JPH068527U

JPH068527U - 遮音断熱材

Info

Publication number: JPH068527U
Application number: JP4258692U
Authority: JP
Inventors: 大石　　徹
Original assignee: Nippon Steel Chemical Co Ltd
Current assignee: Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Priority date: 1992-05-29
Filing date: 1992-05-29
Publication date: 1994-02-04

Abstract

(57)【要約】【目的】異型の打ち抜きに対応できると共に、住宅等
の居住空間を減少させることのない、薄くて、柔軟性の
ある遮音・断熱材を提供することを目的とする。【構成】無機質繊維と繊維状バインダー樹脂とで一体
化した無機質繊維層の表面に金属製シートを接着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、遮音性、吸音性、断熱性に優れた遮音断熱材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、住宅、工場、ビル等の建築物や空調機器、ダクト、配管廻り、ファン廻り等の設備機器の断熱及び内部又は外部で発生する騒音等を軽減するために、ロックウールやガラスウールなどの無機質繊維を使用した吸音・断熱材が多く用いられている。これらの無機質繊維吸音・断熱材は、ロックウールやガラスウールなどの無機質繊維同士をフェノール樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性バインダー樹脂を用いて結合して成型したものである。これらの無機質繊維吸音材・断熱材に遮音性を付加することを目的として、無機質繊維層の層間に鉛シートを積層し、金属線材で縫合したものも提供されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、これらの無機質繊維吸音材・断熱材は一般には、溶鉱炉→製綿機→バインダー樹脂の噴霧→硬化炉→裁断加工→製品といったラインで一貫生産されるために、溶鉱炉での原料の溶解速度に呼応したラインスピードにて製造する必要性が生じ２０ｍｍ以下の薄物品の製造は困難であった。また、オンラインで製造した厚い原板を二次加工でスライスして薄物品を得ることも行われているが、低密度品は無機質繊維がばらけ易いためにスライス作業が困難であり、高密度品についても柔軟性に乏しい熱硬化性バインダー樹脂によって成形していることから、硬い板状体とならざるを得ず、折れ易くなるためにいずれにしても１０ｍｍ以下の薄物品の製造は困難であった。このように、厚く、硬いものであるがために、凹凸のあるダクト、配管廻り等の設備機器の場合にはその使用場所の形状に応じたものを製造することが必要であり、住宅等の建築物の場合には厚い吸音材を使用することによって、有効空間が狭くなるという問題があった。本発明の目的は、任意の密度の薄くて柔軟性があり、しかも、遮音性、吸音性、断熱性の優れた遮音断熱材を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案者は上記した欠点を解消するため鋭意検討を行った結果、柔軟性バインダー樹脂で結合された無機質繊維と金属製シートを積層することに気付き本発明を完成した。すなわち、本考案は、無機質繊維を柔軟性バインダー樹脂で一体化した繊維層と、金属製シートとを接着してなることを特徴とする遮音吸音・断熱材である。

【０００５】以下、本考案を詳細に説明する。図１は本考案の遮音断熱材を表すものであって、図中１は繊維層を、２は金属製シートを、３は繊維層１と金属シート２とを接着する接着剤を示す。本考案に使用する無機質繊維としては、ロックウール、ガラスウール、セラミックファイバー等の無機質繊維を挙げることができる。ロックウール、ガラスウール、セラミックファイバーをそれぞれ単独に使用することもできるが、これらを配合することによって、ロックウール又はガラスウール製繊維層の強度、耐熱性を任意にコントロールすることができる。柔軟性バインダー樹脂としては、加熱によって接着性を発現する塩ビ系、酢ビ系、アクリル系、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ナイロン系等の熱可塑性樹脂の粉末、溶液、エマルジョン等が挙げられ、より好ましくは、これらを繊維状に成型加工し、軟化温度の異なる複数の熱可塑性樹脂で構成されたクラッド／コアタイプの熱融着繊維である。柔軟性バインダー樹脂の配合量は樹脂の種類にもよるが、防火性の面から２０％以下が好ましい。

【０００６】これらを一体化して繊維層１とする方法としては、無機質繊維と柔軟性バインダー樹脂とを解繊、混合した後、加熱成型して所定の密度、厚さのシート状又はフェルト状にしたものが使用される。また、湿式抄造法を用いてもよい。無機質繊維層１は、例えば柔軟性バインダー樹脂を配合したロックウールをシート状或いはマット状に成型した後、剥離強度を向上させるために必要に応じてニードリング処理を行うことができる。この製造の段階或いは製造後に加熱することにより、バインダー樹脂の粘着力を発現させ、無機質繊維相互を結合する。この繊維層１は、内部に多数の空隙を有していることから、吸音性が高く、しかも、繊維同志が互いにからみあって構成されていることから、引張り強度が強い。この繊維層１の密度は３０〜３００ｋｇ／ｍ³、好ましくは６０〜２５０ｋｇ／ｍ³、繊維層１の厚さとしては１〜３０ｍｍ、好ましくは２〜２０ｍｍであり、幅、長さは任意でよい。

【０００７】本考案で用いる金属製のシート２としては、鉄、ステンレス、チタン、アルミニウム、銅、鉛、等々が挙げられるが、遮音特性を考慮した場合には、鉛が最も好ましい。金属製のシート２の厚さは、使用する金属の材質、柔軟性によって適宜選択することができるが、０．０１〜３ｍｍであることが好ましい。無機質繊維層１とこの金属製のシート２とを積層、接着して遮音・断熱材とするが、この際に使用する接着剤３としては、無機質繊維層１と金属製のシート２との接着に良好な結果を示すものであれば特に限定はされないが、防火性の面から自己消火性や難燃性のものが好ましく、具体的には変成シリコーン系、クロロプレンゴム系やネオプレンゴム系のものが好ましい。

【０００８】このようにして得られた遮音吸音材は、金属製シート２の持つ遮音特性と無機質繊維層１の持つ吸音性とを合わせ持ったものであり、しかも、無機質繊維を解繊し、柔軟性バインターで無機質繊維同士を結合したものであるから、断熱性、結露防止性を有し、薄くて柔軟性のある遮音断熱材とすることができる。

【０００９】

【実施例】

実施例１ロックウール（エスファイバー、新日鐵化学（株）製）を無機質繊維の主原料とし、これに柔軟性バインダー樹脂として、融点の異なるポリエステル系樹脂を用いた芯鞘タイプの熱融着性繊維（ベルコンビ、鐘紡（株）製）１０重量％を配合した。次いで、公知の無機質繊維の解繊装置を使用して解繊、混合した。そして、シート状に成型した後にニードリングし、加熱処理し、密度１８０ｋｇ／ｍ³、厚さ２．５ｍｍの繊維層１を得た。次いで、市販の厚さ０．５ｍｍの鉛シート２の表面に変成シリコン系接着剤３を塗布し、先の無機質繊維層１と接着し、遮音断熱材を得た。その結果、得られた遮音断熱材は薄くて、柔軟性があるにもかかわらず、遮音性、吸音性が従来の市販品に比して向上しており、凹凸のある箇所に施工にも何ら加工することなく対応できることが確認された。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、無機質繊維を柔軟性バインダー樹脂で一体化した無機質繊維層と、金属製シートとを積層、接着してなることを特徴とする遮音断熱材であるから、薄くて柔軟性があり、しかも、遮音性、吸音性が従来のロックウール製の市販品と比して向上するという効果があると共に、薄いことから、異型等の打ち抜きにも対応することができ、住宅等の居住空間を減少させることがなく、また、柔軟性があることから、凹凸のある箇所にも何ら加工をすることなく対応することができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す概略断面図である。

【符号の説明】

１無機質繊維層２金属製シート

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】無機質繊維を柔軟性バインダー樹脂で一
体化した繊維層と、金属製シートとを接着してなること
を特徴とする遮音断熱材。