JP2522439Y2 - デイスク再生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 概要 近年、車載用のコンパクトデイスク再生装置において
は、複数枚のコンパクトデイスクを収納するマガジンが
装備され、オートチエンジ機能によつて前記複数枚の中
から好みのコンパクトデイスクが選択され、再生機構に
よつて再生される。再生中に停止スイツチが操作される
と、デイスク用モータは停止して再生は停止するけれど
も、前記コンパクトデイスクはターンテーブル上に装着
されたままで、光学ピツクアツプはコンパクトデイスク
に近接したままの不安定な状態である。そこで、本考案
においては、前記不安定な再生停止期間が予め定める待
機期間を経過した際には、自動的に前記装着されていた
コンパクトデイスクをマガジンへ収納し、車体の振動な
どに伴うコンパクトデイスクの損傷の回避を図る。さら
に、前記振動などによるマガジンの位置ずれに伴うコン
パクトデイスクの挿排の誤動作の回避もまた図る。

産業上の利用分野 本考案は、コンパクトデイスクなどの複数のデイスク
を収納するマガジンを装備するデイスク再生装置に関す
る。

従来の技術 従来から、車載用の音響機器では、磁気テープ再生装
置のほかに、コンパクトデイスク（以下、「デイスク」
という。）を再生するコンパクトデイスク再生装置が装
備される傾向にある。さらに、前記コンパクトデイスク
再生装置では、聴取者の操作上の便宜のために、複数の
デイスクを収納するマガジンを装備できる機種がある。
聴取者は、選択スイツチによつてマガジン内から好みの
デイスクを選択し、さらに再生スイツチを操作すること
によつて、前記選択されたデイスクがターンテーブル上
に装着され、光学ピツクアツプを含む再生機構によつて
再生される。また前記再生状態下において、停止スイツ
チを操作すると、前記再生は中断して停止し、さらに排
出スイツチを操作することによつて、前記再生機構から
デイスクが排出され、マガジンへ再収納される。このよ
うに、再生機構とマガジンとの間で自動的にデイスクを
装着／収納する機能を、オートチエンジ機能と称してい
る。

考案が解決しようとする課題 前述のように、再生状態下にて停止スイツチが操作さ
れて再生が停止すると、デイスクを回転駆動するモータ
は停止するけれども、デイスク自体はターンテーブル上
に装着されたままで、さらに光学ピツクアツプは再生中
断位置に近接し待機している。

したがつて、車載用のコンパクトデイスク再生装置な
どにおいては、前述のような再生停止状態下では、車体
の走行による振動などによつて、デイスクの記録面が光
学ピツクアツプや周辺部に衝突する危険性があり、その
結果、デイスクの損傷を招く可能性がある。前記デイス
クの記録面の損傷は、音飛びなどの著しい音響信号の損
失となつて表れる。

さらに、前記振動などによつて、マガジンの位置が変
動し、その結果、排出スイツチの操作に応じるデイスク
のマガジンへの収納動作の際に、前記デイスクが装着前
に収納されていた収納空間とは異なる収納空間へ収納さ
れるなどのデイスク挿排の誤動作が生じる可能性もあ
る。したがつて、前記再生停止状態は、特に振動が生じ
易い車載用のデイスク再生装置などにおいては、できる
だけ回避する必要がある。

したがつて本考案の目的は、再生停止期間におけるデ
イスクの損傷や、デイスク挿排の誤動作を確実に回避す
ることができるデイスク再生装置を提供することにあ
る。

課題を解決するための手段 本考案は、デイスクを装着して再生する再生手段と、 複数のデイスクを収納するマガジンと、 該マガジンから所定のデイスクを取出し前記再生手段
に装着を行うとともに、該再生手段に装着されたデイス
クを取外して前記マガジン内に収納するデイスク挿排手
段と、 再生を停止するために操作される停止スイツチと、 前記停止スイツチの操作に応答して、前記再生手段に
装着されているデイスクの再生を停止し、前記停止スイ
ツチの操作後の再生停止期間が予め定められている時間
に達したとき、前記再生手段に装着されているデイスク
を前記デイスク挿排手段によつてマガジンに収納する制
御手段とを含むことを特徴とするデイスク再生装置であ
る。

作用 本考案に従えば、再生手段とマガジンとには、デイス
ク挿排手段によつてデイスクが装着収納され、こうして
選択されて装着されるデイスクが再生手段にて再生され
る。停止スイツチが操作されると、制御手段によつて前
記再生手段に装着されているデイスクによる再生が停止
される。さらに、制御手段では、前記停止スイツチの操
作後の再生停止期間を計時する。前記再生停止期間が予
め定める時間に達したときには、制御手段は前記再生手
段に装着されているデイスクを前記デイスク挿排手段に
よつてマガジンに収納する。

したがつて、再生停止期間が長期に亘る際には、自動
的にオートチエンジ機能によるデイスクのマガジンへの
収納を実行し、こうして不安定な再生停止状態を長期に
亘つて継続しない。

実施例 第１図は、本考案の一実施例のコンパクトデイスク再
生装置１の構成を簡略化して示すブロツク図である。前
記コンパクトデイスク再生装置１は、マガジン２内に、
コンパクトデイスク再生装置１は、マガジン２内に、コ
ンパクトデイスク（以下、「デイスク」という。）３を
複数枚（31〜3n）、たとえば積層して収納することがで
き、前記デイスク３から選択的に好みのデイスク3iが取
出されて、単一の再生機構４でその記録内容の再生が実
行される。

複数のコンパクトデイスク３が収納されるマガジン２
は、マガジン収納部５に対して着脱される。前記マガジ
ン収納部５は、たとえばモータによつて回転駆動する複
数の歯車列と複数のねじ棒などから成るマガジン昇降機
構６に連結されて支持されており、前記マガジン昇降機
構６の駆動によつて、前記マガジン収納部５がたとえば
昇降変位する。

再生機構４は、挿入して装着されるデイスク3iを回転
駆動するデイスク用モータ７と、前記デイスク用モータ
７の出力軸に取付けられるターンテーブル８と、前記タ
ーンテーブル８とともにデイスク3iを挟圧するクランプ
機構９と、さらにデイスク3iに記録されている記録内容
を読出すための光学ピツクアツプ10とを含んで構成され
る。前記光学ピツクアツプ10からの出力は、音響化回路
11によつてデジタル／アナログ変換などが実行され、ス
ピーカ12から音響信号として導出される。

前記マガジン収納部５へ装着されるマガジン２と再生
機構４との間には、ローデイングモータや複数のローラ
などによつて実現されるデイスク挿排機構13が設けられ
る。前記デイスク挿排機構13は、前述のように昇降変位
するマガジン２の予め定める高さの収納空間からデイス
ク3iを取出し、再生機構４へ挿入し、ターンテーブル８
上に前記取出したデイスク3iを装着する。または、再生
終了後のデイスク3iを再生機構４から排出し、再び最初
に前記デイスク3iが収納されていたマガジン２の収納空
間へ収納する。

前記各機構間でのデイスクの挿排動作などは、たとえ
ばマイクロコンピユータなどから成る処理回路14によつ
て、関連して設けられる操作スイツチ群15からの各種ス
イツチの操作に応答して制御される。前記処理回路14が
制御手段である。

操作スイツチ群15は、再生スイツチ16、昇降スイツチ
17、さらに停止スイツチ18などを含んでいる。再生スイ
ツチ16は、マガジン２に収納されるデイスク3iを選択
し、前記デイスク3iを再生する際に操作される。前記再
生スイツチ16が操作されると、デイスク挿排機構13によ
つて昇降変位したマガジン２から前記デイスク3iが取出
され、再生機構４へ挿入されてターンテーブル８上へ装
着される。その後、再生される。

昇降スイツチ17は、たとえば上昇スイツチ19と下降ス
イツチ20とに区分され、マガジン２が着脱されるマガジ
ン収納部５を予め定める間隔毎に昇降変位させ、デイス
ク挿排機構13によつて選択されたデイスクが取出せる高
さへ前記収納空間を移動させる際に操作される。すなわ
ち、上昇スイツチ19が操作されるとマガジン収納部５が
上昇し、その結果、マガジン２が上昇し、一方下降スイ
ツチ20が操作されると対照的にマガジン２が下降する。

また停止スイツチ18が操作されると、処理回路14から
再生機構４へ停止信号が出力され、装着されているデイ
スク3iの再生が停止される。なお、前記再生停止状態
は、モータ７が停止するのみであつて、デイスク3iはタ
ーンテーブル８とクランプ機構９とによつて挟圧された
ままであつて、さらに光学ピツクアツプ10は再生が停止
した位置に近接して待機したままである。

本実施例においては、再生状態下において前記停止ス
イツチ18が操作されると、処理回路14はランダムアクセ
スメモリ21へ前記再生が中断して停止された時点の情報
を記憶する。前記情報とは、たとえば装着されているデ
イスク3iにて再生されていた曲番（トラツク番号）や前
記曲番での再生経過時間などに相当する。さらに、処理
回路14は、待機タイマ22によつて、前記停止スイツチ18
が操作された後の再生が停止している再生停止期間Ｔを
計時する。

前記再生停止期間Ｔが予め定める待機時間Trefを計時
すると、長期に亘つて聴取者は前記装着されているデイ
スク3iの再生を要求していないものと判断して、前記処
理回路14は前記デイスク挿排機構13へ前記デイスク3iの
排出を命令する排出信号を与える。前記デイスク排出機
構13は、前記排出信号に応答して、装着されていたデイ
スク3iを再生機構４から排出し、前記対応するマガジン
２の収納空間へ収納する。前記待機時間Trefは、たとえ
ば30秒〜１分程度で適当に選ばれる。したがつて、長期
に亘つて再生停止状態が経過しそうなときには、自動的
に再生機構４に装着されていたデイスク3iは排出され、
マガジン２へ再収納される。

すなわち、たとえ前記コンパクトデイスク再生装置１
が車載用などのように、振動が生じ易い環境下にて使用
される場合であつても、前記装着されているデイスク3i
の周辺が不安定な再生停止期間を無意味に継続すること
がなく、その結果、車体の振動などに伴つてデイスク3i
の記録面が光学ピツクアツプ10や周辺部に衝突して損傷
するような機会が可及的に回避できる。さらに、前記振
動に応じてマガジン２が昇降変動し、前記装着されてい
たデイスク3iが再収納されるべき対応する収納空間へ再
収納できなくなるようなデイスク挿排の誤動作が生じる
ことが回避できる。

以下、本実施例のデイスクの挿排動作をフローチヤー
トを参照して説明する。

第２図は停止スイツチ18の操作に基づくデイスク3iの
排出処理を説明するためのフローチヤートであり、再生
機構４がデイスク3iを再生している際に実行される。ス
テツプs1では、停止スイツチ18の操作に応答してデイス
ク3iの再生が停止されたか否かが判断される。停止され
ると、ステツプs2において、前記再生停止時点における
曲番や再生時間などの情報をメモリ21に登録し、ステツ
プs3において待機タイマ22による再生停止期間Ｔの計時
を開始する。その後、ステツプs4では前記再生停止期間
Ｔが予め定める待機時間Trefに達したか否かが判断され
る。

前記待機時間Trefに達すると、長期に亘つて再生停止
状態が継続し、装着されているデイスク3iの再生が要求
されていないので、ステツプs5において前記装着されて
いるデイスク3iをデイスク挿排機構13によつて対応する
マガジン２の収納空間へ自動的に収納させる。したがつ
て、装着されているデイスク3iの不安定な状態が長期間
に亘つて継続することがないので、たとえば振動に伴う
デイスク3iの損傷や、マガジン２への挿排の誤動作など
が可及的に回避できる。

第３図は再生スイツチ16の操作に基づくデイスク3iの
再生処理を説明するためのフローチヤートであり、デイ
スク3iの再生が停止している際に実行される。ステツプ
m1では、再生スイツチ16の操作に基づいて、装着されて
いるデイスク3iの再度の再生が要求されたが否かが判断
される。前記判断が否定であるならば、処理はステツプ
m2において、昇降スイツチ17の操作に基づいて、前記装
着されているデイスク3i以外であつて、マガジン２内に
収納されている他のデイスク３が選択されたか否かが判
断される。こうして、ステツプm1,m2にて再生すべきデ
イスクの選択を待機する。

ステツプm2において、昇降スイツチ17が操作される
と、他のデイスクが選択されたものと判断し、ステツプ
m3にて前記停止スイツチ18の操作時に登録されていた再
生停止時点の曲番などの情報をクリアする。すなわち、
他のデイスク３の再生要求のために、装着されているデ
イスク3iの情報が不必要になつたからである。その後、
ステツプm4では、オートチエンジ機能によつて、デイス
ク挿排機構13が再生機構４からマガジン２の対応する収
納空間へデイスク3iを排出・収納し、続いて前記選択さ
れたデイスク３をマガジン２から再生機構４へ挿入・装
着する。その後、再生スイツチ16の操作に応答して、ス
テツプm5にて装着されたデイスク３の先頭トラツクから
の再生が開始される。

一方、前記ステツプm1にて再生スイツチ16が操作され
ると、前記装着されていたデイスク3iに対する再度の再
生が要求されているものと判断し、ステツプm6にて前記
待機タイマ22によつて計時されていた再生停止期間Ｔが
待機時間Trefに達しているか否かを判断する。前記再生
停止期間Ｔが待機時間Trefにまだ達していなければ、前
記デイスク3iはまだマガジン２へ収納されずに装着され
ているので、ステツプm7にて前記メモリ21に登録されて
いる情報を読出し、ステツプm8にて前記情報に基づい
て、前記再生停止時点から再度の再生を開始する。

また、ステツプm6において再生停止期間Ｔが、前記待
機時間Trefにすでに達していると判断された際には、す
でに前記装着されていたデイスク3iはマガジン２の対応
する収納空間に再収納されている。したがつて、ステツ
プm9にてデイスク挿排機構13によつて同一のデイスク3i
をマガジン２から取出し、前記再生機構４へ再度装着す
る。ステツプm10では、前記デイスク3iの装着が完了し
たか否かが判断される。装着完了後、前述と同様に、ス
テツプm7にてメモリ21から再生停止時点の情報を読出
し、ステツプm8において、前記再生停止時点から再度の
再生を開始する。

このように本実施例においては、停止スイツチ1Sの操
作後であつて、待機時間Trefの経過後に自動的に再生機
構４に装着されていたデイスク3iがマガジン２へ再収納
される。ところで、前述のように前記再生停止状態は、
装着されているデイスク3i周辺の不安定な状態のため、
できるだけ回避する必要がある。したがつて、前記停止
スイツチ16の操作毎に、直ちに装着されていたデイスク
3iをマガジン２へ再収納する構成によつて、前記再生停
止状態を皆無としてしまう構成もまた考えられる。けれ
ども、前記構成では、同一のデイスク3iを再度再生する
ときには、再び前記マガジン２から再生機構４へ再装着
する際に多大な時間を費やすので、操作性に劣る。本実
施例は、この観点を考慮して、待機時間を設けている。

本実施例においては、車載用のコンパクトデイスク再
生装置に関連して説明しているけれども、このことは本
実施例において制限されることではない。

また、本実施例においては、停止スイツチ操作後の再
生停止期間が待機時間を経過した後に、デイスクの自動
収納が実行される。この他に、停止スイツチを操作せず
とも、再生終了後に待機時間が経過したときにデイスク
自動収納が実行されてもよい。

したがつて本実施例によれば、操作性を著しく低下す
ることなく、前記再生停止期間を無意味に継続すること
がなく、その結果、装着されているデイスクの損傷や、
マガジンへのデイスク挿排の誤動作などを招く機会を回
避することができる。

考案の効果 本考案によれば、停止スイツチ操作後の再生停止期間
が予め定める時間を経過した際には、再生手段に装着さ
れているデイスクを自動的にマガジンに収納するので、
装着されているデイスク周辺が不安定な期間を無意味に
継続することがない。したがつて、車載用のデイスク再
生装置のように振動の生じ易い環境下であつても、前記
振動に伴つてデイスクが損傷したり、マガジンへのデイ
スク挿排の誤動作を招く機会を可及的に回避できる。す
なわち、前記損傷や誤動作が生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるコンパクトデイスク再
生装置１の構成を簡略化して示すブロツク図、第２図は
停止スイツチ18の操作に基づくデイスク3iの排出処理を
説明するためのフローチヤート、第３図は再生スイツチ
16の操作に基づくデイスク3iの再生処理を説明するため
のフローチヤートである。 １……コンパクトデイスク再生装置、２……マガジン、
３……コンパクトデイスク、４……再生機構、５……マ
ガジン収納部、６……マガジン昇降機構、８……ターン
テーブル、10……光学ピツクアツプ、13……デイスク挿
排機構、14……処理回路、18……停止スイツチ、21……
ランダムアクセスメモリ、22……待機タイマ、Ｔ……再
生停止期間、Tref……待機時間

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】デイスクを装着して再生する再生手段と、 複数のデイスクを収納するマガジンと、 該マガジンから所定のデイスクを取出し前記再生手段に
   装着を行うとともに、該再生手段に装着されたデイスク
   を取外して前記マガジン内に収納するデイスク挿排手段
   と、 再生を停止するために操作される停止スイツチと、 前記停止スイツチの操作に応答して、前記再生手段に装
   着されているデイスクの再生を停止し、前記停止スイツ
   チの操作後の再生停止期間が予め定められている時間に
   達したとき、前記再生手段に装着されているデイスクを
   前記デイスク挿排手段によつてマガジンに収納する制御
   手段とを含むことを特徴とするデイスク再生装置。