JPH0683007U - 高周波切開切除具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】滑り止め部材を有する切開ワイヤーを可撓管か
ら確実に送り出すことのできる高周波切開切除具を提供
する。 【構成】高周波スネアは可撓管１と操作部２からなる。
操作部２は基部３とスライダ４を有している。スライダ
４には操作ワイヤー６の一端が固定されている。操作ワ
イヤー６の他端には接続チップ１２が取り付けてあり、
これに処置部１０が固定されている。処置部１０は、ル
ープ状の切開ワイヤー８と、これに取り付けた複数の滑
り止め部材９とで構成されている。可撓管１は先端部７
と後端部１１からなる。先端部７は、合成樹脂からなる
チューブ１４と、その先端に設けた硬質チップ１３とで
構成されている。後端部１１は、金属製のコイルシース
１６と、この先端に設けた接続部材１５と、これらの被
覆する絶縁被覆１７とで構成されている。先端部７と後
端部１１は接続部材１５により連結されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、体控内の病変部を高周波電流により切開切除する高周波スネアなど の高周波切開切除具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、ストリップバイオプシーが普及しつつある。このストリップバイオプシ ーは、ポリペクトミーで使用する高周波スネアを利用した新しい手技であり、そ の概要について以下に述べる。

【０００３】 ストリップバイオプシーは、平坦な病変を対象としており、内視鏡用注射針を 用いて平坦な病変の真下の粘膜下組織層に生理食塩水を注入して平坦な病変を隆 起させ、これに高周波スネアのループ状の切開ワイヤーを掛けて高周波電流を流 し、病変部全体を周りの正常組織ごと切り取る技術である。ストリップバイオプ シーでは、病変部がその周辺の正常組織と一緒に切除されるので、病変部が切除 片内で完全に孤立しているか否かを調べることにより、病変部を完全に除去でき たか否かを確認できる。 このようなストリップバイオプシーは、早期癌の内視鏡による完全な治療を可 能にするものとして期待されており、近年急速に普及しつつある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、生理食塩水を注入して***させた病変部は高周波ステアが元来対象 としているポリープに比べると***がかなりなだらかなため、通常の高周波スネ アでは病変部に掛けた切開ワイヤーが滑り易く緊縛しずらいという不具合がある 。

【０００５】 このような不具合に対処するものとして、切開ワイヤーに滑り止め部材を設け た高周波スネアが実開平３−９１３１４に開示されている。 実開平３−９１３１４に開示されている高周波スネアの可撓管は、四フッ化エ チレン樹脂などのチューブで形成されている。樹脂製のチューブはその柔軟性か ら病変の緊縛時にその全長が縮むため、この高周波スネアの緊縛力は弱いものと なっている。

【０００６】 また、特開平１−２０４６６４に開示されているように、可撓性を有する金属 製の内側コイルシースの外周に合成樹脂製の外側シースを設けた縮みにくい可撓 管を用いた高周波スネアもある。図２に示すように、このような高周波スネアの 切開ワイヤー８に滑り止め部材９を設けた場合、滑り止め部材９が内側コイルシ ース１６のピッチ間の溝に引っ掛かかって、切開ワイヤー８を可撓管から送り出 せなくなることがある。

【０００７】 また、図３に示すように、金属製の内側コイルシース１６と、その先端に切開 時の熱や緊縛時の熱による外側チューブ１７のダメージを防止するために接着し たセラミック等からなる非導電性の硬質チップ１８と、これらの外周に設けた合 成樹脂製の外側チューブ１７とからなる可撓管もあるが、これについても上の例 と同様のことが言える。 本考案は、滑り止め部材を有する切開ワイヤーを可撓管から確実に送り出すこ とのできる高周波切開切除具を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、可撓管と、可撓管内に移動可能に通した操作部材と、操作部材に取 り付けた処置部であり、ループ状の切開ワイヤーとこれに所定の間隔を置いて設 けた複数の滑り止め部材とからなる処置部とを有している高周波切開切除具にお いて、可撓管は先端部と後端部からなり、先端部は内面が平滑な合成樹脂製チュ ーブからなり、後端部は金属製のコイルシースとこれを覆う絶縁被覆とからなる ことを特徴とする。

【０００９】

【作用】 本考案では、可撓管は先端部と後端部からなり、先端部の合成樹脂製チューブ はその内面が平滑になっているので、処置部を移動させた際に滑り止め部材が内 面に引っ掛かるようなことがない。また、後端部は絶縁被覆した金属製のコイル シースで出来ているので、病変を緊縛した時の可撓管の縮みが少ない。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図１を参照して説明する。 本考案の高周波切開切除具の実施例である高周波スネアを図１に示す。高周波 スネアは、図１に示すように、基本的に可撓管１と操作部２とからなる。操作部 ２は、基部３と、これにスライド自在に取り付けたスライダ４とを有している。 このスライダ４には、可撓管１の中に通してある操作ワイヤー６の一端が固定さ れている。またスライダ４には、後述する切開ワイヤー８に高周波電流を供給す るための電極５が設けてある。

【００１１】 操作ワイヤー６の他端（先端）には接続チップ１２が設けてあり、これに処置 部１０が取り付けてある。処置部１０は、ループ状に広がる癖を付けた切開ワイ ヤー８と、これの前半分に所定の間隔を置いて設けた複数の滑り止め部材９とで 構成されている。処置部９は、スライダ４を引いたとき切開ワイヤー８が細長く 潰れた状態で可撓管１の内部に収容され、スライダ４を押したとき可撓管１から 押し出されループ状になる。

【００１２】 可撓管１は先端部７と後端部１１とからなる。先端部７は、四フッ化エチレン 樹脂などの合成樹脂からなるチューブ１４と、その先端に設けたセラミックある いは絶縁コーティングを施した金属からなる硬質チップ１３とで構成されている 。一方、後端部１１は、金属製のコイルからなる内側コイルシース１６と、この 先端に設けた接続部材１５と、これらの外側に設けた例えば四フッ化エチレン樹 脂からなる絶縁被覆１７とで構成されている。先端部７と後端部１１は接続部材 １５により連結されている。

【００１３】 本実施例の高周波スネアを用いて病変部を切除する際は、まず可撓管１を経内 視鏡的に体控内へ挿入する。次に、内視鏡観察によって病変部を発見したならば 、操作部２のスライダ４を前進操作して、切開ワイヤー８を可撓管１の先端から 突出させてループ状に広げる。この状態で、生理食塩水によって***させておい た病変部に切開ワイヤーを掛け、さらにスライダ４を後退させて切開ワイヤー８ を可撓管に１内に引き込むことで、病変部を切開ワイヤー８で締め付ける。そし て、この状態で切開ワイヤー８に高周波電流を流せば、このワイヤー８に挟まれ た病変部を切除することができる。

【００１４】 可撓管１の先端部７は合成樹脂製のチューブで出来ており内面が平滑であるの で、切開ワイヤー８を可撓管１の先端から突出させる際、滑り止め部材９が引っ 掛かるようなことなく、突出動作を円滑に行なえる。

【００１５】 また、可撓管１の後端部１１が絶縁被覆した金属製のコイルシースで出来てい るので、病変を緊縛した時の可撓管１の縮みが少なく、従って大きな緊縛力が得 られる。

【００１６】 さらに、チューブ１４の先端に硬質チップ１３が設けてあるので、緊縛時の力 や切開時の熱によってチューブ１４の先端が変形することがなく、機械の寿命が 長くなる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案によれば、可撓管は先端部と後端部からなり、先端部の内面は平滑にな っているので、滑り止め部材が内面に引っ掛かることなく、処置部の送り出し・ 引き込みが円滑に行なえる。また後端部は絶縁被覆した金属製のコイルシースで 出来ているので、病変を緊縛した時の可撓管の縮みが少なく、大きな緊縛力が得 られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例である高周波スネアを示す。

【図２】従来例の高周波スネアの先端部の断面図であ
る。

【図３】図２のそれとは構造の異なる別の可撓管の断面
図である。

【符号の説明】

１…可撓管、６…操作ワイヤー、７…先端部、８…切開
ワイヤー、９…滑り止め部材、１０…処置部、１１…後
端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓管と、可撓管内に移動可能に通した
   操作部材と、 操作部材に取り付けた処置部であり、ループ状の切開ワ
   イヤーとこれに所定の間隔を置いて設けた複数の滑り止
   め部材とからなる処置部とを有している高周波切開切除
   具において、 可撓管は先端部と後端部からなり、先端部は内面が平滑
   な合成樹脂製チューブからなり、後端部は金属製のコイ
   ルシースとこれを覆う絶縁被覆とからなることを特徴と
   する高周波切開切除具。