JPH068970A

JPH068970A - 気泡入りシート、該気泡入りシートの製造方法及び包装用緩衝材

Info

Publication number: JPH068970A
Application number: JP5087449A
Authority: JP
Inventors: Eitaro Okumura; 栄太郎奥村
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1992-04-14
Filing date: 1993-04-14
Publication date: 1994-01-18

Abstract

(57)【要約】【目的】多目的用途に使用可能な気泡入りシート及び
該気泡入りシートの製造方法を提供し、優れた緩衝性
能、廃棄処分の容易性、取扱いの利便性、焼却処理の適
応性、そして或る程度の自立性を有する包装用緩衝材を
提供する。【構成】気泡入りシート５は、高圧法ポリエチレンの
シート７、７を互いに重ね合わせ、該シートを部分的に
溶着し、重なり領域７ａと多数の気泡９とを形成してな
る。緩衝材１は、気泡入りシート５と、各気泡９の頂部
領域７ｂに接着した上下の板材３、３とから構成され
る。上記重なり領域及び板材には、ミシン目１３、１１
が夫々形成され、これらのミシン目は、平面的に整合す
る位置に配設される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、気泡入りシート、気泡
入りシートの製造方法及び包装用緩衝材に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】外部から梱包物又は内容物に加わる振動
又は衝撃を緩和して、梱包物を保護する包装用緩衝材が
広く実用に供されている。この種の緩衝材は、振動又は
衝撃により梱包物に局部的に集中応力が作用するのを防
止し、梱包物の安全且つ確実な輸送又は取扱いを可能に
する。

【０００３】かかる緩衝材として、発泡ポリスチレンな
どの自立可能な定型緩衝材や、気泡入りプラスチックフ
ィルムなどの柔軟なシート状不定型緩衝材が一般に用い
られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記定型緩
衝材は、梱包物の形状に応じて変形又は裁断し難く、従
って、予め定められた形態の梱包物にのみ具合良く適合
するにすぎない。このため、定型緩衝材は、梱包物の形
態に応じてその都度成形しなければならない。しかしな
がら、成形型は一般に極めて高価であり、型を容易に変
更できない事情がある。また、かかる定型緩衝材は比較
的嵩が大きく、廃棄処分の際に手間がかかる。しかも、
焼却処分の際に、有害ガス及びばい煙を発生させるもの
が多く、或いは、高熱を発する傾向があり、公害問題の
一因として問題視されている。

【０００５】他方、上記シート状緩衝材として最も一般
的な気泡入りシート、例えば、気泡入りプラスチックフ
ィルムは、比較的自由に変形又は折り曲げることがで
き、従って、定型緩衝材に比べて、梱包の自由度及び取
扱の容易性に優れる。しかも、かかる気泡入りシート
は、実効体積が比較的小さく、処理又は処分が比較的容
易である。しかしながら、従来の気泡入りシートは、厚
さが比較的薄く、このため、緩衝性能が劣る。しかも、
かかる緩衝材は自立性をもたないため、梱包物を所定の
位置に保持するのに使用し難い。また、従来の気泡入り
シートは、表面の構造特性と裏面の構造特性とが全く相
違しており、気泡入りシートの用途は、隠れた領域に配
される包装用緩衝材などの特定の用途に限定されてい
る。

【０００６】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、多目的な用途、例え
ば、緩衝材、温室の屋根材又は壁材、膜構造物の膜材、
建築用断熱材、或いは、配管保温材等の各種用途に使用
可能な気泡入りシート及び該気泡入りシートの製造方法
を提供することにある。本発明は更に、優れた緩衝性
能、廃棄処分の容易性、取扱いの利便性、焼却処理の適
応性、そして或る程度の自立性を有する新規な包装用緩
衝材を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために、本発明は、互いに重ねられた２枚の樹脂シ
ートから構成され、該樹脂シートを部分的に溶着してな
る重なり領域と、該重なり領域により密封された複数の
気泡とを有し、該気泡により、両面に***部を形成して
なる気泡入りシートを提供する。

【０００８】上記気泡入りシートによれば、気泡は、シ
ートの両側に***部を形成し、シートの表面と裏面と
は、実質的に同じ構造特性を有する。シートの両側の各
***部は、他の部材又は部位に対して、平面的に接する
のではなく、所謂点接触を形成する。また、本発明の気
泡入りシートにおける気泡の厚さを、気泡が一方の側に
のみ突出する従来の気泡入りシートと同じに設定した場
合、重なり領域に対する***部の***量は、半減する。
逆に、重なり領域に対する***部の***量を、従来の気
泡入りシートと近似した***量に設定した場合、気泡の
厚さは倍増し、緩衝機能及び断熱性能が高められる。か
かる気泡入りシートは、表裏の実質的な対称性及び各面
の実質的に均一な構造特性により、或いは、両側に配置
された***部が他の部材又は部位と略点接触をなす特性
を利用し、多目的用途に使用できる。例えば、気泡入り
シートの緩衝機能を重視して気泡入りシートを緩衝材に
用いたり、或いは、気泡入りシートの断熱・保温作用を
重視して、気泡入りシートを温室の屋根材又は壁材、膜
構造物の膜材、建築用断熱材、或いは、配管保温材等の
各種用途に使用し得る。

【０００９】また、本発明は、上記気泡入りシートの製
造方法として、２枚の樹脂シートをローラ対のニップを
通して連続的に送り、該ローラは、外周面に開口する凹
部と、該凹部の底面に開口する吸引管路と、前記凹部の
間の外周面に設けたヒートシール手段とを備え、前記ロ
ーラの間の領域にて、前記シートを部分的に溶着して、
前記重なり領域と複数の気泡とを形成することを特徴と
する気泡入りシートの製造方法を提供する。

【００１０】本発明の上記構成によれば、シートはロー
ラ対の間にて凹部の輪郭に沿って上下に膨らみ、気泡を
形成する。かかる製造方法によれば、上記気泡入りシー
トを極めて効率良く大量に製造することができる。好ま
しくは、上記ローラは、分割手段、例えばミシン目をシ
ートに形成する分割手段形成具を上記凹部の間に備え
る。

【００１１】本発明は更に、上記気泡入りシートと、該
気泡入りシートの***部の頂部領域にて前記気泡入りシ
ートの両側面に夫々接着された板紙材とを有する包装用
緩衝材を提供する。上記構成の緩衝材によれば、気泡入
りシートの両面に形成された***部に対して板紙材が接
着されるので、緩衝材に作用した局部的な衝撃又は集中
荷重は、板紙材により分散され、気泡により緩衝され
る。かくして、上記包装用緩衝材は、全体として優れた
緩衝性能を有する。また、緩衝材は、樹脂シートと板紙
材とから製作されるので、発泡ポリスチレン等の定型緩
衝材に比べ、焼却時にばい煙や有害ガスを多量に発生さ
せず、また、比較的低い温度にて焼却される。従って、
上記緩衝材は焼却処理に適している。しかも、板紙材の
存在により、緩衝材は自立性を有するので、梱包物を所
定の位置に保持するのに用いることができる。

【００１２】本発明の好ましい実施態様においては、上
記緩衝材を小片に分割可能にするために、上記気泡入り
シートの重なり領域と、板紙材とに、容易に切断可能な
分割手段が設けられる。かかる構成によれば、緩衝材
は、分割手段にて小片に分割できる。従って、緩衝材の
廃棄処分が極めて簡素化されるとともに、緩衝材を梱包
物の形態又は寸法に容易に適合させるべく、適宜分割す
ることができる。

【００１３】本発明の好ましい実施態様においては、上
記シートは、高圧法ポリエチレンのシートであり、上記
板紙材は厚紙からなり、上記分割手段は、ミシン目から
なる。

【００１４】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の好ましい実施
例について詳細に説明する。図１は、本発明に係る気泡
入りシートを備えた包装用緩衝材の拡大縦断面図であ
り、図２は、図１に示す緩衝材の平面図である。また、
図３は、図１のＡ─Ａ線における横断面図である。

【００１５】図１に示すように、緩衝材１は、上下の板
材３、３と、板材３の間に介挿された気泡入りシート５
とからなる。板材３は所定の厚さの厚紙からなり、気泡
入りシート５は、上下に重ねられた２枚のシート７、７
と、シート７、７によって密封された複数の気泡９とか
ら略構成される。各シート７は、不純物を実質的に含ま
ない高圧法ポリエチレンのシートからなる。

【００１６】上下のシート７、７は、重なり領域７ａに
てヒートシールによって溶着され、また、気泡９の頂部
領域にて、接着剤によって板材３の裏面に接着されてい
る。図３に示すように、多数の気泡９が縦方向及び横方
向に列をなして気泡入りシート５に配置され、各気泡９
は、互いに間隔を隔てた***部を気泡入りシート５の両
面に形成している。

【００１７】図１に示す如く、ミシン目１１が上下の板
材３、３に夫々形成される。上下のミシン目１１は、平
面的に一致する位置に配設される。また、ミシン目１３
が気泡入りシート５に形成され、ミシン目１３は、重な
り領域７ａに配置される。ミシン目１１とミシン目１３
とは、平面的に同じ位置に設けられ、従って、ミシン目
１１及び１３は、緩衝材１を特定の位置で切断可能にす
る複合的なミシン目を形成する。

【００１８】図２に示すように、ミシン目１１は縦方向
及び横方向に夫々形成され、全体として格子状に配列さ
れている。図３に示すように、ミシン目１３も又、縦方
向及び横方向に夫々形成され、全体として格子状に配列
されている。図４Ａは、気泡入りシート５の製造方法を
示す概略説明図である。図４Ｂは、図４Ａにおけるａ部
の拡大断面図であり、図４Ｃは、図４Ｂのｂ─ｂ線にお
ける断面図である。

【００１９】図４Ａに示すように、２枚のシート７、７
がローラ対２１、２１のニップを通して連続的に送ら
れ、気泡入りシート５として成形される。図４Ｂ及び図
４Ｃに示すように、ローラ２１、２１は、その外周に多
数の凹部２３を有する。凹部２３は夫々、気泡入りシー
ト５に形成される各気泡９に相応する寸法形状のもので
ある。各ローラ２１は、真空源又は負圧源に接続された
吸引管路２５を備え、吸引管路２５は各凹部２３の底面
に開口する。

【００２０】ローラ対２１、２１のニップ領域に供給さ
れたシート７、７の外側面は、吸引管路２５の吸引力に
よって凹部２３内に引き込まれ、図４Ｂに示すように、
凹部２３の輪郭に沿って上下に膨らむ。各ローラ２１の
外周面は、凹部２３の間の領域に熱溶着手段（図示せ
ず）を備えており、凹部２３の間に位置するシート７、
７の部分をニップ領域においてヒートシールする。ロー
ラ２１の凹部２３間の領域には、シート７、７にミシン
目１３を付けるためのミシン目形成具（図示せず）が配
設されており、ニップ領域でシート７、７に所定のミシ
ン目１３が形成される。

【００２１】ローラ対２１、２１を通過したシート７、
７は、気泡９を備え且つヒートシールによる重なり領域
７ａを備えた気泡入りシート５を構成する。かくして形
成された気泡入りシート５は、***部の頂部領域に接着
剤を塗布され、上面及び下面に板材３、３を接着され
る。なお、板材３には、ミシン目１３と一致するミシン
目１１が予め設けられており、ミシン目１１がミシン目
１３と整合した状態で板材３、３が気泡入りシート５の
両側に接着される。かくして板材３、３が接着された気
泡入りシート５は、図１乃至３に示す緩衝材１を構成す
る。

【００２２】図２に示す気泡入りシート５は、上記緩衝
材１を形成するための素材として用い得るばかりでな
く、他の用途、例えば、温室の屋根及び壁を構成するシ
ートとして用いることができる。図５は、温室の概略縦
断面図である。図５に示す温室は、両端が地盤Ｇに支持
されたアーチ状の骨組Ｂと、骨組Ｂに取付けられた気泡
入りシート５とから構成されている。気泡入りシート５
は、上記ミシン目１３を備えておらず、締結具（図示せ
ず）によって骨組Ｂの外側に取付けられる。本例の温室
は、気泡入りシート５の断熱・保温性能により、通常の
ビニールシートで作られた従来の温室に比べ、優れた温
室効果を発揮する。

【００２３】また、室内の空気圧にて形状を保持するよ
うに構成された膜構造の屋根や、枠組により支持された
テント等の膜構造の屋根などの屋根材として、上記気泡
入りシート５を用いることができる。更に、気泡入りシ
ート５は、断熱材又は保温材として用いることができ
る。例えば、図１における板材３、３として、難燃ボー
ド又は不燃ボード等のボード材を使用し、断熱複合ボー
ドを製作することができる。或いは、気泡入りシートを
冷水配管等の配管の保温材として用い得る。

【００２４】以上説明したように、本実施例に係る気泡
入りシートは、高圧法ポリエチレンのシート７、７を上
下に重ね、シート７、７を部分的に溶着して、重なり領
域７ａと多数の気泡９とを形成した気泡入りシート５か
らなる。かかる構成の気泡入りシート５によれば、気泡
によりシート７、７の両側に***部が形成され、気泡入
りシート５の表面と裏面とは、実質的に同じ構造特性を
有する。しかも、***部は、他の部材又は部位、例え
ば、板材３に対して、略点接触する。かかる気泡入りシ
ート５は、多目的用途に使用でき、例えば、気泡入りシ
ート５の緩衝機能を重視して、緩衝材に用いたり、或い
は、気泡入りシートの断熱・保温作用を重視して、温室
の屋根材又は壁材、膜構造物の膜材、建築用断熱材、或
いは、配管保温材等の各種用途に使用し得る。

【００２５】また、気泡入りシート５を板材３、３の間
に介挿してなる緩衝材１は、比較的大きな厚さを有する
とともに、板材３、３が局部的な集中荷重を分散させ且
つ気泡入りシート５が衝撃を吸収するので、全体として
優れた緩衝性能を有する。また、重なり領域７ａ及び板
材３には、ミシン目１３、１１が夫々形成され、ミシン
目１３、１１は、平面的に整合する位置に配置されてい
る。従って、緩衝材１は、ミシン目１１、１３を引き裂
くことにより、簡単に小片に分割できる。かくして、緩
衝材１の廃棄処分を容易に行い得るばかりでなく、緩衝
材１を梱包物の形態又は寸法に容易に適合させることが
できる。更に、緩衝材１は、高圧法ポリエチレンのシー
ト７、７と厚紙の板材３、３とから製作されるので、焼
却時における有害ガス又はばい煙の発生量を大きく低減
できるとともに、比較的低い温度にて焼却される。加え
て、緩衝材１は、板材３、３の存在により、自立性を有
するので、梱包物を所定の位置に保持するのに用いるこ
とができる。従って、緩衝材１により、殊に板状の梱包
物、例えば、精密部品、図書類、フロッピーディスク、
医薬品、食品・菓子類等を極めて効率良く梱包できる。

【００２６】更に、上記気泡入りシート５の製造方法に
おいては、２枚のシート７、７がローラ対２１、２１の
ニップを通して連続的に送られ、ローラ２１、２１の間
で、シート７、７が部分的に溶着され、重なり領域７ａ
と多数の気泡９とミシン目１３とが形成される。ローラ
２１、２１は、凹部２３と、凹部２３の底面に開口する
吸引管路２５とを備え、シート７、７はローラ２１、２
１の間にて凹部２３の輪郭に沿って上下に膨らむ。かか
る製造方法によれば、気泡入りシート５を極めて効率良
く大量に製造することができる。

【００２７】なお、上記実施例においては、高圧法ポリ
エチレンのシートが用いられているが、本発明はこれに
限定されるものではない。例えば、所謂当業者は、気泡
を形成でき、効率的な焼却処理を行うことができる他の
樹脂のシートを本発明に従って用い得る。また、気泡の
形状及び配置や、ミシン目の配置は、上記実施例に限定
されるものではなく、種々の変更が可能である。

【００２８】

【発明の効果】本発明の気泡入りシート及びその製造方
法によれば、多目的な用途、例えば、緩衝材、温室の屋
根材又は壁材、膜構造物の膜材、建築用断熱材、或い
は、配管保温材等の各種用途に使用可能な気泡入りシー
ト及び該気泡入りシートの製造方法を提供することが可
能となる。

【００２９】また、本発明の緩衝材によれば、優れた緩
衝性能、廃棄処分の容易性、取扱いの利便性、焼却処理
の適応性、そして或る程度の自立性を有する新規な包装
用緩衝材を提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る気泡入りシートを備えた包装用緩
衝材の拡大縦断面図である。

【図２】図１に示す緩衝材の平面図である。

【図３】図１のＡ─Ａ線における横断面図である。

【図４】気泡入りシートの製造方法を示す説明図であ
る。

【図５】図１乃至図４に示す気泡入りシートを用いた温
室の概略縦断面図である。

【符号の説明】

１緩衝材３板材５気泡入りシート７シート９気泡１１ミシン目１３ミシン目２１ローラ２３凹部２５吸引管路

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】互いに重ねられた２枚の樹脂シートから
構成され、該樹脂シートを部分的に溶着してなる重なり
領域と、該重なり領域により密封された複数の気泡とを
有し、該気泡により、両面に***部を形成してなる気泡
入りシート。
【請求項２】請求項１に記載の気泡入りシートの製造
方法であって、２枚の樹脂シートをローラ対のニップを
通して連続的に送り、該ローラは、外周面に開口する凹
部と、該凹部の底面に開口する吸引管路と、前記凹部の
間の外周面に設けたヒートシール手段とを備え、前記ロ
ーラの間の領域にて、前記シートを部分的に溶着して、
前記重なり領域と複数の気泡とを形成することを特徴と
する気泡入りシートの製造方法。
【請求項３】請求項１に記載の気泡入りシートと、該
気泡入りシートの***部の頂部領域にて前記気泡入りシ
ートの両側面に夫々接着された板紙材とを有する包装用
緩衝材。