JPH07102866B2 - 易開封性密封容器 - Google Patents

易開封性密封容器

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JPH07102866B2
JPH07102866B2 JP32011787A JP32011787A JPH07102866B2 JP H07102866 B2 JPH07102866 B2 JP H07102866B2 JP 32011787 A JP32011787 A JP 32011787A JP 32011787 A JP32011787 A JP 32011787A JP H07102866 B2 JPH07102866 B2 JP H07102866B2
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heat
resin
layer
container
sealing
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仁一 矢崎
弘三郎 坂野
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Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、易開封性密封容器に関するもので、より詳細
には、容器内部側からの開栓に対しては著しく大きい耐
圧密封力を有するとともに、キャップの一端部からの開
栓時には指による力で開栓が容易に行われ、しかもリシ
ールが困難であることから、内容物に手が加えられてお
らず、その品質を保証する機能を有する密封容器に関す
る。
(従来の技術) 従来、容器の口部にピーラブル蓋(易開封性蓋)をヒー
トシールした易開封性容器と呼ばれるものが知られてい
る。この容器は、アミル箔等の金属箔の外面に保護樹脂
被覆を設け、その内面にヒートシール性樹脂内面材を設
けたものであり、容器口部と蓋とのシール強度を剥離性
接着と呼ばれる0.05乃至2kg/mm巾の範囲に調節したもの
である。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上述したピーラブル蓋は、その機能上可
撓性であり、蓋材自体の機械的強度が十分でなく、これ
を外部からの破壊力から保護しようとすると、外蓋を別
個に被せなければならないという煩わしさがある。
また、容器口部と蓋とのシール強度も、ヒートシール温
度によって変化したり、内容物の加熱殺菌を行なう場合
には、この加熱殺菌によってもシール強度が変動する
等、一定のシール強度(開栓力)のものを得がたいとい
う問題がある。
特にヒートシール包装体の内、内容物をレトルト殺菌し
たものでは内側から2.3Kg/mm巾以上のシール強度(剥離
強度)を有することが義務づけられているが、このよう
な要求を満足するピーラブル蓋は、ヒートシール部を破
壊して開封を行なうタイプのものでは、未だ実用に供せ
られるに至っていない。
従って、剛性のある外殻を備え、しかもヒートシールに
よる密栓が行われ且つ指による開栓も容易に行われるキ
ャップは当業界において大いに望まれているものであ
る。
従って、本発明の目的は、剛性のある外殻の内面側にヒ
ートシール性を有する積層体を備えたキャップを口部に
ヒートシールした密封容器の開封に際して、容器内部側
から開栓に対しては著しく大きい耐圧密封力を有すると
共に、キャップの一端部からは指による力で開栓が容易
に行われ、しかもリシールが困難であることから内容物
の品質保証機能をも有するヒートシールキャップを提供
するにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば、内面側にヒートシール層を有するキャ
ップと、口部にヒートシール性のコーティング層を有す
る容器とをヒートシールにより密封して成る易開封性密
封容器において、前記キャップは、(a)一体に形成さ
れた頂板部、周辺部及び周辺部の少なくとも一部に設け
られた開封用フランジ乃至タブを備えて剛性のある樹脂
製外殻と;(b)外殻の頂板部内側に接合された積層体
であって、殻体側から内面側に向けて、ヒートシール接
着用樹脂層、基材金属箔、中間樹脂層、弱化層及びヒー
トシール用樹脂内面材から成るものとを備え、前記弱化
層は中間層樹脂とヒートシール用樹脂とのブレンド物か
ら成り、且つヒートシール用樹脂内面材はブレンド物弱
化層に比して薄く形成されていることを特徴とするフラ
ンジ乃至タブの指による持上げで開封可能な密封容器が
提供される。
(作用) 本発明の易開封性密封容器の一例を示す第1図におい
て、容器Bは、筒状の胴部1、下端の底部2、上端の肩
部3及び首部4を有している。首部4の上方開口端は密
封用口部5となっており、この口部5にコートされたコ
ーティング層6と、その上に被蓋されたキャップCの積
層体7との間にヒートシールが行われ、容器の密封がな
される。
この容器のヒートシール部の断面構造を拡大して示す第
2図及び第3図において、キャップCの積層体7とコー
ティング層6とは、これらの係合全面にわたって、ヒー
トシール層16を介してヒートシールされる。
キャップCは、剛性にある殻体8を有しており、この殻
体8は頂板部9、周辺部10及び周辺部の少なくとも一部
に設けられた開封用フランジ乃至タブ11を有している
(第1図はフランジの例である)。殻体8の頂板部9の
内面側には、積層体7が接合されている。
積層体7は、容器側にヒートシール性樹脂内面材16、及
びヒートシール性樹脂内面材の下層となる、該ヒートシ
ール性樹脂と他の樹脂とのブレンド物から成る弱化層15
を備えている。第2図に示す具体例において、内面側積
層体6は、上述したヒートシール用内面材16及びブレン
ド物弱化層15に加えて、基材樹脂フィルタ層14、基材金
属箔13及び接着用樹脂層12をも備えている。内面側積層
体7は接着用樹脂層12を介して外殻8の頂板部、内面に
接合されている。
各層の厚みは、機材樹脂フィルタ層14≧ブレンド物層15
>とヒートシール層16の順序にあることが好ましい。
ブレンド物層15を設けるのは、この部分がブレンドによ
り弱化された構造となっていて、この部分で凝集破壊が
選択的に生じるようにするためである。
このブレンド物層15は対してヒートシール層16を設ける
のは、容器の口部とのヒートシール界面では大きなヒー
トシール強度が得られるようにするためである。しか
も、ヒートシール層16の厚みをブレンド物層15に比して
薄くしたことにより、キャップ一端からの剥離力(モー
メント)に対してはヒートシール層16の破断が容易に行
われる。
上記積層体7は接着用樹脂層12を介してキャップCの殻
体8の頂板部9の内面側に接合され、ヒートシール層16
を介して容器Bの口部5に接合されている。
容器口部5に、キャップに設けられたヒートシール性樹
脂内面材16に対してヒートシール性を有するコーティン
グ層6を設けることにより、金属やガラスのような剛性
を有する材質から成る容器に対してもヒートシールが可
能となる。易開封性の点から、コーティング層6は容器
口部外周側に設けることが好ましい。
本発明の密封容器を開封する場合、キャップの全周にわ
たって一様にこれを引っ張り、これを開栓しようとする
には、10Kg以上の極めて大きな開封力を必要とする。か
くして、容器内部側からの開栓に対しては、著しく大き
い耐圧密封力が得られることになる。
これに対して第4図及び第5図(拡大図)に示す如くキ
ャップの開封用フランジ部11に指を当てがい、キャップ
を上方に押しあげると、先ず開栓開始側のヒートシール
層16が容器側から殻体側にむけて破断し、次いでブレン
ド物層15の凝集破壊が生じ、最後に再びヒートシール層
16の殻体側から容器側に向けての破断が生じて、キャッ
プと容器の口部との離脱が生じる。このヒートシール部
の破壊は、キャップの殻体8が剛性のある材料で形成さ
れているから、口部5の全周にわたって一挙に生じる。
また、上述した順序でヒートシール部の破壊が生じると
ことから、指により開栓が容易に行われるという利点も
達成される。
更に、キャップCの殻体8の周辺部10の内径は容器口部
の外形よりも大径に製造されており、このキャップCは
開栓後にはリシール不能であるため、開栓された事実が
明らかになることから、内容物に手が付けられているか
否かの保証機能が付与されることになる。
(発明の好適態様) 外殻 本発明において、キャップの外殻8は、剛性のある材料
から形成されているかぎり、合成樹脂、セラミック、金
属等の任意の材料から成ることができる。ここで、キャ
ップの剛性とは、開栓に際して、キャップが実質上撓む
ことなしに、一挙に持ち上げられるような性質を言う。
ヒートシール性の点では、キャップ殻体は、アイソタク
ティック・ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、プロ
ピレン−エチレン共重合体、ポリ−4−メチルペンテン
−1等のオレフィン系樹脂;スチレン−ブタジエン共重
合体、ABS樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂;ナ
イロン系樹脂;飽和ポリエステル樹脂;ポリアリレート
樹脂;ポリカーボネート樹脂;硬質塩化ビニル樹脂等か
ら成ることが好ましい。更に、無機フィラー(炭カル、
タルク、各種セラミック、雲母等)を適量混合すること
も更に有効である。キャップ外殻は、射出成形、プレス
成形により製造できる。頂板部の厚みは、一般に0.5乃
至3.0mmの範囲にあるのが良く、その径は10乃至200mmの
範囲にあるのが易開封性の点で望ましい。また、キャッ
プ外殻の周辺部の高さは、頂板部の径によっても相違す
るが、頂板部の径の0.1乃至0.3倍の高さを有することが
望ましい。
勿論、キャップ外殻を、アルミニウム、ブリキや電解ク
ロム酸処理鋼板等で形成しても何ら差し支えないことが
理解されるべきである。
ヒートシール性樹脂内面材 内面材積層体7のヒートシール性樹脂内面材16は、それ
自体公知のヒートシール材料、例えば、低−、中−又は
高−密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−
エチレン共重合体、酸変性オレフィン系樹脂、EVA等の
オレフィン系樹脂ヒートシーラントや;ポリエステル又
はコポリエステル系ヒートシーラント;ポリアミド又は
コポリアミド系ヒートシーラント;ポリビニルアセター
ル樹脂から成ることができる。
ヒートシールすべき容器口部が樹脂で構成されている場
合には、この樹脂と同種のヒートシール樹脂をヒートシ
ール内面材7としてして用いることが好ましい。また、
酸変性オレフィン樹脂やポリアミド系とヒートシーラン
トは金属に対して強度の強いヒートシールを形成するこ
とができ、ポリビニルアセタール樹脂はガラスに対して
強いので、容器が金属又はガラスから成るときはこれら
を用いることが有効である。
ヒートシール内面材は、前述した機構による開封が行わ
れるためには、可及的に薄い厚みを有するべきであり、
一般に2乃至30μm、特に3乃至10μmの厚みを有する
のが好ましい。
基材 積層体の基材としては、樹脂フィルム又は金属箔あるい
はこれらの組み合わせが使用される。一般には、第3図
に示すとおり、基材は樹脂フィルム中間層14、金属箔13
及び接着剤樹脂層12から成っている。樹脂フィルム中間
層は、ブレンド物から成る弱化層を接着し、開封に際し
て、殻体側から容器側への内面材層の破断を容易にする
ものであり、弱化層の基材への接着が十分でないと、開
封後、容器口部に内面材層が膜の形で残存することにな
る。樹脂フィルム中間層としては、ヒートシール性樹脂
として先に例示したものを用いることができる。その厚
みは一般に20乃至80μm、特に30乃至60μmの範囲にあ
ることが望ましい。
金属箔は、ヒートシール時に高周波誘導が加熱時に発熱
体として作用すると共に、キャップにガス及び香り等に
対する遮断性を付与するものである。金属箔としては、
アルミン箔や、鋼板、鉄箔、ブリキ箔等が使用され、そ
の厚みは5乃至50μm、特に10乃至30μmの範囲にある
のが望ましい。
殻体への接着剤樹脂は、積層体の殻体への接着を行うも
のであり、熱接着の場合には、ヒートシール性樹脂とし
て先に例示したものを使用し得る他、ウレタン系接着
剤、エポキシ系樹脂剤等を用いることもできる。
尚、ヒートシールを超音波ヒートシールや、スピンウェ
ルディングで行う場合には、基材から金属箔を削除し得
ることは勿論である。この場合、殻体への接着剤樹脂の
使用を省略し得ることも有り得る。
ブレンド物層 本発明に用いる強化層15は、前述したヒートシール内面
材層と基材との間に介在層として設けられ、該内面材層
のヒートシール性樹脂と他の樹脂とのブレンド物から成
る。このようなブレンド物を用いることにより、単独の
樹脂を用いる場合に比して、樹脂層自体が弱化され、引
き剥しに際して凝集破壊が容易に生じるようになる。
ヒートシール性樹脂(A)に対してブレンドする樹脂
(B)は樹脂フィルム中間層を構成する樹脂であること
が望ましく、両者のブレンド比率は A:B=20:80乃至60:40 特に 30:70乃至45:55であることが望ましい。また、樹
脂(A)と樹脂(B)とは、主たる構成単量体は同じで
あるが、物性及び構造が異なる重合体であることが望ま
しく、例えばプロピレン−エチレン共重合体とポリプロ
ピレンとの組合せ;低密度ポリエチレンと高密度ポリエ
チレンとの組合せ;酸変性ポリエチレンと未変性ポリエ
チレンとの組合せ等が挙げられる。
ブレンド物層の厚みは一般に5乃至40μm,特に10乃至20
μmの範囲内にあるのがよい。
また、基材フィルム(C1):ブレンド物弱化層(C2):
ヒートシール内面層(C3)の厚み比は約(2〜10):
(3〜1):1の比率にあることが最も望ましい結果を与
える。また、各層のシール強度(P)は式 PC1-C2>PC2-C3 ……(1) PC3-B>PC1-C3 ……(2) PC1-C2≧PC3-B ……(1) 式中、PC1-C2はC1とC2層間のシール強度を表わし、以下
同様であり、PC3-BはC3層と容器口部(B)とのシール
強度を表わす、 を、満足する範囲にあり、また各層の強度(T)は式 TC3<TC1 ……(4) TC2<TC1 ……(5) を満足することが望ましい。
キャップによる容器の密栓は、積層体を円板(ジスク)
の形に打ち抜き、これをキャップ外殻に嵌込み、この組
立体を容器口部に被せ、一定の押圧力で容器口部に押圧
した状態で高周波誘導加熱することにより行われる。押
圧力は、一般に、0.5乃至2Kgの範囲が適当であり、ヒー
トシールは樹脂の融点或は軟化点以上の温度で行われ
る。
尚、第2図において、キャップ殻体周辺部の内周に設け
られた小突起17は積層体の離脱を防止するものである。
コーティング層 本発明に用いるコーティング層は、ガラス製または金属
製の容器に密着性を示すとともに、キャップ内面側積層
体のヒートシール性樹脂内面材に対してヒートシール性
を示すものである。
コーティング層の具体的化学組成は、内面材の種類によ
っても相違するが、例えば内面材がオレフィン樹脂の場
合、酸変性オレフィン樹脂、エポキシ変性オレフィン樹
脂または酸化ポリエチレンが使用される。これらの変性
オレフィン樹脂は、前記官能基の存在によってガラス容
器または金属容器に対して優れた密着性を示すととも
に、その主体がオレフィン樹脂で構成されていることか
らオレフィン樹脂内面材に対しても優れたヒートシール
性を示す。
酸変性オレフィン樹脂としては、低−中−または高−密
度ポリエチレン、結晶性ポリプロピレン、結晶ポリブテ
ン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブ
テン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の
オレフィン樹脂を骨格とし、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、
シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸
等のエチレン系不飽和カルボン酸や、無水マレイン酸、
無水シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
ン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸等のエチレン系
不飽和無水カルボン酸をグラフトしたものが使用され
る。上記酸または酸無水物は樹脂100g当たり1乃至500
ミリモリ、特に10乃至300ミリモルの量で存在するのが
よい。酸変性オレフィン樹脂中のオレフィン単位は、オ
レフィン樹脂内面材のオレフィン単位と共通のものであ
ることが望ましく、例えば内面材がポリプロピレンであ
るときには、酸変性ポリプロピレンを用いることが好ま
しい。
エポキシ変性オレフィン樹脂としては、前述したオレフ
ィン樹脂に、エチレン系不飽和エポキシ化合物をグラフ
トしたものが使用され、エポキシ基の濃度は、樹脂100g
当たり1乃至500ミリモル、特に10乃至300ミリモルの範
囲にあるのが良い。エポキシ基を導入するのに使用され
る単量体は、グリシジルメタクリレート、ギリシジルア
クリレート、アリルグリシジルエーテル、ブタジエンモ
ノオキサイド、ビニルシクロヘキセンモノオキシド等を
挙げることができる。
酸化ポリエチレンとしては、ポリエチレンを溶融相或は
分散相の形で酸化処理したものが挙げられ、樹脂中の酸
素含有量が1乃至20重量%、特に5乃至10重量%のもの
が使用される。
これらの変性オレフィン樹脂は、それ単独で或は未変性
オレフィン樹脂で希釈した形で、かつ粉末、懸濁液、フ
ィルム、溶融物等の剤形で容器口部に施す。容器に塗布
するには、ローラコート法、スプレーコート法、溶射
法、流動浸漬法、静電塗装法等が採用される。コート層
の厚みは、一般に1乃至20μm、特に5乃至15μmの範
囲が適当である。
また、前述した変性オレフィン樹脂は、塗膜形成用樹脂
中に分散させ、この状態でガラス容器および金属容器に
塗布してヒートシール性コーティングをすることもでき
る。塗膜形成用樹脂としては、例えば、フェノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メ
ラミン・ホルムアルデヒド樹脂、キシレン・ホルムアル
デヒド樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリエステ
ル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、ウレタン樹脂の単独ま
たは2種以上の組合わせから成る熱硬化性樹脂:或はア
クリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニルマレイン酸共重合体、ビニルブチラー
ル樹脂等のビニル樹脂、スチレン−ブタジエン−アクリ
ル酸エステル共重合体、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹
脂等を挙げることができる。
また、ヒートシール性内面材が塩化ビニル系樹脂である
場合には、塩化ビニル系樹脂とヒートシール可能であ
り、且つガラスまたは金属との密着性に優れたものとし
てアクリル系樹脂を用いることができる。アクリル系樹
脂としては、(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも
1種を主体とし、少量のエチレン系不飽和カルボン酸ま
たはその無水物を共単量体とする樹脂が好適に使用さ
れ、例えばその酸価が1乃至20、特に5乃至15の範囲に
あるものが好適である。
勿論コーティング層としては、上記のものに限定され
ず、コポリアミド系またはコポリエステル系のヒートシ
ール内面材を用いることもでき、この場合には、コポリ
アミド系またはコポリエステル系のコーティング剤を用
いればよい。
コーティング層の厚みや、塗布法は勿論前述した場合と
同様であってよい。
本発明に用いる容器として、ガラス製容器を採用する場
合、ガラス製容器は、耐腐食性に優れ、更に透明性にも
優れているという利点を有するが、その反面ヒートシー
ル性が悪く、特に耐熱水性に優れたヒートシールによる
密封を形成し難いという欠点を持っている。
この理由は、正確には不明であるが、本発明者等の研究
によると、ガラス表面は高度に親水性であり、樹脂類と
の熱接着性に本来乏しいこと、及び仮に樹脂類との間に
熱接着が行なわれたとしても、この接着界面に水が作用
すると、ガラス表面が水を吸着して接着破壊が進行する
ことにその原因があるものと思われる。
従って、本発明においては、ガラス表面側にガラス用プ
ライマー層を介在させてヒートシールを行うことによ
り、ヒートシール操作が極めて容易にしかも確実に行う
ことが可能となるばかりでなく、蓋体とガラス容器端部
との間にヒートシール強度が2.3Kg/15mm巾以上にも達す
る強固なヒートシールを導入することができ、しかもこ
のヒートシール部は、通常の水は勿論のこと、熱水や熱
水蒸気に曝露された場合にも接着劣化を殆ど生じないこ
とが見出されたのである。
本発明に使用するガラス用プライマーは、ヒートシール
に際し、ガラス表面に接合点を形成するのに役立つもの
であるとともに、接着界面に水が作用する場合にも、水
の吸着層が形成されるのを防止する作用を有するもので
ある。
ガラス用プライマーとしては、上述した作用を有するも
のであれば、任意のものを使用し得るが、本発明の目的
に特に適したものとして、シラン系カップリング剤、特
にアミノシラン系カップリング剤を挙げることができ
る。その適当な例は、これに限定されないが、次のもの
を挙げることができる。
シラン系カップリング剤 γ−アミノピロピルトリエトキシシラン、 N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、 N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、 などのアミノ系シラン。
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、 などのメタクリロキシ系シラン。
ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、 ビニルトリエトキシシラン、 ビニルトリメトキシシラン、 ビニルトリクロルシラン、 などのビニル系シラン。
β(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、 γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、 などのエポキシ系シラン。
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、 などのメルカプト系シラン。
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、 などのクロロプロピル系シラン。
また、シラン系カップリング剤の他に、ガラス用プライ
マーとしては、クロム系、チタネート系、無機系のプラ
イマー等を用いることもでき、その適当な例は次の通り
である。
チタネート系カップリング剤 イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、 イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネー
ト、 イソプロピルトリス(ジオクチルバイロホスフェート)
チタネート、 テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタ
ネート、 テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビ
ス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、 ビス(ジオクチルバイロホスフェート)オキシアセテー
トチタネート、 ビス(ジオクチルバイロホスフェート)エチレンチタネ
ート、 イソプロピルトリオクタノイルチタネート、 イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネー
ト、 イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、 イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネー
ト、 イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、 イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)
チタネート、 ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、 ジイソステアロイルエチレンチタネート、 ポリジイソプロピルチタネート、 テトラノルマルブチルチタネート、 ポリジノルマルブチルチタネート、 無機系プライマー 酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム/酸化スズ、酸
化クロム/酸化コバルトなど。
コーティング層は、キャップとヒートシールすべき口部
に、直接或は前記プライマー層を介して設ける。コーテ
ィング層の厚みは特に制限はないが、一般に0.5乃至500
μm、特に1乃至50μmの範囲にあるのがよい。コーテ
ィング幅は、一般に0.5乃至5mm、特に1乃至3mmの範囲
がよく、易開口性の点で、キャップと容器とのヒートシ
ール部の外径は5乃至50mmφ、特に10乃至200mmφの範
囲にあることが好ましい。ヒートシールは高周波誘導加
熱により行うことが望ましい。
(発明の効果) 本発明による容器は、剛性のある外殻と、外殻内部に密
着されたヒートシール機能とを備えたキャップを、容器
口部にキャップのヒートシール面に対してヒートシール
性を有するコーティング層を設けた容器をヒートシール
し、容器内側からの開栓に対しては著しく大きい耐圧密
封力を有すると共に、キャップの一端部からは指による
力で開栓が容易に行われ、しかもリシールが困難である
ことから内容物の品質保証機能をも有するという利点が
達成される。
この容器は、清涼飲料用容器、アルコール飲料用容器、
乳飲料用容器、果実充填容器、輸液用容器等に対する簡
便な易開封性密封容器として有用である。
(実施例) キャップの製造 インジェクション法により射出成形した内径27mmφ、周
辺部の高さ3mmのポリプロピレン製タブ付きキャップの
内側に、ホモポリプロピレン(d=0.90、MI=6)厚み
34μmのフィルムに20μmのAI箔をラミネートした積層
フィルムに基剤フィルム層としてホモポリプロピレン
(d=0.90,MI=4)20μm、中間層としてホモポリプ
ロピレンとコポリプロピレンを60:40の比率でブレンド
した厚み10μmの弱化層、内層としてコポリプロピレン
(d=0.90,MI=2.5)厚み5μmのヒートシール層の3
層共押出しフィルムをラミネートした積層フィルムを27
mmφ径に打ち抜き装着した。
びん 高さ140mm、口外径25mmφ、内容積120mlのガラス製びん
のリップ部に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
の2%水/エタノール溶液を塗布し、乾燥させた。
次いで、この上に無水マレイン酸変性ポリプロピレン
(平均カルボニル基濃度:120ミリモル/100g樹脂、融点:
157°、MI=120g/10min)のサスペンション(トルエ
ン)を塗布し、乾燥して、厚さ約3μm、幅約2mmの周
状のコーティング層を設けた。
ヒートシール 上記コートびんの口部に前記キャップを被せ、島田理化
工業製トランジスタインバータ(高周波誘導加熱機)
を、用いて電流値4A、加熱時間1.1秒、冷却時間1.0秒、
圧力1.0Kgの条件でキャップと積層フィルムとの融着及
びびん口部と積層フィルムとのヒートシールを同時に行
なった。
ヒートシールしたキャップの開栓力を見るため、テンシ
ロン引っ張り試験機にて引張り強度(開口力)を測定し
た。
(a) キャップの全円周にわたって均一に引張り力を
作用せしめたところ20.3Kgで開栓できた。
(b) タブのみを引張りあげたところ、開栓力約1.5K
gであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の易開封性密封容器の一例を示し、 第2図は、本発明の易開封性密封容器のヒートシール部
の拡大断面図を示し、 第3図は、第2図の要部拡大図であり、 第4図は、キャップを開封した状態のヒートシール部の
拡大断面図を示し、 第5図は、第4図の要部拡大図である。 5……容器口部、6……コーティング層、7……積層
体、8……殻体、12……接着用樹脂層、13……基材金属
箔、14……基材樹脂フィルム層、15……ブレンド物弱化
層、16……ヒートシール用内面材。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内面側にヒートシール層を有するキャップ
    と、口部にヒートシール性のコーティング層を有する容
    器とをヒートシールにより密封して成る易開封性密封容
    器において、前記キャップは、(a)一体に形成された
    頂板部、周辺部及び周辺部の少なくとも一部に設けられ
    た開封用フランジ乃至タブを備えて剛性のある樹脂製外
    殻と;(b)外殻の頂板部内側に接合された積層体であ
    って、殻体側から内面側に向けて、ヒートシール接着用
    樹脂層、基材金属箔、中間樹脂層、弱化層及びヒートシ
    ール用樹脂内面材から成るものとを備え、前記弱化層は
    中間層樹脂とヒートシール用樹脂とのブレンド物から成
    り、且つヒートシール用樹脂内面材はブレンド物弱化層
    に比して薄く形成されていることを特徴とするフランジ
    乃至タブの指による持上げで開封可能な密封容器。
  2. 【請求項2】中間層がオレフィン系樹脂から成り、ヒー
    トシール用樹脂が中間層オレフィン系樹脂よりも融点の
    低いオレフィン系樹脂から成る特許請求の範囲第1項記
    載の容器。
  3. 【請求項3】中間層がホモポリプロピレンから成り且つ
    ヒートシール用樹脂がプロピレン共重合体である特許請
    求の範囲第1項又は第2項記載の容器。
  4. 【請求項4】コーティング層が酸変性オレフィン樹脂、
    エポキシ変性オレフィン樹脂又は酸化ポリエチレンを含
    有するコーティング層である特許請求の範囲第1乃至3
    項のいずれかに記載の容器。
  5. 【請求項5】各層の厚みが、 中間層≧ブレンド物層>ヒートシール層 の順序にある積層体を備えた特許請求の範囲第1項記載
    の容器。
  6. 【請求項6】ヒートシール性樹脂内面材が破断容易な2
    乃至30μmの厚みを有する特許請求の範囲第1項記載の
    容器。
  7. 【請求項7】キャップと容器とのヒートシール部の外径
    が5乃至50mmφ、特に10乃至20mmφである特許請求の範
    囲第1項記載の容器。
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