JPH0671319A

JPH0671319A - 板圧延の平坦度制御方法

Info

Publication number: JPH0671319A
Application number: JP4225825A
Authority: JP
Inventors: Takayuki Ito; 高幸伊藤; Shunichi Nishida; 俊一西田
Original assignee: Kawasaki Steel Corp
Current assignee: JFE Steel Corp
Priority date: 1992-08-25
Filing date: 1992-08-25
Publication date: 1994-03-15

Abstract

(57)【要約】【目的】出側板クラウンを制御して、圧延後の圧延板
の出側平坦度を許容平坦度内に収める。【構成】入側実績値、目標板厚及び出側目標板クラウ
ンをもとに平坦度モデルにより出側予測計算を行って出
側平坦度を予測し、予測した平坦度が予め設定した許容
平坦度範囲内にあるか否かを判定し、許容平坦度外であ
る場合には、出側平坦度が許容平坦度内に収まる板クラ
ウンを求め、求めた板クラウンを出側目標板クラウンと
して変更し、この出側目標板クラウンをもとに再度予測
計算を行い、ベンディング力Ｆｗを修正する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、板圧延において、特に
形状制御アクチュエータにより圧延板の平坦度制御を行
う方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に板圧延においては、板クラウン比
率一定則等に基づいて決定されるパススケジュール計算
時の圧延荷重を実現できれば、形状の良好な板を製造す
ることができるとされているが、実際の操業面では必ず
しもこのパススケジュール計算時の圧延荷重を実現でき
るとは限らず、そのために発生した荷重誤差を例えば板
クラウンコントロール用のロールベンダー等のアクチュ
エータを用いて補正するようにしている。

【０００３】こうした板クラウン等の形状制御を伴う板
圧延方法として、例えば、特開昭５５−１０９５１０号
公報にあるように、予測圧延荷重と実圧延荷重の差によ
るクラウン比率の変化に応じてロールベンダー等のベン
ディング力を修正する方法や、特開昭６０−２１３３０
４号公報にあるように、自動板厚制御装置からの出力に
よる圧延荷重変動、板仕様諸元及び圧延条件に基づいて
板形状の変化量を算出し、板形状変化量を補正して圧延
材の平坦度が悪化するのを防止するためにロールベンダ
ー等のアクチュエータを用いる方法等が知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、板圧延においてクラウン比率変化が大きな圧延を行
った場合には、板の形状が乱れてしまうことが知られて
いるが、上記従来の板圧延の平坦度制御方法において
は、ロールベンダー等のアクチュエータを用いて形状制
御を行う場合に、クラウン比率変化の大小を考慮してい
ないため、クラウン比率変化が大きな圧延を行った場合
には、板の形状が乱れてしまい、出側平坦度が許容平坦
度内に収まらないという未解決の課題があった。

【０００５】そこで、この発明は、上記従来の未解決の
課題に着目してなされたものであり、圧延板の出側平坦
度を許容平坦度内に収め、良好な形状の板を確実に得る
ことのできる板圧延の平坦度制御方法を提供することを
目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係わる板圧延の平坦度制御方法において
は、形状制御アクチュエータを有する圧延機を使用して
形状を制御しながら板圧延を行う板圧延の形状制御方法
において、目標とするクラウン比率に基づいて前記形状
制御アクチュエータの初期条件設定を行い、その後平坦
度モデルによる演算を行って圧延機出側の平坦度を予測
し、次いで予測した平坦度が許容平坦度を超えているか
否かを判定し、許容平坦度を超えている場合に前記形状
制御アクチュエータの設定条件を平坦度が許容範囲内と
なる条件に修正することを特徴としている。

【０００７】

【作用】この発明においては、目標とするクラウン比率
に基づいて、形状制御アクチュエータの初期条件設定を
行った後、平坦度モデルから、例えば、出側伸び差率を
求め、この出側伸び差率に基づいて平坦度を求めて、該
平坦度が予め設定した許容平坦度内にあるか否かを判定
し、許容平坦度外である場合には、平坦度モデルに基づ
いて求めた平坦度が許容平坦度内に収まる出側板クラウ
ンを求め、これを出側目標板クラウンとして形状制御ア
クチュエータの条件を修正する。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。この実施例は、圧延機のワークロールベンディ
ングシステムに本発明を適用したものであり、図１にそ
のブロック図を示す。この圧延機Ａに送給される圧延材
は入側に配設された多数本のテーブルローラ２０から構
成される入側圧延材通板路Ｂ上を通板され、出側に配設
された多数本のテーブルローラ２１から構成される出側
圧延材通板路Ｃ上を通板して送出される。

【０００９】この圧延機Ａは上ワークロール１及び下ワ
ークロール２の上下にそれぞれ上バックアップロール３
及び下バックアップロール４を有し、上下ワークロール
１，２の圧延荷重は、上下バックアップロール３，４に
よって決定される。また、上下ワークロール１，２は、
上下ワークロール１，２のベンディング量の制御を行う
上ワークロールベンディング装置５及び下ワークロール
ベンディング装置６を有する。これら上下ワークロール
ベンディング装置５，６は、上ワークロール１を支持す
る上ワークロールチョック２３に取りつけられた上ワー
クロールベンダー用油圧シリンダ７及び下ワークロール
２を支持する下ワークロールチョック２４に取りつけら
れた下ワークロールベンダー用油圧シリンダ８への油圧
の供給量を制御することにより上下ワークロールチョッ
ク２３，２４の支持位置や傾斜角度を変更して、上下ワ
ークロール１，２のベンディング力を調整する。

【００１０】ここで、ワークロール１，２による実績圧
延荷重は上下バックアップロールチョック２５，２６に
設けられたロードセル等の荷重センサ９によって検出す
る。荷重センサ９により検出した実績圧延荷重は、集中
制御室等に設けられたプロセスコンピュータ１０及び制
御盤１１に出力される。プロセスコンピュータ１０で
は、圧延機Ａの入側に設けられたクラウンメータ１２及
び平坦度計１５から得られる板形状情報と、荷重センサ
９によって検出された実績圧延荷重情報とを入力し、こ
れら入側実績と予め定められた目標板厚Ｈ（ｓ）及び出
側目標板クラウンＣｒ（ｓ）とから出側予測計算を行っ
てベンディング力Ｆｗ等を算出し、これら算出値を達成
する制御信号を制御盤１１に出力する。

【００１１】制御盤１１では、これら制御信号を電磁バ
ルブ等の電気／油圧変換器１３，１４に出力し、上下ワ
ークロールベンディング装置５，６では、電気／油圧変
換器１３，１４を介して所定の油圧を受け、これによっ
て必要ベンディング力を発生し、上下ワークロール１，
２のベンディング調整を行う。次に、上記実施例の動作
を図２に示すプロセスコンピュータ１０の処理手順を示
すフローチャートに基づいて説明する。

【００１２】まず、ステップＳ１で、圧延機Ａに供給さ
れた圧延材の入側板クラウンＣｒ（ｉ）、入側板厚Ｈ
（ｉ）、耳伸びと腹伸びの伸び差率を示す入側伸び差率
ε（ｉ）の実績値を収集する。次いで、ステップＳ２に
移行し、予め設定された目標板厚Ｈ（ｓ）及び出側目標
板クラウンＣｒ（ｓ）とステップＳ１で収集した入側実
績値とから下記（１）式に示す板クラウンモデルに基づ
いて、出側目標板クラウンＣｒ（ｓ）を実現するベンデ
ィング力Ｆｗを算出する。

【００１３】出側目標板クラウンＣｒ（ｓ）＝ｆ（Ｃｒ（ｉ），Ｆｗ，・・・）（１）ただし、Ｃｒ（ｉ）：入側板クラウン、Ｆｗ：ベンデ
ィング力を表す。そして、（１）式に基づいて求めたベ
ンディング力Ｆｗに基づいて、圧延機Ａを初期設定した
後、下記（２）式に示す平坦度モデルから出側伸び差率
ε（ｏ）を求め、この出側伸び差率ε（ｏ）をもとに出
側平坦度を予測する。

【００１４】出側伸び差率ε（ｏ）＝ｆ（Ｃｒ（ｉ），Ｃｒ（ｏ），Ｈ（ｉ），Ｈ（ｏ），ε（ｉ）・・・）（２）ただし、Ｃｒ（ｉ）：入側板クラウン、Ｃｒ（ｏ）：出
側板クラウン、Ｈ（ｉ）：入側板厚、Ｈ（ｏ）：出側板
厚、ε（ｉ）：入側伸び差率を表す。そして、ステップ
Ｓ３では、予測した出側平坦度が予め設定した許容平坦
度内にあるか否かを判定し、許容平坦度内であるなら
ば、ステップＳ６に移行し、許容平坦度外であるなら
ば、ステップＳ４に移行する。

【００１５】ステップＳ４では、出側平坦度が許容平坦
度内に収まるような出側伸び差率ε（ｏ）を求め、求め
た出側伸び差率ε（ｏ）を実現可能な出側板クラウンＣ
ｒ（ｏ）を上記（２）式より求め、これを出側目標板ク
ラウンＣｒ（ｓ）として変更する。次いで、ステップＳ
５では、ステップＳ４で設定した出側目標板クラウンＣ
ｒ（ｓ）をもとに出側再予測計算を行って、前記（１）
式によって表される板クラウンモデルから出側目標板ク
ラウンＣｒ（ｓ）を実現するベンディング力Ｆｗを算出
する。

【００１６】次いで、ステップＳ６では、算出したベン
ディング力Ｆｗを達成する制御信号を制御盤１１に出力
し、これによって、上下ワークロール１，２のベンディ
ングが制御される。なお、クラウン設定に関する計算
は、目標板厚Ｈ（ｓ）の決定、圧延荷重の予測計算の後
に実施され、クラウン設定計算においては、予め設定さ
れた目標板厚Ｈ（ｓ）、圧延荷重を使用し、セットアッ
プ時のワークロールのプロフィールはヒートクラウンモ
デル、摩擦クラウンモデルなどにより、計算される。

【００１７】したがって、上記実施例によれば、設定さ
れた出側目標板クラウンＣｒ（ｓ）をもとに、前記
（２）式に示す平坦度モデルに基づいて出側伸び率差ε
（ｏ）を算出し、この出側伸び率差ε（ｏ）と板形状情
報とから求められる平坦度が許容平坦度外である場合に
は、出側平坦度が許容平坦度内に収まるような出側伸び
率差ε（ｏ）を求め、この出側伸び率差ε（ｏ）を実現
する出側板クラウンＣｒ（ｏ）すなわち、出側目標板ク
ラウンＣｒ（ｓ）を再設定し、この出側目標板クラウン
Ｃｒ（ｓ）にもとづき、ベンディング力Ｆｗを再設定す
るので、圧延された板の平坦度が許容平坦度を超えるこ
となく、良好な形状の圧延板を得ることができる。

【００１８】よって、形状制御アクチュエータの初期条
件設定が適切でない場合や、圧延が予定通りに行われな
い場合でも、入側の実績値をもとに出側目標板クラウン
の変更を行っているため、圧延誤差等を考慮して、確実
に出側平坦度を許容平坦度内に収めることができる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の板圧延の
平坦度制御方法によれば、目標とするクラウン比率に基
づいて形状制御アクチュエータの初期条件設定を行い、
次いで平坦度モデルから圧延機出側の平坦度を予測して
予測した平坦度が許容平坦度内であるか否かを判定し、
許容平坦度を超えている場合に予め設定した形状アクチ
ュエータの初期条件設定を平坦度が許容範囲内となる条
件に修正することにより、出側平坦度を確実に許容平坦
度内に収めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用したワークロールベンディングシ
ステムを有する圧延機の一例を示す概略構成図である。

【図２】図１の圧延機に接続されたブロセスコンピュー
タで実施されるプログラムを示すフローチャートであ
る。

【符号の説明】

１上ワークロール２下ワークロール５上ワークロールベンディング装置６下ワークロールベンディング装置１０プロセスコンピュータ１２クラウンメータ１３，１４電気／油圧変換器１５平坦度計Ｃｒ（ｉ）入側板クラウンＣｒ（ｏ）出側板クラウンＣｒ（ｓ）出側目標板クラウンＦｗベンディング力Ｈ（ｉ）入側板厚Ｈ（ｏ）出側板厚Ｈ（ｓ）目標板厚 ε（ｉ）入側伸び差率 ε（ｏ）出側伸び差率

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】形状制御アクチュエータを有する圧延機
を使用して形状を制御しながら板圧延を行う板圧延の形
状制御方法において、目標とするクラウン比率に基づい
て前記形状制御アクチュエータの初期条件設定を行い、
その後平坦度モデルによる演算を行って圧延機出側の平
坦度を予測し、次いで予測した平坦度が許容平坦度を超
えているか否かを判定し、許容平坦度を超えている場合
に前記形状制御アクチュエータの設定条件を平坦度が許
容範囲内となる条件に修正することを特徴とする板圧延
の形状制御方法。