JPH068182Y2 - 曲折用パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は家屋の壁面、円柱などの曲面部分に施工するた
めの曲折用パネルに関する。

〔従来技術とその問題点〕

強靱でしかも可撓性に富んだシートの片面あるいは両面
に板材を積層接着するとともに、該板材に前記シートに
達するがそれを傷つけない程度のＶ字溝を複数条平行開
設してなるＶ字溝入り可撓性板材は既に提案されてい
る。

しかし、これらの提案は、Ｖ字溝が形成され折曲げが可
能な板材である点において、一応可撓性を板材に持たせ
る目的を達成したものではある。しかしＶ字溝が可撓性
に富んだシートに達するが、それを傷つけない程度に開
設されるため、板材自体を該シートで保持しなくてはな
らず、強靱なシート状物が必要であり、価格が高いもの
となるばかりか、用いられるシートの性能が限られたも
のとなってしまう。

またＶ字溝を開く方向に折曲した場合、Ｖ字溝底部にて
該シートが露見され意匠性を低下する。

〔問題点を解決するための手段とその作用〕

本考案は上記問題点を解決するため、表面に任意化粧シ
ートを貼着された木質繊維板の裏面に、可撓性シートを
接着するとともに、木質繊維板にその表面側から木質繊
維板の薄層を残置する如く、該可撓性シートに達しない
複数条の平行溝を開設してなる、曲折用パネルを形成し
たものである。

本考案は上記構成により、強靱なシート状物を必要とす
ることなく、かつ、意匠性の高い曲折用パネルを得たも
のである。

〔実施例の説明〕

以下、本考案パネルの実施例について説明する。

表面に任意の化粧シート３を貼着した木質繊維板の基板
１とする任意の化粧シート３とは化粧紙、化粧合成樹脂
シート、金属箔、金属シート、つき板など一般に用いら
れるものでよい。木質繊維板としては広葉樹材繊維を用
いた広葉樹木質繊維板、針葉樹材繊維板などを用いる。

つぎに、木質繊維板の基板１の裏面側に接着剤を介て可
撓性シート２を接着せる。そして、木質繊維板にその表
面側から木質繊維板の薄層部１ａを残置刷る如く、か
つ、該可撓性シート２に達しない複数条の平行溝４を開
設する。

平行溝４は溝切機にて開設されるが、その形状は第２図
のように 型、Ｕ型、第１図のようにＶ型などいずれでも良いが、
開口幅が同じ場合切削量が少ないＶ型が好ましい。

平行溝４はその底部において、木質繊維板の薄層部１ａ
が残置されるため、パネル自体の強度を可撓性シート２
の強度と該薄層部１ａの強度とで保持する。そのために
該可撓性シートは薄葉紙、クラフト紙、パンチメント
紙、合成紙、ボール紙、合成樹脂シート、不織布、樹脂
含浸紙などあまり強さがないものを用いることができ
る。

また強靱な可撓性シートを用いることも何等差し支えな
いが、木質繊維板の薄層部を有するため該シートは必要
以上に薄くすることができる。

木質繊維板自体は繊維の方向性がなく、しかも均質であ
るため薄ければ薄いほど可撓性に富み、平行溝４の底部
に残置した薄層部はパネルとしての曲折に十分追従でき
る。

たとえば、一般木質板材（合板、ＬＵＬ，集成材、挽材
など）を用いた場合繊維の方向性があり、また同じ１枚
の板材の中でも質の異なる部分を有するため曲折に追従
されにくく、曲折時に割れ、ささくれなどが発生してし
まう。

木質繊維板を基板としてもその薄層部が厚くなると、該
部分強度が高くなってしまい、小さな曲率半径に曲折す
ることが難しく、（割れ易くなる）なる。そのため平行
溝の底部薄層は３m/m以下とすることが好ましい。

つぎに平行溝４の形成された表全面に合成樹脂を塗布
し、平行溝内の木質繊維板に該樹脂を含浸し、樹脂含浸
層４ａを形成する。

化粧シート３の表面の合成樹脂はリバースコーターなど
を用いて除去しても、そのまま残置してもよい。またリ
ングコーターなどを用いて平行溝内への合成樹脂の塗布
含浸してもよい。

また合成樹脂は必要に応じて任意着色を施しても何等差
し支えない。

平行溝４内の木質繊維板に合成樹脂を含浸することによ
って、底部薄層の木質繊維板を強靱なものとし曲折を容
易にするだけでなく、パネル施工後の平行溝４内の汚れ
を防止また着色することによって意匠性が向上する。

以上のようにして求むる本考案の曲折用パネルが得られ
た。

また、表面に化粧シートを貼着しない木質繊維板を同様
なパネルにすることができることはいうまでもない。

〔考案の効果〕

(a)木質繊維板を基板１とし平行溝４内の底部に該繊維
板の薄層部１ａが形成されているので該薄層部１ａの強
度が付加されるため、裏面の可撓性シート２が強靱なも
のを用いることがなく、薄いものが用いられるため、コ
ストが安くなる。

(b)木質繊維板であるため薄層が残されたとしても、可
撓性があるため曲折が容易になし得る。

(c)曲折において平行溝内の底部にて裏面シートが露見
されることもなく、意匠性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案パネルの第１実施例の側面図、 第２図：同じく第２実施例の側面図、 １：基板、 １ａ：薄層部、 ２：可撓性シート、 ３：化粧シート、 ４：平行溝、 ４ａ：樹脂含浸層。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表面に任意化粧シート(3)を貼着された木
   質繊維板の基板(1)の裏面に可撓性シート(2)を接着する
   とともに、 木質繊維板の基板(1)にその表面側から木質繊維板の基
   板(1)の薄層部(1a)を残置する如く該可撓性シート(2)に
   達しない複数条の平行溝(4)を開設してなることを特徴
   とする曲折用パネル。
2. 【請求項２】少なくとも表面側に形成される平行溝(4)
   内の木質繊維板に合成樹脂を含浸して樹脂含浸層(4a)を
   形成した実用新案登録請求の範囲第１項記載の曲折用パ
   ネル。
3. 【請求項３】平行溝(4)がＶ字形である実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の曲折用パネル
4. 【請求項４】平行溝(4)がＵ字形ないし 字形である実用新案登録請求の範囲第１項記載の曲折用
   パネル