JPH0689919B2 - 熱交換器付換気装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はバイパス通路を有する熱交換器付換気装置に
係わり、特にバイパス通路を開閉するダンパに関するも
のである。

〔従来の技術〕

第６図は例えば実開昭61−197429号公報に示された従来
の熱交換器付換気装置を示す平面図であり、図において
（１）は吸込口（２）（３）と吹出口（４）（５）が室
内側と室外側のそれぞれ一組ずつ設けられた箱体、
（６）および（７）はこの箱体内に上記吸込口と上記吹
出口との間で交差するよう設けられた上記室内側吸込口
（２）から上記室外側吹出口（５）に至る排気通路およ
び上記室外吸込口（３）から上記室内側吹出口（４）に
至る給気通路、（８）はこの排気通路（６）に設けられ
た排気流を形成する輻流型の送風機、（９）は上記給気
通路（７）に設けられた給気流を形成する輻流型の送風
機、（10）は上記交差部に設けられるとともに、上記箱
体に挿脱可能に設けられた例えば特公昭47−19990号公
報に示され上記給気流と上記排気流との間で温度交換と
湿度交換をする熱交換器、（11）は上記送風機（８）
（９）の羽根ケーシング、（12）は上記吸込口（２）
（３）と上記吹出口（４）（５）に設けられた給気用お
よび排気用ダクトの接続部材、（13）は排気通路（６）
と並設され熱交換器（10）を迂回するバイパス通路、
（14）はこのバイパス通路と排気通路（６）とを切り換
えるダンパで、連結具（15）を介してギャードモータ等
からなる駆動機（16）と連設している。

従来の熱交換器付換気装置は上記のように構成され、排
気用送風機（８）と給気用送風機（９）を運転すること
により、室内空気は室内側吸込口（２）から箱体（１）
内に吸い込まれ、排気通路（６）内の熱交換器（10）を
通り、室外側吹出口（５）から吹き出され室外に排出さ
れる。室外空気は室外側吸込口（３）から箱体（１）内
に吸い込まれ、給気通路（７）内の熱交換器（10）を通
り、室内側吹出口（４）から吹き出され室内に給気され
る。このとき熱交換器（10）では排気流と給気流との間
で熱交換が行われ、排気熱を回収して冷暖房負荷を軽減
する。一方、春秋等の熱交換器（10）を必要としない中
間期には、駆動機（16）を駆動してダンパ（14）を回動
させ、バイパス通路（13）を開放するとともに、熱交換
器（10）への排気通路（６）を閉止する。これにより排
気流はバイパス通路（13）を通って排気され、風路抵抗
も少ないことから多くの風量が得られるようになってい
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記のような従来の熱交換器付換気装置では、一枚のダ
ンパ（14）により排気通路（６）とバイパス通路（13）
を切り換えるようにしているため、送風による圧力をダ
ンパ（14）で受けることになり、このため、ダンパ（1
4）の回動させるための力が大きくなり、駆動機（16）
を大きくしなければならないという問題点があった。

この発明は係る問題点を解決するためになされたもの
で、ダンパの回動させるための力が小さくて済み、駆動
機を小さくすることができる熱交換器付換気装置を得る
ことを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明では、吸込口と吹出口とを室内側と室外側のそ
れぞれに一組ずつ設けた箱体と、この箱体内に上記吸込
口と上記吹出口との間で交差するよう設けられた上記室
内側から上記室外側に至る給気通路および排気通路と、
これらの給気通路と排気通路とに、給気流と排気流をそ
れぞれ形成する送風機と、上記給気通路と排気通路との
交差部に設けられ上記給気流と上記排気流との間で熱交
換する熱交換器と、上記排気通路の上記熱交換器の上流
で分岐し、上記熱交換器を迂回するとともに、入口が排
気通路の熱交換器側への入口より小さく構成されたバイ
パス通路と、このバイパス通路の入口を開閉し、上記熱
交換器側への入口側端部に回動軸を持つ開閉可能な軸方
向に細長いバイパスダンパと、上記排気通路の熱交換器
側への入口と室内側吸込口との間に設けられ、ほぼ中央
部に回動軸を持ち、駆動機により回動され、上記バイパ
スダンパよりも大きい排気通路ダンパとを備え、上記排
気通路ダンパが排気流に沿う位置にあるときの上記室内
側吸込口側と、上記バイパスダンパの閉止状態での軸の
ない側とを連動リンクにより接続して上記排気通路ダン
パとバイパスダンパを連動可能に構成したことを特徴と
する。

〔作用〕

この発明では、排気通路ダンパがそのほぼ中央で軸支さ
れているため、熱交換運転から普通換気運転へ（または
その逆の場合も）モードを変更する際に、軸の左右の受
ける風圧が釣り合い状態となり、同時に排気通路ダンパ
よりもバイパスダンパは小さく、このバイパスダンパが
開閉するバイパスダンパの入口も熱交換器への入口より
も小さく軸方向に細長いため、結局風圧による影響を相
殺し、バイパスダンパの回転モーメントを小さくし、そ
の分駆動機の必要な駆動力をより小とし得る。

〔実施例〕

第１図〜第５図はこの発明の一実施例を示す図、第１図
は蓋体を取り除いた斜視図、第２図は風の流れを示す平
面図、第３図は第２図の側面図、第４図はバイパス通路
を使用した状態を示す斜視図、第５図は第４図における
風の流れを示す平面図である。図において（１）〜（1
3）、（15）、（16）は上記従来例と同一または相当部
分を示し、箱体（１）内には仕切板（31）により各部屋
が設けられ、（21）は熱交換器（10）が挿入されること
によって四つの室（17）（18）（19）（20）が形成され
る熱交換器室、（22）は上記室（17）と仕切板（31）に
開口（23）を設けて連通された回転軸を熱交換器（10）
の挿脱方向に対し直交するように配設した輻流型の排気
用送風機（８）を内設した排気送風機室で、羽根ケーシ
ング（11）の端部に室外側吹出口（５）が設けられてい
る。（24）は上記室（18）と仕切板（31）に開口（25）
を設けて連通された回転軸を熱交換器（10）の挿脱方向
に対し直交するように配設した輻流型の給気用送風機
（９）を内設した給気送風機室で、羽根ケーシング（1
1）の端部に室内側吹出口（４）が設けられている。（2
6）は上記室（19）と仕切板に開口（図示せず）を設け
て連通された上記排気送風機室（22）下部および側部に
設けられた室外側吸込室で、側壁に室外側吸込口（３）
が設けられている。（27）は上記室（20）と仕切板（3
1）に開口（28）を設けて連通され上記給気送風機室（2
4）の下部に設けられた室外側吸込通路、（29）はこの
室外側吸込通路と開口（30）を設けて連通された室内側
吸込室で、側壁に室内側吸込口（２）が設けられてい
る。バイパス通路（13）は熱交換器室（21）の側部に設
けられ、仕切板（31）に開口（32）（33）を設けて上記
室（17）を介して上記排気送風機室（22）と上記室内側
吸込室（29）が連通され、開口（33）は上記室内側吸込
室（29）とともに箱体（１）の高さ方向に長く形成され
ている。（34）は上記室内側吸込室（29）内に設けられ
た排気通路ダンパで、開口（30）を開閉するようほぼ中
央部に回動軸（35）が設けられ、連結具（15）を介して
駆動機（16）と連設している。（36）は上記室内側吸込
室（29）内に設けられ縦長に形成されたバイパスダンパ
で、開口（33）を開閉するよう端部に回動軸（35）が設
けられ、上記排気通路ダンバ（34）の自由端とこのバイ
パスダンパの自由端は連動リンク（37）により連設され
ている。（38）は排気通路ダンパ（34）に設けられ開口
（30）を開放する方向に付勢する弾性体である。上記室
内側吸込口（２）と上記室外側吹出口（５）は上記熱交
換器（10）の挿脱方向に対し直交する方向の上記箱体
（１）の側壁に設けられ、この側壁と対向する側壁に上
記室外側吸込口（３）と上記室内側吹出口（４）は設け
られている。また、上記したように排気用送風機（８）
および給気用送風機（９）の電動機回転軸は、熱交換器
（10）の箱体（１）への挿脱方向に対して直交するよう
に設けられ、羽根ケーシング（11）の関係から風を熱交
換器（10）の挿脱方向と平行になるように吐出させた後
直角に曲げ、上記室内側吹出口（４）および上記室外側
吹出口（５）から吹き出すようにしている。

上記のように構成された熱交換器付換気装置は、熱交換
器（10）を使用した空調換気においては、駆動機（16）
をOFFさせて弾性体（38）により排気通路ダンパ（34）
を回動させ開口（30）を開放させるとともに、連動リン
ク（37）によりバイパスダンパ（36）を回動させ開口
（33）を閉塞させ、それぞれの送風機（８）（９）を運
転することにより、室内空気はダクトを介して室内側吸
込口（２）から室外側吸込室（29）に吸い込まれ、開口
（30）→室内側吸込通路（27）→室（20）→熱交換器
（10）→室（17）→開口（23）→排気送風機室（22）に
至る排気通路（６）を通り、排気用送風機（８）によ室
内側吹出口（５）から吹き出されダクトを介して室外に
排出される。室外空気はダクトを介して室外側吸込口
（３）から室外側吸込室（26）に吸い込まれ、室（19）
→熱交換器（10）→室（18）→開口（25）→給気送風機
室（24）に至る給気通路（７）を通り、給気用送風機
（９）によ室内側吹出口（４）から吹き出されダクトを
介して室内に給気される。このとき、熱交換器（10）で
は排気流と給気流との間で熱交換が行われ排気熱を回収
して冷暖房負荷を軽減する。一方、春秋等の冷暖房を必
要としない中間期には、第４図および第５図に示すよう
に駆動機（16）を運転させて排気通路ダンパ（34）を回
動させこれと同時に連動リンク（37）によりバイパスダ
ンパ（36）を回動させ開口（30）排気通路ダンパ（36）
を重合させて閉塞させるとともに、開口（33）を開放さ
せそれぞれの送風機（８）（９）を運転することによ
り、外気の給気は上記空調換気と同様にして行われる
が、室内空気はダクトを介して室内側吸込口（２）から
室内側吸込室（29）に吸い込まれ、開口（33）→バイパ
ス通路（31）→開口（32）→室（17）→開口（23）→排
気用送風機室（22）に至るバイパス通風路を通り、排気
用送風機（８）により室外側吹出口（５）から吹き出さ
れダクトを介して室外に排出される。このように、排気
流が熱交換器（10）を通らないことから通風路における
抵抗が少なくなり、充分な通常換気が行われ、また、排
気通路ダンパ（34）に連動リンク（37）を介してバイパ
スダンパ（36）を回動可能にしていること及びバイパス
ダンパ（36）が縦長に形成されていることにより、ダン
パの回動トルクは小さくて済み、駆動機（16）を小さく
することができる。

即ち、バイパス通路（31）を開放し、排気通路（６）側
を閉止するとき、排気通路ダンパ（34）には回動を妨げ
る気流と回動を助ける気流が共に作用し、釣り合い状態
になるため、比較的小さな力で閉止させることができ
る。また、バイパスダンパ（36）は平面積が小さく軸方
向に細長いため、回転モーメントが充分に小さくなり、
開放動を妨げる気流の作用は少なくなり、両者の協同に
より排気通路（６）側が閉止されるため、排気通路ダン
パ（34）自体平面積が小さくて済むことになり、駆動機
（16）に出力は小さくて済む。

また、第５図の状態から第２図の状態へ変更する際に
は、両ダンパには風圧が影響しているが、排気通路ダン
パ（34）には上述と同様に、即ち第５図上排気通路ダン
パ（34）の回動軸（35）の右側には回動を助ける風が当
たり、左側には回動を妨げる風が当たり、両者は相殺さ
れ、妨げる風のみを受ける場合よりも充分に駆動機の力
を省力化できる。同時に、バイパスダンパ（36）はもと
もと回転モーメントが小さく軸方向に細長いため風によ
る影響はきわめて少ない。さらに、バイパスダンパ（3
6）がドアー式であるため、開口（33）の密閉度が高
く、バイパス通路（13）からの漏れがなくなる。上記の
ように空調換気あるいは通常換気をすることにより熱交
換器（10）は汚れて清掃する必要が生じてくるが、箱体
（１）に設けたカバー（39）を外し熱交換器（10）を引
き抜くことにより掃除機等で清掃することができ、この
熱交換器（10）の挿脱は吸込口（２）（３）と吹出口
（４）（５）の形成方向に対し直交するように行われる
ため、給排気用の配管が邪魔することがない。また、排
気用送風機（８）および給気用送風機（９）の回転軸が
熱交換器（10）の挿脱方向に対し直交して設けられてい
ることにより、寸法の大きな羽根ケーシング（11）が熱
交換器（10）と平行するように配設されることになり、
箱体（１）の奥行寸法が小さくなる。横幅寸法は熱交換
器（10）の寸法により決まる。

〔発明の効果〕

この発明では、排気通路ダンパがそのほぼ中央で軸支さ
れているため、熱交換運転から普通換気運転へ（または
その逆の場合も）モードを変更する際に、軸の左右の受
ける風圧が釣り合い状態となり、同時に排気通路ダンパ
よりもバイパスダンパは小さく、このバイパスダンパが
開閉するバイパスダンパの入口も熱交換器への入口より
も小さく軸方向に細長いため、結局風圧による影響を相
殺し、バイパスダンパの回転モーメントを小さくし、そ
の分駆動機の必要な駆動力をより小とし得、駆動機を小
さくすることが可能となる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す蓋体を取り除いた状
態を示す斜視図、第２図は同じく風の流れを示す平面
図、第３図は第２図の側面図、第４図はバイパス通路
（13）を使用した状態を示す斜視図、第５図は第４図に
おける風の流れを示す平面図、第６図は従来の熱交換器
付換気装置を示す平面図である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示し、
（１）は箱体、（２）は室内側吸込口、（３）は室外側
吸込口、（４）は室内側吹出口、（５）は室外側吹出
口、（６）は排気通路、（７）は給気通路、（８）は排
気用送風機、（９）は給気用送風機、（10）は熱交換
器、（13）はバイパス通路、（15）は連結具、（16）は
駆動機、（34）は排気通路ダンパ、（36）はバイパスダ
ンパ、（37）は連動リンクである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】吸込口と吹出口とを室内側と室外側のそれ
   ぞれに一組ずつ設けた箱体と、この箱体内に上記吸込口
   と上記吹出口との間で交差するよう設けられた上記室内
   側から上記室外側に至る給気通路および排気通路と、こ
   れらの給気通路と排気通路とに、給気流と排気流をそれ
   ぞれ形成する送風機と、上記給気通路と排気通路との交
   差部に設けられ上記給気流と上記排気流との間で熱交換
   する熱交換器と、上記排気通路の上記熱交換器の上流で
   分岐し、上記熱交換器を迂回するとともに、入口が排気
   通路の熱交換器側への入口より小さく構成されたバイパ
   ス通路と、このバイパス通路の入口を開閉し、上記熱交
   換器側への入口側端部に回動軸を持つ開閉可能な軸方向
   に細長いバイパスダンパと、上記排気通路の熱交換器側
   への入口と室内側吸込口との間に設けられ、ほぼ中央部
   に回動軸を持ち、駆動機により回動され、上記バイパス
   ダンパよりも大きい排気通路ダンパとを備え、上記排気
   通路ダンパが排気流に沿う位置にあるときの上記室内側
   吸込口側と、上記バイパスダンパの閉止状態での軸のな
   い側とを連動リンクにより接続して上記排気通路ダンパ
   とバイパスダンパを連動可能に構成したことを特徴とす
   る熱交換器付換気装置。