JP2018155494A - 軸受異常診断システム及び軸受異常診断方法 - Google Patents

軸受異常診断システム及び軸受異常診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機械設備を分解することなく、一つの振動加速度信号により軸受異常の有無及び軸受異常の種類を診断し、必要なタイミングで転がり軸受を交換することでメンテナンス効率を向上させることができる軸受異常診断システム及び軸受異常診断方法を提供する。
【解決手段】軸受ハウジング10の振動加速度を検出する振動加速度センサ12と、振動加速度センサ12からの振動加速度信号に基づいて、エンベロープ処理及びFFT解析によりエンベロープスペクトル上の周波数解析を行う振動分析部214と、エンベロープスペクトルに基づいて軸受異常の有無を診断する第1の異常診断部217と、エンベロープスペクトルから検出されたピーク周波数の発生次数パターン、あるいは、振動加速度信号の振動最大値と振動RMS値(root mean square)との比である波高率、により軸受異常の種類を特定する第2の異常診断部218と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸受異常診断システム及び軸受異常診断方法に関し、より詳細には、機械設備を分解することなく、一つの振動加速度信号により軸受異常の有無及び軸受故障の種類を診断できる軸受異常診断システム及び軸受異常診断方法に関する。
従来、転がり軸受の稼働時に発生するAE波形信号をAEセンサを用いて検出し、エンベロープ処理して得られる包絡線成分を増幅処理し、該増幅処理後の包絡線成分の値が所定の閾値を超えたとき、転がり軸受に異常が発生していると判断する、転がり軸受の診断方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、スラスト力付与機構により、転がり軸受ユニットまたは軸受箱にスラスト力を負荷しながら回転試験を行い、振動センサから得られた検出信号の実効値、ピーク値、または波高率に基づいて、スラスト力が作用する転がり軸受の異常の有無を診断する転がり軸受ユニットの診断装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2012−78288号公報 特開2004−233284号公報
特許文献1,2によると、転がり軸受の異常の有無は診断可能であるが、故障の種類(例えば、摩耗による故障や、傷による故障など)までは判別することができない。軸受故障時に故障の種類が判別できないと、詳細な余寿命の推定、及び交換必要箇所の特定が難しい。軸受故障の種類によっては、エンベロープ解析診断などによる診断で異常が検出されてから、回転不能、または交換時期と判断されるまでの期間は異なるが、軸受異常と診断された場合、安全を優先して、最も早期に回転不能となる故障に合わせて、必要以上に早い段階で軸受を交換してしまうことがあり、メンテナンス効率やランニングコスト低減の観点から改善の余地があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、機械設備を分解することなく、一つの振動加速度信号により軸受異常の有無及び軸受故障の種類を診断することができる軸受異常診断システム及び軸受異常診断方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 軸受、又は該軸受を支持する軸受ハウジングに取り付けられ、前記軸受又は軸受ハウジングの振動加速度を検出する振動加速度センサと、
該振動加速度センサからの振動加速度信号に基づく周波数スペクトルの周波数解析を行う振動分析部と、
前記周波数スペクトルに基づいて、軸受異常の有無を診断する第1の異常診断部と、
前記周波数スペクトルから検出されたピーク周波数の発生次数パターンにより前記軸受異常の種類を特定する第2の異常診断部と、
を備えることを特徴とする軸受異常診断システム。
(2) 軸受、又は該軸受を支持する軸受ハウジングに取り付けられた振動加速度センサから、前記軸受又は軸受ハウジングの振動加速度を検出し、
該振動加速度センサからの振動加速度信号に基づく周波数スペクトルの周波数解析を行い、
前記周波数スペクトルに基づいて、軸受異常の有無を診断し、
前記軸受異常と診断された場合、前記周波数スペクトルから検出されたピーク周波数の発生次数パターンにより前記軸受異常の種類を特定する、
ことを特徴とする軸受異常診断方法。
(3) 前記軸受異常と診断された場合、前記軸受の異常の種類を特定する、
ことを特徴とする(2)に記載の軸受異常診断方法。
(4) 軸受、又は該軸受を支持する軸受ハウジングに取り付けられ、前記軸受又は軸受ハウジングの振動加速度を検出する振動加速度センサと、
該振動加速度センサからの振動加速度信号に基づく周波数スペクトルの周波数解析を行う振動分析部と、
前記周波数スペクトルに基づいて、軸受異常の有無を診断する第1の異常診断部と、
前記振動加速度センサの振動加速度信号の振動最大値と振動RMS値(root mean square)との比である波高率により前記軸受異常の種類を判別する第2の異常診断部と、
を備えることを特徴とする軸受異常診断システム。
(5) 軸受、又は該軸受を支持する軸受ハウジングに取り付けられた振動加速度センサから、前記軸受又は軸受ハウジングの振動加速度を検出し、
該振動加速度センサからの振動加速度信号に基づく周波数スペクトルの周波数解析を行い、
前記周波数スペクトルに基づいて、軸受異常の有無を診断し、
前記軸受異常と診断された場合、前記振動加速度センサの振動加速度信号の振動最大値と振動RMS値(root mean square)との比である波高率により前記軸受異常の種類を特定する、
ことを特徴とする軸受異常診断方法。
(6) 前記軸受異常と診断された場合、前記軸受の異常の種類を特定する、
ことを特徴とする(5)に記載の軸受異常診断方法。
本発明の軸受異常診断システム及び軸受異常診断方法によれば、振動加速度センサと、振動分析部と、第1の異常診断部と、第2の異常診断部と、を備え、振動加速度センサが検出した振動加速度信号に基づく周波数スペクトルの周波数解析を行い、第1の異常診断部が、周波数スペクトルに基づいて、軸受異常の有無を診断する。また、第2の異常診断部が、周波数スペクトルから検出されたピーク周波数の発生次数パターンにより軸受異常の種類を特定するので、一つの振動加速度信号により軸受異常の有無及び軸受異常の種類を診断することができる。
また、本発明の軸受異常診断システム及び軸受異常診断方法によれば、振動加速度センサと、振動分析部と、第1の異常診断部と、第2の異常診断部と、を備え、振動加速度センサが検出した振動加速度信号に基づく周波数スペクトルの周波数解析を行い、第1の異常診断部が、周波数スペクトルに基づいて、軸受異常の有無を診断する。また、第2の異常診断部が、振動加速度信号の振動最大値と振動RMS値(root mean square)との比である波高率により軸受異常の種類を特定するので、一つの振動加速度信号により軸受異常の有無及び軸受異常の種類を診断することができる。
本発明に係る軸受異常診断システムの概略構成を示すブロック図である。 図1に示す診断装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る軸受異常診断システムの動作手順を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る転がり軸受の傷の部位と、傷に起因して発生する振動周波数の関係を示す表である。 (a)は第1実施形態の振動加速度センサからの振動加速度信号の一例を示す図、(b),(c)はエンベロープ処理により得られたスペクトルデータの一例を示す図、(d),(e)はピーク周波数の発生次数パターンの一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る軸受異常診断システムの動作手順を説明するためのフローチャートである。 (a)は第2実施形態の振動加速度センサからの振動加速度信号の一例を示す図、(b),(c)はエンベロープ処理により得られたスペクトルデータの一例を示す図、(d),(e)は波高率を比較して示す振動波形の図である。
以下、本発明に係る軸受異常診断システムの一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示した本実施形態の軸受異常診断システムは、軸受ハウジング10で支持された回転部品である転がり軸受11の異常を診断するものであり、転がり軸受11から発生する振動加速度を検出する振動加速度センサ12と、転がり軸受11の回転速度を検出する回転センサ(図示せず)と、データ伝送手段13を介して受信した振動加速度センサ12の検出信号に基づく周波数スペクトルの周波数解析を行う振動分析部214と、周波数スペクトルに基づいて、軸受異常の有無を診断する第1の異常診断部217と、この第1の異常診断部217が軸受異常ありと診断した場合に、振動加速度センサ12の検出信号に基づく周波数スペクトルから検出されたピーク周波数の発生次数パターンを確認することで、異常の種類を判別する第2の異常診断部218と、モニタや警報機等からなる出力装置30とを備えている。
なお、振動分析部214、第1の異常診断部217及び第2の異常診断部218は、診断装置20を構成する。
転がり軸受11は、機械設備の回転軸101に外嵌される内輪111と、軸受ハウジング10に内嵌される外輪112と、内輪111及び外輪112の間で転動可能に配置された複数の転動体113と、転動体113を転動自在に保持する不図示の保持器と、を有する。
振動加速度センサ12は、軸受11を支持する軸受ハウジング10に固定される。振動加速度センサ12の固定方法には、ボルト固定、接着、ボルト固定と接着の併用、及び樹脂材による埋め込み等がある。
なお、ボルト固定の場合には、回り止め機能を備えるようにしてもよい。また、振動加速度センサ12を樹脂材によってモールドすることで、水分の浸入を防止することができ、さらに外部からの加振に対する防振性が向上するため、センサ自体の信頼性を飛躍的に向上することができる。
図2は、本実施形態に係る診断装置20の主要な機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、診断装置20は、主にデータ収集・分配部211、回転分析部212、フィルタ処理部213、振動分析部214、内部メモリ216、第1の異常診断部217、及び第2の異常診断部218を備える。
なお、この診断装置20は、マイクロコンピュータで構成されており、即ち、このマイクロコンピュータ内に記録保持されたプログラムが実行されることにより、データ収集・分配部211等の各処理部は以下のような各処理を実行することになる。
データ収集・分配部211は、振動加速度センサ12から送られる信号SigをA/D変換器によってデジタル信号に変換するとともに、回転速度に関する信号も同時に収集して一時的に蓄積し、信号の種類に応じて回転分析部212、フィルタ処理部213のいずれかに振り分ける。
なお、A/D変換器を振動加速度センサ12に一体化される構成とし、前述のデータ伝送手段13を介してデジタル信号を受信するようにしてもよい。
回転分析部212は、転がり軸受11の設計諸元データ、及び回転センサからの回転速度信号に基づいて、図4に示す所定の関係式を用いて、転がり軸受11の部位ごとの損傷に起因する軸受損傷周波数を計算する。
なお、軸受損傷周波数の算出は、以前に同様の診断を行っている場合は、内部メモリ216に記憶しておいた過去のデータを用いてもよい。
また、転がり軸受11の回転速度を検出する回転センサが、内輪111に取り付けられたエンコーダと、外輪112に取り付けられた磁石または磁気検出素子と、により構成される場合は、出力信号がエンコーダの形状と回転速度に応じたパルス信号となる。このため、回転分析部212は、エンコーダの形状に応じた所定の変換関数、又は変換テーブルを有し、パルス信号から内輪111の回転速度を算出する。
フィルタ処理部213は、バンドパスフィルタ(BPF)の機能を有し、振動加速度センサ12の振動加速度信号Sigから、損傷フィルタ周波数帯域を抽出し、それ以外の不要な周波数帯域を除去する。損傷フィルタ周波数帯域は、各軸受装置における固有振動数帯域に応じて設定される。この固有振動数は、インパルスハンマ等を用いた打撃法により被測定物を加振し、被測定物に取付けた振動検出器、又は打撃により発生した音響を周波数分析することにより容易に求めることができる。
なお、被測定物が転がり軸受11の場合には、内輪111、外輪112、転動体113、軸受ハウジング10等のいずれかに起因する固有振動数が与えられることになる。一般的に、機械部品の固有振動数は複数存在し、固有振動数における振幅レベルは高くなるので測定の感度がよい。
振動分析部214は、損傷フィルタ周波数帯域が抽出された振動加速度センサ12からの出力信号を基にして、転がり軸受11から発生した振動加速度信号の周波数分析を行う。この振動分析部214は、振動加速度信号の周波数スペクトルを算出するFFT演算部であり、FFTアルゴリズム及びエンベロープ分析に基づいて振動加速度信号の周波数スペクトルを算出する。
振動分析部214は、FFTを行う前処理として、絶対値化処理やエンベロープ処理を行い、異常の診断に必要な周波数成分のみに変換してもよい。
算出された周波数スペクトルは、例えば図5(b)または図5(c)に示されるようなスペクトルデータとして第1の異常診断部217に出力される。また、必要に応じて、エンベロープ処理後のスペクトルデータ(エンベロープ周波数スペクトル)も併せて第1の異常診断部217に出力する。
なお、図5において、fは周波数(Hz)、Gは加速度(m/s)である。
第1の異常診断部217は、振動分析部214にて得られたスペクトルデータにより、軸受11の異常を例えば次のように診断する。
即ち、振動分析部214により得られたスペクトルデータに、例えば図5(b)に見られるような転動体通過振動(SD1)が検知された場合、第1の異常診断部217は、回転分析部212で計算された軸受損傷周波数に基づいて、軸受11のいずれかの部位に、何らかの異常があると診断する(異常部位の診断)。
一方、振動分析部214にて得られたスペクトルデータが、例えば図5(c)に見られるように、転動体通過振動SD1が検知されないものである場合には、軸受11には異常がないと診断する。
そして、第1の異常診断部217により異常ありと診断された場合、第2の異常診断部218は、スペクトルデータのピーク周波数の発生次数パターンに基づいて、異常の種類を判別する(異常の種類の診断)。
例えば、図5(d)に見られるような転動体通過振動SD1のピーク周波数が5次成分まで現れる場合は、故障A(例えば、傷による故障)が発生していると判別する。一方、振動分析部214により得られたスペクトルデータが、例えば図5(e)に見られるように、転動体通過振動SD1のピーク周波数の出現成分が3次成分までの場合は、故障B(例えば、摩耗による故障)が発生していると判別する。
なお、判別指標となるピーク周波数は、発生次数の連続性や規則性を問わず、例えば、1次成分、3次成分、8次成分などのようにピーク周波数が離散したものであってもよい。
異常診断については、転動体通過振動周波数、転動体公転周波数、転動体回転周波数など、軸受の回転に伴い発生する振動周波数を診断指標とし、異常発生時の挙動を検知、診断することができる。
以上のようにして判定された転がり軸受11の診断結果は、内部メモリ216に記憶すると共に、有線またはネットワークを考慮した無線を利用したデータ伝送手段31により出力装置30に送る。
内部メモリ216は、例えばメモリまたはHDD等により構成され、例えば、軸受損傷周波数の算出に用いる各回転部品の設計諸元データと、第1の異常診断部217、及び第2の異常診断部218により判定された転がり軸受11の異常の有無及び異常の種類に関する各データを記憶する。
出力装置30は、転がり軸受11の診断結果をモニタ等にリアルタイムで表示する。また、異常が検出された場合に、ライトやブザー等の警報機を用いて使用者に異常であることの注意を促すようにしてもよい。
また、信号のデータ伝送手段13は、的確に信号を送受信可能であればよいので、有線でも良いし、ネットワークを考慮した無線を利用してもよい。
次に、このように構成された軸受異常診断システムの動作について説明する。図3は、第1実施形態の軸受異常診断システムの動作手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において、振動加速度センサ12により転がり軸受11から発生する振動加速度、及び回転センサにより転がり軸受11の回転速度が検出され、この検出された振動加速度信号及び回転速度信号は、データ伝送手段13を介してデータ収集・分配部211に入力される。
なお、データ収集・分配部211では、入力されたアナログの振動信号を必要に応じて増幅し、A/D変換器によりデジタル信号に変換し、信号の種類に応じて回転分析部212、フィルタ処理部213のいずれかに振り分ける。
次に、フィルタ処理部213が、データ収集・分配部211及び内部メモリ216に記憶されたデータを基に、診断用信号を抽出して振動分析部214に出力する。振動分析部214は、ステップS2において、フィルタ処理部213からの診断用信号を基にして、FFTアルゴリズム及びエンベロープ分析に基づいて振動加速度信号の周波数スペクトルを算出して周波数分析を行う。
そして、振動分析部214により得られたスペクトルデータに転動体通過振動SD1が検知された場合(図5(b)参照)、ステップS3で、第1の異常診断部217が、回転分析部212で計算された軸受損傷周波数に基づいて、軸受11の異常の有無を診断する(外輪、内輪などの異常部位の診断)。
ステップS3で異常ありと診断された場合には、ステップS4において、第2の異常診断部218が、振動分析部214で算出された周波数スペクトルのピーク周波数の発生次数パターン(図5(d),(e)参照)から、軸受11の傷や摩耗など、異常の種類を特定する(異常の種類の診断)。
次に、ステップS5において、診断結果を有線またはネットワークを考慮した無線を利用したデータ伝送手段31によって出力装置30に送り、診断結果を表示してステップS1に戻る。
また、ステップS3で異常なしと診断された場合には、出力装置30で診断結果を表示した後、ステップS1に戻る。これにより、軸受11の状態を常時監視することができる。
以上説明したように、本実施形態の軸受異常診断システム及び軸受異常診断方法によれば、次のような作用効果が得られる。
(a) 軸受11を支持する軸受ハウジング10の振動加速度を検出する振動加速度センサ12の振動加速度信号に基づいて軸受11の異常の有無を診断し、ピーク次数成分を確認することで異常の種類を判別するので、同一信号に基づいて異常の有無および種類を診断することが可能となる。すなわち、同一信号に基づいて簡単に複数の異なる診断を行うことが可能になる。これにより、軸受11を適正なタイミングで交換することができ、メンテナンス効率が向上する。
(b) 一つの振動加速度信号で複数種の診断を行うことができるため、センサ数、入力Ch、信号入力回路の削減に伴う省消費電流、装置コンパクト化、コスト低減効果が得られる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の軸受異常診断システムについて、図1、図2、図4、図6及び図7を参照して説明する。なお、第2実施形態の軸受異常診断システムは、第1実施形態の軸受異常診断システムと多くの点で共通点を有するので、主に異なる点について説明する。
第2実施形態の軸受異常診断システムは、図1に示すように、軸受11を支持する軸受ハウジング10に固定されて、転がり軸受11から発生する振動加速度を検出する振動加速度センサ12と、転がり軸受11の回転速度を検出する回転センサ(図示せず)と、データ伝送手段13を介して受信した振動加速度センサ12の検出信号に基づく周波数スペクトルの周波数解析を行う振動分析部214と、周波数スペクトルに基づいて、軸受異常の有無を診断する第1の異常診断部217と、この第1の異常診断部217が異常ありと診断した場合に、振動加速度センサ12の検出信号の波高率から異常の種類を判別する第2の異常診断部218と、モニタや警報機等からなる出力装置30とを備えている。
なお、振動分析部214、第1の異常診断部217及び第2の異常診断部218は、診断装置20を構成する。また、波高率は、振動加速度信号の振動最大値と振動RMS値(root mean square)との比である。
図2は、本実施形態に係る診断装置20の主要な機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、診断装置20は、主にデータ収集・分配部211、回転分析部212、フィルタ処理部213、振動分析部214、内部メモリ216、第1の異常診断部217、及び第2の異常診断部218を備える。
ここで、本実施形態では、第2の異常診断部218の機能において、第1実施形態のものと異なり、その他の各種構成は、第1実施形態のものと同一である。
即ち、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、第1の異常診断部217は、振動分析部214により得られたスペクトルデータに、例えば図7(b)に見られるような転動体通過振動SD1が検知された場合、回転分析部212で計算された軸受損傷周波数に基づいて、軸受11のいずれかの部位に、何らかの異常があると診断する(異常部位の診断)。
一方、振動分析部214にて得られたスペクトルデータが、例えば図7(c)に見られるように、転動体通過振動SD1が検知されないものである場合には、軸受11には異常がないと診断する。
そして、第1の異常診断部217により異常ありと診断された場合、軸受11に発生する軸受故障の種類によって波高率が異なるので、第2の異常診断部218は、振動加速度信号の振動最大値と振動RMS値(root mean square)との比として波高率を求め、この波高率に基づいて、異常の種類(異常の種類の診断)を判別する。
例えば、図7(d)に見られるように、振動最大値が大きく、振動RMS値が小さい場合、波高率は予め決められている上限閾値C以上となるので、故障A(例えば、傷による故障)が発生していると判別する。
一方、例えば、図7(e)に見られるように、振動最大値、及び振動RMS値が共に大きい場合、波高率は予め決められている上限閾値C未満、且つ下限閾値Dを超えるので、故障B(例えば、摩耗による故障)が発生していると判別する。
一方、振動分析部214にて得られたスペクトルデータが、例えば図7(c)に見られるように、転動体通過振動SD1が検知されないものである場合、或いは、波高率が下限閾値D以下の場合、軸受11には異常がないと診断する。
なお、波高率の各閾値の設定は、診断したい故障の種類に合わせて任意の値に設定可能であり、最適範囲に設定される。
次に、このように構成された軸受異常診断システムの動作について説明する。図6は、第2実施形態の軸受異常診断システムの動作手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において、振動加速度センサ12により転がり軸受11から発生する振動加速度、及び回転センサにより転がり軸受11の回転速度が検出され、この検出された振動加速度信号及び回転速度信号は、データ伝送手段13を介してデータ収集・分配部211に入力され、信号の種類に応じて回転分析部212、フィルタ処理部213のいずれかに振り分ける。
次に、フィルタ処理部213が、データ収集・分配部211及び内部メモリ216に記憶されたデータをもとに診断用信号を抽出して振動分析部214に出力する。振動分析部214は、ステップS2において、フィルタ処理部213からの診断用信号を基にして、FFTアルゴリズム及びエンベロープ分析に基づいて振動加速度信号の周波数スペクトルを算出して周波数分析を行う。
そして、振動分析部214により得られたスペクトルデータに転動体通過振動SD1が検知された場合(図7(b)参照)、ステップS3で、第1の異常診断部217が、回転分析部212で計算された軸受損傷周波数に基づいて、軸受11の異常の有無を診断する(外輪、内輪などの異常部位の診断)。
ステップS3で異常ありと診断された場合には、ステップS4において、第2の異常診断部218が、波高率に基づいて異常の種類(軸受の傷、摩耗などの異常の種類の診断)を判別する。
次に、ステップS5において、診断結果をデータ伝送手段31によって出力装置30に送り、診断結果を表示してステップS1に戻る。また、ステップS3で異常なしと診断された場合には、出力装置30で診断結果を表示した後、ステップS1に戻る。これにより、軸受11の状態を常時監視することができる。
以上説明したように、本実施形態の軸受異常診断システム及び軸受異常診断方法によれば、次のような作用効果が得られる。
(a) 軸受11を支持する軸受ハウジング10の振動加速度を検出する振動加速度センサ12の振動加速度信号に基づいて軸受11の異常の有無を診断し、波高率を確認することで異常の種類を判別するので、同一信号に基づいて異常の有無および種類を診断することが可能となる。すなわち、同一信号に基づいて簡単に複数の異なる診断を行うことが可能になる。これにより、軸受11を適正なタイミングで交換することができ、メンテナンス効率が向上する。
(b) 一つの振動加速度信号で複数種の診断を行うことができるため、センサ数、入力Ch、信号入力回路の削減に伴う省消費電流、装置コンパクト化、コスト低減効果が得られる。
なお、本発明は、前述した各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、帯域設定値や診断指標(実施形態では、発生次数パターン、波高率)に対応する故障の種類は、上記実施形態の限りではなく、対象の軸受、検知したい故障や診断条件、要求仕様等によって都度最適設定することができる。
また、上記実施形態では、異常の種類の判別は、異常の有無を診断してから行っているが、本発明は、これに限らず、発生次数パターン、波高率による異常の種類の診断を異常の有無の診断より先に行ってもよい。
また、本発明の軸受異常診断システムは、自動車、鉄道車両、工作機械、風力発電装置、エレベータ装置などの機械設備に適用可能である。
また、本実施形態では、内輪回転の場合の転がり軸受の異常を診断する場合について主として説明したが、本発明の軸受異常診断システムは、外輪回転の転がり軸受の状態を監視するものにも適用可能である。
さらに、本実施形態では、振動加速度センサは軸受ハウジングに取り付けられているが、本発明はこれに限らず、軸受の内輪や外輪に埋め込まれて、無線で振動加速度信号を診断装置に送るようにしてもよい。
10 軸受ハウジング
11 軸受
12 振動加速度センサ
20 診断装置
214 振動分析部
217 第1の異常診断部
218 第2の異常診断部

Claims (6)

  1. 軸受、又は該軸受を支持する軸受ハウジングに取り付けられ、前記軸受又は軸受ハウジングの振動加速度を検出する振動加速度センサと、
    該振動加速度センサからの振動加速度信号に基づく周波数スペクトルの周波数解析を行う振動分析部と、
    前記周波数スペクトルに基づいて、軸受異常の有無を診断する第1の異常診断部と、
    前記周波数スペクトルから検出されたピーク周波数の発生次数パターンにより前記軸受異常の種類を特定する第2の異常診断部と、
    を備えることを特徴とする軸受異常診断システム。
  2. 軸受、又は該軸受を支持する軸受ハウジングに取り付けられた振動加速度センサから、前記軸受又は軸受ハウジングの振動加速度を検出し、
    該振動加速度センサからの振動加速度信号に基づく周波数スペクトルの周波数解析を行い、
    前記周波数スペクトルに基づいて、軸受異常の有無を診断し、
    前記周波数スペクトルから検出されたピーク周波数の発生次数パターンにより前記軸受異常の種類を特定する、
    ことを特徴とする軸受異常診断方法。
  3. 前記軸受異常と診断された場合、前記軸受の異常の種類を特定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の軸受異常診断方法。
  4. 軸受、又は軸受を支持する軸受ハウジングに取り付けられ、前記軸受又は軸受ハウジングの振動加速度を検出する振動加速度センサと、
    該振動加速度センサからの振動加速度信号に基づく周波数スペクトルの周波数解析を行う振動分析部と、
    前記周波数スペクトルに基づいて、軸受異常の有無を診断する第1の異常診断部と、
    前記振動加速度センサの振動加速度信号の振動最大値と振動RMS値(root mean square)との比である波高率により前記軸受異常の種類を判別する第2の異常診断部と、
    を備えることを特徴とする軸受異常診断システム。
  5. 軸受、又は軸受を支持する軸受ハウジングに取り付けられた振動加速度センサから、前記軸受又は軸受ハウジングの振動加速度を検出し、
    該振動加速度センサからの振動加速度信号に基づく周波数スペクトルの周波数解析を行い、
    前記周波数スペクトルに基づいて、軸受異常の有無を診断し、
    前記軸受異常と診断された場合、前記振動加速度センサの振動加速度信号の振動最大値と振動RMS値(root mean square)との比である波高率により前記軸受異常の種類を特定する、
    ことを特徴とする軸受異常診断方法。
  6. 前記軸受異常と診断された場合、前記軸受の異常の種類を特定する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の軸受異常診断方法。
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