JPH07100559B2 - 間歇式に搬送されるウェブを位置調整するための装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、特に印刷機に設けられた、間歇式に搬送され
るウェブを位置調整するための装置であって、ウェブ
が、搬送装置に連続的に供給されるか、もしくは搬送装
置から離れる方向で連続的に案内されるようになってお
り、ウェブ貯え部と間歇式のウェブ駆動装置とが設けら
れており、しかも該ウェブ駆動装置が旋回可能である形
式のものに関する。

［従来の技術］ ドイツ連邦共和国特許出願公開第2365668号明細書に基
づき、特に間歇式のウェブ駆動装置と、負圧を形成可能
な紙ウェブ貯え部と、連続式のウェブ駆動装置とを有し
ている装置が公知である。

しかし、上記ドイツ連邦共和国特許出願公開第2365668
号明細書に開示されている装置には、紙ウェブを側方で
位置調整するための手段が設けられていないという欠点
がある。しかしこのことは必要である。なぜならば、負
圧ウェブ貯え部には、ウェブを搬送中心位置に保持する
ような、ウェブを直線ガイドするための摩擦力が存在し
ていないからである。紙ウェブ縁部の不均一な延びや、
種々異なる紙ウェブ厚さ、種々異なるインキ作用もしく
は湿し水作用または種々異なるゴム被覆に基づき、紙ウ
ェブは負圧ウェブ貯え部において搬送中心位置から左側
または右側にドリフトする傾向がある。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の課題は、冒頭で述べた形式の装置を改良して、
負圧を形成可能なウェブ貯え部のすぐ背後に配置された
ウェブ駆動装置によって搬送されるウェブの、前記ウェ
ブ貯え部または別の影響によって生ぜしめられる変位が
目標位置に戻されるような装置を提供することである。

［課題を解決するための手段］ この課題を解決するために本発明の構成では、ウェブが
前記ウェブ駆動装置に進入する前にウェブを前修正する
ための旋回可能な修正ローラが設けられているようにし
た。

［発明の効果］ 本発明によれば、変位を生ぜしめる紙ウェブ貯え部の手
前で紙ウェブの前位置調整を実施するための手段が設け
られているという大きな利点が得られる。これにより、
本発明による装置の極めて迅速な応答特性が可能とな
る。

本発明の有利な構成では、本発明による装置が、摩擦の
少ないボールエレメントによって旋回可能に支承されて
いる。引張りローラ群の巻掛け角度は極めて大きく形成
されており、これによりスリップなしの高い加速を実現
することができる。

前修正用の修正ローラの位置調整運動と、引張りローラ
群の位置調整運動とが結合されていると特に有利であ
る。これによって、付加的な作動装置を節約することが
できる。

［実施例］ 以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。

印刷機において、２つの処理ステーション1,2（たとえ
ば印刷装置、目打ち機）の間に、紙ウェブ４を間歇式ま
たは連続的に駆動するための引張りローラ群３が配置さ
れている。紙ウェブ４は処理ステーション１を出て、回
転可能に支承された旋回可能な修正ローラ６と、回転可
能に支承されたガイドローラ７とによって、負圧を形成
可能なウェブ貯え部８に供給される。この場合、紙ウェ
ブ４は両ローラ6,7に部分的に巻き掛けられる。ガイド
ローラ７は移動調節可能に支承されていて、ウェブ貯え
部８への紙ウェブ進入角度に影響を与えるために設けら
れている。ウェブ貯え部８から進出した紙ウェブ４はま
ず駆動装置３に供給され、次いで処理ステーション２に
供給される。

紙ウェブのための駆動装置３は駆動される引張りローラ
９と、この引張りローラ９に当付け可能なプレッシャロ
ーラ11とを有している。引張りローラ９は支持フレーム
12に回転可能に支承されている。プレッシャローラ11は
支持フレーム12の両側で各１つのレバー13に、ほぼ真ん
中で回転可能に支承されている。両レバー13はそれぞれ
第１のレバー端部によって旋回可能に支持フレーム12に
取り付けられている。さらに、両レバー13は各１つの第
２のレバー端部で、各１つのピストンロッド16を介し
て、圧力負荷される各１つのピストンシリンダユニット
17に枢着結合されている。ピストンシリンダユニット17
は支持フレーム12の側面に固定されている。調節可能な
ストッパ18により、引張りローラ９に対するプレッシャ
ローラ11の当付けが制限される。

支持フレーム12は、横桁22に支持されているボールエレ
メント20,21によって水平方向で旋回可能に支承されて
いる。この横桁22は両端部で印刷機の側方フレーム19,2
5に固定されていて、紙ウェブ搬送方向に対して横方向
に延びている。

横桁22は２つのＴ字形支持部材24を有している。このＴ
字形支持部材24はその基部26によって、方形の横桁22
に、互いに間隔をおいてねじで取り付けられている。

横桁22は、この横桁22の真ん中に位置する紙ウェブ４の
前方の走出側範囲に、下方を向いたピン28を有してい
る。このピン28は支持フレーム12の水平方向の旋回運動
のための旋回点を規定している。ピン28は支持フレーム
12の上側のフレームプレート31に設けられた収容部29に
係合している。ピン28と収容部29との間に設けられた滑
り手段により、支持フレーム12の摩擦の少ない旋回運動
が保証される。

上側のフレームプレート31は、たとえば４つの孔32を有
している。これらの孔には、下側のボールエレメント20
が配置されている。この下側のボールエレメント20に対
して、上側のボールエレメント21はそれぞれ所定の間隔
をおいて、共通の鉛直な軸線33に配置されている。上側
のボールエレメント21はそれぞれ支持プレート36に設け
られた孔34に配置されている。

支持プレート36と、上側のフレームプレート31とにねじ
込まれた、各２つの調節可能な調整ねじ37は、ボールエ
レメント20,21を所望の間隔ａに保持している。この間
隔ａはＴ字形支持部材24のアーム39,41の厚さｄ（たと
えば10mm）にほぼ等しく設定されている。前記両アーム
39,41はそれぞれ２つのボールエレメント20,21の間を延
びているので、ボールエレメント20,21はアーム39,41の
上面42と下面43とに支持されている。

上側のフレームプレート31には、作動駆動装置46のため
の別の収容部44が固定されている。作動駆動装置46はボ
ール循環型スピンドル伝動装置47と直流ギヤ付モータ48
とから構成されている。この直流ギヤ付モータ48は固定
手段49（たとえばクランプ、フランジ、アングル部材ま
たはこれに類するもの）を介して横桁22にねじで取り付
けられている。

横桁22の、ウェブ搬送方向で見て後方の縁部49には、２
つの支持アングル51が固定されている。同様にフレーム
プレート31の後縁部52にも、２つの支持アングル53が固
定されている。両支持アングル51,53はボールエレメン
ト56,57を収容するための各１つの孔54を有している。
ボールエレメント56,57は支承プレート58を支持してお
り、この支承プレート58はピン59を中心にして旋回可能
に配置されている。ピン59はフレームプレート31に真ん
中で上方に突出するように固定されている。

支承プレート58は孔62を備えた舌片61を有している。孔
62には、前記ピン59が係合している。支承プレート58は
両側に各１つの軸受け台63,64を有している。この軸受
け台63,64には、修正ローラ６が回転可能に支承されて
いる。さらに、支承プレート58は両側に、側方フレーム
19,25の内壁に向けられた各１つのアーム66,67を有して
いる。このアーム66,67は端部に、回転可能に支承され
たローラ68,69を支持している。

側方フレーム19,25の内壁には、各１つのアングル71,72
がねじで取り付けられている。このアングル71,72は斜
めの平面73,74を有している。ローラ68,69は斜めの両平
面73,74のそれぞれ一方と同時に接触している。アング
ル71,72は、ウェブ搬送方向で見てこのアングルが傾斜
を有するように配置されている。

第３図には、紙ウェブ４の位置が修正ローラ６と引張り
ローラ９とプレッシャローラ11との位置に関連して示さ
れている。実線は紙ウェブ４の目標位置を表わしてい
る。実際位置は一点鎖線で示されている。修正ローラ６
によって前修正された位置は破線で示されている。

修正ローラ６に供給された紙ウェブ４は目標位置（実
線）もしくはたとえば搬送方向で見て左側にずらされた
実際位置（一点鎖線）を有している。紙ウェブ４は修正
ローラ６によって変向されて、吸込ボックスとして形成
されたウェブ貯え部８に供給される。紙ウェブ位置は、
たとえばこの紙ウェブが吸込ボックス８と引張りローラ
群３とを通過した後に、目標位置（実線）からたとえば
左側にずらされている。目標位置からの偏差量は公知の
ウェブ縁部読取り手段または線読取り手段76によって検
出される。対応する信号が評価回路77に供給される。こ
の評価回路77は目標値と実際値との比較を実施して、求
められた調整信号をウェブ修正の目的で直流ギヤ付モー
タ48に供給する。紙ウェブ４のずれ方向に応じて、直流
ギヤ付モータ48は所属のスピンドルを左回りまたは右回
りに回転させ、これにより引張りローラ群３を傾斜させ
る。

紙ウェブ４がたとえば左側にずらされていると、引張り
ローラ群３はピン28によって規定された旋回点を中心に
して、ウェブ搬送方向で見て左回りに、つまり逆時計回
りの方向に旋回させられる。このような手段により、ウ
ェブずれは直ちに修正され、紙ウェブは右側にずらされ
る。引張りローラ群３はその出発位置に対して傾斜位置
しか取っていない。

紙ウェブ４のずれを生ぜしめることなく、引張りローラ
群３を再び出発位置に戻すためには、紙ウェブ４が、前
支承された位置で前修正される。この目的のために修正
ローラ６が設けられている。この修正ローラ６は紙ウェ
ブ４を、目標位置を越えて右側に向かって前修正位置
（破線）に移動させる。

このためには、修正ローラ６が時計回り方向に旋回させ
られる。目標位置を越えて紙ウェブ４が前修正されるこ
とに基づき、走出する紙ウェブ４は右側へのずれを強制
される。このずれは引張りローラ群３により旋回点を中
心として右側への旋回運動、つまり時計回り方向の旋回
運動によって直ちに補償され、これにより、引張りロー
ラ群３は出発位置に戻される。

この実施例では、支持フレーム12の旋回運動が、ピン28
によって規定されている固定の旋回点を中心にして行わ
れる。当然ながら、別の旋回点を中心にして支持フレー
ム12を旋回させることも可能である。適当な手段は、た
とえば横桁22と支持フレーム12とを結合する枢着レバー
であってよい。その場合、旋回運動のための旋回点は支
持フレーム12の外部に位置していてよい。その場合に、
旋回点ぱレバー延長部の交点によって規定される。さら
に、支持フレーム12の旋回運動を、制御カムまたはガイ
ドレールによって規定することも考えられる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すものであって、第１図は本
発明による装置をウェブ搬送方向で見た図、第２図は本
発明による装置の側面図、第３図は本発明による装置の
平面図である。 1,2……処理ステーション、３……引張りローラ群、４
……紙ウェブ、６……修正ローラ、７……ガイドロー
ラ、８……ウェブ貯え部、９……引張りローラ、11……
プレッシャローラ、12……支持フレーム、13……レバ
ー、16……ピストンロッド、17……ピストンシリンダユ
ニット、18……ストッパ、19……側方フレーム、20,21
……ボールエレメント、22……横桁、23……支持体、24
……Ｔ字形支持部材、25……側方フレーム、26……基
部、28……ピン、29……収容部、31……フレームプレー
ト、32……孔、33……軸線、34……孔、36……支持プレ
ート、37……調整ねじ、39,41……アーム、42……上
面、43……下面、44……収容部、46……作動駆動装置、
47……ボール循環型スピンドル伝動装置、48……直流ギ
ヤ付モータ、49……縁部、51……支持アングル、52……
後縁部、53……支持アングル、54……孔、56,57……ボ
ールエレメント、58……支承プレート、59……ピン、61
……舌片、62……孔、63,64……軸受け台、66,67……ア
ーム、68,69……ローラ、71,72……アングル、73,74…
…平面、76……ウェブ縁部読取り手段または線読取り手
段、77……評価回路、78,79……旋回点

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−203059（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−167443（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−154557（ＪＰ，Ｕ)

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】間歇式に搬送されるウェブ（４）を位置調
   整するための装置であって、ウェブ（４）が、搬送装置
   に連続的に供給されるか、もしくは搬送装置から離れる
   方向で案内されるようになっており、ウェブ貯え部
   （８）と間歇式のウェブ駆動装置（３）とが設けられて
   おり、しかも該ウェブ駆動装置（３）が旋回可能である
   形式のものにおいて、ウェブ（４）が前記ウェブ駆動装
   置（３）に進入する前にウェブ（４）を前修正するため
   の旋回可能な修正ローラ（６）が設けられていることを
   特徴とする、間歇式に搬送されるウェブを位置調整する
   ための装置。
2. 【請求項２】前記ウェブ駆動装置（３）が、前記修正ロ
   ーラ（６）と枢着結合されており、該修正ローラ（６）
   の旋回運動が、前記ウェブ駆動装置（３）の旋回運動と
   は逆の方向で行われる、請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】前記ウェブ駆動装置（３）が、旋回可能な
   支持フレーム（12）に支承されている、請求項１または
   ２記載の装置。
4. 【請求項４】前記修正ローラ（６）が、支承プレート
   （58）に支承されている、請求項１または２記載の装
   置。
5. 【請求項５】前記支持フレーム（12）と前記支承プレー
   ト（58）とを旋回可能に支承するために、ボールエレメ
   ント（20,21;56,57）が設けられている、請求項１から
   ４までのいずれか１項記載の装置。
6. 【請求項６】ウェブ縁部読取り手段または線読取り手段
   （76）が設けられており、該ウェブ縁部読取り手段また
   は線読取り手段（76）が評価回路（77）に接続されてお
   り、さらに該評価回路（77）が、作動駆動装置（46）に
   接続されている、請求項１から５までのいずれか１項記
   載の装置。
7. 【請求項７】前記修正ローラ（６）の旋回運動を制御す
   るためのガイド手段（71,72）が設けられている、請求
   項１から６までのいずれか１項記載の装置。
8. 【請求項８】前記支持フレーム（12）の旋回運動が、フ
   レーム固定のピン（28）を中心にして行われる、請求項
   １から７までのいずれか１項記載の装置。
9. 【請求項９】前記支持フレーム（12）の旋回運動が、前
   記支持フレーム（12）の外部に位置する旋回点を中心に
   して行われる、請求項１から８までのいずれか１項記載
   の装置。
10. 【請求項１０】前記支持フレーム（12）の外部に位置す
    る旋回点を中心とした前記支持フレーム（12）の旋回運
    動を得るために、枢着式のレバーまたはカム板が設けら
    れている、請求項１から９までのいずれか１項記載の装
    置。
11. 【請求項１１】前記ウェブ駆動装置（３）が、駆動され
    るローラ（９）と、該ローラ（９）に当て付けられたプ
    レッシャローラ（11）とを有している、請求項１から10
    までのいずれか１項記載の装置。