JPH0684547U - ディスク再生装置における輸送ポジションセット機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 再生部自身がエレベータ機構にて上下移動す
る昇降台に取付られた方式のディスク再生装置におい
て、再生ユニットの高精密部品を輸送・出荷時にビスで
締着できるようにした輸送ポジションセット機構を提供
する。 【構成】 再生ユニット５を輸送・出荷時にポジション
セット機構を、マガジンイジェクトボタン９と、所定の
時間前記マガジンイジェクトボタン９を押し続けること
によって輸送ポジション移行信号Ｓを出力するタイマー
カウンター１６と、該移行信号Ｓを受けてエレベータモ
ータ１９を制御するマイコン制御回路１７と、アクセサ
リースイッチ８にて構成し、前記移行信号Ｓが出力され
た場合にエレベータが再生ユニット５をマガジン最下段
のディスク再生位置から更に下に位置する所に設定され
た輸送ポジションにセット固定するようにした機構。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数枚のディスクが収納可能なマガジンを装填して使用するディス ク再生装置に関し、特に光学ピックアップ部、スレッド機構部及びディスク回転 機構部から成り、エレベータ機構によって上下移動する再生ユニットを、出荷・ 輸送時にディスク再生装置本体に固定する機構であって、輸送ポジションという 再生位置とは異なる再生ユニットのエレベータ位置を設定することによって、デ ィスク再生装置の出荷・輸送時の再生ユニットへの衝撃による損傷を防止するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、音声情報等をアナログ信号として記録した旧来のレコード盤等に代わり 、音声や映像情報をデジタル信号として記録した記録媒体（以下、ディスクと称 する）が主流となり、その需要が顕著である。

【０００３】 前記ディスクの記録情報を再生する装置であるディスク再生装置にあって、セ ッティングされた複数のディスクから一枚のディスクを選択、再生する機能を備 えたものが知られている。

【０００４】 例えば、その一つに複数のディスクを収納したマガジンをディスク再生装置に 装填し、そのマガジンから一枚のディスクを取り出して再生する装置が既にコン パクトディスクプレーヤーに採用されている。

【０００５】 このマガジン装填式のディスク再生装置はさらに、選択されたディスクをマガ ジンから水平方向に平行移動してエレベータ機構によって上下移動する昇降台に 載置して、ディスク再生装置の底面側に固定された光学ピックアップ部等からな る再生部にまで降りてディスクプーリに装着される方式と、光学ピックアップ部 、スレッド機構部及びディスク回転機構部から成る再生部自身を再生ユニットと してエレベータ機構によって上下移動する昇降台に取り付けた方式のものがある 。

【０００６】 前者はディスクの選択・再生の際にエレベータの一番下にある再生位置から昇 降台が選択ディスクの高さまで移動し、選択ディスクをマガジンから昇降台へ水 平移動させ、次に再生部への下方移動が必然的に伴うので、利用者が選択ボタン を押した後ディスクの再生が始まるまでには時間を要する。

【０００７】 この点、後者は昇降台に取り付けられた再生ユニットがマガジンに水平に収納 されたディスク間の距離を上下移動するだけであり、且つ選択ディスクは水平移 動のみなので、選択から再生までに要する時間は短くて済む。

【０００８】 ところで、上記ディスク再生装置は製品の出荷・輸送時に可動部からなる光学 ピックアップ部等の高精密部品が衝撃を受けて破損・狂いが生じやすいことから 、該再生部はディスク再生装置本体の底から輸送用ビス止めを締めることによっ て可動部を締着するような工夫がなされているのが通常である。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記前者の方式ではディスク再生装置の底面側に光学ピックア ップ部等からなる再生部が固定されている構造なので、上記輸送用ビス止めによ って容易に締着可能であるが、後者の方式におけるエレベータ機構にて上下移動 する昇降台に取付られた再生ユニットにおいては、電源を切った場合でもエレベ ータの上下可動領域の中途に止まっている状態なので、そのままではビス止めす ることが困難であるという問題点があった。

【００１０】 本考案は上記事情に鑑みてなされたものであり、再生部自身がエレベータ機構 にて上下移動する昇降台に取付られた方式のディスク再生装置において、特別な 輸送ポジションをエレベータ機構に設けて、該ポジションへのセットを既存のス イッチで選択できるようにして、可動部からなる光学ピックアップ部等の高精密 部品を輸送用のビス止めで締着できるようにしたディスク再生装置における輸送 ポジションセット機構を提供するものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案は、複数枚のディスクが収納可能なマガジンを装填するとともに、光学 ピックアップ部、スレッド機構部及びディスク回転機構部から成る再生ユニット が取り付けられた昇降台がエレベータ機構によって上下移動する構成のディスク 再生装置の前記再生ユニットの輸送ポジションセット機構を、マガジンイジェク トボタンと、所定の時間前記マガジンイジェクトボタンを押し続けることによっ て輸送ポジション移行信号を出力するタイマーカウンターと、該移行信号を受け てエレベータモータを制御するマイコン制御回路と、アクセサリースイッチにて 構成し、前記移行信号が出力された場合にエレベータが再生ユニットをマガジン 最下段のディスク再生位置から更に下に位置する所に設定された輸送ポジション にセット固定するようにしたことを特徴とするディスク再生装置における輸送ポ ジションセット機構を提供することにより、上記課題を達成するものである。

【００１２】

【作用】

本考案におけるディスク再生装置の装填されたマガジンを取り出すためのマガ ジンイジェクトボタンを押すと瞬時にマガジンはディスク再生装置から排出され るが、アクセサリースイッチをオフの状態でマガジンイジェクトボタンを押し続 けると所定の時間（例えば五秒間）後に、タイマーカウンターは輸送ポジション 移行信号を出力する。

【００１３】 上記移行信号を入力するマイコン制御回路は昇降台が下方移動するようにエレ ベータモータを駆動する。

【００１４】 前記昇降台はマガジン最下段のディスク再生位置から更に下に位置する所に設 定された輸送ポジション（エレベータ可動領域の端）に到る。

【００１５】 輸送ポジションにおける再生ユニットの光学ピックアップ部等の可動部はディ スク再生装置底面から近いのでディスク再生装置裏面より輸送用ビス止めを介し て締着することができる。

【００１６】 アクセサリースイッチ（ＡＣＣ・ＳＷ）は輸送ポジションのセット状態を解除 するように働く。

【００１７】

【実施例】

以下、本考案のディスク再生装置における輸送ポジションセット機構の実施例 を図面に基づいて詳細に説明する。

【００１８】 図１は本考案に係わるディスク再生装置における輸送ポジションセット状態の 内部構造を示す正面図であり、図２は同マガジン最下段のディスク収納位置にエ レベータの再生ユニットが位置する状態の内部構造を示す正面図である。

【００１９】 また、図３は本考案の輸送ポジションセット機構のブロック図例であり、図４ は本考案に係わるディスク再生装置を示す斜視概略図である。

【００２０】 図４において、１はディスク再生装置本体で、ｍが六枚のディスクを収納でき るマガジンである。

【００２１】 エレベータモータにて回転するネジ軸３によって上下移動する昇降台に取り付 けられた再生ユニット５は前面パネル６のディスク選択スイッチ７にてマガジン に収納された任意の選択位置の高さに移動する。前面パネル６にはマガジンイジ ェクトボタン９、アクセサリースイッチ８等の操作スイッチが配設されている。

【００２２】 次に、図２に示す如く、本考案におけるディスク再生装置本体１は、光学ピッ クアップ部、スレッド機構部及びディスク回転機構部から成るディスク再生部自 身を再生ユニット５（斜線部分）としてエレベータ機構によって上下移動する昇 降台１１に取り付けた方式であって、マガジンｍの最下段Ｌから最上段Ｈまで最 高六枚のディスクから任意の一枚を選択できる構造である。

【００２３】 図中、１２は送りローラでありマガジンｍから押し出された選択ディスクＤを 挟んで再生ユニット５におけるスピンドルモータ１３の軸に設けられたディスク プーリ１４に装着する位置まで平行移動させるものである。

【００２４】 以下、本実施例の輸送ポジションセット機構について詳述する。

【００２５】 先ず、本ディスク再生装置ではアクセサリースイッチ８を切った状態にあって も本輸送ポジションセット機構の回路は電源と直結しており、動作するものとす る。（念のため付言すれば、一般に自動車用オーディオ機器はバッテリーと直結 しており、ＡＣＣ・ＳＷがオフの状態でも電力を消費している。） 図３において、輸送ポジションセットはアクセサリースイッチ８がオフの状態 で行う。オンの状態では輸送ポジションには移行しないものとする。

【００２６】 マガジンイジェクトボタン９を五秒間連続して押し続けると、タイマーカウン ター１６は輸送ポジションセットへの移行信号Ｓをマイコン制御回路１７へ送信 する。

【００２７】 マイコン制御回路１７は任意の位置にある再生ユニット５（光学ピックアップ 部２１、スレッド機構部２２及びディスク回転機構部２３から成る。）をマガジ ンｍの最下段Ｌのディスク位置の更に下に位置する所に設定された輸送ポジショ ン位置（図１の状態）まで移送させる。

【００２８】 即ち、エレベータモータドライバー１８を制御してエレベータモータ１９を駆 動し、該エレベータモータ１９に噛合されたネジ軸３の回転によって再生ユニッ ト５はエレベータ機構の上下可動領域の下端まで昇降台１１を移送する。

【００２９】 上記輸送ポジションセット状態では、再生ユニット５が底面に近い位置にある ことになり、従来の底面側に光学ピックアップ部等からなる再生部が固定されて いるディスク再生装置の構造と同様となるので、輸送用ビス２０によってディス ク再生装置裏面から再生ユニット５を締着することが可能となる。

【００３０】 輸送ポジションセットを解除するには、アクセサリースイッチ８をオンするこ とによってマイコン制御回路１７がマガジン最下段Ｌのディスク位置までエレベ ータ機構を動作させるようにするか、またはマガジンイジェクトボタン９を五秒 間以上押し続けることによってタイマーカウンター１６から解除信号をマイコン 制御回路１７に送信することによる方式であってもよい。

【００３１】 以上のエレベータ機構の制御はマイコン制御回路１７に内臓されたプログラム にて容易に実現されることは勿論である。

【００３２】 なお、本考案の特徴とするディスク再生装置におけるディスクは特に制限はな く、音声信号が記録されたコンパクトディスクや映像信号が付加されたレーザー ディスク等何れも本考案の対象に含まれることは言うまでもない。

【００３３】 さらに、マガジンｍのディスク収納可能枚数は六枚に限らず、例えば十枚程度 であってもよいことは勿論である。

【００３４】

【考案の効果】

本考案に係わるディスク再生装置における輸送ポジションセット機構は、上記 の如く構成されているため、輸送用ビス止めによって再生ユニットの可動部を締 着することができ、輸送・出荷時の衝撃から再生ユニットを保護するという優れ た効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わるディスク再生装置における輸送
ポジションセット状態の内部構造を示す正面図である。

【図２】同マガジン最下段にエレベータの再生ユニット
が位置する状態の内部構造を示す正面図である。

【図３】輸送ポジションセット機構のブロック図であ
る。

【図４】本考案に係わるディスク再生装置を示す斜視概
略図である。

【符号の説明】

１ ディスク再生装置本体 ３ ネジ軸 ５ 再生ユニット ６ 前面パネル ７ ディスク選択スイッチ ８ アクセサリースイッチ（ＡＣＣ・ＳＷ） ９ マガジンイジェクトボタン １１ 昇降台 １２ 送りローラ １３ スピンドルモータ １４ ディスクプーリ １６ タイマーカウンター １７ マイコン制御回路 １８ エレベータモータドライバー １９ エレベータモータ ２０ 輸送用ビス ２１ 光学ピックアップ部 ２２ スレッド機構部 ２３ ディスク回転機構部 ｍ マガジン Ｓ 移送信号 Ｄ 選択ディスク Ｌ マガジン最下段 Ｈ マガジン最上段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数枚のディスクが収納可能なマガジン
   を装填するとともに、光学ピックアップ部、スレッド機
   構部及びディスク回転機構部から成る再生ユニットが取
   り付けられた昇降台がエレベータ機構によって上下移動
   する構成のディスク再生装置の前記再生ユニットの輸送
   ポジションセット機構を、マガジンイジェクトボタン
   と、所定の時間前記マガジンイジェクトボタンを押し続
   けることによって輸送ポジション移行信号を出力するタ
   イマーカウンターと、該移行信号を受けてエレベータモ
   ータを制御するマイコン制御回路と、アクセサリースイ
   ッチにて構成し、前記移行信号が出力された場合にエレ
   ベータが再生ユニットをマガジン最下段のディスク再生
   位置から更に下に位置する所に設定された輸送ポジショ
   ンにセット固定するようにしたことを特徴とするディス
   ク再生装置における輸送ポジションセット機構。