JPH0674173B2 - チタン酸ジルコン酸鉛の製造方法 - Google Patents

チタン酸ジルコン酸鉛の製造方法

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JPH0674173B2
JPH0674173B2 JP2255376A JP25537690A JPH0674173B2 JP H0674173 B2 JPH0674173 B2 JP H0674173B2 JP 2255376 A JP2255376 A JP 2255376A JP 25537690 A JP25537690 A JP 25537690A JP H0674173 B2 JPH0674173 B2 JP H0674173B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は圧電磁器材料であるチタ酸ジルコン酸鉛(PZ
T)の製造方法、より詳しくゾル−ゲル法を用いたチタ
ン酸ジルコン酸鉛の製造方法に係る。
〔従来の技術〕
従来のPZTの製造方法としては酸化物混合法と、PVD法、
CVD法とがある。
酸化物混合法は、PdO,ZrO2,TiO2を湿式で混合させ、乾
燥後に乾式でペレット成形したり、バインダ・溶剤を加
えシート成形し、これらを1150℃以上の高温で焼成する
方法である。
また、PVD法としてはスパッタ法、EB蒸着法、イオンプ
レーティング法など、CVD法としては例えばプラズマCVD
法、MOCVD法などを用いる方法などが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
酸化物混合法では、PbOの揮散が生じ組成変動が起こる
ため、あらかじめ過剰のPbOを添加したり、PbO雰囲気で
の焼成が不可欠となるが、PbO蒸気圧の制御が困難であ
る。また、粉末混合時のコンタミネーションや凝集粒子
の存在、さらにバインダ除去により空孔がセラミックス
内部に残留し、緻密化が妨げられ圧電特性の劣化が生じ
てしまう問題がある。
また、PVD法、CVD法は、緻密な膜は作製できるが、堆積
させる基板を選択しなくてはならない。また、装置の関
係上高価なものとなり、大量生産も不可能である。さら
に気相などを経ているため、組成制御がかなり困難とな
ってしまうなどの問題がある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上気の如き従来技術の欠点を解決するため
に、塩化物及びアルコキシド以外の鉛化合物及びジルコ
ニウム化合物とチタンアルコキシドを原料とし、酢酸及
び水を溶媒としてゾル溶液を作製し、これをゲル化した
後、800℃以下の温度で焼成することを特徴とするチタ
ン酸ジルコン酸鉛の製造方法を提供する。
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)はPb(ZrxTi1-x)O3〔た
だし、0≦x≦1〕で表わされる組成を有する。
先ず、PZT原料のゾル溶液を作製する。鉛原料とジルコ
ニウム原料としては塩化物及びアルコキシド以外であれ
ば有機、無機のいずれの化合物でもよい。例えば、鉛原
料として酢酸鉛、硝酸鉛、炭酸鉛、水酸化鉛、酸化鉛、
ステアリン酸鉛、ジルコニウム原料として硝酸ジルコニ
ム、水酸化ジルコニル、ジルコニウムアセチルアセトネ
ートが好ましく使用される。
原料に塩化物を用いると、白色沈殿が生じ均一なゾル溶
液が作製できない。ゾル溶液中のPZTモル濃度を低くす
ることでほぼ透明なドライゲルの作製を行うことは可能
であるが、焼成によりPbCl2あるいはPbCl4の針状結晶が
析出し、PZTの熱膨張係数との差が原因と思われるクラ
ックが発生するため均一な膜やパルクが得られない。ま
た、熱処理によっても塩素は完全に飛ばす鉛と反応して
しまうため、塩化物を原料に用いることは避ける。ま
た、鉛やジルコニウムのアルコキシドは、高価であるの
みならず、空気中の水分と容易に反応して白濁し(沈殿
の生成)、均一なゾル溶液(透明溶液)を得ることが容
易でないので本発明では使用しない。
チタン原料としてはチタソアルコキシドを使用する。こ
のアルコキシドが後に重縮合してゲル化を可能にする。
チタンアルコキシドとしてはチタンブトキシド、チタン
イソプロポキシドが好ましく使用できる。
これらの原料は酢酸と水を溶媒とすることによりゾル溶
液を作製することができる。鉛原料、ジルコニウム原料
及びチタン原料は所望のPZT組成に応じて配合し、これ
に酢酸および水を添加して透明なゾル溶液が得られるま
で攪拌する。アルコキシドは加水分解しやすいので最後
に添加するのがよい。酢酸の濃度はPb1モルに対して600
〜1600ml、また原料組成物の濃度は溶液1500〜3000mlに
対し1モルがよい。これらの濃度から外れると、濃い場
合には焼成時に膜やバルク体にクラックが入り、均一な
PZTが作製できない。逆に、薄い場合は膜が薄すぎて成
膜できなくなったり、バルク体では塊りにならず、膜状
になってしまう。
ゾル溶液には溶液の粘度調整及び高安定化のためにエチ
レングリコール類を鉛1.0モルに対し0.5〜2.0モル添
加、攪拌することが望ましい。
このゾル溶液をゲル化する第1の方法は、ディップコー
ティング法、スピンコーティング法、超音波コーティン
グ法などの方法で基板上に膜を形成するもので、成膜さ
れるときにゲル化する。また、ゾル溶液は乾燥すること
によってもゲル化する。
そこで、本発明により、ゾル溶液からPZTを製造する第
1の方法は、上記の如く基板上に各種コーティング法で
ゲル膜を製膜した後、800℃以下、好ましくは600〜800
℃の温度で焼成する方法である。
第2の方法は、ゾル溶液をゆっくり乾燥して(例えば室
温に1週間放置後、35℃で2週間保持)ゲル化させ、得
られたゲル成形体を800℃以下の温度で焼成する方法で
ある。
〔作用〕
ゾル−ゲル法を用いたことにより、均一な組成のPZTを
低温で焼成できる。
〔実施例〕
第1図にゾル溶液の製作工程のフローチャートを示す。
この図のように、鉛原料とジルコニウム原料を所定量秤
量し、これに酢酸と純水を添加後、溶液が完全に透明に
なるまで攪拌する。次に所定量のチタン原料をビュレッ
ト等を用いて滴下する。この混合溶液に溶液の粘度調整
並びに溶液の高安定性化のためエチレングリコール類を
鉛1.0molに対し0.5〜2.0mol添加し、攪拌することでゾ
ル溶液とする。
これに石英、ITO、ソーダガラス、Pt等の基板を浸漬さ
せ、5〜15cm/minのスピードで引上げ基板上にゲル膜を
形成させる。この引上げ回数により所望の膜厚を有する
PZT膜を形成させる。ここで引上げ1回当り約0.15μm
の膜厚となり、引上げの操作回数により膜厚が容易に制
御できた。このようにして得た膜試料を試料Aとする。
なお、ここで試料Aはスピンコーティング法や超音波コ
ーティング法による膜でもよく、スピン速度やスプレー
時間により、膜厚の制御が可能である。
また、上記作製したゾル溶液を乾燥後500〜800℃で焼成
した粉末試料を試料Bとする。
薄膜および粉末X線回折の結果より、試料A・B共に50
0℃からペロブスカイト相が折出しはじめ、600℃の熱処
理によりペロブスカイト単相となった。これにより600
℃以上の熱処理によりPZT単相が得られることが分かっ
た。
次に、試料Aについて300〜800nmにおける透過率を測定
した結果、膜厚を約3μmとした場合においても600nm
付近で50%以上の透過率を示した。
上記の工程で得られたPZTの各組成での誘電率を表1に
示す。
実施例A−1はPb/Zr/Ti=1/0.52/0.48(mol比)となる
よう酢酸鉛3水和物、硝酸ジルコニル2水和物、チタン
ブトキシドを第1図に示すフローチャートに従いゾル溶
液を作製し、ディップコーティング法でITOを膜付けし
た石英基板に成膜したゲル膜を700℃で焼成した。
実施例A−2〜A−4はA−1とPb/Zr/Tiの組成比を変
えただけで他は同じ条件で作製した。
実施例A−5〜A−8はA−1〜A−4と成膜まで同一
条件で、750℃にて焼成した試料で、実施例A−9〜A
−12は800℃にて焼成した試料で、比較例A−13〜A−1
6は850℃にて焼成した試料である。
上記表に見られるように、焼成温度が800℃を越える
と、鉛成分が試料中から放出され組成変動が起こり特性
が劣化した。また、この理由のため、800℃までは多少
黄色味を帯びた透光性を有していた試料が800℃以上の
焼成により白色不透明となった。尚、800℃以下の焼成
においては雰囲気の制御を行わない大気中での焼成にも
かかわらず、従来法と同等の特性を示した。ここで、デ
ィップコーティング法、スピンコーティング法、超音波
スプレー法を用いた試料は、いずれも同等の特性を示し
た。
尚、本発明によるPZTのMPBは53/47付近の組成であるこ
とが分った。
次に各原料を変えた場合の実施例を表2に示す。
実施例B−1はチタン原料にチタンイソプロポキシドを
用いた例、実施例B−2はジルコニウム原料にジルコニ
ウムアセチルアセトネートを用いた例、実施例B−3〜
B−5は鉛原料にそれぞれ硝酸鉛、炭酸鉛、酸化鉛を用
いた例である。
比較例B−6〜B−8は各原料に塩化物を用いた例であ
る。
このように原料に塩化物を用いた場合は、白色沈殿の生
成により透明なゾル溶液を作製できなかった。
実施例A−6及びB−1〜B−5では透明で均一なPZT
膜を作製することができ、誘電率も1000以上と高い値が
得られた。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によりゾル−ゲル法を用い
ることによって800℃以下という低温で、雰囲気制御を
せずに従来法と同等の特性を有し、しかも安価で形状の
自由度が大きく、大量生産も可能なPZTが製造できると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるゾル溶液の作製工程を示すフロー
チャートである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化物及びアルコキシド以外の鉛化合物及
    びジルコニウム化合物とチタンアルコキシドを原料と
    し、酢酸及び水を溶媒としてゾル溶液を作製し、これを
    ゲル化した後、800℃以下の温度で焼成することを特徴
    とするチタン酸ジルコン酸鉛の製造方法。
  2. 【請求項2】鉛化合物として酢酸鉛、硝酸鉛、炭酸鉛、
    水酸化鉛、酸化鉛、ステアリン酸鉛のいずれか、ジルコ
    ニウム化合物として硝酸ジルコニル、水酸化ジルコニ
    ル、ジルコニウムアセチルアセトネートのいずれか、チ
    タンアルコキシドとしてチタンブトキシド、チタンイソ
    プロポキシドのいずれかを用いる請求項1記載の方法。
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