JPH0677497B2 - パン用改質剤、パン生地及びパンの製造方法 - Google Patents

パン用改質剤、パン生地及びパンの製造方法

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JPH0677497B2 JP18466886A JP18466886A JPH0677497B2 JP H0677497 B2 JPH0677497 B2 JP H0677497B2 JP 18466886 A JP18466886 A JP 18466886A JP 18466886 A JP18466886 A JP 18466886A JP H0677497 B2 JPH0677497 B2 JP H0677497B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はパン用改質剤、該改質剤を含有するパン生地、
及びパンの製造法に関するものである。
更に詳しくは、クロロフィルを有効成分とするパン用改
質剤、該改質剤を含有するパン生地、及びパンの製造法
に関する。
〔従来の技術及び問題点〕
良質のパンを製造するためパン生地には種々の添加剤が
配合使用されている。例えば硫酸カルシウム、臭素酸カ
リウム、塩化アンモニウム等のグルテン改良剤を添加使
用することが提案されているが、最近の消費者の健康志
向ブームにより従来使用されているこの種の添加物の忌
避が志向されたり、無漂白パン、小麦胚芽、ダイエタリ
ーファイバーなどを添加したパンの需要が拡大してお
り、この為新しい食品素材を使用したパン類の製造方法
が種々研究されている。
また、柔らかいパンを得る方法としては、パン生地の発
酵時間を増長させる方法、パン生地の添加水量を増加さ
せる方法、及びモノグリセライドを主体として乳化剤を
添加する方法が知られている。
しかしながら、発酵時間を増長させる方法については、
今日の大量生産方式下ではパン生地の発酵時間が定めら
れている場合が多く、従って、該発酵時間の変更は生産
工程上困難である。
添加水を増量する方法は、パン生地中の水分が増加する
ため生産工程中にパン生地が製造機器に付着し、作業効
率の低下を引き起こすのみならず、しばしば製品に悪影
響を及ぼす。
また、モノグリセライドを主体とする乳化剤の添加は柔
らかいパンを得るには簡便であるところから、広く採用
されている。この乳化剤添加方法には、乳化剤を直接添
加する方法と、油脂に乳化剤を添加して成る乳化油脂を
使用する方法とが知られている。しかるに、この乳化剤
添加方法にあってはパン製品に柔らかさを賦与せんとし
て添加量を大きくすれば、パンの風味の低下及びパン生
地のベタツキによる作業性の低下を招くという欠点がみ
られる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、消費者のニーズに合致するような天然物
で、且つ従来のパン用品質改良剤以外の剤、特にパンの
ソフト化に極めて有効な剤を見出す為に鋭意研究した結
果、本発明を完成した。
即ち本発明は、クロロフィルを有効成分とするパン用改
質剤、詳しくはパン用ソフト化剤(柔軟化剤)に関する
ものである。
また、本発明はクロロフィルを小麦粉100重量部当たり
0.00005〜0.05重量部の割合で含有することを特徴とす
るパン生地に関するものである。
また、本発明は小麦粉を主成分とするパン原料成分に、
クロロフィルを小麦粉100重量部当たり0.00005〜0.05重
量部となるように添加混捏し、次いで常法により発酵及
び焼成を行うことを特徴とするパンの製造方法に関する
ものである。
本発明でいうクロロフィルはろう状の青黒色の微結晶
で、青緑色のクロロフィル‐a(C55H72O5N4Mg)と、黄
緑色のクロロフィル‐b(C55H70O5N4Mg)のうち、少な
くとも1成分を含むものをいう。
従来、クロロフィルの用途としては、菓子、飲料水、リ
キュールなどの着色用(天然物便覧96頁 食品と科学社
昭和47年7月1日発行)があるが、パンに使用される
例は無く、本発明が初めてである。
本発明においてクロロフィル量は、純クロロフィルとし
てパン用原料組成物中又はパン生地中の小麦粉100部
(部は重量部、以下同じ)に対して0.00005〜0.05部結
果として添加されていればよい。
0.05部を越えても著しく柔らかいパンは得られるが、緑
色の着色が強くなり過ぎ、得られる製品は食パンのイメ
ージからはずれるので好ましくない。逆に0.00005部未
満では十分なソフト化効果は得られない。
本発明において、クロロフィル添加量は、純クロロフィ
ル量に換算して示している。市販されているクロロフィ
ルは純度10〜20%のものが多い。即ち、例えは市販品の
クロロフィル(クロロフィル含有量として10.5%の場
合)を粉に対して1部用いた場合には純クロロフィルと
して0.1部として記述している。
クロロフィル以外の類似物質、例えば銅クロロフィル、
銅クロロフィリンナトリウム、鉄クロロフィリンナトリ
ウムなどにおいては、比較的銅クロロフィルと鉄クロロ
フィリンナトリウムがパンのソフト化効果を有している
が、クロロフィル程の効果はない。従ってクロロフィル
は前記クロロフィル類似物質と有意に識別されるパンソ
フト化効果を持つ物質といえる。
本発明においてパン生地(ドウ又はバッター)を作る原
料としては、小麦粉を主原料として使用することは勿論
であるが、小麦粉のほか、小麦粉に大麦粉、ライ麦粉、
コーンミール等、また馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、小
麦澱粉粉等の穀粉類を加えたものなども使用することが
できる。
クロロフィルは、必要に応じ、他とパン用添加剤と組み
合わせて使用しても差し支えない。例えば乳化剤、タン
パク質、多糖類、多糖類以外の糖類、膨剤類、アミノ酸
類等と併用可能である。
クロロフィルと併用することができる乳化剤としては、
食品用として使用可能な乳化剤、例えばグリセリン高級
脂肪酸モノエステル、ショ糖高級脂肪酸エステル、プロ
ピエングリコール高級脂肪酸モノエステル、ソルビタン
高級脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン高級脂肪酸部分エステル、レシチン等が挙げられる。
クロロフィルと併用することができるタンパク質として
は、食品用として使用できるものであればよく、例えば
乳タンパク質、植物性タンパク質などが使用可能であ
る。乳タンパク質としてはナトリウムカゼイン、カルシ
ウムカゼイン、レンネットカゼイン、ミルクカゼイン、
ミルクホエー、ラクトアルブミン、ラクトグロブリン、
植物性タンパク質としては大豆タンパク質、小麦タンパ
ク質、活性グルテン、米タンパク質、コーンタンパク質
等が挙げられる。
クロロフィルと併用することができる多糖類としては天
然ガム類と合成ガム類が好ましい。具体的には天然ガム
類としてはアラビアゴム、カラギーナン、ローカストビ
ーンガム、キサンタンガム、カラヤガム、グアーガム、
タマリンド種子多糖類、タラガントガム等が使用可能で
あり、合成ガム類としてはカルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が作用
可能である。
クロロフィルと共に配合使用することができる多糖類以
外の糖類としては、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、シ
ョ糖、乳糖、マルトース、水飴、転化糖、異性化糖、ソ
ルビット、マルチット等の炭糖類、二糖類、オリゴ糖、
糖アルコール類が挙げられる。
クロロフィルと共に配合使用することができる膨剤類
は、その種類には特に制限はなく、常用の膨剤はすべて
用いることができる。即ち、アルカリ性膨剤、酸性膨剤
あるいはこれらの混合物であるベーキングパウダー等を
単独で用いるかあるいは2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。
小麦粉を主成分とするパン原料成分にクロロフィルを添
加混捏して作ったパン生地を、常法に従い発酵及び焼成
することにより、非常に柔らかい(ソフトな)良質のパ
ンを得ることが可能になる。
本発明でいうパンとは、パンを製造するための材料、例
えば主原料としての小麦粉にイースト、イーストフー
ド、油脂類(ショートニング、ラード、マーガリン、バ
ター、液状油等)、水(捏水)、乳製品、食塩、糖類な
どを添加し、更に必要に応じ乳化剤、調味料(グルタミ
ン酸類や核酸類)、保存料、ビタミン、カルシウム等の
強化剤、蛋白質、化学膨張剤、フレーバー等の1種又は
2種以上を添加混捏し、発酵工程を経て焼成したものを
言う。
勿論、フィリングなどの詰め物をしたパンも本発明で言
うパンに含まれる。
即ち、本発明でいうパンは、食パン、特殊パン、調理パ
ン、菓子パン、蒸しパンなどを意味する。例えば、食パ
ンとしては白パン、黒パン、フランスパン、バラエティ
ブレッド、ロール(テーブルロール、バンズ、バターロ
ールなど)が挙げられる。特殊パンとしてはグリッシー
ニ、マフィン、ラスクなど、調理パンとしてはホットド
ッグ、ハンバーガー、ピザパイなど、菓子パンとしては
ジャムパン、あんぱん、クリームパン、メロンパン、ス
イートロール、リッチグッズ(クロワッサン、ブリオッ
シュ、デニッシュペストリー)などが挙げられ、蒸しパ
ンとしては肉まん、あんまんなどが挙げられる。
〔実施例〕
次に実施例(参考例、比較例も含む)を示し、本発明を
更に詳細に説明する。実施例中の部は、すべて重量部で
ある。
参考例 食パン生地及び食パンの製造条件、製法及び食パンの評
価方法 表1に示す配合に基づき、70%中種法で食パンを製造
し、パンの評価を行う。
縦型ミキサー(関東ミキサー10コート)、フックを用
い、中種配合材料〔(強力小麦粉70部、イースト2部、
イーストフード0.1部、水40部)、ここまでを基本配合
とし、添加物を乳れる場合は、この中種で添加する。し
かし本捏で入れても差し支えはない〕をボールに入れ、
低速2分、中高速1分で混捏し、捏上温度を24℃とし、
中種生地を調製する。
次にこれを発酵(中種発酵)させる。この時の条件は、 中種発酵温度 24℃ 中種発酵相対湿度 75% 中種発酵時間 4時間30分 中種発酵終点品温 29.5℃ である。
次に、この中種発酵生地に本捏配合材料〔強力小麦粉30
部、食塩2部、砂糖5部、脱脂粉乳1部、水25部、油脂
5部(油脂だけは混捏の途中で添加する)、ここまでを
基本配合とし、前述したように添加物はこの本捏で添加
しても差し支えない。この参考例では、中種に添加物を
入れる。〕を添加し、低速3分、中高速4分で混捏した
後に、油脂を添加し、更に低速2分、中高速3分で混捏
し、本捏生地とする。この時の生地温度は約27.5℃であ
る。
次に、混捏でダメージを受けた生地を回復させるために
フロアータイムを20分とり、この後に450gの生地に分割
する。分割でダメージを受けた生地を回復させる為に、
ベンチタイムを室温で20分とり、モルダーで整形する。
次に整形物をワンローフのパン型に入れ、発酵(ホイ
ロ)を行う。
ホイロの条件を以下に示す。
ホイロ温度 37℃ ホイロ相対湿度 80% ホイロ時間 50分 このようにして調製したパン生地を210℃のオーブンで3
0分間焼成する。
焼成後20℃で45分間冷却した後、ビニール袋に入れ、密
閉化し、更に20℃で2日間(48時間)保存し、食パンサ
ンプルとする。
48時間後にこの食パンを端から一定距離(6cm)の部位
で、一定の大きさ(2.5cm×2.5cm×2.0cm)に切断し、
得られた立方体状の試料についてベーカーズコンプレッ
シメーター(千代田製作所製)を用いパンの硬さを測定
し、パンの柔らかさを評価する。測定値の小さいもの
程、パンが柔らかいことを示す。
以下、実施例、比較例ともに叙上の条件と同一条件でパ
ン生地及びパンを製造し、評価した。
尚、下記の実施例及び比較例では10.5%濃度のクロロフ
ィルを用いた。
実施例1〜3、及び比較例1〜4 参考例において示した製造条件、製法及び評価方法を用
いて、食パンを製造し、得られたパンの評価(硬さの評
価)を行った。このパンの製造工程は次の通りである。
中種配合材料における添加物としては、表2に示す化合
物を使用した。
得られたパンの評価結果は、表3に示す通りであった。
〔発明の効果〕 叙上の如く、クロロフィルは優れたパンソフト化効果を
有することが認められた。従って、本発明のクロロフィ
ルを有効成分とするパン用改質剤、又はクロロフィルを
含有するパン生地、又は本発明のパンの製造方法を使用
すれば、非常にソフトな(柔らかい)良質のパンを製造
することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロロフィルを有効成分とするパン用改質
    剤。
  2. 【請求項2】クロロフィルを小麦粉100重量部当たり0.0
    0005〜0.05重量部の割合で含有することを特徴とするパ
    ン生地。
  3. 【請求項3】小麦粉を主成分とするパン原料成分に、ク
    ロロフィルを小麦粉100重量部当たり0.00005〜0.05重量
    部となるように添加混捏し、次いで常法により発酵及び
    焼成を行うことを特徴とするパンの製造方法。
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