JPH067583Y2 - ケーブル接続装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜考案の分野＞ この考案は防水機能付のコネクタを使用するケーブル接
続装置に関するものである。

＜従来技術と課題＞ 従来、この種装置として、コネクタ本体の後端部外周に
螺着される円筒形のケースの後端開口からケーブルを挿
通させ、このケーブルに環状突部が形成された円筒形の
ゴムブッシュを挿通し、上記ケースの後部外周面に螺着
されるシールキャップで上記環状突部を弾性変形させて
ケーブルの外周面に押圧することにより、防水機能とケ
ーブル保持機能をもたせたものがある。

ところで、このような防水形のものでは、外部機器接続
用として引き廻し配線されるために用いられるので、比
較的大きなケーブル保持力が要求される。このケーブル
保持力は、上記ケーブルとゴムブッシュとの摩擦力と、
ケーブル押圧力とにより決まるが、上記摩擦力は比較的
小さいため、ケーブル保持力の強化には、ケーブル押圧
力を大きく設定するしかない。

しかるに、従来のものには、ゴムブッシュの弾性力だけ
で上記ケーブル押圧力を得ていたため、長期使用でケー
ブルの外皮が老化して塑性変形すると、防水性が損なわ
れるうえ、ケーブル保持力も低下する。しかも、上記ゴ
ムブッシュで防水機能とケーブル保持機能の双方を兼ね
させているので、ケーブルが強く曲げられたときは、防
水機能にも直接影響を受けるといった不具合がある。

＜考案の目的＞ この考案は上記従来のものの不具合を解消するためにな
されたもので、簡単な構成で、防水性の向上と、ケーブ
ル保持力の強化を図り得るケーブル接続装置を提供する
ことを目的としている。

＜考案の構成と効果＞ この考案に係るケーブル接続装置は、後端面にケーブル
の芯線が電気的に接続される接続端子を突出させたコネ
クタ本体と、上記コネクタ本体の後部側に装着されて、
後方末広がりの開口からケーブルを挿通させる円筒形の
ケースと、上記ケーブルに挿通されて上記開口の内周面
に当接される円筒形の弾性ブッシュと、上記ケーブルに
挿通されて上記ケースの後部外周面に形成されたねじ部
に螺着される円筒形シールキャップと、上記シールキャ
ップに内嵌されて該シールキャップの螺着状態で上記開
口のテーパ状内周面とで弾性ブッシュの外周面を圧接す
る固定リングと、上記固定リングの後縁に周方向に等配
形成されて上記シールキャップの螺着状態でケーブルの
外周面を食い込み状に圧接する複数の弾性爪とを備えた
ものである。

この考案によれば、シールキャップの螺着状態でケース
の後端開口のテーパ状内周面と固定リングとで円筒形の
弾性ブッシュを押圧するようにしたから、ケースの開口
内周面とケーブルの外周面とが弾性ブッシュで密着され
て高い防水性能が得られ、さらに、上記固定リングに形
成した弾性爪をケーブルに食い込ませる構成のため、小
さいケーブル押圧力で堅固なケーブル保持力を得ること
ができる。

とくに、弾性爪によるケーブル保持機能と弾性ブッシュ
による防水機能が別位置に分けられているため、ケーブ
ルの屈曲による防水性への悪影響を回避することができ
る。

＜実施例の説明＞ 以下、この考案の一実施例を図面にしたがって説明す
る。

第１図はこの考案に係るケーブル接続装置の一例を示す
平面図である。

この例のケーブル接続装置における丸形コネクタ１は、
ケーブルＭが接続されるリバースタイプのコネクタ本体
２、環状の固定具３、円筒形のケース４および円筒形の
シールキャップ５等を具備している。

上記コネクタ本体２およびケース４側の構成を第２ａ図
および第２ｂ図に示す。

同図において、コネクタ本体２は電気絶縁性合成樹脂等
から略円柱状に形成され、前部２ａの外周面に固定具３
が回転可能に外嵌されており、中央部には上記固定具３
の抜け止め用環状凸部１１が一体形成されている。１２
は固定具３に形成されたコネクタ本体嵌合孔である。１
３は上記環状凸部１１の前側に位置して上記コネクタ本
体２の前部外周面に嵌装されたＯリングである。上記コ
ネクタ本体２には、軸方向へ沿って中空部１４が形成さ
れ、この中空部１４には、接触子１５が収容されてい
る。接触子１５の前端部には、ソケット状部１５ａが形
成され、後端部１５ｂは上記コネクタ本体２の後端面か
ら接続端子として外部へ突出されており、前記ケーブル
Ｍの芯線Ｍａに電気的に接続されている。

１６は上記コネクタ本体２の後部２ｂの外周面に形成さ
れた第１の環状溝であり、この第１の環状溝１６には、
ケース係止用のＣ形のスプリング１７が嵌装されて、そ
の表面が上記外周面から浮き上り状に設定されている。
上記環状１６の後方には、第２の環状溝１８が形成さ
れ、この第２の環状溝１８には、後述するケース４の内
周面に押圧されるＯリング１９が嵌着されている。２０
は上記固定具３の内周面に形成されたねじ部である。

上記ケース４の内周面には、前端側に位置して、環状凹
部２１が形成されている。これは上記Ｃ形スプリング１
７に係脱可能に係合するものである。２２は上記ケース
４におけるケーブル嵌挿孔、２３はこの嵌挿孔２２の後
側に連成されたケーブル挿入用開口であり、その内周面
は後方末広がり状に形成されている。２４は上記ケース
４の後部外周面に形成されたねじ部である。

上記ケース４およびシールキャップ５の周辺の構成を第
３ａ図および第３ｂ図で説明する。

同図において、シールキャップ５はその前側内周面に形
成されたねじ部２５を上記ケース４側のねじ部２４に螺
合することにより、該ケース４に着脱可能に装着される
ようになっている。２６は上記シールキャップ５の後面
に形成されたケーブル挿通孔である。２７は上記ケーブ
ルＭに嵌装された合成樹脂等からなるケーブル固定リン
グであり、その後縁には、周方向へ等配された位置で先
端側が上記ケーブルＭの外周面に向って傾斜して延びる
複数の弾性爪２８が一体形成されている。これら弾性爪
２８は上記ケーブルＭの外周面を食い込み状に圧接する
もので、上記固定リング２７の周壁にすり割り２９を形
成することにより、容易に製作することができる。３０
は上記ケーブルＭに嵌挿された円筒形のゴムブッシュで
あり、上記ケース４にシールキャップ５が螺着された際
に、上記ケース４のケーブル挿入用開口２３のテーパ状
内周面と上記固定リング２７の内周面とに圧接されるよ
うになっている。

つぎに、上記構成のケーブル接続装置の組付手順につい
て説明する。

ケーブルＭを第２ａ図および第２ｂ図に示すようにシー
ルキャップ５、ケーブル固定リング２７、ゴムブッシュ
３０および筒形のケース４に順次挿通した後、上記ケー
ブルＭの芯線Ｍａをコネクタ本体２側の接続端子１５ｂ
に半田付等で電気的に接続・固定する。

ついで、上記筒形ケース４を第２ｂ図に示すようにコネ
クタ本体２の後端部２ｂに嵌め込み操作すれば、ケース
４の内周面の環状凹部２１に上記コネクタ本体２側の略
Ｃ形スプリング１７が弾性的に係合するため、コネクタ
本体２とケース４とが結合されることになる。

さらに、ゴムブッシュ３０をケース４のケース挿入用開
口２３のテーパ状内周面に当接させ、固定リング２７を
ゴムブッシュ３０に外嵌して、シールキャップ５のねじ
部２５をケース４のねじ部２４に螺合させれば、第３ｂ
図のように、ゴムブッシュ３０が上記開口２３に圧入さ
れ、固定リング２７とともに固定される。

ここで、上記シールキャップ５の螺着時に、ゴムブッシ
ュ３０が後端開口２３のテーパ状内周面で押圧変形され
ると同時に、固定リング２７の内周面に圧接されるた
め、上記ゴムブッシュ３０はその弾性反力で上記開口２
３の内周面と上記ケーブルＭの外周面との間に密着す
る。したがって、両者２２、Ｍ管の液密性が確保され
る。

また、上記シールキャップ５の螺着により、固定リング
２７の弾性爪２８の先端がケーブルＭの外周面に食い込
み状に圧接するので、比較的小さいケーブル押圧力でも
大きなケーブル保持力を生起させることができ、長期使
用のういち、ケーブルＭの外皮が劣化しても、有効なケ
ーブル抜け止め効果を発揮することができる。

さらに、上記ゴムブッシュ３０で防水性を得て、固定リ
ング２７の弾性爪２８でケーブル保持力を得るように、
それぞれ別位置で分けて作用するようにしてあるから、
ケーブルＭに屈曲力が付与されても、ゴムブッシュ３０
による防水部にその力が加えられることはなく、したが
って、防水性も良好に維持される。

また、上記弾性爪２８が斜め方向に延びており、ゴムブ
ッシュ３０も開口２３のテーパ状内周面に沿って変形す
るため、ケーブルＭの適合径を大きくすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るケーブル接続装置の一例を示す
平面図、第２ａ図および第２ｂ図はそれぞれ同ケーブル
接続装置におけるコネクタ本体およびケース側の構成
を、組付前および組付後の状態で示す一部破断平面図、
第３ａ図および第３ｂ図はそれぞれ同ケーブル接続装置
におけるコネクタ本体およびシールキャップ側の構成
を、組付前および組付後の状態で示す一部破断平面図で
ある。 ２…コネクタ本体、４…ケース、５…シールキャップ、
１５ｂ…接続端子、２３…開口、２４…ねじ部、２７…
固定リング、２８…弾性爪、３０…弾性ブッシュ、Ｍ…
ケーブル、Ｍａ…芯線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】後端面にケーブルの芯線が電気的に接続さ
   れる接続端子を突出させたコネクタ本体と、上記コネク
   タ本体の後部側に装着されて、後方末広がり状の開口か
   らケーブルを挿通させる円筒形のケースと、上記テーブ
   ルに挿通されて上記開口のテーパ状内周面に当接される
   円筒形の弾性ブッシュと、上記ケーブルに挿通されて上
   記ケースの後部外周面に形成されたねじ部に螺着される
   円筒形シールキャップと、上記シールキャップに内嵌さ
   れて、該シールキャップの螺着状態で上記開口のテーパ
   状内周面とで弾性ブッシュの外周面を圧接する固定リン
   グと、上記固定リングの後縁に周方向に等配形成されて
   上記シールキャップの螺着状態でケーブルの外周面を食
   い込み状に圧接する複数の弾性爪とを備えたことを特徴
   とするケーブル接続装置。