JPH0679518U

JPH0679518U - 射出装置

Info

Publication number: JPH0679518U
Application number: JP1963793U
Authority: JP
Inventors: 信行赤熊
Original assignee: Sumitomo Heavy Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date: 1993-04-16
Filing date: 1993-04-16
Publication date: 1994-11-08
Anticipated expiration: 2007-04-30
Also published as: JP2534598Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】ショットごとに逆止リングの作動状態が変化す
ることがなく、成形品の品質にばらつきが発生すること
のない射出装置を提供する。【構成】先端の円錐部１１ａ、大径部１１ｂ、小径部１
１ｃ及びねじ部１１ｄから成るスクリューヘッド１１
と、小径部１１ｃを包囲して配設されて樹脂流路１３を
形成するとともに、樹脂の逆流を防止する逆止リング１
２を有する。前記小径部１１ｃには、前記樹脂流路１３
内に突起物３１が円周方向に複数個、かつ、軸方向に複
数列突出して形成される。そして、各列の突起物３１は
互いにピッチをずらして配列され、軸方向に透視した場
合に樹脂流路１３の円周方向の全体がいずれかの列の突
起物３１で擬似的に埋められる。したがって、樹脂の一
部が逆流しようとすると、突起物３１によって逆止リン
グ１２の前方の樹脂圧が急速に上昇し、逆止リング１２
は速やかに後方に後退する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、射出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、加熱シリンダ内で加熱され溶融させられた樹脂を高圧で金型のキャビティ内に射出し、その中で冷却し、固化又は硬化させ、次に、金型を開いて成形品を取り出すようにした射出成形機においては、加熱シリンダ内にスクリューが回転自在にかつ進退自在に配設され、該スクリューによって樹脂が計量されるとともに射出されるようになっている。

【０００３】そのため、スクリューの先端には樹脂を押し出すためのスクリューヘッド及び樹脂の逆流を防止するための逆止リングが設けられている。図２は従来の射出装置の断面図である。図の（ａ）はスクリューヘッドの正面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ断面図である。図において、１１はスクリューヘッドであり、先端の円錐（えんすい）部１１ａ、該円錐部１１ａの後方に形成された角柱状の大径部１１ｂ、該大径部１１ｂの後方に形成された円柱状の小径部１１ｃ、及び該小径部１１ｃの後方に形成されたねじ部１１ｄから成る。そして、前記大径部１１ｂの後端の４箇所に切欠１１ｅが形成される。

【０００４】１２は樹脂の逆流を防止するための逆止リングであり、前記小径部１１ｃを包囲するように配設され、前記逆止リング１２と小径部１１ｃの間に樹脂流路１３を形成する。１４は加熱シリンダ１８内において回転自在にかつ進退自在に配設されたスクリューであり、先端の開口部に前記ねじ部１１ｄが螺合（らごう）される。１５は前記スクリュー１４の先端に固定され、前記逆止リング１２が後退した時に当接することができるように配設されたシールリング、１６は前記スクリュー１４の表面のフライトによって形成された溝である。

【０００５】前記スクリュー１４が前進して加熱シリンダ１８の先端に固定された図示しない射出ノズルから樹脂が射出され、図示しない金型のキャビティ内に充填（じゅうてん）されると、続いて次のショットのために樹脂を溶融し可塑化してスクリューヘッド１１の前方に蓄える作業、すなわち計量が開始される。この計量工程においては、スクリュー１４が図示しない駆動系によって駆動されて後退し、この時、図示しないホッパから供給された樹脂は、前記スクリュー１４の回転によって溝１６の中を前方に移動し、加熱シリンダ１８内で溶融させられ、樹脂流路１３及び切欠１１ｅを通ってスクリューヘッド１１の前方に蓄えられる。溶融に伴って発生する樹脂の圧力は、スクリュー１４に対する反力となり、該反力でスクリュー１４が後退するようになっている。

【０００６】このようにして、スクリューヘッド１１の前方に蓄えられた樹脂は、続いて前記駆動系が前記スクリュー１４を前方に押し出すことによって射出ノズルから射出され、金型のキャビティ内に充填される。ここで、前記樹脂は、射出の際に発生する反力によって、その一部が前記スクリュー１４の溝１６の中を後方に逆流しようとする。該樹脂の逆流を防止するために逆止リング１２がスクリュー１４の前端に配設される。そして、該逆止リング１２がスクリュー１４から抜けないように、スクリュー１４と別体のスクリューヘッド１１を形成し、該スクリューヘッド１１にねじ部１１ｄが形成され、スクリュー１４に螺合されるようになっている。そして、スクリューヘッド１１の大径部１１ｂの外径を前記逆止リング１２の内径より大きくし、逆止リング１２が抜けないようにしてある。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来の射出装置においては、反力によって逆流する樹脂が逆止リング１２を後方に移動させ、該逆止リング１２をシールリング１５に当接させてシールする構造になっているため、ショットごとに逆止リング１２の作動状態が変化し、成形品の品質にばらつきが発生してしまう。

【０００８】また、逆止リングの作動状態が悪くなると、射出工程においてスクリュー１４を前進限位置まで前進させても充填を十分に行うことができず、ショートショットになることがある。本考案は、前記従来の射出装置の問題点を解決して、ショットごとに逆止リングの作動状態が変化することがなく、成形品の品質にばらつきが発生することのない射出装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

そのために、本考案の射出装置においては、加熱シリンダ内で回転自在にかつ進退自在に配設されたスクリューと、該スクリューの先端に固定され、先端の円錐部、該円錐部の後方に形成された角柱状の大径部、該大径部の後方に形成された円柱状の小径部、及び該小径部の後方に形成されたねじ部から成るスクリューヘッドと、該スクリューヘッドの前記小径部を包囲して配設され樹脂流路を形成するとともに、樹脂の逆流を防止する逆止リングを有する。

【００１０】前記小径部には、前記樹脂流路内に突起物が円周方向に複数個、かつ、軸方向に複数列突出して形成される。そして、各列の突起物は互いにピッチをずらして配列され、軸方向に透視した場合に樹脂流路の円周方向の全体がいずれかの列の突起物で擬似的に埋められる。

【００１１】

【作用】

本考案によれば、前記のように射出装置は、加熱シリンダ内で回転自在にかつ進退自在に配設されたスクリューと、該スクリューの先端に固定され、先端の円錐部、該円錐部の後方に形成された角柱状の大径部、該大径部の後方に形成された円柱状の小径部、及び該小径部の後方に形成されたねじ部から成るスクリューヘッドと、該スクリューヘッドの前記小径部を包囲して配設され樹脂流路を形成するとともに、樹脂の逆流を防止する逆止リングを有する。

【００１２】前記小径部には、前記樹脂流路内に突起物が円周方向に複数個、かつ、軸方向に複数列突出して形成される。そして、各列の突起物は互いにピッチをずらして配列され、軸方向に透視した場合に樹脂流路の円周方向の全体がいずれかの列の突起物で擬似的に埋められる。したがって、計量工程においては、スクリューが駆動系によって駆動されて後退し、この時、ホッパから供給された樹脂は、前記スクリューの回転によって前方に移動し、加熱シリンダ内で溶融させられ、樹脂流路の各突起物間を通ってスクリューヘッドの前方に蓄えられる。

【００１３】このようにして、スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹脂は、続いて前記駆動系が前記スクリューを前方に押し出すことによって射出ノズルから射出され、金型のキャビティ内に充填される。ここで、射出の際に発生する反力によって、樹脂の一部が樹脂流路内を後方に逆流しようとすると、突起物によって樹脂の流れが抑制され、前記逆止リングの前方の樹脂圧が急速に上昇し、逆止リングの前端面に加わる力が大きくなる。その結果、逆止リングは速やかに後方に後退し、シールリングに当接する。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。図１は本考案の実施例を示す射出装置の断面図、図３は本考案の実施例を示す射出装置の機能説明図である。図１の（ａ）はスクリューヘッドの正面図、（ｂ）は（ａ）のＢ−Ｂ断面図、図３の（ａ）は第１列の突起物を示す図、（ｂ）は第２列の突起物を示す図、（ｃ）は第１列及び第２列の突起物を透視した状態を示す図である。

【００１５】図において、１１はスクリューヘッドであり、先端の円錐部１１ａ、該円錐部１１ａの後方に形成された角柱状の大径部１１ｂ、該大径部１１ｂの後方に形成された円柱状の小径部１１ｃ、及び該小径部１１ｃの後方に形成されたねじ部１１ｄから成る。そして、前記大径部１１ｂの後端の４箇所に切欠１１ｅが形成される。

【００１６】１２は樹脂の逆流を防止するための逆止リングであり、前記小径部１１ｃを包囲するように配設され、前記逆止リング１２と小径部１１ｃの間に樹脂流路１３を形成する。１４は加熱シリンダ１８内において回転自在にかつ進退自在に配設されたスクリューであり、先端の開口部に前記ねじ部１１ｄが螺合される。１５は前記スクリュー１４の先端に固定され、前記逆止リング１２が後退した時に当接することができるように配設されたシールリング、１６は前記スクリュー１４の表面のフライトによって形成された溝である。

【００１７】ところで、前記スクリューヘッド１１の小径部１１ｃには、複数の突起物３１が径方向外方に突出して形成される。該突起物３１は図３に示すように前記スクリューヘッド１１の円周方向に等間隔で複数個、かつ、前記スクリューヘッド１１の軸方向に複数列形成される。また、図３の（ａ）及び（ｂ）に示すように、各列の突起物３１は互いにピッチをずらして形成され、軸方向に透視した場合、図３の（ｃ）に示すように樹脂流路１３の円周方向の全体がいずれかの列の突起物３１で擬似的に埋められるようになっている。

【００１８】そして、前記逆止リング１２の内径と前記突起物３１の外径の間の隙間（すきま）δが十分に小さくされるため、射出時に逆流する樹脂の量を少なくすることができる。前記スクリュー１４が前進して加熱シリンダ１８の先端に固定された図示しない射出ノズルから樹脂が射出され、図示しない金型のキャビティ内に充填されると、続いて次のショットのために樹脂を溶融し可塑化してスクリューヘッド１１の前方に蓄える作業、すなわち計量が開始される。

【００１９】この計量工程においては、スクリュー１４が図示しない駆動系によって駆動されて後退し、この時、図示しないホッパから供給された樹脂は、前記スクリュー１４の回転によって溝１６の中を前方に移動し、加熱シリンダ１８内で溶融させられ、樹脂流路１３の各突起物３１間及び切欠１１ｅを通ってスクリューヘッド１１の前方に蓄えられる。溶融に伴って発生する樹脂の圧力は、スクリュー１４に対する反力となり、該反力でスクリュー１４が後退するようになっている。

【００２０】このようにして、スクリューヘッド１１の前方に蓄えられた樹脂は、続いて前記駆動系が前記スクリュー１４を前方に押し出すことによって射出ノズルから射出され、金型のキャビティ内に充填される。ここで、前記樹脂は、射出の際に発生する反力によって、その一部が前記スクリュー１４の溝１６の中を後方に逆流しようとする。該樹脂の逆流を防止するために逆止リング１２がスクリュー１４の前端に配設される。そして、該逆止リング１２がスクリュー１４から抜けないように、スクリュー１４と別体のスクリューヘッド１１を形成し、該スクリューヘッド１１にねじ部１１ｄが形成され、スクリュー１４に螺合されるようになっている。そして、スクリューヘッド１１の大径部１１ｂの外径を前記逆止リング１２の内径より大きくし、逆止リング１２が抜けないようにしてある。

【００２１】しかも、樹脂の一部が樹脂流路１３内を後方に逆流しようとすると、突起物３１によって樹脂の流れが抑制され、前記逆止リング１２の前方の樹脂圧が急速に上昇し、逆止リング１２の前端面に加わる力が大きくなる。その結果、逆止リング１２は速やかに後方に後退し、シールリング１５に当接する。次に、前記スクリューヘッド１１の作動原理について説明する。

【００２２】図４は本考案の実施例を示す射出装置の作動原理図である。図の（ａ）は従来のスクリューヘッド１１（図２参照）の等価物を示す図、（ｂ）は（ａ）の等価物の動作を示すタイムチャート、（ｃ）は本考案のスクリューヘッド１１（図１）の等価物を示す図、（ｄ）は（ｃ）の等価物の動作を示すタイムチャートである。

【００２３】図において、３３はシリンダであり前記加熱シリンダ１８に相当する。また、３４，３５はピストンであり、それぞれ従来及び本考案のスクリューヘッド１１に相当する。また、ｖはピストン３４，３５の速度であり、射出速度に相当する。そして、Ｐはピストン３４，３５の前方の平衡圧力であり、スクリューヘッド１１の樹脂圧に相当する。

【００２４】図に示すように、従来のスクリューヘッド１１に対応するピストン３４が前進を開始してから時間ｔ₁が経過するまでの平衡圧力Ｐの値は、Ｐ₀からＰ₁に上昇するが、本考案のスクリューヘッド１１に対応するピストン３５が前進を開始してから時間ｔ₁が経過するまでの平衡圧力Ｐの値は、Ｐ₀からＰ₂（＞Ｐ₁）に上昇する。

【００２５】したがって、本考案のスクリューヘッド１１の場合、射出時における逆止リング１２の前方の樹脂圧が急速に上昇し、逆止リング１２の前端面に加わる力が大きくなる。その結果、逆止リング１２は速やかに後方に後退し、シールリング１５に当接する。したがって、逆止リング１２とシールリング１５の間を抜けて逆流する樹脂の量が少なくなるため、ショットごとに逆止リング１２の作動状態が変化することがなくなり、成形品の品質にばらつきが発生することがなくなる。

【００２６】また、樹脂は樹脂流路１３内を流れ突起物３１によって蛇行させられるため、混練性も向上する。なお、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、本考案の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本考案の範囲から排除するものではない。

【００２７】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案によれば射出装置は、加熱シリンダ内で回転自在にかつ進退自在に配設されたスクリューと、該スクリューの先端に固定され、先端の円錐部、該円錐部の後方に形成された角柱状の大径部、該大径部の後方に形成された円柱状の小径部、及び該小径部の後方に形成されたねじ部から成るスクリューヘッドと、該スクリューヘッドの前記小径部を包囲して配設され樹脂流路を形成するとともに、樹脂の逆流を防止する逆止リングを有する。

【００２８】前記小径部には、前記樹脂流路内に突起物が円周方向に複数個、かつ、軸方向に複数列突出して形成される。そして、各列の突起物は互いにピッチをずらして配列され、軸方向に透視した場合に樹脂流路の円周方向の全体がいずれかの列の突起物で擬似的に埋められる。したがって、射出の際に発生する反力によって、樹脂の一部が樹脂流路内を後方に逆流しようとすると、突起物によって樹脂の流れが抑制され、前記逆止リングの前方の樹脂圧が急速に上昇し、逆止リングの前端面に加わる力が大きくなる。その結果、逆止リングは速やかに後方に後退し、シールリングに当接する。

【００２９】したがって、逆止リングとシールリングの間を抜けて逆流する樹脂の量が少なくなるため、ショットごとに逆止リングの作動状態が変化することがなくなり、成形品の品質にばらつきが発生することがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す射出装置の断面図であ
る。

【図２】従来の射出装置の断面図である。

【図３】本考案の実施例を示す射出装置の機能説明図で
ある。

【図４】本考案の実施例を示す射出装置の作動原理図で
ある。

【符号の説明】

１１スクリューヘッド１１ａ円錐部１１ｂ大径部１１ｃ小径部１１ｄねじ部１２逆止リング１３樹脂流路１４スクリュー１８加熱シリンダ３１突起物

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】（ａ）加熱シリンダ内で回転自在にかつ
進退自在に配設されたスクリューと、（ｂ）該スクリューの先端に固定され、先端の円錐部、
該円錐部の後方に形成された角柱状の大径部、該大径部
の後方に形成された円柱状の小径部、及び該小径部の後
方に形成されたねじ部から成るスクリューヘッドと、（ｃ）該スクリューヘッドの前記小径部を包囲して配設
され樹脂流路を形成するとともに、樹脂の逆流を防止す
る逆止リングを有するとともに、（ｄ）前記小径部には、前記樹脂流路内に突起物が円周
方向に複数個、かつ、軸方向に複数列突出して形成さ
れ、しかも、各列の突起物は互いにピッチをずらして配
列され、軸方向に透視した場合に樹脂流路の円周方向の
全体がいずれかの列の突起物で擬似的に埋められること
を特徴とする射出装置。