4が0とされた後、S
91に移行し、補正値Yが−bとされる。
【0090】検出値Xはその後、増加に転じ、0以上で
はあるがbよりは小さい値となったと仮定すれば、S8
5の判定がYESとなり、S86において、フラグF3
が0であるか否かが判定される。現在1であるから、判
定がNOとなり、S87において、フラグF4が1であ
るか否かが判定される。現在0であるから、判定がNO
となり、S91に移行し、補正値Yが−bとされる。
【0091】以上の説明から明らかなように、小振動走
行時に相対速度vS の補正値Yが0でない一定値に固定
され、これにより、減衰係数制御のハンチングが抑制さ
れるようにされているのである。
【0092】例えば、相対速度vS の検出値Xが、図1
1の上側にグラフで表すように変化する場合には、補正
値Yは同図の下側にグラフで表すように変化することに
なる。
【0093】続いて、図2のS15が実行される。この
S15においては、ばね上速度Vの補正値を相対速度v
S の補正値で割り算することによって速度比γが演算さ
れる。
【0094】その後、S16において、路面からタイヤ
に入力される振動の特性に基づき、路面がうねり路,悪
路(例えば、路面の凹凸が激しい路面),複合路(うね
り路と悪路とが複合したもの)および良路(実質的に平
坦な路面)のいずれにあるかが判別され、その結果に応
じてスカイフック減衰係数c’の今回値が設定される。
【0095】路面状態の判別は例えば、4個の車輪のば
ね上加速度α,相対速度vS 等の車両状態信号の周波数
特性を検出して行うことができる。例えば、車両状態信
号から低周波成分(例えば、約3Hz以下)および高周波
成分(例えば、約3Hz以上)をそれぞれ抽出し、低周波
成分の強度が基準値より大きく、かく高周波成分の強度
が基準値より小さい場合にはうねり路と判定し、低周波
成分の強度が基準値より小さく、かつ高周波成分の強度
が基準値より大きい場合には悪路と判定し、低周波成分
の強度が基準値より大きく、かつ高周波成分の強度も基
準値より大きい場合には複合路と判定し、低周波成分の
強度が基準値より小さく、かつ高周波成分の強度も基準
値より小さい場合には良路と判定することができる。
【0096】また、路面状態の種類とスカイフック減衰
係数c’との関係は例えば次のように設定することがで
きる。すなわち、うねり路,複合路,良路および悪路の
順に小さくなるように設定することができるのである。
この関係はROM62に予め記憶される。
【0097】続いて、S17において、以上のようにし
て決定された速度比γとスカイフック減衰係数c’の積
として目標減衰係数c* の今回値が決定される。その
後、S18において、ROM62に予め記憶された目標
減衰係数c* とショックアブソーバ54の弁開度との関
係に従い、目標減衰係数c* の今回値に対応する弁開度
が決定される。目標減衰係数c* と弁開度との関係は、
図5にグラフで表されている。このグラフにおいて、
「ハード」とは、実減衰係数cが最大となって乗り心地
が最も硬い状態を意味し、一方、「ソフト」とは、実減
衰係数cが最小となって乗り心地が最も柔らかい状態を
意味する。本実施例においては、アクチュエータ52
が、ショックアブソーバ54の減衰力特性がハードとな
る作動位置とソフトとなる作動位置との間において実質
的に連続的に作動可能とされていて、減衰係数cが連続
的に変化させられるようになっている。
【0098】さらに、本ステップにおいては、この目標
減衰係数c* の今回値を実現するのに適した駆動信号が
駆動回路50を経てアクチュエータ52に供給される。
以上でこの減衰係数制御ルーチンの一回の実行が終了す
る。
【0099】なお、本実施例においては、設定値aおよ
びbがともに固定値とされていたが、例えば路面状態に
応じて変化する可変値とすることもできる。例えば、前
記のようにして路面状態を判別し、例えば、悪路である
と判定する場合において良路であると判定する場合よ
り、設定値aおよびbの値が小さくされ、減衰係数制御
の頻度増加を許すようにして実施することも可能であ
る。
【0100】また、本実施例においては、ばね上速度V
の補正値Yを0とする状態から検出値Xをそのまま補正
値Yとする状態に移行する際、補正値Yが不連続的に変
化することが許容されるようになっていたが、例えば、
その移行の際に例えば一次遅れ処理を行って補正値Yが
連続的に変化し、補正値Yが緩やかに検出値Xに近づく
ようにして各請求項の発明を実施することも可能であ
る。このようにすれば、減衰係数cの急変が防止されて
乗り心地が一層向上する。
【0101】また、本実施例は、請求項1および2の発
明をセミアクティブ型のサスペンション制御装置に適用
した場合の一例であったが、それら請求項1または2の
発明は例えばフルアクティブ型のサスペンション制御装
置に適用することもできる。すなわち、サスペンション
機構を、液圧源,電磁バルブおよびシリンダを主体とす
るアクティブ型とし、かつ、コントローラを、その電磁
バルブを制御することによってサスペンション制御を行
うフルアクティブ型とすることができるのである。
【0102】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ばね上加速度センサ30および積分回路3
4が各請求項1ないし5の各発明における「ばね上速度
検出手段」の一例を構成し、相対変位センサ32および
微分回路36が「相対速度検出手段」の一例を構成し、
コントローラ40が「コントローラ」の一例を構成し、
コントローラ40の図2のS13を実行する部分が請求
項1,2または5の各発明における「第一特性変化禁止
手段」,請求項3または5の各発明における「第二特性
変化禁止手段」,請求項3ないし5の各発明における
「第一ばね上速度補正手段」および請求項4または5の
各発明における「第二ばね上速度補正手段」のそれぞれ
の一例を構成しているのである。
【0103】以上、各請求項の発明を実施例に基づいて
具体的に説明したが、特許請求の範囲を逸脱することな
く、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様でそれら各請求項の発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各請求項の発明の一実施例であるサスペンショ
ン制御装置の電気的な構成を示すシステム図である。
【図2】図1におけるROMに記憶されている減衰係数
制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】サスペンション機構の振動モデルを示す図であ
る。
【図4】そのサスペンション機構におけるショックアブ
ソーバをスカイフックダンパに置換した場合の振動モデ
ルを示す図である。
【図5】図1におけるROMに記憶されている目標減衰
係数c* とショックアブソーバの弁開度との関係を示す
グラフである。
【図6】図2のS13によりばね上速度Vの検出値Xが
補正される様子を説明するためのグラフである。
【図7】そのS13の内容を詳細に示すフローチャート
である。
【図8】そのS13の効果を説明するためのグラフであ
る。
【図9】図2のS14により相対速度vS の検出値Xが
補正される様子を説明するためのグラフである。
【図10】そのS14の内容を詳細に示すフローチャー
トである。
【図11】そのS14の効果を説明するためのグラフで
ある。
【図12】本発明に先立って本出願人が提案したばね上
速度補正技術の内容を説明するためのグラフである。
【図13】請求項1の発明の構成を概念的に示す図であ
る。
【図14】請求項2の発明の構成を概念的に示す図であ
る。
【図15】請求項3の発明の構成を概念的に示す図であ
る。
【図16】請求項4の発明の構成を概念的に示す図であ
る。
【図17】請求項5の発明の構成を概念的に示す図であ
る。
【図18】ばね上速度の検出値と相対速度の検出値と本
来の速度比との一般的な関係を説明するためのグラフで
ある。
【図19】本出願人が本発明に先立って提案したばね上
速度補正技術の問題点を説明するためのグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のばね上部材の車両上下方向における
    速度であるばね上速度を検出するばね上速度検出手段
    と、 前記車両のばね上部材とばね下部材との車両上下方向に
    おける相対変位の変化速度である相対速度を検出する相
    対速度検出手段と、 前記ばね上速度の前記相対速度に対する比率である速度
    比に基づき、前記ばね上部材とばね下部材とを連結する
    サスペンション機構のサスペンション特性を制御するコ
    ントローラとを含むサスペンション制御装置において、 前記コントローラに、 前記ばね上速度の検出値が正および負の一方の領域から
    他方の領域に向かってそれぞれ単調に変化する際に、検
    出値が0になってからそれの絶対値が第一設定値を超え
    るまで前記サスペンション特性の変化を禁止する第一特
    性変化禁止手段を設けたことを特徴とするサスペンショ
    ン制御装置。
  2. 【請求項2】前記コントローラが、さらに、 前記ばね上速度の検出値が、前記第一特性変化禁止手段
    によってサスペンション特性の変化が禁止される不感帯
    に進入した後、絶対値が前記第一設定値を超えることな
    く現時点までの変化方向とは逆の方向に変化してその不
    感帯から退出する場合には、その不感帯への進入時から
    検出値の絶対値が第二設定値を超えるまでサスペンショ
    ン特性の変化を禁止する第二特性変化禁止手段を含む請
    求項1記載のサスペンション制御装置。
  3. 【請求項3】前記第一特性変化禁止手段が、 前記ばね上速度の検出値が正および負の一方の領域から
    他方の領域に向かってそれぞれ単調に変化する際に、検
    出値が0になるまでは検出値をそのまま補正ばね上速度
    とするが、検出値が0になってからそれの絶対値が前記
    第一設定値を超えるまでは補正ばね上速度を0に固定
    し、超えた後は検出値をそのまま補正ばね上速度とする
    第一ばね上速度補正手段である請求項1または2記載の
    サスペンション制御装置。
  4. 【請求項4】前記第二特性変化禁止手段が、 前記ばね上速度の検出値が、前記第一ばね上速度補正手
    段によって補正ばね上速度が0に固定される不感帯に進
    入した後、絶対値が前記第一設定値を超えることなく現
    時点までの変化方向とは逆の方向に変化してその不感帯
    から退出する場合には、その不感帯への進入時から検出
    値の絶対値が第二設定値を超えるまで補正ばね上速度を
    0に固定する第二ばね上速度補正手段である請求項3記
    載のサスペンション制御装置。
  5. 【請求項5】前記サスペンション機構が、ショックアブ
    ソーバ,それの減衰係数を変化させるアクチュエータお
    よびスプリングを主体とするパッシブ型であり、 前記コントローラが、そのアクチュエータを制御するこ
    とによって前記サスペンション特性としての減衰係数の
    制御を行うセミアクティブ型である請求項1ないし4の
    いずれかに記載のサスペンション制御装置。
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