JPH0675438U - ろうあ者向振動ペイジャー型音声検知装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ろうあ者向け音声検知装置において、音声検
知手段をランプ表示等の視覚による認識方法から振動
（バイブレーション）による体感振動（触覚）の認識方
法に切り替える。 【構成】 複数方向からの音声を同時に入力する音声入
力手段と、音声入力信号の立ち上がりによって起動する
振動発生手段と、音声入力信号の周波数成分を弁別する
周波数弁別手段並びに弁別された結果を視覚情報に変換
し表示する表示手段を具備する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ろうあ者および難聴者向けの音声検知装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の音声検知装置としては、家庭内における電話の着信、訪問者の 有無をランプ表示にして知らせる装置とか、オーディオ装置に音声情報をグラフ 表示させるもの、または音声を文字情報に変換してＣＲＴ上に表示するもの等が あった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このように従来の音声検知装置は家庭内における特定用途向けの据置型である ので、ろうあ者が外出の際、携帯して身体の安全確保に利用したりすることがで きないという欠点があり、また家庭内においても検知方法がランプ等の視覚によ ってのみの確認であるため、ろうあ者の視角範囲での認識、および目を閉じた状 態、例えば仮眠状態・睡眠状態においては全く認識が困難であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案のろうあ者向振動ペイジャー型音声検知装置は、複数方向からの音声を 同時に入力し検知する音声入力手段と、音声入力信号の立ち上がりによって起動 する振動発生手段と、音声入力信号の周波数成分を弁別する周波数弁別手段およ び弁別された結果を視覚情報に変換し表示する表示手段とを具備した携帯用振動 ペイジャーであり、音声の存在の有無、音声の発生方向、および音声の特徴を前 記音声検知装置の体感振動（触覚）、ディスプレ表示（視覚）、および振動パタ ーンによって認識することができる。

【０００５】 つまり、ろうあ者にとっての音声検知方法を、従来のランプ表示等の視覚によ る認識方法から振動モータ等を用いた振動・体感手段による方法に切り替えるこ とにより、音声有無の初期認識が確実に得られ、かつ振動の発振パターンにより 音声の種類を認識し、同時に視覚情報表示方法によりその他の補助的情報も得る ことが可能となる。

【０００６】

【実施例】

本考案の検知装置のブロック図を図１に示す。図１のブロック図は情報処理系 と動力系の部分に分けられ、情報処理系は音声検出部１、アンプ２、周波数弁別 回路部３（フィルターＡ，Ｂ，Ｃ）、ロジック部４、ディスプレイ５により構成 され、動力部は外装ケース本体を大きく振動させる振動発生部６で構成される。 まず情報処理系で音声検出部１に入力した信号はアンプ２で増幅され、周波数弁 別回路３のフィルターＡ，Ｂ，Ｃにより３種の帯域数に弁別される。

【０００７】 弁別された３種の信号はロジック部４の論理回路７を経て振動の開始、停止を 繰返す(A)、(B)、(C)３つのパターンで振動発生部６を分別器８を経て作動制御 し、また弁別された各帯域毎の音圧レベルは視覚情報表示部であるディスプレイ ５にも同時に表示され、３つのパターンに対応したメッセージ・文字情報・音声 レベルを表示することも可能である。

【０００８】 図２に本考案の振動ペイジャー型音声検知装置の構造の一例を示す。図２にお いて１は音声検出部（外部マイク）、３は周波数弁別回路部、４はロジック部、 ５は視覚情報を表示する液晶ディスプレイ、６は振動モータを用いた振動発生部 であり、９は外装ケース本体、10は前記３，４，５，６を作動するバッテリー電 源をそれぞれ示している。この振動ペイジャー型音声検知装置のケース本体９を ろうあ者の身体に接する位置に保持させ、一方の音声検出部１（外部マイク）を 振動発生部のケース本体９と分離し、延長コードを介して音声検出に最適なろう あ者身体の頭部（耳の位置）にセットし音声検知を行った。

【０００９】 まず家庭内において使用頻度の多い音声の発生源である電話の着信音をＡ、訪 問者の呼出ブサー音をＢ、その他の音声をＣに弁別する周波数弁別回路を組み込 んだ３種の振動パターン（図３）を持つ携帯用振動ペイジャーを、切替モードを 屋内にして通常の日常生活において携帯使用した結果、電話の着信音、呼出ブザ ー、その他音声との差異が明確に判別・検知でき、常時注意を払っていなくては ならない従来のランプ等による視覚検知方法に比べて、無意識な状態であっても 体感振動という確実な初期認識が得られるため、従来方法より音声検知及び音声 種類の判別が容易になったとの評価が得られた。

【００１０】 次に外出時の使用についてはその周辺環境の違い、例えば交通騒音等の中での 検知を考慮して回路にノイズカット処理機能を付加し、一定音圧レベル以上の音 声を検知する周波数弁別回路を組み込んだ屋外切替モードを設定した。さらに外 部マイク入力を前後２方向に分け、音声入力方向をディスプレイ表示する機能を 付けた。これら機能（切替モード＝屋外）により市街地においては検出対象とな る信号音は救急車の緊急サイレン、自動車の警笛等の大きな音声に限定されるが 、ろうあ者に対して緊急事態における検知の必要性、現状の危険度、音声の発生 方向を認識させることができ、ろうあ者の緊急検知手段の携帯補助具として十分 効果があったとの評価を得ることができた。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案による音声検知装置をろうあ者が携帯用として用い ることにより、音声の存在の有無、音声の発生方向、および音声の特徴の検知が 体感振動及び視覚情報により認識可能となるので、家庭内はもちろんのこと従来 は外出時に容易に検知できなかった音声情報、例えば緊急サイレンや拡声器から の音声、自動車の警笛等の音声情報が検知・認識可能となり、ろうあ者の身体の 安全確保に効果がある。 また、本考案はろうあ者・難聴者に限らず、振動ペイジャーとして特定周波数 発信器を用いた一斉呼出機能を付加させ、団体行動の統括補助具としても効果が ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案における音声検知装置のブロック図。

【図２】本考案の振動ペイジャー型音声検知装置の構造
図の一例。

【図３】本考案の音声検知装置の振動パターンを示す一
例。

【符号の説明】

１ 音声検出部 ２ アンプ ３ 周波数弁別回路部 ４ ロジック部 ５ ディスプレイ ６ 振動発生部 ７ 論理回路 ８ 分別器 ９ 外装ケース本体 10 バッテリー電源

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数方向からの音声を同時に入力する音
   声入力手段と、音声入力信号の立ち上がりによって起動
   する振動発生手段と、前記音声の周波数成分を弁別する
   周波数弁別手段並びに弁別された結果を視覚情報に変換
   し表示する表示手段を具備し、音声の有無、音声の発生
   方向、および音声の特徴を携帯用振動ペイジャーによっ
   て認識することを特徴とするろうあ者向音声検知装置。