JPH0671826A - 車両用グレージング材 - Google Patents

車両用グレージング材

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JPH0671826A
JPH0671826A JP22859092A JP22859092A JPH0671826A JP H0671826 A JPH0671826 A JP H0671826A JP 22859092 A JP22859092 A JP 22859092A JP 22859092 A JP22859092 A JP 22859092A JP H0671826 A JPH0671826 A JP H0671826A
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JP
Japan
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layer
resistance
laminated structure
copolymer
impact resistance
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Application number
JP22859092A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kashiwagi
浩之 栢木
Masato Shinoda
真人 篠田
Nobuhiro Hirota
暢宏 廣田
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Nissan Motor Co Ltd
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性、剛性、耐衝撃性並びに耐摩耗性の優
れた車両用グレージング材を得る。 【構成】 特定のグルタルイミドとメチルメタクリレー
トの共重合体、或はメタクリル樹脂からなる層と、耐衝
撃性を有する透明性ポリマーからなる層で構成される積
層構造物の表面に直接またはプライマー層を介して表面
硬化膜を備えて成り、上記耐衝撃性を有する透明性ポリ
マーがポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリオレフ
ィン、ポリアミドおよびシリコーンからなる群から選ば
れたポリマーである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層構造物から成る車
両用グレージング材に関する。
【0002】
【従来の技術】車両業界においてはグレージング材とし
てガラスが長年用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】昨今地球環境問題から
車両業界において燃費の向上が迫られており、その一対
策として車両重量の軽量化が検討されているが、グレー
ジング材について従来のガラス材料を樹脂化することで
軽量化を図ることが可能である。
【0004】グルタルイミドとメチルメタクリレートの
共重合体、及びメタクリル樹脂はガラスに似た透明性に
大きな特長を有し、熱可塑性樹脂の中でも耐候性、耐擦
傷性および剛性に比較的優れており、ガラス代替として
有望である。しかし、これら樹脂は脆性的な樹脂であ
り、耐衝撃性に劣り、また割れた場合破片がシャープエ
ッジを有するため搭乗者に危害を及ぼす虞があり、その
ままガラス代替として用いることは難しい。これらの樹
脂の耐衝撃性を改善する方法として一般にゴム成分を添
加して改質する方法が知られている。かかる方法でゴム
成分の添加量を増加させることにより耐衝撃性を改良す
ることは可能ではあるが,反面弾性率が低下する傾向に
ある。グレージング材としては、走行中の風圧によるた
わみの点からなるべく剛性(弾性率)の高いことが望ま
れ、ゴム成分による耐衝撃性の改善はグレージング材の
場合には問題が残る。
【0005】ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ
エステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリ
オレフィンおよびポリアミド等の樹脂はグルタルイミド
とメチルメタクリレートの共重合体やメタクル樹脂と比
較して耐衝撃性に優れた透明性を有する樹脂であるが、
弾性率が低いために単体としてグレージング材に使用す
るには剛性が不足である。またグルタルイミドとメチル
メタクリレートの共重合体及びメタクリル樹脂は熱可塑
性樹脂の中では比較的耐候性、耐擦傷性に優れたポリマ
ーではあるが、ガラスより劣るため視認性が重要である
グレージング材には従来使用が困難とされている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の問題
点に鑑み、車両グレージング材として樹脂を使用すべく
鋭意検討した結果、特定のグルタルイミドとメチルメタ
クリレートの共重合体と耐衝撃性を有する透明性ポリマ
ーを組合せることにより問題点を解決し得ることを見出
し、本発明を達成するに至った。
【0007】従って、本発明は、次の一般式
【化2】 (式中R1 ,R2 ,R3 は各々水素原子または炭素数1
〜20の置換または非置換のアルキル基またはアリール基
を表わす。) で示されるグルタルイミド及びメチルメタ
クリレートの共重合体、或はメタクリル樹脂からなる層
と耐衝撃性を有する透明性ポリマーからなる層で構成さ
れる積層構造物の表面に直接またはプライマー層を介し
て表面硬化膜を備えて成り、耐衝撃性を備えた透明性ポ
リマーがポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエス
テル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリオレ
フィン、ポリアミドおよびシリコーンから成る群から選
ばれたポリマーであることを特徴とする積層構造物に関
するものである。
【0008】本発明で使用されるグルタルイミドとメチ
ルメタクリレートの共重合体はメタクリル樹脂をイミド
化することにより製造されたものであり、メタクリル樹
脂本来の優れた光学的特性、耐擦傷性、耐候性を損なう
ことなく、耐熱性が向上されたものである。また該共重
合体は弾性率が高く剛性に優れ、また線膨脹係数も比較
的小さいことから車両グレージング材として適する。ま
たグルタルイミドとメチルメタクリレートの共重合体の
製造方法は、例えば特公平2−42362 号公報に記載され
ている。ここで述べられている製造方法は、メタクリル
樹脂とアミンを特定の条件で反応させることによりメタ
クリル樹脂の高分子鎖間に縮合反応を起こさせる反応工
程と、反応工程で生成したイミド化されたメタクリル樹
脂を含む反応生成物から揮発性物質を分離除去する工程
から成り立つ。
【0009】JIS K 6717においてメタクリル樹脂とはポ
リメチルメタクリレートを80%以上含むものと定義され
ているが、本発明で使用されるメタクリル樹脂は主成分
が80%以上と限定されるものではなく、耐熱性メタクリ
ル樹脂、耐衝撃性メタクリル樹脂等の公知の変性アクリ
ル樹脂も利用できる。
【0010】本発明の積層構造物の構成は、グルタルイ
ミドとメチルメタクリレートの共重合体或いはメタクリ
ル樹脂から成る層をA層とし、耐衝撃性を備えた透明樹
脂から成る層をB層とすると、A層とB層を1層以上含
む構成であれば、A/B,A/B/A, B/A/B,
A/B/A/B等と層の数と順序を自由に設定すること
ができる。A層とB層で選択される樹脂は各々1種類に
限定されることなく、例えばA/B/B′/B/A等の
様に構成することもできる。耐衝撃性の改善には例えば
A/B/Aの様に耐衝撃性に優れたB層をA層の間に位
置させることや、積層数を増やすことが効果的である。
【0011】積層厚み比は任意であるが、積層構造物中
のA層厚み合計とB層厚み合計の比がA:B=100:
1〜5:1で耐衝撃性が十分改善される。B層の厚み比
を大きくすると耐衝撃性についての効果は大きいが、剛
性が低下する虞がある。
【0012】積層方法は、例えばA層にグルタルイミド
とメチルメタクリレートの共重合体を、B層にポリカー
ボネートと耐熱的に近い樹脂を選択した場合、特開平4
−19142 号公報で提案されている共押出法が可能であ
る。また、射出成形機を用いて金型内でメタクリル樹脂
とポリカーボネートフィルムを積層する方法、或はメタ
クリル樹脂シートをウレタン系接着剤を用いて積層する
方法、或はグルタルイミドとメチルメタクレートの共重
合体とポリビニルブチラールを加熱プレスで積層する方
法など、様々な積層方法を採ることができる。
【0013】本発明の積層構造物の表面は耐摩耗性に劣
るために、ハードコート処理を行い表面に表面硬化膜を
形成させる。表面硬化膜は、表面硬化無機膜として、Si
Ox(x≦2)膜、SiyNz(y≦3 、z≦4)膜、アモルファス
状炭素膜が好ましく、これらはプラズマCVD法により
形成される。
【0014】プラズマCVD法とは、原料ガスをエネル
ギー密度の高いプラズマ状態中に導入して分解させ、被
覆させたい物質表面へ化学反応によって目的の材料を被
覆させる方法であり、用いる装置は通常使用されるいず
れのものでもよく、例えば平行平板電極型、容量結合型
または誘導結合型などが使用可能である。装置内圧力は
10-2〜1トル(Torr)の範囲が好ましいが、2×10-1Torr
程度が特に好ましい。また、電源周波数としてはオーデ
ィオ波からマイクロ波領域まで幅広く使用することがで
きる。
【0015】表面硬化膜としてSiOx(x≦2)膜を形成する
場合、シリコン原料としてはシランガスあるいは有機シ
リコーン化合物が好適に用いられるが、シランガスを用
いる場合には酸素原料として N2Oガスを、また有機シリ
コーン化合物を用いる場合には酸素原料として N2Oガス
または O2 、 O3 ガスをそれぞれ組合せて用いるのが好
ましい。
【0016】本発明において用いられる有機シリコーン
化合物は、珪素に炭素を含む基が結合しているものから
任意に選択されるのが好ましい。有機シリコーン化合物
としてはテトラエトキシシラン、テトラメチルジシロキ
サン、ジメトキシジメチルシラン、メチルトリメトキシ
シラン、テトラメトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、ジエトキシジメチルシラン、メチルトリエトキシ
シラン、オクタメチルシクロテトラシラン等が好適に用
いられる。これらの有機シリコーン化合物は、その1種
類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよ
い。使用する有機シリコーン化合物が常温で液体である
場合は、有機シリコーン化合物の入った容器全体を加熱
して気化させて所定の流量で制御して一定のAr ガスと
一緒に装置へ導入する(直接気化導入方式)か、または
一定量のAr ガスをキャリヤーガスとして用い、有機シ
リコーン化合物の入っている温度制御可能な容器中でバ
ブリングさせて有機シリコーン化合物蒸気と一緒に装置
へ導入する( キャリアーガスによるバブリング導入方
式) いずれの方法でも好適である。
【0017】表面硬化膜として SiyNz(y≦3、z≦
4)膜を形成する場合、シリコン原料としてはシランガ
ス、窒素原料としては N2 または NH3ガスが好適に用い
られる。表面硬化膜としてアモルファス状炭素膜を形成
する場合、炭素原料としては炭化水素ガスが好適に用い
られる。炭化水素ガス濃度が濃い場合には、H2ガスを同
時に導入して希釈してもさしつかえない。
【0018】上述の表面硬化膜は積層構造物表面上へ直
接形成してもさしつかえないが、表面硬化膜の密着性を
改善させる目的から中間にプライマー層が存在していて
もさしつかえない。この様なプライマー層としては、積
層構造物と表面硬化膜との密着性が良好なものが好まし
く、例えばアクリル系(例えば東芝シリコーン社製PH-9
1 、固形分;熱可塑性アクリルポリマー、溶剤:エチル
セロソルブ、セロソルブアセテート)、ウレタン系、ポ
リエステル系などが使用可能である。
【0019】表面硬化膜の製造方法について例示すると
以下のとおりである。作製された本発明の積層構造物
は、まず、イソプロピルアルコールによる脱脂処理をし
た後に純水リンスおよび窒素ブロー乾燥して洗浄する。
洗浄終了後、この基板をプラズマCVD装置内へセット
した後に装置内を排気し、真空度2×10-5Torrで基板の
脱ガスのために基板温度を 100℃に上げて5分間保持す
る。その後に室温に戻し、真空度が2×10-6Torrになる
まで排気を続ける。
【0020】真空度2×10-6Torrになった際、続いて表
面硬化膜の形成準備に入る。表面硬化膜を形成するため
の原料ガスを装置内へ導入し、ガスの流量が安定したと
ころで電力を印加してプラズマを発生させて表面硬化膜
を形成させる。表面硬化膜の膜厚は1μm 以上が良い
が、特に1〜8μm の範囲にあるのが好ましい。
【0021】積層構造物と表面硬化膜との間にプライマ
ー層を設ける場合、基板の洗浄終了後に、流し塗り法、
スプレー法、ディッピング法、スピンコート法のいずれ
かの方法で塗布する。いずれの方法でも好ましく、また
膜厚は1μm 以上であれば好ましい。塗布後任意の時間
放置して風乾させて形成する。この後、上述と同様にし
て積層構造物をプラズマCVD装置内に挿入し、表面硬
化膜を形成する。この様にして得られた表面硬化膜の耐
摩耗性は、テーバー摩耗試験法による1000回転でのヘイ
ズ(曇化)値変化ΔH%をヘイズメーターにより測定
し、ヘイズ値変化が小さいほど耐摩耗性は良好であると
判断する。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により更
に詳細に説明する。 実施例1〜3 図1a,bおよびcに示す下記のA層1およびB層2よ
りなる実施例1,2および3の厚み5mmの積層構造物の
試料 No.1,2および3を作製し、耐衝撃性、剛性、透
明性及び耐摩耗性について試験を実施した。 ・材料 A層:グルタルイミドとメチルメタクリレー
トの共重合体(三菱レイヨン製 PMIレジン) B層:ポリカーボネート(厚さいずれも 0.2mm)(GE
製 LEXAN) ・積層方法 共押出による押出成形 ・表面処理法 作製された積層構造物は、まず、イソプロピルアルコー
ルにより脱脂処理した後に純水リンスおよび窒素ブロー
乾燥して洗浄した。洗浄終了後、この基板をプラズマC
VD装置内へセットした後に装置内を排気し、真空度2
×10-5Torrで基板の脱ガスのために基板温度を100 ℃に
上げて5分間保持した。その後に室温に戻し、真空度が
2×10-6Torrになるまで排気を続けた。真空度が2×10
-6Torrになった際、続いて表面硬化膜の形成準備に入っ
た。表面硬化膜を形成するための原料ガスを装置内へ導
入し、ガスの流量が安定したところで電力を印加してプ
ラズマを発生させて表面硬化膜を形成させた。表面硬化
膜の膜厚は5μm とした。 ・耐衝撃性試験 ダインシュタット衝撃試験機を用いて衝撃強さを測定し
た。試験片幅10mm、衝撃刃と試料ホルダー間 8.75mm と
して、フルスケール 20Kgf-cmにハンマーを設定した。
結果を表1に示す。 ・剛性 3点式曲げ試験により弾性率を測定した。
結果を表2に示す。 ・透明性 全光線透過率を標準光源Cで測定した。結
果を表3に示す。 ・耐摩耗性 テーバー摩耗試験による1000回転でのヘイ
ズ(曇化)値変化ΔH%を測定した。結果を表4に示
す。
【0023】比較例1 図2に示す厚さ5mmのグルタルイミドとメチルメタクリ
レートの共重合体単体1から成る構造物に従来よりプラ
スチックの表面硬化層として使用されているシロキサン
結合を有するコーティング剤である CH3Si(OCH3)3 と四
アルコキシ珪素の共部分加水分解物または、各々の部分
加水分解物との混合物から主として成るシリコーン系コ
ーティング剤、「スミユニ」(住友化学工業(株)製、
商品名)をディッピング法により塗布し、20分間放置し
て風乾させた後に 100℃で60分間保持してシリコーン系
コーティング層を8μm 形成した。テーバー摩耗試験に
よる1000回転でのヘイズ値変化ΔH%を表4に示した。
【0024】尚コーティング剤としては、メチルシルセ
スキシロキサンおよびコロイダル状シリカの混合物より
主として成るコーティング剤、「トスガード」(東芝シ
リコーン(株)製、商品名)を用いて同様の結果が得ら
れた。
【0025】次に、実施例1〜3と同じ条件で耐衝撃
性、剛性および透明性について試験を行ない、それぞれ
得た結果を表1,表2および表3に示す。更に、実施例
1〜3と同じ条件で耐摩耗性について試験を行ない、得
た結果を表4に示す。
【0026】実施例4 図3に示す下記のA層のメタクリル樹脂層3とB層のポ
リカーボネートフィルム2よりなる厚さ6mmの積層構造
物を作製し、耐衝撃性について試験を実施した。 ・材料 A層:メタクリル樹脂(三菱レイヨン製
アクリペットVH) B層:ポリカーボネートフィルム(0.2mm 厚)(三菱レ
イヨン製) ・積層方法 射出成形、インモールド成形 ・表面処理方法 実施例1と同じ ・耐衝撃試験 落球式衝撃試験。100 ×100mm の試験
片を 80 ×80mmの枠で全周を固定し、286.5 gの鋼球を
試験片中央に自由落下させて、試験片の割れ方の観察、
及び試験片1枚当りに発生したき裂の長さを測定した。
【0027】この結果、A層にはき裂が生じたがB層に
はき裂が生じず、A層とB層が密着しているために割れ
たA層の破片が飛散することがなかった。また、き裂長
さの測定結果を図5に示す。
【0028】比較例2 図4に示す厚さ6mmのメタクリル樹脂から成る単体3か
ら成る構造物について実施例4と同条件で試験を実施し
た。この結果、高さ 120cm以上から鋼球を落下させた場
合、破片が飛散した。また、き裂長さの測定結果を図5
に示す。なお、落下高さ 120cm 以上でき裂長さに大き
な変化が見られないのは、き裂が試験片のエッジに達し
たためである。表面処理方法については比較例1と同様
である。
【0029】実施例1〜3と同様に剛性、透明性を評価
し、耐衝撃性は、落球試験の他に実施例1〜3と同様の
ダインシュタット衝撃試験機でも評価した。得た結果は
表1〜3に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】実施例5 図6に示す厚さ6mmの積層構造物を用いて、耐衝撃性に
ついて試験を実施した。 ・材料 A層:グルタルイミドとメチルメタクリレー
トの共重合体(三菱レイヨン製PMIレジン) B層:ポリビニルブチラール。積層後の厚み0.4mm ・積層方法 射出成形によって得たPMI成形板
(A層)2枚の間に、厚さ0.8mm のポリビニルブチラー
ルフィルム(B層)を重ね、プレス成形機で150 ℃加熱
条件のもと、加圧によって積層した。 ・耐衝撃試験 落球式衝撃試験。 100×100mm の試験
片を80×80mmの枠で全周を固定し、286.5gの鋼球を試験
片中央に自由落下させて、試験片1枚当りに生じたき裂
の長さを測定した。 測定結果を図8に示す。A層にはき裂が生じたが、B層
にはき裂は生じず、A層とB層が密着しているために、
き裂の生じたA層の破片の飛散は見られなかった。
【0035】実施例6 図7に示す厚さ6mmの積層構造物を用いて、耐衝撃性に
ついて試験を実施した。 ・材料 A層:グルタルイミドとメチルメタクリレー
トの共重合体(三菱レイヨン製PMIレジン) B層:ポリウレタン系接着剤。0.3mm 厚(日本ポリウレ
タン工業製) ・積層方法 射出成形によって得たPMI成形板
(A層)2枚の間に、ポリエステルポリオール・ニッポ
ラン1004(日本ポリウレタン工業)とポリイソシア
ネート・コロネートHX(日本ポリウレタン工業)の重
量比8:2の混合液を注入し、80℃雰囲気中で混合液を
硬化させて積層した。 ・耐衝撃試験 落球式衝撃試験。 100×100mm の試験
片を80×80mmの枠で全周を固定し、286.5gの鋼球を試験
片中央に自由落下させて、試験片1枚当りに生じたき裂
の長さを測定した。 測定結果を図8に示す。A層にはき裂が生じたが、B層
にはき裂は生じず、A層とB層が密着しているために、
き裂の生じたA層の破片の飛散は見られなかった。
【0036】比較例3 厚さ6mmのグルタルイミドとメチルメタクリレートの共
重合体(三菱レイヨン製PMIレジン)について実施例
5と同条件で試験を実施した。測定結果を図8に示す。
高さ120cm 以上から鋼球を、落下させた場合には破片の
飛散が見られた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、グルタルイミドとメチ
ルメタクリレートの共重合体またはメタクリル樹脂から
なるA層と、耐衝撃性を有する透明性ポリマーからなる
B層で構成される積層構造物の表面にハードコート処理
を施し、表面硬化膜を設けたことによりA層の優れた特
性である透明性、剛性を損なうことなく、耐衝撃性を改
善するこことができた。またハードコード処理を施すに
あたって、表面硬化膜として無機膜を使用することによ
り、本発明の積層構造物表面の耐摩耗性が著しく改善出
来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は実施例1の積層構造物の断面図であり、
(b) は実施例2の積層構造物の断面図であり、(c) は実
施例3の積層構造物の断面図である。
【図2】比較例1の構造物の断面図である。
【図3】実施例4の積層構造物の断面図である。
【図4】比較例2の構造物の断面図である。
【図5】実施例4の積層構造物及び比較例2の構造物に
つき行った落球試験結果を示すグラフである。
【図6】実施例5で用いられた積層構造物の側断面図で
ある。
【図7】実施例6で用いられた積層構造物の側断面図で
ある。
【図8】実施例5,6及び比較例3で用いられた落球式
衝撃試験結果である。
【符号の説明】
1 グルタルイミドとメチルメタクリレートの共重合体
より成るA層(または単体) 2 ポリカーボネートより成るB層 3 メタクリル樹脂から成るA層(または単体) 4 ポリビニールブチラールから成るB層 5 ポリウレタン系接着剤から成るB層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣田 暢宏 神奈川県川崎市多摩区登戸3816 三菱レイ ヨン株式会社東京研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式 【化1】 (式中R1 ,R2 ,R3 は各々水素原子または炭素数1
    〜20の置換または非置換のアルキル基またはアリール基
    を表わす。) で示されるグルタルイミドとメチルメタク
    リレートの共重合体、或はメタクリル樹脂からなる層
    と、耐衝撃性を有する透明性ポリマーからなる層で構成
    される積層構造物の表面に直接またはプライマー層を介
    して表面硬化膜を備えて成り、上記耐衝撃性を有する透
    明性ポリマーがポリカーボネート、ポリアリレート、ポ
    リエステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポ
    リオレフィン、ポリアミドおよびシリコーンから成る群
    から選ばれたポリマーであることを特徴とする車両用グ
    レージング材。
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