JPH069566Y2 - 冷却装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、車両のエンジンルームに設けられるラジェ
ータと送風機とからなる冷却装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

車両のエンジンルームに設けられているラジェータには
その背部に電動送風機が一体的に設けられている。この
電動送風機は、ファンとこれを駆動するモータとから構
成され、前記ファンはその外周がファンケーシングによ
って囲まれている。そして、モータの回転によってファ
ンを駆動し、前記ラジェータの前部から外気を吸込みラ
ジェータおよびファンケーシングを介して後方へ吹出す
ようになっている。

しかしながら、この冷却装置はエンジンルームなどのよ
うに雰囲気温度が高い場所に設置されるため、モータの
温度が上昇し、モータの寿命が著しく低下するという欠
点がある。これは前記ファンからの空気がファンケーシ
ングの内周面に沿って流通し、モータの周囲はほとんど
流れないためであり、雰囲気温度によってモータ温度が
上昇するという不都合がある。

〔考案の目的〕

この考案は前記事情に着目してなされたもので、その目
的とするところは、エンジンルームなどのように雰囲気
温度が高い場所に設置してもファンを駆動するモータの
温度上昇をおさえ、モータの耐久性を向上することがで
きる冷却装置を提供しようとするものである。

〔考案の概要〕

この考案は、前記目的を達成するために、ファンの外周
を囲むファンケーシングにモータ冷却ダクトを設け、フ
ァンによって送風される空気を取り入れモータに吹き付
けることによりモータの温度上昇を防止したことにあ
る。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図および第２図中、１は車両で、２はそのエンジン
ルームである。このエンジンルーム２内の前部には冷却
装置３が設置されている。この冷却装置３について説明
すると、４はラジェータであり、これはエンジンの冷却
水を流通する冷却パイプとフィンとから構成されてい
る。このラジェータ４の背部には円環状に形成されたフ
ァンケーシング５が設けられていて、この前端のフラン
ジ６は前記ラジェータ４に固定されている。また、この
ファンケーシング５の後部にはその中央部にリング７お
よびこれと一体に放射状に設けた支持８…とからなる
モータ支持機構９が設けられている。したがって、ファ
ンケーシング５の背部には通風口５ａが設けられてい
る。そして、このモータ支持機構９のリング７にはモー
タ１０が取付けられている。このモータ１０の回転軸１
１は前方に突出しており、この回転軸１１にはファン１
２が装着されている。したがって、ファン１２はその外
周が前記ファンケーシング５によって囲まれており、フ
ァン１２の回転によって前記ラジェータ４の前部から外
気を吸込み、ファンケーシング５を介してエンジンルー
ム２内に吹き出すようになっている。さらに、前記ファ
ンケーシング５の後部にはブラケット１３を介してモー
タ冷却ダクト１４が設けられている。このモータ冷却ダ
クト１４は板状体を折曲することにより略樋状に形成さ
れていて、この一端には前記ファンケーシング５の内周
面の一部に臨む吸込み口１５、他端に前記モータ１０に
臨む吹出し口１６が設けられている。そして、前記ファ
ンケーシング５の内周面に沿って流通する空気をモータ
冷却ダクト１４の吸込み口１５から取り入れ、その空気
を吹出し口１６からモータ１０に吹き付けるようになっ
ている。さらに、前記モータ冷却ダクト１４の吹出し口
１６の後方近傍及び前記モータ１０の後方全面を覆うエ
アガイド１７が設けられ、これは前記ファンケーシング
５に取付けられ、吹出し口１６からの空気をモータ１０
に効率よく当たるように案内している。

したがって、モータ１０によってファン１２を回転する
ことにより外気を吸込んでラジェータ４を冷却すると同
時にその外気によってモータ１０を冷却することができ
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案によれば次の効果があ
る。

ａ，支持間に通風口を有すると共にエアガイドはモー
タ冷却ダクトの吹出し口後方近傍と前記モータの後方全
面のみを覆っているため、上記冷却ダクトから上記モー
タへ供給される空気は上記エアガイドにより上記モータ
に十分供給されてモータの冷却が効率よく行われ、かつ
モータの耐久性が向上する。

ｂ，モータの後方に配置されたエンジンの熱は上記エア
ガイドにより遮断されるため、同モータはエンジンの発
する熱の影響を受けず、耐久性が向上する。

ｃ，エアガイドが後方のみを覆われ、側方を開放されて
いるため、モータの停止後、同モータは常に外気雰囲気
にさらされることにより、冷却がされ易く、冷却効果が
向上する。

ｄ，モータ冷却ダクトの吸込み口は上記ファンの後方か
つ上記ファンケーシングの内周面近傍に位置し前方に開
口した構成となっているため、ファンからの強い部分の
風がファンケーシングの内周面に沿って上記吸込み口に
導入され、吹出し口を通して上記モータへ強い風が吹き
付けられることにより、モータの冷却効果が向上する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は冷却
装置の側面図、第２図は同じく背面図である。 ４……ラジエータ、５……ファンケーシング、５ａ……
通風口、７……リング、８……支持、１０……モー
タ、１２……ファン、１４……モータ冷却ダクト、１５
……吸込み口、１６……吹出し口、１７……エアガイ
ド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ラジエータの裏側にファンおよびこのファ
   ンを駆動するモータを備えた冷却装置において、上記ラ
   ジエータに取付けられ前記ファンの外周を囲む筒部と該
   筒部後端面の中央部に配設され上記モータを保持するリ
   ングから上記筒部後端部まで放射状に延び複数の通風口
   を形成した支持を有するファンケーシング、一端が上
   記ファンの後方から上記ファンケーシングの内周面近傍
   に位置すると共に前方に開口した吸込み口を有し他端が
   上記モータに向かって開口する吹出し口を有し上記ファ
   ンケーシングに取付けられたモータ冷却ダクト、上記フ
   ァンケーシングに取付けられ上記モータの後方近傍かつ
   その後方全面と上記吹出し口後方近傍とを覆い、側方を
   開放されたエアガイドを備えたことを特徴とする冷却装
   置。