JPH0711591U - 紙製の搬送用トレー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、衝撃に対して弱い物品の搬送用トレ
ーであって、安価に製造でき、しかも物品に対する緩衝
機能を有する載置部を形成し、使用しなくなった場合も
焼却等の廃棄処理が簡単にできる紙製の搬送用トレーを
提供する。 【構成】把手付トレー(10)と蛇腹状の中仕切り(20)と、
前面板(32)に略三角形状の係合孔(31)を設けた直方体形
状の係合ボックス(30)とからなる紙製の搬送用トレーで
あって、前記蛇腹状の中仕切り(20)における各断面三角
形状の頂部(22)間のＶ字状に相対する各傾斜板(27)に、
切り込み(26)による挿入孔(23)と支持片(24)を設け、該
各頂部(22)両端に係合片(21)を設け、この係合片を前記
係合ボックス(30)における係合孔(31)に挿入係止して、
該各頂部(22)両端を固定して、前記把手付トレー(10)に
載置した紙製の搬送用トレーである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、衝撃に対して弱い物品、例えばガラス製品、ガラス製の電気部品等 を多数収納し、移動や搬送の際に物品の支持及び保護をする緩衝機能を有する紙 製の搬送用トレーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、衝撃に弱い物品、例えばガラス製品、ガラスを使用した電気部品（ 電球、蛍光灯、撮像管等）を移動したり搬送する場合、この物品を個々に分けそ れぞれをクッション材等により包み、緩衝機能を持たせて箱詰め等を行って破損 を防止していることは一般的に行われている。

【０００３】 しかしながら、これらの物品を製造する製造ラインや工場内の工程間の移動や 搬送の場合は、多数の中間製品或いは完成品をある程度まとめて搬送、移動する ことが日常行われている。このため個々の包装はおこなわず、例えばアルミニュ ウム製のトレーや発泡スチロール製のトレー状の容器（図示はしない）内に物品 の形状に合わせた載置部を設け、この所に中間製品、完成品を入れて移動や搬送 が行われている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した従来のアルミニュウムや発泡スチロール製のトレー状 の搬送用容器は、移動や搬送の場合に嵩張り、多くの段数に積載すると重量が増 えて移動や搬送がしにくくなり、しかも保管などの際に大きなスペースを必要と した。また、容器内に物品の形状に合わせて載置部を形成しなければならず、多 種類のトレー状容器を保有することが必要となる。また、これらの上述した容器 における載置部は、出来るだけ物品が動かないような形状にするだけで緩衝機能 をもたせることが難しいために衝撃等に弱く、物品の衝撃等による破損の発生も 高く、更に、使用しなくなった場合、特に、発泡スチロール製の容器の廃棄が難 しく廃棄処理問題も生じている。

【０００５】 そこで本考案は、衝撃に弱い物品の搬送用トレーであって、安価に製造でき、 しかも物品に対する緩衝機能を有する載置部を形成し、使用しなくなった場合も 焼却等の廃棄処理が簡単にできる紙製の搬送用トレーを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

課題を解決するために本考案は、底面板(11)の上下縁に設けた内側板(12)と外 側板(12a) からなる二重壁面上部に係止片(14)と下部に係止孔(17)を設けて、該 底面板(11)左右縁には把手(15)を有する側板(13)を折り立てた略矩形状の把手付 トレー(10)と、所定数の山折目線(25a) と谷折目線(25b) を設け、各々の折目線 から山折り、谷折りして所定数の断面三角形状の空間と頂部(22)を設け、該各々 の頂部(22)両端に係合片(21)を設けた蛇腹状の中仕切り(20)と、前面板(32)に所 定数の略三角形状の係合孔(31)を設けた直方体形状の係合ボックス(30)とからな る紙製の搬送用トレーであって、前記蛇腹状の中仕切り(20)における各頂部(22) 間の各断面三角形状の相対する傾斜板(27)に、切り込みによる所定数の挿入孔(2 3)と支持片(24)を設け、該各頂部(22)両端の係合片(21)を、前記係合ボックス(3 0)における係合孔(31)に挿入係止して該各断面三角形状の頂部(22)両端を固定し て、前記把手付トレー(10)に載置したことを特徴とする紙製の搬送用トレーであ る。

【０００７】

【作用】

本考案の紙製の搬送用トレーは、壊れ易い物品、例えばガラス製品、ガラスを 使用した電気部品等を製造工程間或いは工場内での移動のための搬送用トレーで あって、この搬送用トレーにおける物品の載置部となる蛇腹状の中仕切り(20)が 、所定数の山折目線(25a) と谷折目線(25b) を交互にジグザグ折りして、所定数 の断面三角形状の空間と所定数の頂部(22)を設け、この各頂部(22)の両端に係合 片(21)を設け、各々の頂部(22)に挟まれた断面三角形状の相対する各傾斜板(27) に、切り込みによる所定数の支持片(24)を設けて、前記蛇腹状の中仕切り(20)に おける係合片(21)を係合ボックス(30)の係合孔(31)に挿入係止することで、各々 の頂部(22)の両端が固定されて、この中仕切り(20)における挿入孔(23)と支持片 (24)上に物品を嵌め込むことで物品が固定され、且つ、各頂部(22)間に挟まれた 傾斜板(27)が形成する、断面三角形状の空間によって生ずる弾力性と各頂部(22) の剛性により緩衝機能が生じて物品を保護する。

【０００８】

【実施例】

図に基づき本考案の実施例を説明する。 図１は、本考案の実施例における完成した紙製の搬送用トレーの一例を示す斜 視図である。図中１の、符号(10)は把手付トレーであり、符号(20)は蛇腹状の中 仕切りで、符号(30)は係合ボックスを示す。 また、図２は、各構成部材による紙製の搬送用トレーの組立図である。また、 図３は、Ａ−Ａの部分断面図であり、図４は、Ｂ−Ｂの部分断面図であり、搬送 用トレーを積み重ねた状態を示す。図５は、物品を傾斜板に設けた挿入孔と支持 片に嵌め込んだ部分斜視図（Ａ）であり、嵌め込んだ状態を示す部分断面図（Ｂ ）である。また、図６は、蛇腹状の中仕切りのブランク板(20a) を示し、図７は 、係合ボックスのブランク板(30a) を示し、図８は、把手付トレーのブランク板 (10a) の一例を示すものである。

【０００９】 図２に示す、折り曲げられた蛇腹状の中仕切り(20)は、図６に示すブランク板 (20a) から組み立てられたもので、略矩形状の厚紙を裁断し、縦方向に所定数の 山折目線(25a) と谷折目線(25b) を交互に設け、各谷折目線(25b) を挟んで相対 する傾斜板(27)を設けたものである。この各々の傾斜板(27)には、各谷折目線(2 5b) を挟んで大小のコ字状及び逆コ字状の切込み線(26)を相対して配置し、各折 目線から交互にジグザグ折りした際に挿入孔(23)及び支持片(24)となるものであ る。 また、各山折目線(25a) の両端（図６においては上下端）には係合片(21)を設 けて、中仕切り(20)のブランク板(20a) とした。このブランク板(20a) の山折目 線(25a) と谷折目線(25b) を交互に山折りと谷折りを繰り返すと、図２に示す蛇 腹状の中仕切り(20)となる。

【００１０】 図７は、係合ボックス(30)のブランク板(30a) を示すもので、前面板(32)の上 下縁には折目線を介して天面板(34)と底板(35)を連設し、天面板(34)には折目線 を介して後面板(33)とのり代(36)を配置して、前記前面板(32)の左右側縁には蓋 板(37,37) を設けたもので、この前面板(32)の上縁に先端が接するように切り欠 いた略三角形状の係合孔(31)を設けたものである。 この組立は、各折目線から折り曲げて底板(35)にのり代(36)を貼り付け蓋板(3 7,37) を閉じることで、図２に示すような、直方体形状の係合ボックス(30)とな る。

【００１１】 図８は、把手付トレー(10)のブランク板(10a) を示すもので、底面板(11)の上 下縁に折目線(e,e) を介して外側板(12a,12a) と、折目線(f,f) の間に天板(16, 16) と、この天板を介して係止突起(n,n,n,n) を有する内側板(12,12) を配置し 、前記折目線(e,e) 両端部線上で、且つ、底面板(11)と外側板(12a,12a) に亘っ て切り欠いて係止孔(17,17,17,17) を設け、更に、外側板(12a,12a) の外側縁で 、且つ、前記係止孔(17,17,17,17) と係止突起(n,n,n,n) とに挟まれた位置に、 天板(16,16) と内側板(12,12) とに亘って、切り込みによる係止片(14,14,14,14 ) を設けたものである。一方、前記底面板(11)の左右側縁には、折目線(g,g) を 介して側板(13,13) を配し、この側板(13,13) の中央部に把手(15,15) と側板(1 3,13) の上下端には折り込み片(T,T,T,T) を連設したものである。 この組立は、側板(13,13) を折り立て、折り込み片(T,T,T,T) を内側に折り曲 げて、この折り込み片を包むように内側板(12,12) を内側に折り曲げて、係止突 起(n,n,n,n) を係止孔(17,17,17,17) に嵌め込むことで、図２に示すような、４ 箇所に係止片(14,14,14,14) が起立した把手付トレー(10)ができる。

【００１２】 これら各部材からなる搬送用トレーの組立は、図２に示すように、蛇腹状の中 仕切り(20)における各々の係合片(21,21) を、両側方からの係合ボックス(30)の 前面板(32)に設けた係合孔(31)に挿入係止すると、この蛇腹状の中仕切り(20)の 各頂部(22)両端の係止片(21,21) が、係止孔(31)の中で広がって固定される。こ の中仕切りを組立られた前記把手付トレー(10)に載置することで、図１に示す紙 製の搬送用トレーが出来上がる。

【００１３】 この紙製の搬送用トレーは、図３のＡ−Ａ部分断面図に示すように、中仕切り (20)の係止片(21)が係合ボックス(30)により固定され、トレーに載置することで 物品をしっかりと保持すると共に、緩衝機能を有する搬送用トレーとなる。

【００１４】 また、図４のＢ−Ｂ部分断面図に示すように、数段重ねることが可能であり、 起立した４箇所の係止片(14,14,14,14) が上段に重ねた把手付トレー(10)の係止 孔(17,17,17,17) に挿入係止されるので、横滑り等による搬送トレーのずれ落ち が発生しない。

【００１５】 本実施例においては、図５に示すように、蛇腹状の中仕切り(20)の各傾斜板(2 7)に設けた切り込みによる挿入孔(23)と支持片(24)は、収納する物品（本実施例 においては撮像管）に合わせた形状としたもので、撮像管の前部と後部が傾斜板 (27)に設けた挿入孔(23)に嵌め込まれ支持片(24)により支えられて、断面三角形 状の空間と相対するＶ字状の傾斜板により緩衝機能が生じて、この撮像管をしっ かりと保持し保護する。

【００１６】 尚、切り込みによる挿入孔(23)の形状は、これに限定されるものではなく切り 込みの形状を変えることで各種の物品を載置し保持することが可能である。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の紙製の搬送用トレーは、軽量で嵩張らず、しかも把手が設けられてい るので持ち運びが容易であると共に、起立した４箇所の係止片によりスタッキン グ性を有するので、ずれ落ち等がなくしっかりと保持することができる。また、 搬送用トレーにおける物品の載置部となる蛇腹状の中仕切りにおいては、Ｖ字状 に相対する各傾斜板と各断面三角形状の空間と、各々の頂部とによって十分な緩 衝機能を発揮することができるので、載置する物品を保持すると共に、少々の衝 撃があっても物品を破損から守ることができる。また、この搬送用トレーは中仕 切りの切り込み形状を変更するだけで、数種にわたる収納する物品の形状に対応 することができる。 更に、副次的効果として、紙製なので廃棄処理の際、焼却などが可能となり簡 単に処分することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例における紙製の搬送用トレーの
一例を示す斜視図である。

【図２】各構成部材による紙製の搬送用トレーの組立図
である。

【図３】紙製の搬送用トレーのＡ−Ａ部分断面図であ。

【図４】紙製の搬送用トレーのＢ−Ｂ部分断面図であり
搬送用トレーの積み重ねた状態を示す。

【図５】中仕切りにおける傾斜板の挿入孔に物品を嵌め
込んだ部分斜視図（Ａ）と、嵌め込んだ状態を示す部分
断面図（Ｂ）である。

【図６】蛇腹状の中仕切りのブランク板である。

【図７】係合ボックスのブランク板である。

【図８】把手付トレーのブランク板である。

【符号の説明】

１０…把手付トレー １０ａ…トレーブランク １１…
底面板 １２…内面板 １２ａ…外側板 １３…側板 １４…係
止片 １５…把手 １６…天板 １７…係止孔 ２０…蛇腹状の中仕切り
２０ａ…中仕切りのブランク板 ２１…係合片 ２２…
頂部 ２３…挿入孔 ２４…支持片 ２５ａ…山折目線 ２５ｂ…谷折目線 ２６…切込み線
２７…傾斜板 ２８…外側面板 ３０…係合ボックス ３０ａ…係合ボ
ックスのブランク板３１…係合孔 ３２…前面板 ３３
…後面板 ３４…天面板 ３５…底板 ３６…のり代 ３７…蓋板 ｅ，ｆ，ｇ…折目線 ｎ…
係止突起 Ｔ…折り込み片

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｄ 85/00 Ｐ 8111−3Ｅ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】底面板(11)の上下縁に設けた内側板(12)と
   外側板(12a) からなる二重壁面上部に係止片(14)と下部
   に係止孔(17)を設けて、該底面板(11)左右縁には把手(1
   5)を有する側板(13)を折り立てた略矩形状の把手付トレ
   ー(10)と、所定数の山折目線(25a) と谷折目線(25b) を
   設け、各々の折目線から山折り、谷折りして所定数の断
   面三角形状の空間と頂部(22)を設け、該各々の頂部(22)
   両端に係合片(21)を設けた蛇腹状の中仕切り(20)と、前
   面板(32)に所定数の略三角形状の係合孔(31)を設けた直
   方体形状の係合ボックス(30)とからなる紙製の搬送用ト
   レーであって、前記蛇腹状の中仕切り(20)における各頂
   部(22)間の各断面三角形状の相対する傾斜板(27)に、切
   り込みによる所定数の挿入孔(23)と支持片(24)を設け、
   該各頂部(22)両端の係合片(21)を、前記係合ボックス(3
   0)における係合孔(31)に挿入係止して該各断面三角形状
   の頂部(22)両端を固定して、前記把手付トレー(10)に載
   置したことを特徴とする紙製の搬送用トレー。