JPH0677365U - 画像読取装置の照明光学装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像読取装置の照明光学装置を、安価で量産
が容易な構成とし、かつ均一な照明が得られるようにす
る。 【構成】 第１の曲率を有する基板２２上に第１の曲率
に対し直角の方向の第２の曲率を有する複数個に分割さ
れたフレネルミラー２３を接着し、光源１から発しフレ
ネルミラー２３により反射して原稿面上に結像する像の
ラインボーの発生を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、透過原稿の画像情報を光電的に読み取る画像読取装置に設けられ、 前記透過原稿を直線状に照明する画像読取装置の照明光学装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の画像読取装置の一例の概略構成を図９及び図１０に示す。図９において 、光源１から放射された光線２は、トーリック面を持つ反射ミラー３及び光路変 換ミラー４を介して、ホルダ５に保持された透過原稿６上に直線状に結像される 。透過原稿６を透過した光線２は、投影レンズ７によりリニアイメージセンサ（ ＣＣＤ）８に集光され、透過原稿６のライン状の画素を結像する。そしてホルダ ５を矢印Ａ方向に移動させることにより、原稿面全体の情報を順次ＣＣＤ８によ り読み取らせる。

【０００３】 トーリックミラー３は図１０に示すように、支軸９を介してシャーシ１０に角 度調整可能に取り付けられており、図１１及び図１２に示すように、原稿面６ａ に対して平行の方向の第１の曲率を有する曲面Ｒ₁と、原稿面６ａに対して直角 の方向の第２の曲率を有する曲面Ｒ₂とが複合されて形成されている。そしてト ーリックミラー３は、曲面Ｒ₁により光源１から放射される光線２を原稿面６ａ の主走査方向に集光させており、また曲面Ｒ₂により光源１の光源像を原稿面６ ａ上に結像させている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記のように構成された従来の照明光学装置においては、凹面鏡 として２つの異なる曲面Ｒ₁，Ｒ₂を持つトーリックミラー３を使用しているため 、製作が難しく量産に適さないという問題があった。

【０００５】 また光源１はトーリックミラー３の取付け高さを低くして、しかも放射する光 線２が光路変換ミラー４と干渉しないように、光軸が下向きになるように傾けて 取り付けられている。このため２つの異なる曲面Ｒ₁，Ｒ₂により反射された光線 ２が原稿面６ａ上に集光されたとき、図１３に示すように線状の光源像１１が弓 状となり、いわゆるラインボー現象が発生する。一方、原稿面６ａ上でＣＣＤ８ が読み取るライン１２は破線で示すように直線であるので、図１４に示すように 読み取りライン１２の中心部と周辺部とで均一な照明光が得られないという欠点 があった。

【０００６】 本考案は、このような状況に鑑みてなされたもので、安価で量産が容易であり 、しかも均一な照明を行なうことのできる画像読取装置の照明光学装置を提供す ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１に記載の画像読取装置の照明光学装置は、光源１から発する光２を反 射し、透過原稿面６ａ上に直線状に集光するために、直交する２方向に第１の曲 率Ｒ₁と第２の曲率Ｒ₂とを有する凹面鏡を備えた画像読取装置の照明光学装置に おいて、前記凹面鏡を、第１の曲率Ｒ₁を有する基板２２上に第２の曲率Ｒ₂を有 するフレネルミラー２１を設けて構成したことを特徴とする。

【０００８】 請求項２に記載の画像読取装置の照明光学装置は、フレネルミラー２１を形成 する複数の溝部を第１の曲率Ｒ₁方向に設け、かつフレネルミラー２１を同方向 に複数個に分割したことを特徴とする。

【０００９】 請求項３に記載の画像読取装置の照明光学装置は、光源１から発する光２を反 射し、透過原稿面６ａ上に直線状に集光するために、直交する２方向に第１の曲 率Ｒ₁と第２の曲率Ｒ₂とを有する凹面鏡を備えた画像読取装置の照明光学装置に おいて、前記凹面鏡を、複数の溝部が同心楕円上に形成され、反射面に第１の曲 率Ｒ₁と第２の曲率Ｒ₂とを有するフレネルミラー３１を平面基板３２上に設けて 構成したことを特徴とする。

【００１０】

【作用】

上記構成の画像読取装置の照明光学装置においては、光源１から発する光２を 反射して透過原稿面６ａ上に直線状に集光させるための凹面鏡を、直交する２方 向で異なる曲率Ｒ₁，Ｒ₂を有するフレネルミラー２１，３１で構成したので、フ レネルミラー２１，３１の断面形状の設計を適正に行なうことにより、光源１か ら発する光２が斜め上方からフレネルミラー２１，３１に入射しても、原稿面６ ａを均一に照明することができる。特に請求項１に記載の照明装置においては、 フレネルミラー２１を複数個に分割して第１の曲率Ｒ₁を有する基板２２上に設 けたので、個々のフレネルミラー２３には第２の曲率Ｒ₂を持たせるだけでよく 、製作が容易となり、コストの低減と量産性の向上とを図ることができる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の画像読取装置の照明光学装置の実施例を図面を参照して説明す る。

【００１２】 図１乃至図４に本考案の第１の実施例によるフレネルミラー２１の構成を示す 。図１において、図９に示す従来例の部分と対応する部分には同一の符号を付し てあり、その説明を適宜省略する。本実施例の特徴は凹面鏡にフレネルミラー２ １を用いた点にあり、その他の部分の構成は図９に示す従来例と同様である。支 軸９を介してシャーシ１０に角度調整可能に支持された基板２２の光源１に対向 する面には、原稿面６ａに平行なＹ軸方向に所定の曲率半径Ｒ₁の曲面２２ａが 形成されている。また基板２２の曲面２２ａには、Ｙ軸方向に複数個に分割され た矩形板状のフレネルミラー２３が、連続して接着またはネジ止めにより固定さ れている。これらの分割されたフレネルミラー２３はＸ軸方向に所定の曲率半径 Ｒ₂の曲面２３ａが形成されており、曲面２３ａにはＸ軸方向にのみ同一フレネ ル形状のフレネルパターンが形成されている。

【００１３】 本実施例によれば、分割されたフレネルミラー２３はＸ軸方向にのみ曲率半径 Ｒ₂の曲面２３ａが形成されているので、ラインボーの曲率半径がより大きくな り、光源１から入射する光線２を反射して、原稿面６ａ上に光源１の直線状の像 をラインボー現象の発生を軽減して結像させることができ、原稿６を均一に照明 することができる。また分割されたフレネルミラー２３はＸ軸方向にのみフレネ ルパターンを有し、Ｙ軸方向は平面でよいので、加工が容易となる。なお、フレ ネルミラー２３は金属の機械加工またはプラスチックの射出成形加工で製作が可 能である。

【００１４】 なお、分割された各フレネルミラー２３のフレネル形状をそれぞれについて異 なる形状とし、反射光線の結像位置を補正するようにすれば、光源像を直線とす ることができ、ラインボー現象の発生を完全に防止することができる。この場合 、各フレネル形状は中心のミラーに対して対称となる。

【００１５】 上記実施例におけるフレネルミラー２３の分割数は、多いほど曲面に近似させ ることができる。なお、フレネルミラー２３を分割せずに１枚の曲面フレネルミ ラーとしてもよい。

【００１６】 図５乃至図８に本考案の第２の実施例によるフレネルミラー３１の構成を示す 。本実施例は平面状の表面を有する基板３２に、Ｘ，Ｙ方向にそれぞれ曲率半径 Ｒ₁，Ｒ₂の曲面３１ａ，３１ｂが形成されたフレネルミラー３１を接着またはネ ジ止めにより固定したものである。またフレネルミラー３１の反射面には同心楕 円上のフレネルパターンが形成されている。

【００１７】 本実施例によっても第１の実施例と同様にラインボー現象の発生を解消するこ とができ、原稿６を均一に照明することができる。特にフレネルミラー３１を小 型化することができ、コストの低減を図ることができる。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、請求項１，２に記載の画像読取装置の照明光学装置によ れば、光源から発する光を反射して透過原稿上に直線状に集光させるための凹面 鏡として、第１の方向に第１の曲率を有する基板上に、第１の方向に対して直角 の方向に第２の曲率を有するフレネルミラーを、同方向に複数個に分割して設け たので、ラインボー現象の発生を軽減して均一な照明が実現できる。しかもフレ ネルミラーが２軸曲面を持たないので、製作が容易となりコストの低減を図るこ とができる。さらに、フレネルミラーのフレネルパターンを部分的に変えること により、ラインボー現象の発生を完全に防止するとともに、主走査方向の任意の 位置における光量を自由に変えることができ、照明光のムラの微補正が可能とな る。

【００１９】 また請求項３に記載の画像読取装置の照明光学装置によれば、直交する２方向 にそれぞれ第１の曲率と第２の曲率とを有する同心楕円パターンのフレネルミラ ーを平面基板上に設けたので、反射ミラーを小型化しパターンを単純とすること ができ、コストの低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の画像読取装置の照明光学装置の第１の
実施例の構成を示す斜視図である。

【図２】図１の分解されたフレネルミラーの構成を示す
正面図である。

【図３】図２の側面図である。

【図４】図１の平面図である。

【図５】本考案の第２の実施例の構成を示す斜視図であ
る。

【図６】図５のフレネルミラーの構成を示す正面図であ
る。

【図７】図６の側面図である。

【図８】図６の平面図である。

【図９】従来の画像読取装置の一例の構成を示す側断面
図である。

【図１０】図９の照明光学装置のトーリックミラーの構
成を示す側面図である。

【図１１】図９の照明光学装置の光路を示す展開平面図
である。

【図１２】図１１の側面図である。

【図１３】従来の照明光学装置において発生するライン
ボーの状態を示す説明図である。

【図１４】従来の原稿面上の光量分布を示す線図であ
る。

【符号の説明】

１ 光源 ２ 光線 ６ 透過原稿 ６ａ 原稿面 ２１，３１ フレネルミラー ２２，３２ 基板

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 光源から発する光を反射し、透過原稿面
   上に直線状に集光するために、直交する２方向に第１の
   曲率と第２の曲率とを有する凹面鏡を備えた画像読取装
   置の照明光学装置において、 前記凹面鏡を、前記第１の曲率を有する基板上に前記第
   ２の曲率を有するフレネルミラーを設けて構成したこと
   を特徴とする画像読取装置の照明光学装置。
2. 【請求項２】 前記フレネルミラーを形成する複数の溝
   部を前記第１の曲率方向に設け、かつ前記フレネルミラ
   ーを同方向に複数個に分割したことを特徴とする請求項
   １記載の画像読取装置の照明光学装置。
3. 【請求項３】 光源から発する光を反射し、透過原稿面
   上に直線状に集光するために、直交する２方向に第１の
   曲率と第２の曲率とを有する凹面鏡を備えた画像読取装
   置の照明光学装置において、 前記凹面鏡を、複数の溝部が同心楕円状に形成され、反
   射面に前記第１の曲率と第２の曲率とを有するフレネル
   ミラーを平面基板上に設けて構成したことを特徴とする
   画像読取装置の照明光学装置。